【いくら】♀アルケミたんに萌えるスレ【ひまわり】
[566:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/03/28(月) 03:30 ID:FzrF2hTM)]
わかってた、こうなってしまうことなんかわかってた
一瞬の判断の誤り?たかがそんなものかもしれない
けれど「もうダメだ」そう頭の中に浮かぶと同時に
ソレに気づいたとき、どれだけその誤りを恨んだことか
あぁ、またフェイヨンから歩いてこないと・・・
今度はもっと一目散に走りぬけてやる。うん、そうしよう
・・・せっかく・・・砂漠まで来れたのになぁ
もう少しだったのになぁ・・・
どう挑んだってスネークにすら勝てない自分が
この黒蛇に殺されるのはわかりきったことだった
もうどうでもいいや、そう思ったとき
「バーッシュ!!」
なにかが自分の脇を擦り抜けて後方の黒蛇へ一撃を叩きむ
あまりに突然のことでよくわからなかったが
それは・・・そう、風だと思った
ふわり、とマントが舞う
それがまるで翼みたいだな、とボクは彼女の後ろ姿をボーと見ていた
蛇は目の前に突如現れた敵に目標を転換する
そして彼女が何度か剣を振るい
ダメ押しに「バッシュ!」と叫ぶと同時に蛇は力を失い
倒れて消えていった
ボクは終始なにもできずにそれを見ていた
助かった、という安堵の思いと共に
「なにもできなかった」そんな思いが込み上げてきた
無力感である
「やー、さすがに黒蛇はまだちょとキツかったかなぁ
あはは、ダイジョブだった?」
そう言いながら振りかえる彼女は思いのほかボロボロで
「ご・・・ごめんなさい!!」
ボクはただ謝ることしかできなかった
「その・・・そんな怪我までして・・・弱いのにこんなところまで来て、アナタに迷惑かけて・・・ごめんなさい・・・」
そんなボクを彼女はきょとん、とした顔で見つめ
そしてボロボロの顔をにぱっ、と笑わせ
「はいこれ」
「え・・・」
ミルク100個
ボクは渡されたそれをよくわからないといった目で見る
と、彼女はボクの頭にハットをかぶせ
その上からやさしく撫でて
「がんばれ」
満面の笑みでそう言ってくれた
それだけだった
彼女は去っていき
ボクはその姿が見えなくなるまで背中を見つめていた
ピンと張ったネコミミが砂漠の乾いた風に揺れる
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