【いくら】♀アルケミたんに萌えるスレ【ひまわり】
[815:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2007/01/04(木) 11:58:13 ID:YEXjrL/U)]
僕が物心ついたころには、既にその人は傍に居た。
産まれたのがいつだったのか、そんな事覚えているわけがない。
でも、気が付くとその人はいつでも近くにいてくれた。
長い栗色の髪の毛を後ろでひとつに束ねて、
先がギザギザになるまで使い込んだマントの上から垂らしている。
いつも腰に薬やらなんやらの瓶をくくりつけていて、時々僕にもぶっかけることがある。
液体をぶつけられるのはとても不快なんだけれど、怪我が治る液体みたいで、これは仕方が無いのかと思う。
他の人に比べると随分細っこい身体をしているのに、でっかい斧という武器を精一杯振り回している。
見るからに必死で危なっかしいけれど、戦闘が終わると、疲れているはずなのに眩しい笑顔をこちらに向けてくれる。
一度、その人が居眠りをして、僕のご飯を忘れちゃった事がある。
とてもとてもお腹が減って僕は泣いてしまった。
泣き声に気付いてその人は目を覚まし、慌ててご飯をくれた。
泣いていたのは僕の方なのに、その人も「ごめんね、ごめんね」って一緒に泣いてしまった。
僕も申し訳なくって、お腹はいっぱいなのにまたちょっと泣いてしまった。
いっぱい戦いもした。
最初は僕も力が足りなくて、ピンク色の小さい生き物(ポリンというらしい)にも苦戦してしまった。
今でこそ黒い魔女や馬のお化けとも戦えるけれど、その人がいなければここまで強くはなれなかったと思う。
一緒に戦って、一緒に傷だらけになって、その人は良く笑っていた。
彼女は良く笑うだけじゃなくて、良く笑ったり、怒ったりすることもあった。
僕はそれほど感情を表に出すのは得意じゃないけど、彼女の気持ちはとても分かりやすい。
『りんじこうへい』というのを探して座っている時に、見るからに目つきの悪いプリーストさんに何か言われていた。
その時は、悲しそうな顔をして、ごめんなさい、ごめんなさいと返事をしていただけだったけれど、
その場を離れて僕と二人きりになると、声を殺してぎゅうっと僕を抱きしめて震えていた。泣いていた。
離れ島ででっかいトンボやへんてこなウサギを相手にしているときは、しきりに怒っていた。
「ひとのハーブを奪って走っていくなー!」とか「遠くからPOTなげるなー!」とか。
顔を真っ赤にしながら、でっかい武器に振り回されながら亀を叩いていた。
僕も頑張って叩いたけど、叩くそばから回復するし、硬いし、僕は亀が大嫌いだ。
同じまるっこい形をしているけど、ガレットは大好きだ。
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