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【アブラ】セージ萌えスレ【カタブラ】

113 名前:1 投稿日:2005/06/09(木) 11:32:41 ID:yOy5pEbM
「うーあー遅くなった〜・・・」
「このままじゃ2号ちゃんに殺されちゃうよ〜!」

空も暗くなりかけた一つの頃。ところどころに木が生い茂り一層その暗さを際立てる。
そこそこには一見液体であるような体を持つ、赤、黄色、緑、青、様々な色のポリン族が楽しそうに跳ね

ている。
そう、ここは通称迷いの森。ふと迷い込んだ初心者を飲み込むこともあるという森。


その暗闇の中を飛び跳ねるように、一つの色が動いていた。
走り、跳び、その容姿からは想像し難い動きを見せる。

「あーでもほんとよかったな〜。長く粘ったおかげでこんなに安く買えたし!」
「きゃーほんと嬉しい〜♪ これなら皆喜んでくれるよね!!」

ぶつぶつと独り言を言いながら進んでいく色。
動きからも喜びが見て取れる。


と、ふとその色が止まった。

「・・・うーん」

森の中、周りに何かがいるようには見えない。

「まさかはちあうなんてなぁ・・・」
「うーんうーん」

何もないところで唸る色。
依然まわりは静かだ。

「あのさっ君ー!行かせてくれない・・・かなっ!」

と、色の周りに火が灯る。そして灯った火がゆっくりと周りを照らし始める。
サイト―隠れたものを見つけるための魔法。

114 名前:2 投稿日:2005/06/09(木) 11:33:11 ID:yOy5pEbM
「ウ………ウ……ウォォ……ォォォォォ…」

低い腹を揺らすような声が聞こえた。いや、それは声だったかどうか。

「ォォォォォォ……!!」

サイトの火が一部を照らす。そして一つの影を浮かび上がらせる。
そこには半透明の死んだ目をしたポリン―いや、ポリンと呼ぶには程遠いかもしれない。
迷いの森で潰され、破壊されたポリン族の念を吸って生きる禍々しい生き物―ゴーストリングがそこにい

た。

「ォォォォォオオオオオン…!!!」

姿を見せたその時、先ほどよりも更に低い、腹をかき回すかのような『音』を立てて影が咆える。
刹那、影の周りに浮かび上がる白い球体、1つ、2つ、3つ、・・・5つ。

「うわあぁぁ・・・なんか怒っちゃってるよぉ・・・どうしよう・・・」

色が呟く。

「ねえ君・・・ここに立ち入ったのは私が悪かったから・・・ね!逃がしてくれないかな!?」

到底言葉がわかるとは思えない『影』に向かって『色』は言う。

「ほらほら!もう尻尾巻いて逃げるから!ね!・・・それじゃ!」

背を向けて後ろに半歩すり出した瞬間・・・白の球体が影の周りを離れる。
ゆっくり・・・円を描くように・・・期をかけたかのように離れ・・・
目標を見つけたソレはフォンという耳障りな風切音を立て鋭く色に伸びていく。

「とっ」

半歩から一歩、脚をすり出したところから、色が消える。いや、横に飛んだ。
刹那まで色がいたところに白いソレが風切音を残したまま5つ、ぶつかってゆく。
地面が爆ぜ、土が飛び、砂が舞い上がる。そして、地面に大きく空いた5つの穴。

「ひぇー・・・こんな強力なソウルストライク・・・見たことないよ・・・」

ソウルストライク―自らの気念を白の塊とし、相手にぶつけ内側から攻撃する魔法。
その気念の強さによって1つから5つと飛ぶ塊は様々。
だが一様に性質は内からの攻撃であり、これほど外―地に対して抉り破壊するほどの威力は
今までのマジシャン・ウィザード・セージの歴史で数えるほどしかない。

115 名前:3 投稿日:2005/06/09(木) 11:33:39 ID:yOy5pEbM
「あんなの食らったら・・・うーぶるぶる」
「やー・・・君凄いねえ」

樹に隠れたままの色が言う。
樹を挟んで逃げたはずなのに、目の前にいる影に向かって。

「テレポート・・・か。なんか〜逃がしてくれそうにもないね!」

手に持った大荷物を地面に置きながら、どこか間の抜けた声で色は言う。
そしてそのまま・・・静かに対峙する色と影。


「ォォォ……ォォオオオオオ…!!」

先に動いたのは影。再度、体の周りに白の塊を生み出し、ゆっくりとそれを体から話す。

「死んでも・・・怨まないでね」

言ってから、その声は現世の言葉とは違う音を発して行く。
呪文詠唱―自らの気を言葉とし、練り上げ、形ある魔法へと昇華して行く動作。
その音は澄んでいて、奏でるように口を噤み流れゆく。

影の周りに発せられた白の塊が詠唱中の色目掛けて伸びる。
マジシャン・ウィザードなら食らってしまうタイミング。
だが、色は体を捻り、跳ねさせ、その塊全てをかわしていく。
そう、フリーキャスト―長年の研究により、本来ならば動けないはずの詠唱中に、
脳を詠唱に、気を体を掌る神経にまわすことにより体を強制的に動かす、セージたる魔法。

パンッ!

両掌を強く叩き合わせ、紡ぎ錬った気を具現化させる。
白の塊全てをかわした色の周りに、赤い炎が1つ2つと生まれ・・・その数は徐々に増えていく。

「ファイヤー・・・ボルト !!」

生まれた炎は、力強き言葉と共に矢となり敵へと向かって行く。その数10。

「ウオオ…ォォォォォ!」

1つ、2つ、3つ、矢が当たったところで、『音』を残し影がふと掻き消える。
残った矢は虚しく空間を焼き消えていく。

間髪入れず色は短い詠唱をはじめ、

「ファイヤー・・・ウォール !!」

再びの呼称と共に今度は手の平を自分の後ろの地面に叩きつける。
後方に現れた影が音を立てず押しつぶそうと色に迫る。その眼前に、3つの火柱が立ち上がる。
勢い止まらずその火柱に影が突っ込み、火はうねる様に影に絡んでいく。
そしてそこに飛んでくる色の発せられる音。

「オォォォォォォン!!」
「ファイヤーボルトォ !!」

火の向こう、『音』を発しながらそこにいるはずの影に向かって、再び10本の炎の矢が飛ぶ。
その矢は火の壁を通過し、その向こうでボスボスッという音が10個聞こえる。

116 名前:4 投稿日:2005/06/09(木) 11:34:15 ID:yOy5pEbM
(音が・・・おかしい)

倒したわけではない。依然火の向こうに気配は残っている。しかもその気配は1つではなく―
火が晴れたその先に見えたのは、所々が焦げ開いている白い布が3つ。
ファイヤーボルトをその身で受け弱ってはいるものの、巨大な大きさに膨れたウィスパーがそこにいた。

「!」

瞬間、色がステップを踏みその場から後ろへ下がる。
巨大なウィスパーがそれを捕まえようと列となり追ってくる。
数度後ろに跳んだ色は、砂煙を立て滑りながらごく短い詠唱を発し、

「ナッパームピート !!」

原理はソウルストライクと同じ、相手に気念を叩きつけ内部から破壊する魔法。
ソウルストライクと違うのは、その速度と、そして―
放たれた力は見えぬほどの速度で、追ってきた最前のウィスパーに当たる。
その瞬間スパァン!と小気味良い音を立てウィスパーが弾け霧散し、
開放された気念はその直後のウィスパーへと向かい霧散させる。
並び迫っていたウィスパー3体を散らせ気は消えた。
―その放射性がナパームビートの利点。
そして実態を持たない念で生きるウィスパー等には、内部から破壊する気念での攻撃は効果的な威力を発

揮する。
飛散する故威力は弱まるが、ファイヤーボルトで弱っていたウィスパーを片付けるには十分であった。

「くっ!」

並び迫りくるウィスパーを霧散させた直後、色の見たものは眼前に迫る5つの白い球体。
魔法射出後の体の硬直を無理矢理動かし、寸前で5つを交わす。
直撃こそ避けられたものの、背後地面に落ち炸裂する爆風に押され、前に踏鞴を踏む形になってしまう。
体勢を崩したところを、待ってましたとばかりに迫りくる影。
体を捻り直撃こそ避けたが…右手が喰われる。

「くぁっ!あああああああ!!」

瞬間色の頭に流れ込んでくる怨念邪念の数々。気を許せばそれだけで頭がショートしてしまう程の。
だが色は頭で考えることをせず、気のみで神経を動かし腕を引き抜く。

「はぁぁ・・・!危なかったぁ・・・」

トトンと後ろに数歩下がりながら相も変わらず気の抜けた声で色が言う。
フリーキャストの要領で考えるより先に動かせたことは、普段からの鍛錬の賜物か。
しかし、これこそが念モンスターに触れないとされる所以。
不用意に触ったものは、送られてくる念により頭から破壊されて、廃人になるか、死ぬか。
それを防ぐためには、炎・氷などの属性が込められた武器により、物理的に叩くしかない。

117 名前:5 投稿日:2005/06/09(木) 11:34:51 ID:yOy5pEbM
「君・・・本当に強いねえ」
「遠距離戦だと負けちゃうねこれは」
「うーん、ちょっと本気出さないといけないかなっ!」

言いつつゆっくりと両手を前に出し、掌を合わせるようにして短い詠唱を唱え―

「フロストウェポン !!」

両手に青い色の気が固まる。武器に氷の属性を付与する魔法。
周りの空気が両の手に触れるたびに、水分が氷となりキラキラと輝く。

更に自分の後ろに垂れている紐を手繰り寄せ、先についている輪っかを両手に持つ。
その輪の中に手を通し同じように短い詠唱を唱え―

「オート・・・スペル !! ファイヤーボルトッ !!」

呼称と共に輪と輪と軽く叩き合わせると、キィンと澄んだ音と共に輪が赤く光り熱を帯びる。

「さあ準備万端!行くよっ!!」

全てが終わるのを待っていたのかいないのか、動かなかった影に向かってそう宣言する。
刹那、色の姿が掻き消える。それを見てか、影が音を発し、再び回りに巨大なウィスパーが出てき―

「はあああぁぁ!!!」

ウィスパーの前に現れた色が、両の手に青い気をまとわせたまま殴る。
モンクも真っ青の体術、冷気を纏った打撃によりウィスパーに直接的にダメージを与えていく。
しかしダメージを与えているのはそれだけではない。
腕を振り上げた瞬間に熱を帯びた輪の中心から炎の矢が生まれ、殴ると同時に降り注ぐ。
これぞセージの真骨頂オートスペル。打撃と魔法を対にした究極の攻撃。
腕を振るごとに現れる氷の粒と炎、色自身の動きからまるでダンスを踊っているかの様にも見える。

「ガ…ァ…!」

音にならない音を発して、生まれたウィスパー全てがあっという間に霧と化す。
その隙に影が突如消える。敵わないと本能的に察したのか。

「逃がさないよっ!」
「サイト !!」

再度身の周りを照らす火を灯す。そしてそのまま影がいた方向に文字通り跳ねる色。
そのまま口から音を奏で―

「オートスペルッ!! ソウルストライクッ!!」

駆けながら詠唱を終わらせる。輪同士を叩き合わせると、今度は白く光りだす輪っか。
そしていつの間にか手に取り出していたナイフに、両手に纏った冷気を移していく。
更に口からの音を止めず色は前方に跳ぶ。
サイトの火が数歩先を照らす。そこに潜んだ影を浮き上がらせるように。
一瞬で色が数歩の距離を詰める。逃げるのを諦めたか、体を反転させ体当たりを試みる影。
影に飲み込まれる色。・・・がそれはフェイント。実体は横にあり。
そのままナイフを影の横側に深々と突き刺す。

「オオオオオオオオオオオオオォォォ!!」

森を揺るがすかのような音が影から発せされる。
体がびりびりと震える。だがこれ程で色は止まらない。
そのままナイフに脚をかけ、蹴って中空に翻り後方に廻る。
体を捻る色の周りに1つ2つ3つ・・・5つの球が浮かび上がる。
更に両側に広げた手の先の輪から白き球が1つ2つ・・・浮き上がり、

「ソウル・・・ストライィィク !!」

力強き呼称と共に、合計8つの白き球が影に突き刺さったナイフに伸びた―――

118 名前:6 投稿日:2005/06/09(木) 11:39:09 ID:yOy5pEbM
「お、そ、いー」
「い、いやぁ・・・ごめんね!2号ちゃん!ちょっと色々忙しくて!!あは、あはは!!」

「ふう・・・これだから私は先輩に頼むのはだめだって言ったんです・・・」
「そうですねえー」
「むっ!失礼な!きちんと買い物はしてきたって・・・!!」

手元の汚れまくった袋を見る3人

「その手に持ったどろどろの袋のことですかー?」
「先輩には本当に呆れましたわ・・・」
「い、いや!これは!だ、大丈夫っ!中身は大丈夫だから!!」

ずるずると袋の中から巨大な物を取り出す1号

「ほらっ!!見てっ!!じゃーん!!ロッカーの丸焼きいぃぃ!!」
「・・・・・」
「・・・・・」

「あ、あれ・・・?」
「・・・・・」
「・・・・・」

「・・・・・」
「・・・・・」
「ふぅ・・・」

「おしおき・・・ですねえー・・・」
「ひ、ひいい!!許して2号ちゃ・・・!!」

怪しく眼を光らせる2号とおびえる1号

「まったくこれだから先輩は私はいつもいつも言っていますよね?セージとはどうあるべきか
 先輩は何度言ってもわかってくれないそれでも本当にあなたは私の先輩なのですかそもそも・・・
「だあめえですー先輩覚悟してくださいー」
「アブラカダブラ。アブラカダブラ。アブラカダブラ。アブラカダブラ。」
「ちょっ!!まっ・・!!ごめん!!ごめんってばああ!!
 ていうかどこかで見たことあるような展開にいいいいいいいいい!!」

「SAGEと言えばセージセージと言えばSAGEと言われるほどに発展した文化により
 私たちの生活は大きく変わりまさに今こそセージたるもの立ち上がらなければならず・・・
「うふふーせんぱいぃー」
「アブラカダブラ。アブラカダ・・・先輩・・・SPください・・・」
「いいいいいいいいいいやあああああああああああああああああ!!!!!」

こうしてセージ保守隊の夜はふけていく

119 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/06/09(木) 11:43:46 ID:yOy5pEbM
長くてごめんなさい!
脳内理論爆発でごめんなさい!
保守隊なのに1年近く保守しなくてごめんなさい!
途中から文の書き方変わってて読みづらくてごめんなさい!

「おしお・・・」

おしおきされてきます!!
お仕置き部屋| λ===3

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