ときめきラグナロク Episode4.0
[78:2/2(2004/05/03(月) 02:52 ID:4NZpFvjo)]
そして後編!先輩の語りが長ぇっ!
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なんてタイミングで告ってんだよ!!
わけわかんねぇぞ、この先輩!!
騎士「オレは騎士でお前はアサシン。共に前線に立つ職だ」
アサ「えぇ、そうね」
アサ先輩も口調は変わらないけど目が点になってるよ…。
騎士「オレは誰かを…漠然としてるけど、とにかく大切な人を守りたくて騎士になった」
剣を掲げたまま、先輩は静かに続ける。
騎士「目指してた騎士に転職して、我武者羅に訓練を積んできた。
お前の存在を知って、お前にだけは負けるもんかって必死になってた。
互いにライバルとして、負けたくない相手として切磋琢磨して…。
そのおかげで…自分で言うのもなんだけど、それなりの腕は持ってるつもりだ。
でも逆に、オレが目指してた『大切な人を守れる騎士』になれるかはわからない。
…いや、その理想像に疑念すら抱くようになってきた。
『誰かを守る』なんてのは、単なる独り善がりの偽善、自己満足に過ぎないんじゃないかってな。
もちろん、それが悪いとは思わないし否定する気も無い。
ただそれだけしか見えてなかった…見ようともしてなかったオレ自身を恥じた。
あの戦闘実習の時にさ、答えが出た。
『誰かを守るための盾』じゃなく、『誰かの為に戦う剣(つるぎ)』になりたい思った。
そして……オレの背中を預けたい、オレが背中を預かりたい。
背中を、命を預けあえる存在になれるかどうか確かめたい。
そのために決闘を申し込んだ。
もし、オレの気持ちを受け止めてもらえるなら、この決闘を受けて欲しい」
そして、沈黙があたりを支配する。
遠くから聞こえる不協和音ですら、別世界のものに思えるほどに。
口を開いたのはアサ先輩だった。
アサ「…まったく、おかしな話ね」
キィィン――……
自分も愛用の短剣を抜き、騎士先輩の剣と交差させるように軽くぶつける。
俺が今まで聞いたことのあるどの楽器よりも、綺麗で、澄んだ音だった。
アサ「前から私によく似てるタイプの人だと思ってたけど…まさか考えてることまで一緒なんてね」
そう言うアサ先輩の顔には微かな笑みが浮かんでいる。
アサ「返事は…言うまでも無いわよね。じゃ、先に戻ってるわ」
あっさりと言い放ち、軽やかにみんなのところへ戻っていくアサ先輩。
もしもこの場面が絵になったとしたら、『るんるん♪』と書き加えたい。
騎士先輩はその後数分、微動だにせず、目を閉じていた。
騎士「剣(つるぎ)では、プリーストのように直接人を助けることはできない」
ふと、先輩が突然口を開いた。
騎士「剣を振るうことで人を守ることはできるが、どれだけの人を守れたかという指標すら見えない。
一人の剣で守れる人数なんてたかが知れてる。しかし、だから剣を持つ者は一人じゃない。
守るための盾となるか、戦うための剣となるか……。
それを決めるのはお前自身だ、主人公」
バ、バレてらぁ…。
主人公「え、えーと…すみません、盗み聞きして…」
騎士「気にするな。お前には証人になってもらうからな」
主人公「うゎっ、責任重大…」
騎士「とりあえずこのことは他言無用だ」
主人公「は、はい」
騎士「お前は昔のオレに良く似てる。オレが言ったこと、忘れるな」
そう言い残し、マントを靡かせて去っていく先輩。
騎士「道はひとつじゃない。切り開くのもまた道。ま、後悔の無いようにな」
そう言う先輩の背中は、すごくカッコよかった。
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