【自己犠牲】クルセ娘を愛でる会 その2【神々の守護】
[597:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/04/20(木) 17:23:32 ID:iteWGfk2)]
「ろぼー 無敵ろぼー 無敵合体ろぼー 無敵合体変形ろぼー(繰り返し)」
反省室(別名・独房)に閉じ込められ、精気を失い、まるで独り言のように無敵合体変形ロボのテーマ(サビのみ)を繰り返す六子。
何故か体育座りだ。
突然の事で何が起こったのか理解できないまま、少年は青ざめた表情でケイナ=バレンタインに投げかけた。
「うわぁ……;六子さん、相当落ち込んでますよ。ところでケイナ様、六子さんが一体何をしたというのです?いきなり反省室送りだなんて」
「まったくあのポンコツの出来損ないときたら、先日露天商のアイテムをお金も払わず勝手に持っていってしまったのですって。それで、聖堂騎士団あてに請求書が届いたという訳。あの子はお金というものに無頓着なせいで、ほとんど貯金もしていないらしいし」
「つまり六子さんは未払いのまま持ち逃げしたと……ん?そういえばあの時……」(前回のオチを参照)
「どうかしたの?思い当る事でもあるのかしら」
「まぁ、何というか、六子さんですしね。思い当らない方がおかしいですよ」
「そこが悩みの種なのだ!キミはあの子の一番の理解者でしょう?何とかしてあげられないのかしら」
「何とかと言われましても、僕にも出来る事と出来ない事がありますよ。出来る事といえば、そうですね、その未払いのアイテムを清算してあげる事くらいですけど」
「お前に支払えるか?かなりの金額だぞ」
「ごくり。い、一体いくらなんですか、その請求額って」
ケイナは頭を振りながら、これなんだが、と一枚の紙を取り出す。
十字架のヘアバンド 一個 500,000z
アンテナ 一個 1,500,000z
計 二個 2,000,000z
デューク皿うどん・店主
「……」
「どうだ」
「……」
あまりの光景に、二人はその場で立ち尽くすしかなかった。結局、六子はシスターとマスタークルセイダーと神父とケイナの説教たらい回しの処分の後になんとか開放されたのだった。
異例の軽処分に六子は頭を捻っていたが、いつもの場所に少年を見つけると、ただ黙ってその横に座り込んだ。
「シャバの空気はおいしいですか、六子さん」
いつもよりも言葉にトゲがあるのは、気のせいではないだろう。思わず言葉に詰まってしまう。
「六子さんは、いつも支給品だけを頼りに生きてきたんですよね。それは僕も知ってました。だから、外界の事は何も知らなかった、露店で並んでいるものも、ただ並んでいるだけだと思っていた。お金を払うものだとは、思っていなかった」
「す、すまん……」
「いいんですよ、六子さんは確かに生まれた時から大聖堂と修道院の中で暮らしていましたし、僕も同じように施設で育てられているんですから。言いたい事は理解できます」
少年の表情から笑みは消え、ぐっとこらえるような目付きで六子の瞳を静かに見つめる。
「外に出るのはおつかいの時と、不浄なる者を討伐しにいく時、及びその調査の時だけ。僕と六子さんは、全く同じ環境で育てられています。だから六子さんはクルセイダーになり、僕はアコライトになった」
「それが私の使命だからだ」
「わかってます、だけど、六子さんはもっと色んな世界を見たほうがいい。閉じられた世界の中にしか生きていない六子さんに、世界はこんなにも広いんだって事を教えてあげたい。それには、共に歩む人が必要なんです、それが、僕です」
ゆっくりと立ち上がり、付いた草をほろいながら続ける。
「一度は諦めたプリーストへの道。あなたの為に、もう一度僕は踏み出すことに決めました」
「エターナルアコライトの称号を捨てるつもりか?」
「自分だけの世界なら、それでも良かったでしょう。けど、これからは違う。二人で歩んでいくのなら、僕はエタアコを捨ててもプリーストの道を選ぶ事が出来る。あなたが、生まれ変わっても、傍にいられるように」
「お前……」
「取り敢えず、もっと世間の常識というものをお勉強しましょう。あと、ついでに結婚資金も集めなおさなきゃならないんですからね」
「ま、まさかケイナ様が言っていたホシャクキンとかなんとかというのは……」
「さぁ、どうなんでしょうね?よし、そうと決まればさっそく転職試験の相談に聖堂に戻らないと!」
綺麗な空気をおもいきり吸い込んで、春の陽気に本来明るさを取り戻せるような気がする。ぐぐっ、と背伸びをひとつ。
未だ要領を得ていない六子は、元気よく大聖堂に戻っていく彼の背中をしずかに見送ることしかできないでいた。
ずっと決まらなかった六子のツッコミ役のジョブが決まりました
>>574(571)の話と、>>592の話などなどからエタアコ→プリという事にしました。今しました。書きながら決めました
しかも地味に前回の続きネタでした。短く抑える為、色々カットしたらちょっと会話の流れがおかしい事にorz
そんな訳で、クルセ娘とプリの冒険はまだまだ続く!(一日一ネタ投下は無謀だったかと反省しつつ)
>>595
むしろマニピだけで充分な気がしてきたーよ!あ、キリエもいいね!やっぱ支援はいら…ごぶっ(吐血)
read.cgi ver4.20 by GlobalNoteScript (2006/03/17)