【自己犠牲】クルセ娘を愛でる会 その2【神々の守護】
[614:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/04/24(月) 16:06:54 ID:odzryM1E)]
「おや、六子さん。それは古く青い箱、略して青箱じゃないですか。どうしたんですか、今日は珍しくレアなものを出してきましたね」
「うむ。とはいえ、この箱は一体何なのだ?汚れてボロボロの箱のように見えるのだが」
「えっ?六子さん、青箱を知らないんですか?これは、箱の中身になにかが入っているんですよ。色々なアイテムがでてくるんです」
「ふむふむ。別にいらないな、捨ててしまおう」
「それを捨てるなんてもったいない!じゃなくて、それ、レアアイテムなんですし、露店でだすと高く売れるし、開けたら更に高価なアイテムも出るかも知れないんですよ」
「ふむふむ。やはり必要がない、いるか?必要なら、くれてやる」
「おーっとぉ!それはちょいとお待ちあそばーせぇー!」
六子は青箱の価値などに全く興味を持っていない。不必要なものは、捨ててきた。
六子が基本的に金銭に疎いのは今にはじまった事ではないが、どうしてある程度のレベルであるはずの六子がジリ貧なのか少年はようやく理解した。
アイテムは売らずに、捨ててきていたのだ。そういう基本的な事も六子には理解できていなかった。
そんな六子の価値観を前に、どうしても一言言いたい!叫びたい!と金切り声で突っ込んできたのは、魅惑の腰つきで迫ってくる背の高いグラマラスなダンサーだった。
「見たところ、いや、どこからどう見てもそれは青箱。青箱といえば、私たち!」
「われーらー、ピーぃビーぃさーんまーん(PB30000)♪箱という箱はわれらーのもーのーさー♪」
バックで微妙な歌詞に微妙な節を付けて歌っているのはバードだ。
「何だなんだ、お前達は」
「お姉さま、その箱。わったしたちが、責任を持って、お預かりいたしますわ!」
「箱をあつめーて、にしひがーし♪今日も明日も箱あつめー♪」
「箱集め?というか、この雷鳥さんたちはすごいコンビネーションですね。圧倒的と言わざるを得ないでしょう」
「お前の知り合いか?」
「知りませんよ?六子さんの知り合いじゃないんですか?」
「……」
「……」
妙なオーラを醸し出しているが、どうやらこのダンサーバード二人組。略して雷鳥は双子の雷鳥コンビらしい。
コンビ名は「PB30000(ピービーさんまん)」。プレゼントボックスから青箱、紫箱、カード帖にいたるまで、アイテムが出てくる箱関係を収集しつづけているらしい。
「私たちの目標は」
「そ〜こにプレ箱をさんまんこー♪あつめることなのーさー♪」
「随分激しい目標をお持ちなんですね、お二人とも」
「だから、捨てるなんて言わないで、せめてお譲りくださいな」
「お前達には、これが必要という訳だな?」
「その通りですわ!箱は私たちの生きる目標!生きる糧なのですわ!」
「そうか。私には必要のないものだ。お前達が必要だというのなら、くれてやる」
「ありがとうございますわ、お姉さま!やったわ、電磁(DiGi)!これで青箱九百九十九個目よ!」
「やったね伝導(D-End)姉さん!千個達成までもう少しだ!」
「こんなに喜んでもらえると、こっちも嬉しくなりますね。六子さん」
「うむ。クルセイダーは他人の為に尽くす天命だ。人々の喜びは我が喜びだ」
「さすがです!六子さん!ちょっと僕、感動しました」
「ちょっとだけか」
「お姉さま。もし何かお困りの事がございましたら、私たちをお呼びください!すぐにでも駆けつけますわ!」
「歌って踊って、あなたをお守りしますよ!」
「守るのは私の仕事なのだが……」
古く青い箱をしっかりと小脇に抱え、にこやかに去っていった雷鳥コンビを見送って、六子は一日一善を達成したのか、やり遂げた表情をしている。
「買い取ってもらえばよかったのに、あげちゃうなんて、六子さんらしいや」
「むむっ、そうだったのか?だが、何でもなさそうなあんな汚い箱を人に売りつけるなど私の正義が許さん」
「そうなんですか?結構高い値段で買い取ってもらえるんですよ?」
「そうなのか?いくらくらいなのだ、あの箱とやらは」
少年に耳打ちされて、その金額に六子は思わず卒倒してしまう。
「ま、待て!その箱を売ってだな!し、資金に……!」
「何の資金ですか、ろ・く・こさん」
「う、うるさい!お前に関係ないだろう!」
「はは、本当にわかりやすいひとですね」
「私は、ロボだ!」
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