◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え2冊目◆
[75:プリ騎士:2(2006/12/17(日) 20:38:09 ID:pZv2Unig)]
プリーストは肩を竦めた。
「期待して損した」
「期待?」
うん、とプリーストが頷く。
「てっきり、お前の名前入れて俺にくれるもんだと」
「やらねえよ」
騎士が笑う。
「そんなもんもらったって、邪魔にしかならないだろ」
「お前は邪魔か?」
プリーストの言葉に、騎士は戸惑うような顔をした。
「……いや、邪魔つうか……似合わないし」
騎士は指輪を、軽く宙に放り投げる。
日の光を浴びて、銀の指輪は、街の飾り付けにも負けない輝きを放つ。
銀色の軌跡を残しながら、小さな指輪は、プリーストの手の中へと戻ってきた。
「男でも綺麗に手入れされてるなら良いかもしれないけどさ、俺の手、すっげえごついし」
騎士が目の前に手をかざす。
彼の言うとおり、その手はごつごつとした、騎士らしいものであった。
「そんなに卑下するもんじゃないぞ」
「卑下したわけじゃない」
「そうかねえ」
プリーストは騎士に向かって指輪を投げ返してやる。
騎士の手が、銀の指輪を捕まえるのを見てから、プリーストが囁く。
「俺はお前の手、結構好きなんだけど」
「……どこが良いんだか」
指輪を乗せた手の平を、騎士は軽く握りしめる。
その頬が、少し赤くなっているのを、プリーストは見逃さなかった。
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