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◆【18歳未満進入禁止】みんなで創る小説Ragnarok ♂萌エロ 第2巻◆

[53:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/05/08(月) 01:11:37 ID:aNxWhEtk)]
 薄暗い部屋の中、ねっとりとした香(こう)の匂いが鼻をつく。
 クルセイダーは、自分の躰の異常に気付いて恋人の顔を見た。
「これは……?」
 恋人のプリーストが妖艶な笑みを浮かべる。クルセイダーの手からアル
コールのグラスを奪い、ベッド脇の机の上に置いた。
「ん、特別製の香と特別の酒。さすがにお前でもやばくなってきただ
ろ?」
 そしてこれが、とプリーストは小瓶を取り出した。
「特別製の薬……。どうにかしろと言ったのはお前なんだから文句言うな
よ?」
 言いながら、彼は小瓶をクルセイダーの肌にむけて傾けた。
 はだけたシャツを少し濡らしながら、粘性のある液体がクルセイダーの
胸から下半身にかけて流れ落ちる。
プリーストがマッサージをするように、丁寧にその液体を肌に広げて塗
り込めた。香も、酒も、薬も、全て媚薬的、精力剤的作用を持っているも
のだ。
 クルセイダーは性的興奮がしにくい上に、薬も効きにくい体質だ。今日
の前にも数回試した軽い薬は全て失敗に終わった。
 だから今日こそはと、とっときの物を準備した次第である。
 息を荒げ始めたクルセイダーに、プリーストはにんまりと笑った。
「熱い?」
と問えば、クルセイダーはおずおずと頷く。
 その反応にプリーストはますます笑みを深める。シャツを脱がせ、自分
も服を全て脱ぎ捨てた。
 肌を合わせれば、相手の体温がいつもより高いことがはっきりとわかっ
た。
「キスしよ……」
 言い終わるか終わらぬかのうちに、プリーストはクルセイダーと唇を重
ねた。
 先程呑ませたアルコールの味がする。
 ゆるりと舌を絡めれば、クルセイダーの口から甘い吐息が漏れる。
 いつもはない反応に、プリーストは満足する。
 ちゅっと、音を立てて唇を離し、プリーストは戸惑っている恋人に囁い
た。
「我慢する必要はないからな。好きなように動けよ?」
 それにクルセイダーは顔を顰める。
「しかし……」
「しかしもへちまもない。俺がその方が嬉しいんだよ!」
 それでもクルセイダーは納得していない様子である。
「何か言いたい事があるなら言えよ。
 俺みたいな淫乱は抱きたくないでも良いから」
「それは違う!」
 自嘲気味のプリーストの呟きに、クルセイダーは大きく首を横に振った。
「そうじゃなくて……。
 手加減できずにお前を傷つけたらと思うと怖いんだ」
 ふっ、とプリーストは小さく鼻で笑う。
「俺はそんなに柔じゃない。
 だから好きなだけ俺を食え」
 ぴん、と乳首を指で弾かれて、クルセイダーは躰を震わせた。甘いうず
きに頭がどうかなってしまいそうである。
「こっちは十分臨戦態勢だな」
 そそり立つクルセイダーを、プリーストがうっとりとした目で見つめる
――普段は手や口で十分に愛撫しなければ全然反応しないのだ。
 恍惚とした様子のプリーストに対して、クルセイダーは理性をつなぎ止
めておく事に必死であった。
 プリーストがクルセイダーの剛直に唇を寄せる。
 それだけで、クルセイダーは音を上げた。
「ダメだ、出……」
「莫迦、んな勿体ない事をするな」
 プリーストはぎゅっと根元を片手で戒める。もう片方の手でクルセイ
ダーの手をとり舌を這わせた。しっかりと濡らしてから、恋人の指を自分
の秘所へと導く。
「ちゃんと俺の中で出せ。わかったな?」
「……わかったから、手を離してくれ」
「今日はお前がやってくれるよな? ここを解すのも」
 言われてクルセイダーはこくこくと頷いた。元より、いきなり突っ込も
うとは思ってもいない。
 性器の戒めを解かれ、クルセイダーはほうと溜息をつく。しかし、躰の
中で暴れる熱は、未だ彼自身を追い立てている。
 ベッドの上で仰向けになっているプリーストに、クルセイダーは覆い被
さる。
 指で恋人の中を探りながら、なめらかな肌に唇を落とした。
「んっ」
 素直な反応をプリーストが返すたびに、クルセイダーの熱は更に高まる。
 堪らず、少々強引に指を増やした。
「っ、そこ!」
 瞳からこぼれ落ちた涙を舐めとりながら、クルセイダーは請われるまま
に、プリーストの中をなで上げた。
 びくびくを躰を震わせて、プリーストが高い声を上げる。
 ぷくんと立ち上がった胸の突起を啄めば、プリーストは嬉しそうに微笑
んだ。
「お前のここ、すっかりがちがちだ」
 クルセイダーの高ぶりに手を添え、彼は次を強請る。
「良いよ。思いっきり突いて」
 劣情に煽られて、クルセイダーは堪らず、素早く指を引き抜いて己を恋
人の秘所に押し当てた。
 プリーストに誘われるままに、己の中に滾る熱に浮かされるままに、彼
の中に押し入る。
「くっ……」
 強い締め付けに、思わずうめき声が漏れる。しかし、情欲は収まらない。
 背筋が快感でぞくぞくして堪らない。
 全てをプリーストの中に納めたら、気持ち良さで頭がくらくらした。
 いつも以上に強く感じる快感に、理性のタガはすっかり外れてしまって
いた。
 プリーストの腰を両の手でがちりと固定し、クルセイダーは躰を大きく
グラインドさせる。我を忘れそうな快感の中で、かろうじて、以前教えら
れたプリーストの良い所を擦りあげることだけは、なんとかできた。
「あぁん! ひゃっ……」
 プリーストの喉から甲高い愉悦に濡れた叫びが零れる。
 クルセイダーの動きに合わせて漏れる喘ぎに、まるで楽器を弾いている
かのような錯覚を覚える。
 堪らず自分の熱を相手の体内にぶちまければ、プリーストもそれに合わ
せて吐精する。
 射精しても、クルセイダーの躰の中に淀む熱は収まらなかった。むしろ
悪化していた。
 ひくひくと痙攣する入り口に誘われるように、彼は再び腰を進める。
 プリーストがそれに応えた。両の足をクルセイダーの腰に絡め、より深
くなるように導く。ぎゅうと中を意図的に締め上げて、クルセイダーを煽
った。
 もっと、と声ならぬ声で相手を求める。
 互いの心臓は全速力で走ったかのようにどくどくと脈打っている。
 部屋の外の事も、同じ空の下に住まう他人の事も、やってくるであろう
明日の事も全て忘れて、ただお互いを求めた。

 激しい行為が終わったのは、東の空が白々と明るくなる頃だった。
 二人の躰はすっかり体液で汚れている。重い躰を支え合うようにして二
人でバスルームに入った。そこでもう一度の愛の語らいをすませて、二人
はシーツを代えたベッドの上に横たわった。
 媚薬入りの香の匂いは全然感じられない。
 換気のために窓を開ければ、夜明け前の冷気が忍び込んできた。
「寒い」
と、すり寄るプリーストの躰をしっかりと抱きしめながらクルセイダーは
瞳を閉じる。
 躰も頭もすっかり疲れきっている。満足そうな恋人の姿に安堵し、幸せ
を感じるのが精一杯だ。
 まだまだ受難が続くであろうことに、彼はまだ気付いていない。


END


 48の感想をありがとうございます。
 書いた当時は薬編は想定していなかったのですが、感想を頂いた喜びの
余り書いてしまいました。
 今回も少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。


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