【憎悪と狂気】バトルROワイアル 十冊目【恐怖と絶望】
[1:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2007/03/06(火) 09:10:09 ID:CeFs57/Q)]
ここはどんなスレ?
各職男女と無作為に選ばれたROのキャラクターが
生き残る為にバトルロワイヤルする様子を描いた
リレー小説を扱っているスレッドです。
・まとめサイト
ttp://www6.atwiki.jp/battleroyale/
・前スレ
ttp://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi/ROMoe/1148962367/
・萌え板全体のルールは此方
ttp://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi/ROMoe/1063859424/
書き手のルール
先ず一番最初に。
このリレー小説内では、各登場人物は生きている人間であり、
いきなり投げ込まれた現実に各人様々複雑な感情を抱いている事を肝に銘じてください。
完全に現実的に書く必要は皆無ですが、バトロワの死の気配というものを忘れないで欲しいです。
次に、書く前に纏めサイトで作品の流れを把握してください。
流れの中では先に発表された作品が優先します。
競り負けても泣かない。
但し、荒し煽りはこの中に含まない。
(前触れの無い突然の心臓停止や全員即死等)
もし、執筆を続けていく内で、致命的な矛盾を過去の自分の作品に発見した場合、
スレにて申告の上、速やかに修正作品を仕上げて下さい。
どうしても音沙汰が無い場合は他の書き手が修正せざるを得なくなりますが、
原則として本人がその作品を修正しなければいけません。
それから、一人の書き手が連投を続けるのはイクナイ!!
最低でも三日程待って見ましょう。
止むを得ず連投する場合は、スレで意見を聞いてみると尚goodです。
本文の内容についてですが、RO内の設定と言うよりも、文章での説得力が重視されます。
但し、リレー小説という形式上、何よりもまず、キャラクタ間でのバランスを崩し過ぎないように気をつけてください。
作品の一番最後にはそれに登場した人物の
<氏名、所持品、死亡等の状態>及びに死亡者が出た場合<残り○○人>という表記をお忘れなく。
任意規定ですが、登場した人物については1)これまで描かれたプロフィール、2)これまで描かれたスキルを
下記の書式で記入していただけると更にgood.
<例:♂アコ>
1…描かれたプロフィールをその都度追加
・髪:呪いのカツラで逆毛に変更<023話>
・口調:wWw<023話>
・性格:少々潔癖、説教癖、不幸<071話>
2…描かれたスキルをその都度追加
・ヒール<065話>
・殴りアコ<071話>
最後に書き手の方は、現段階ではコテハンを名乗る事はご遠慮ください。
[343:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2009/02/07(土) 04:28:50 ID:jh9bq/Sg)]
289.信頼対決
情勢は、圧倒的にパピヨンが不利だった。
敵には魔法職が二人。聖職者が二人。さらに、蛮勇とも呼べるほど強固な意思で攻撃を続けるアタッカーが一人。
対して、味方には自分と、『トモダチ』が一匹。
『トモダチ』は狂戦士のごとく攻撃を続ける♂スパノビに粘着されおり、今すぐにでも助けたい。
しかし、かといって安易に近づけば♀WIZのクァグマイアにより動きを鈍くされた後、魔法で蜂の巣にされるのが目に見えている。
パピヨンは、この状況を転換させうる何かを心から渇望していた。
そして。
今、それは存在したのだった。
パピヨンが自分たちの背後に回ったのを見て、♀WIZはほくそ笑んだ。
おそらく、寄生虫とパピヨンで挟み撃ちにする気だと考えたからだ。
しかし、逆に言えば、それは味方の分断である。
これで、パピヨンは寄生虫を攻撃している♂スパノビを攻撃することができない。やろうとしても、♀WIZが阻む。
心配なのは、むしろ♂スパノビの方だ。
明らかに正常心を忘れており、先ほどから無用な捨て身の攻撃を続けている。
だが、そちらには♂プリーストと♀アコライトと♀マジがついている。
きっと彼らならば、♂スパノビを助けてくれるに違いない。
それは冒険者特有の、ある意味泥臭い、しかし何よりも高潔な、信頼という名の絆だった。
♀WIZが♀マジ達を信頼しているように、♀マジもまた♀WIZを信頼していた。
♀マジ達は寄生虫へ攻撃中であり、パピヨンに背を向けてしまっている。
それは、パピヨンへ絶大なる隙を晒していることになる。
しかし。
自分の後ろには、♀WIZがいる。
彼女ならば、パピヨンを完封してくれる。
そして、私達に完全なる勝利を与えてくれる。
一人では成しえられない、何事にも換えられない、勝利を。
♀WIZは信頼していた。♀マジが寄生虫を倒してくれることを。
♀マジは信頼していた。♀WIZがパピヨンから守ってくれることを。
その信頼は揺ぎ無い確実のものであり、それを実現させるだけの意思と実力を彼女達は持っていた。
しかし。
その信頼には、横からの第三者への襲撃への配慮が、完全に欠けていたのだった。
何が起こったのか、♀WIZにはわからなかった。
彼女が理解できたのは、体中を電撃のような何かが駆け抜けたことと、瞬間、自分が木に叩きつけられていたこと。
そして、自分が取り返しのつかない失態を犯してしまった、ということだった。
ずっと様子を伺っていたデビルチは、ついに♀WIZの決定的な隙にありつき、ユピテルサンダーを叩き込んだ。
同時に、寄生虫へと走り出す。
手に持つトライデントを腰だめに構え、寄生虫と♂スパノビに気をとられている♂プリーストへと走り出し。
ずぐり、と。
重い手ごたえが、デビルチの奇襲が成功した、ということを知らせたのだった。
♀WIZが突如横に吹き飛んだことに、パピヨンはまったく驚くということをしなかった。
いや、むしろ計算どおりだ、とほくそ笑むほどだった。
自分がうまく立ち回れば、きっとデビルチは最良の形で場に介入してくれるに違いない、と。
モンスターには冒険者のようにモンスター同士で信頼しきる、ということはほとんどない。
せいぜいが同属で守りあう程度のものである。
なら何故パピヨンがデビルチをそこまで信頼しきっていたのかというと、それはそれほど彼女が純真であったからである。
何故そこまでの純真な心を持てるか、それは定かではない。
ただ生まれたばかりの無知であるのか。
それとも女王としての本能であるのか。
はてまた母親であるミストレスに種をつけた、あるお人よしの父親の血なのか。
ただ一つ確かなことは、パピヨンの信頼は決して冒険者のそれに引けをとらないほど、強固なものであった、ということである。
デビルチの活躍に歓喜したパピヨンは、この期を逃してなるものか、と突撃する。
完全に背中の無防備を奪った♀マジに対して、上空からの滑空の勢いそのままに、強烈な飛び蹴りを放つ。
見事それは相手の背中に命中し、♀マジを地面に叩きつける。
パピヨンの勢いはそれだけで止まらない。
次の目標は……この事態にも関わらず、トモダチへの攻撃をやめない♂スパノビである。
「きゃはははははははははははははははっ、死ねッ、クソガキッッッ!!!!」
パピヨンの右手が閃く。
右足膝、臀部、後背部。
強烈なピアースが♂スパノビを貫いた。
何が起こったのか、♀アコライトには全く理解できなかた。
いや、理解できないというより、理解したくなかった。
ほんの、ついさっきまで。
自分達のパーティーは、モンスターを圧倒していたはずである。
しかし、それは一瞬にしてひっくりかえってしまった。
♀アコライトの冷静な部分が、この状況を説明する。
敵の増援、奇襲、自分以外の全員が攻撃を受けたということ。
彼女もまた冒険者であり、他の仲間と同様に、仲間に対して絶対の信頼を置いていた。
しかし、その仲間は全て地に伏せている。
絶対の信頼はもはや完全に逆転し、♀アコライトの意思は絶対的な絶望に包まれたのだった。
read.cgi ver4.20 by GlobalNoteScript (2006/03/17)