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【憎悪と狂気】バトルROワイアル 十冊目【恐怖と絶望】

1 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/06(火) 09:10:09 ID:CeFs57/Q
ここはどんなスレ?

各職男女と無作為に選ばれたROのキャラクターが
生き残る為にバトルロワイヤルする様子を描いた
リレー小説を扱っているスレッドです。


・まとめサイト
ttp://www6.atwiki.jp/battleroyale/

・前スレ
ttp://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi/ROMoe/1148962367/

・萌え板全体のルールは此方
ttp://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi/ROMoe/1063859424/


書き手のルール

先ず一番最初に。
このリレー小説内では、各登場人物は生きている人間であり、
いきなり投げ込まれた現実に各人様々複雑な感情を抱いている事を肝に銘じてください。
完全に現実的に書く必要は皆無ですが、バトロワの死の気配というものを忘れないで欲しいです。

次に、書く前に纏めサイトで作品の流れを把握してください。
流れの中では先に発表された作品が優先します。
競り負けても泣かない。
但し、荒し煽りはこの中に含まない。
(前触れの無い突然の心臓停止や全員即死等)

もし、執筆を続けていく内で、致命的な矛盾を過去の自分の作品に発見した場合、
スレにて申告の上、速やかに修正作品を仕上げて下さい。
どうしても音沙汰が無い場合は他の書き手が修正せざるを得なくなりますが、
原則として本人がその作品を修正しなければいけません。

それから、一人の書き手が連投を続けるのはイクナイ!!
最低でも三日程待って見ましょう。
止むを得ず連投する場合は、スレで意見を聞いてみると尚goodです。

本文の内容についてですが、RO内の設定と言うよりも、文章での説得力が重視されます。
但し、リレー小説という形式上、何よりもまず、キャラクタ間でのバランスを崩し過ぎないように気をつけてください。

作品の一番最後にはそれに登場した人物の
<氏名、所持品、死亡等の状態>及びに死亡者が出た場合<残り○○人>という表記をお忘れなく。
任意規定ですが、登場した人物については1)これまで描かれたプロフィール、2)これまで描かれたスキルを
下記の書式で記入していただけると更にgood.

<例:♂アコ>
1…描かれたプロフィールをその都度追加
 ・髪:呪いのカツラで逆毛に変更<023話>
 ・口調:wWw<023話>
 ・性格:少々潔癖、説教癖、不幸<071話>

2…描かれたスキルをその都度追加
 ・ヒール<065話>
 ・殴りアコ<071話>

最後に書き手の方は、現段階ではコテハンを名乗る事はご遠慮ください。

2 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/06(火) 09:10:29 ID:CeFs57/Q
読み手のルール

叩き荒しはスルー推奨。反応は彼等の栄養源です。放置して枯死した後で削除依頼を。
又、過剰な擁護やNG議論も荒しの同類です。出来る限り自重していただけると幸いです。
もし、読み進めていく内に、作品内に矛盾を発見した場合、遠慮なく速やかに申し出てもらえると幸いです。

面白い、と思ったときには積極的に感想を。
首を捻った時には積極的に批評を。
又、暇だなーと思った時なんかは遠慮なく雑談を。
勿論、イラスト、まとめテンプレ、まとめサイト編集さん。
それぞれ大歓迎です。

感想は書き手の活力に、批評は書き手の技術向上に、
雑談は常にネタに飢えている書き手にとって格好の息抜き(兼、ネタ探し)になります。

勿論、読み手から書き手への転進も歓迎です。
その際の留意点は書き手のルールを参照してください。

3 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/06(火) 09:10:51 ID:CeFs57/Q
◆◆バトルROワイアル2 ルール◆◆

登場人物

ノービス+一次職+二次職(スパノビ含む)の男女四十名+特別枠十名
以上の五十名。

但し、以下の規定があります。
一次職、二次職、ノビ、スパノビは固有の名前をつけないこと。

特別枠は良識の範囲において、
ゲーム内部、萌え掲示板、LiveROのどんなスレ、場面からでも出演者を選出してよい。
余りにチョイ役の名無しや知名度の低すぎるキャラクタ、盗蟲、ポリンなど知能を明白に持たない者、荒し目的の出演者は含まない。
但し、出来うる限り前回のバトROワに未出演の人物である事が好ましい。
NPCもこの範囲に含む。
出典はNPC、mob、小説、スレを問わないが
スレ、小説の場合は同じ出展元からは原則二人までの出演とする。
また、特別枠十名の内訳はNPC枠、その他枠(mob、他小説・スレキャラ)にそれぞれ三名分の最低人数確保枠を設ける。
残りの四名分はどちらのものとして消費しても構わない。

それぞれの出演者で通常の冒険者については、髪形、外見などについては最初に執筆した人物の選択による。
但し、ピクミン、おにぎりetrなどと言った叩き目的が客観的に明白である場合、
執筆した者はその事に対しての異議へ正当な反論をする事を要す。
それをしない場合は、その話で語られたキャラクタの外見はNGであるとして無効であるものとする。
但し、作品を通じてその反論とする事も可能だが、その場合は相当程度の説得力が必要であるとする。

追加事項として、同じ髪型は原則として大量に氾濫してはならない。目安としては最大で三名まで。
イメージが被る為に同系統の職、例えば騎士-クルセなどでは別の髪型が望ましい。
更に、ドットの髪型は基本的に参考程度であり、執筆による説得力とスレ内部の同意が得られれば、
モヒカン、スキンヘッド等も可である。但し、その取り扱いには注意を要す。
また、ストーリー上の髪型の変更も可である。但しこちらも、その取り扱いは慎重に行うこと。

キャラクターの性格については、話の流れ、及び個々の執筆者に一任する事。
但し、執筆側は、それまでのキャラクタの性格について熟知するべし。

出演者は、前回同様その能力について制限を受けているものとする。
例えば、ヒールは止血や実際の治療の助け程度の効力しか無く、リザレクションは無効であり、
ファイアーボルトやあらゆる大魔法、モンクのスキルについても、それのみで殺害できる程の威力は失われている。
Mobやその他特別枠出演者についても同じであり、更に彼等は超人的能力を有する場合、普通の冒険者と同等程にそれは低下している。

また、カプラさんは、アンソロなどで見られる様な超人的能力を有するのではなく、
一般人、或いは一次職と同等(生涯一次は除く)くらいの能力であるとする。
精錬工の面々については良識に任せるけれども、彼らは直接的に武具を破壊する能力は持っていない。
又、二次職を超える様な戦闘力も持ってはいない。

ポタ、テレポについては参加者は使用は原則不可能。
インティミデイトについても、仕様変更に伴い、テレポート機能は無いものとする。

スキルに関する規定は以上に書かれたものであるとする。


舞台

マップがまとめサイトに上がっている事から、亀島に似ているが違う島である。
上がっているマップ自体にはまだ何も地形や設備が書き込みされてはいないが、
これは、執筆が進むにつれて順次設備などが記載されるものとする。
(例えば、家屋や市街地、灯台、教会、百貨店や廃墟など。但し、進行の都合上自由に出入り出来る地下洞穴は存在しない)
その広さについては、50人の人間が動き回るのに狭く無い程度である。
尚、全力で移動すれば、数時間程度で中央から島の端まで移動が可能である。

魔法発動時の音響については、至近〜やや中距離程度までならば響くが、
島の端など、余りに離れている場所であれば聞こえない。
気候については、書き手の便宜上、元祖バトロワに準じ日本の初夏程度とする。

そして、舞台に伴い放送に付いては、午前十時を基準として朝夜一回づつ放送されるものとする。
又、転職については、そもそも転職の舞台は島の中に存在せず、各職業ギルドの認証も得られない為、不能である。
但し、これはゲームのRO内部で一般的な『ノビ=>一次、及び一次=>二次』といった転職を示す意味での言葉であり、
例えば、各キャラクタの成長を示す演出的な効果における『転職』は含まないものとする。

原則Wis、ギルドチャット等については、これはゲーム内部での便宜的な機能であり、バトROワ内では存在しないものとする。


支給品

開始時手渡される鞄の中身には主に

支給品(武装or防具orハズレetcが入った青箱を模したケース)が二つ。弓の場合は通常の矢も付いている。
水、食料、大まかな地形だけが記された地図(前述まとめサイトの地図参照)、コンパスが入っている。
また、ランダムで5名に特別支給として古いカード帖が配られる。
ただし、当たりアイテムとはいえカード帖の中身も全て有用なカードとは限らない。
各出演者が元々所持していた武器防具や道具等に付いては取り上げられてしまっている。

又、この劇中においては登場人物はどんな武器防具であろうと使用する事はできるが
本職が用いるのに比べれば、扱いなれていない為に、普段使用する武器と異なった種類であるほど威力や命中率は落ちる。
(例:騎士はカタールならば多少は使えるが、弓に関しては鈍器として使わざるを得ない、など)
但し器用さが高い人間については、ある程度まではどんな武器でも使用する事が出来る。
長柄や斧に付いては器用さ以外にも筋力が必要となる。
更に宗教上の理由から殺人者でない、狂っていない、特別な事情の無いアコライト系に限っては刃物で戦闘は出来ない。
防具の効能は現実的に考えて頂けると幸いです。

また、完全にキャラクタ間のバランスを崩壊させる装備については、入手を禁止とする。
(神器全般や有効すぎる廃装備)

カードについては、特別支給のカード帖から得る他に、既にカードが刺さった武器防具か、
特別枠のmobの死亡、殺害によって出現、入手する事が可能である。
但し、後者については作者は進行と流れの都合上、執筆の前に十分な熟考をする義務を負うものとする。


主催

ミッドガッツ王国主体の非人道的イベントであり、国法のもと運営されている。
また、開催に関しては国家の他各職業ギルドも秘密裏に協力している。
詳しくはまとめサイトのプロローグ参照。

彼等が使用しているのは、前回と同じく外せば即死の呪いの首輪であるが
爆発力については、本人のみが死亡する程度である。前回ほどの威力は無い。
開始時には、彼等からルール、目的、勝利条件等が告げられる。
その辺りの細かい規定は第一話の作者とその後の流れによる。

4 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/06(火) 09:11:02 ID:CeFs57/Q
<連投について>

 【連投規制A】 投下は1日1本(1採用)まで
 【連投規制B】 書いたことのある人物が含まれる話を書く場合は、該当する前回投下日から中2日開けてから
※規制B発動中も、規制Aに触れなければ関係ないパートを投下可能
※NG話、アナザー・番外編については連投規制はA・Bともに適用しない。


<議論について>

422 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/11/15(火) 19:13:13 ID:bK71eV2.
議論は薬だ。多すぎると投薬された相手を殺すことになる
だからほどほどにな


<サブタイトル横の時間表記と最下部の状態欄について>

296 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ[sage] 投稿日:2005/11/25(金) 19:07:19 ID:FmGMqShU
>>293
任意だから義務じゃないんですが、まとめ時や続き書く時に便利なので
次から他の人のようにタイトル横の時間と最下部の状態欄付けてもらえたらやりやすいなと思います。
逆にF6惨劇部隊のように大人数の場合はその時だけ簡潔に書いてもいいかと。

5 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/06(火) 09:11:16 ID:CeFs57/Q
<特定グループの時間が進みすぎることの弊害>

あるキャラ(およびグループ)の話のみが進むことで問題になるのは、
・そのキャラに対する他のキャラからのリアクションが制限される
ex)夜の時点で無傷なキャラに、昼の話として戦闘で負傷させることはできない
・同様にそのキャラの行動を通じて他のキャラの状態が制限される
ex)あるキャラが夜に♂Wizと出会ったとしたら、♂Wizは夜まで生存しなくてはならず
  しかも夜にはその場所にいなくてはならない
・特に定時放送をはさむ場合は死亡者および禁止区域の問題で整合性が取りにくい

上は極端な例を挙げたが、時間軸の整合性が絡むと大抵問題が発生する。
しかし、実際問題として書きにくい、動かしにくいキャラと言うのもいると思う。
そうしたキャラが残った場合に誰がそれを書くかのお見合い状態になって
全体の進行が止まるというのもそれはそれで問題だし、だからといって
「書きたくないけど/ネタ思いつかないけど、話が進まないから書いてみた」
なんてので進んでしまうようになるとリレー小説として有益とは思えない。

明確に制限事項とするのではなく、自粛事項程度にしておくのがいいのではなかろうか。
・物語全体の時間軸の整合性に配慮して、特定のキャラの時間を進めすぎないこと。
・同じキャラに関しての話が連続することについては、連投規制に抵触しないならば
 制限はしないが、物語上の扱いで不公平感が出ない程度に配慮・自粛すること。
・この物語に明確な「主人公」は存在しない。えこひいきとならないよう配慮すること。

6 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/06(火) 09:12:30 ID:CeFs57/Q
その他注意事項はこちらを参照

参加の注意(Wiki) ttp://www6.atwiki.jp/battleroyale/pages/415.html

7 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/06(火) 09:52:26 ID:BTiYLnpM
>>1乙〜

7ゲット

8 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/06(火) 23:13:30 ID:iP5kswAA
スレ立乙です
それにしてもついに十冊めですね…

9 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/06(火) 23:21:59 ID:qukJoIF2
9Getかな?
スレ立て乙です

10 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/12(月) 06:55:11 ID:0nW3wO0Y
10げt

11 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/26(月) 18:47:34 ID:cPCbeqis
263.集いし混沌(三日目・午前)


「おねえちゃん・・・?」
木陰で目が覚めたとき、♀ハンターはひとりだった。正確にはひとりと一羽、側には彼女の愛鳥であるふぁるが寝転がっていた。
♀ハンターは♀スーパーノービスの死を直接確認したわけではない。しかしそれでも脳裏に鮮明に刻み込まれた映像は、胸を刺し貫かれて苦しそうに、それでも己の為に笑ってくれた血濡れの♀スーパーノービスで、目を覚ましたばかりの♀ハンターの頬の乾いた涙の跡がそれをしっかりと教えてくれていた。
「ふぁる・・・・・・」
傍らでうずくまって眠る愛鳥の羽根を柔らかくなぞる。先のミストレスの電撃により、黒く焦げ付いた跡が生々しい。ぴくりとも動かないが、ふぁるの体はまだ暖かかった。生命の脈動を確かに感じることに、少しだけほっとする。
♀ハンター自身も全身がひどく痛むのだが、思考回路は怪我の痛みなど届かないところでぐるぐると回っていた。
あのあと、どうなったのか。ミストレスは、他の人たちは、おねえちゃんは。なぜ自分だけがこんな場所にいるのか。
わかるはずもなかったが、それでもある種の予感めいたもので、彼女は♀スーパーノービスがもう無事ではないのだろうと悟る。
「ふぁる・・・・・・あたし、あたし・・・・・・ひとりになっちゃった・・・・・・」


     *  *  *


気絶した♀ハンターを抱えて、仲間のもとに帰ろうとしていたはずの♂プリーストは、♀ハンターの目を覚ました木陰より少しだけ離れた広場のような場所で、パピヨンと対峙していた。走る♂プリーストの前に突然現れ、強襲してきたのである。
「っくしょオ、あと少しであいつ等のいた辺りだってぇのに・・・」
♀ハンターとふぁるを一人にしておくことは危険だったが、気絶中の彼女達を背負ったまま逃げ切ることはおそらく不可能だったし、庇いながら戦ってどうにかなるとも到底思えなかった。最も、ひとりで戦ったところで眼前の相手に敵う保証もないのだが。
どうにか♀ハンターとの距離を離すことには成功したものの、既に♂プリーストの全身はパピヨンが楽しそうに振るう触覚に幾度も切り刻まれ、先に負っていたダメージと合わせて全身ぼろぼろである。既にヒールを使えるだけの魔力も底をつき、荒い息で♂プリーストは愚痴を吐き棄てた。
「ったく、この島はバトルロワイヤルの会場じゃなかったのかよ。なんでこんなうじゃうじゃ魔物がいるってんだ」
「あっはは、アンタの血全っ然おいしそーじゃないけど、折角だから飲んであげようってんじゃん。さ、じっとしてる!」
「っくそ、喋るパピヨンなんざ聞いた事ねぇってんだ、よッ!」
ふらつきながらマイトスタッフを振り下ろすが、その一撃は空しく大地を叩き、逆にその背中をパピヨンの触覚が薙いだ。
「が・・・!!」
ぶっ飛びそうになる意識を、根性で据わらせる。
(畜生・・・・・・こんなとこで、終わっちまってたまるかよ・・・・・・・・・・!! 近くにあいつ等がいる筈なんだ、どうにかしてあいつ等に知らせられりゃ・・・・・・!!)
「あっははははは、ホラホラそんな飛び散らせちゃったら勿体ないじゃーん!! アタシが飲めるくらいの血はちゃんと残しといてよねっ!!」
二撃、三撃。パピヨンの真紅の触覚が♂プリの返り血で益々鮮やかに、さらに。
その時、♂プリが四股を踏むように己が作った血溜りを、大地を、ずしん、と踏みしめ、

「うお゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙おお゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙――――――――――ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

迸る、全身全霊の絶叫。
そして、♂プリは力なくだらりと両手を下げた。からんからん、と手から離れたマイトスタッフが転がる。
パピヨンも一瞬目を丸くしたが、
「何さっ、もう! びっくりしたじゃん!!」
触覚の一撃が♂プリの左脇腹を抉る。
そして、♂プリはついに地に膝を着いた。


     *  *  *


「うお゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙おお゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙――――――――――ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

♀ハンターの耳に飛び込んできたその叫びが♂プリのものであると、彼女にはわからなかった。いや、仮にそれがわかったとしても、彼女に♂プリが危険な人物であるか否かの判断はできなかった。
それはただ、♀ハンターには恐怖が音として具現化しただけの存在として映った。
今はもう、頼りになる♀スーパーノービスはどこにもいない。ふぁるも翼を傷めて目を覚まさない。近くになにか、恐ろしいものがいる。
「・・・・・・やだ・・・・・・!!」
♀ハンターの全身を恐怖が駆け巡る。恐怖だけが体を支配する。
「やだ・・・・・・やだ・・・・・・!!」
目に涙を浮かべ、♀ハンターはパニックになりながらもふぁるを抱え上げると、先程の叫びが聴こえてきた方向とは逆の方へ、ふらつきながらも駆け出した。

12 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/26(月) 18:47:53 ID:cPCbeqis
     *  *  *


「・・・なぜ、こんなところにパピヨンがいるのかはわからないが」
そう言いながら、止めを刺そうとしていたパピヨンと血溜りの中にうつ伏せに倒れる♂プリの間に立ち塞がったのは、グラサンモンクの姿だった。
「助・・・・・・かったぜ・・・・・・」
うつ伏せのまま♂プリは力なくグラサンモンクを見上げ、安堵の表情を浮かべた。
「あんな・・・もんで・・・・・・気づいて、くれる・・・奴がいるたぁ・・・まだまだ、この島も・・・捨てたもんじゃ、ねぇ、って・・・か・・・?」
「あー。人間が増えたぁ」
パピヨンがひらりひらりと舞いながら、不快そうに頬を膨らませる。
さらにそこに♂プリの絶叫を聞きつけ、遅れて走ってきた悪ケミ達が♂プリに駆け寄った。
「うわ、ひどい傷・・・ちょ、早く回復しないとヤバいわよこれ!」
「だ、誰かヒールヒール!」
「バカっ、ヒール使えるのはキミでしょ!」
「わ、私のヒールじゃこんなの、ムリムリムリ! ・・・ってこの人プリーストじゃん! ヒールできるじゃん!」
「それができないほどひどい状態だってことでしょ!」
こんな状況を前にしながらも騒がしい悪ケミ達に、♂プリは少し気力を分けてもらえたかのような錯覚を覚える。
「仲間・・・結構、居んだな。すまねえ・・・頼みが、ある。・・・・・・っ、ごふ」
血を吐きながら、息も絶え絶えで喋る♂プリを♀アコが怒鳴りつけた。
「手当てでしょ、見りゃわかるわよ! いいから、喋んないで!」
「・・・・・・近くに、女のハンターが・・・倒れてる筈だ。保護して、やってくれ」
その言葉に、悪ケミ達の動きが一瞬、ぴたりと揃って止まった。

まずい。
♀アルケミストはひとり、♂プリーストの傷を心配する表情を作りつつ、状況を判断してこの先どうすればいいのかと必死で頭をフル回転させていた。
何なのよ、この状況は。
この♂プリーストは、どこかに逃げていったんじゃなかったの!? なんでまだこんなところをウロウロしてるのよ。
♀ハンターとこんなに早く鉢合わせちゃうなんて計算外だわ。
それだけじゃない、さっきの大声、こいつの仲間も集まってきちゃうかもしれないじゃない。
やり難くなるったらない・・・・・・、

そう思った瞬間、♀アルケミストの杞憂どおりに、♂プリーストの仲間が絶叫を聞きつけて姿を現した。
「この状況は・・・何が起こっているんです?」
しかしそれは♀アルケミストのよく知る女(本当は男)を連れた、♂プリーストの本来の仲間達の姿だったが。


<♂プリースト>
現在地:E-6
所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 多めの食料 マイトスタッフ
外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔
備考:殴りプリ ♀ハンターを抱え交戦地点へとUターン
状態:瀕死(HPSP共に真っ赤)

<♀ハンター>
現在地:E-6→?(♂プリ達のいる辺りより反対方向)
所持品:スパナ、古い紫色の箱、設置用トーキーボックス、フォーチュンソード、オリデオコンの矢筒、+2バイタルシュールドボウ[3]
スキル:ファルコンマスタリー、ブリッツビート、スチールクロウ、集中力向上、ダブルストレーピング
備 考:対人恐怖症、鳥と会話が出来る、純鷹師、弓の扱いはそれなり
状 態:気絶から回復、でもHP赤い ♀スパノビと離れ、再び誰も信用できない状態 ただただ恐怖

<ふぁる>
現在地:E-6(E-7寄り)
所持品:リボンのヘアバンド
スキル:ブリッツビート スチールクロウ
備 考:なんだかんだいいながら♀ハンターが心配で堪らない、ツンデレ? GM側の拠点を発見するも重要視せず無視、♀ハンターと遭遇
状 態:JTによる負傷で気絶中

<♀アルケミスト>
現在地:E-6
所持品:S2グラディウス ガーディアンフォーマルスーツ(ただしカードスロット部のみ) クロスボウ 矢筒 毒矢数本 望遠鏡 寄生虫の卵入り保存食×2
外 見:絶世の美女
性 格:策略家
備 考:製薬型 やっぱり悪 ♂スパノビ・悪ケミらと同行 首輪や地図の秘密を知り悪だくみ中 淫徒プリと再会(げっ)
状 態:各軽傷や矢傷は治療済

<♂スパノビ>
現在地:E-6
所持品:スティレット ガード ほお紅 装飾用ひまわり 古いカード帖
スキル:速度増加 ヒール ニューマ ルアフ 解毒
外 見:巨漢 超強面だが頭が悪い
備 考:BOT症状発現? ♀BSの最期の命令に従っている ♀ケミ・悪ケミらと同行 仲間を見つけた?
状 態:HPレッドゾーン、ヒールを受けてやや回復?意識は朦朧?or気絶?

<悪ケミ>
現在地:E-6
所持品:グラディウス バフォ帽 サングラス 黄ハーブティ 支給品一式 馬牌×1
容 姿:ケミデフォ、目の色は赤
思 考:脱出する。
備 考:サバイバル、危険物に特化した頭脳、スティールを使えるシーフを探す、子バフォに脱出を誓う、首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミを信用?
したぼく:グラサンモンク
参考スレッド:悪ケミハウスで4箱目

<♀アコライト&子犬>
現在地:E-6
容 姿:らぐ何コードcsf:4j0n8042
所持品:集中ポーション2個 子デザ&ペットフードいっぱい
スキル:ヒール・速度増加・ブレッシング
備 考:殴りアコ(Int1)・方向オンチ 首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミを信用?
状 態:デビルチとの戦闘で多少の傷

<♀マジ>
現在位置:E-6
所持品:真理の目隠し とんがり帽子
容 姿:褐色の髪(ボブっぽいショート)
備 考:ボクっ子。スタイルにコンプレックス有り。氷雷マジ。異端学派。
   首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミに疑念 レズ疑惑
状 態:足に軽い捻挫、普通に歩くのは問題無し

<グラサンモンク>
現在地:E-6
所持品:緑ポーション5個 インソムニアックサングラス[1] 種別不明鞭
容 姿:csm:4r0l6010i2
スキル:ヒール 気功 白刃取り 気奪 指弾 発勁 金剛 阿修羅覇王拳
備 考:特別枠 右心臓 したぼく二号 ♀ケミに疑念
状 態:悪ケミを護る、♂WIZ殺害後♀マジを治療、デビルチ・♀ハンターを警戒 パピヨンと対峙中
参考スレ:【18歳未満進入禁止】リアル・グRO妄想スレッド【閲覧注意】
作品「雨の日」「青空に響く鎮魂歌」よりモンク(♂モンクと区別するため便宜的にグラサンモンクと表記)

<♂セージ>
現在地:E-6(東の半島を目指す)
所持品:ソードブレイカー 島の秘密を書いた聖書 口紅
容 姿:マジデフォ黒髪
スキル:ファイアーウォール ファイアーボルト ソウルストライク ファイアーボール
備 考:FCAS―サマルトリア型 ちょっと風変わり? GMジョーカーの弟疑惑
    ♀商人・淫徒プリと同行 ♂プリとの再会だが・・・

<♀商人>
現在地:E-6(東の半島を目指す)
所持品:店売りサーベル、乳鉢いっぱい、カート、100万はくだらないゼニー
容 姿:金髪ツインテール(カプラWと同じ)
備 考:割と戦闘型 メマーナイトあり? ♂セージに少し特別な感情が?
    ♂セージ・淫徒プリと同行 ♂プリとの再会だが・・・

<淫徒プリ>
現在地:E-6(東の半島を目指す)
所持品:女装用変身セット一式 未開封青箱
容 姿:女性プリーストの姿(csf:4h0l0b2) 美人
備 考:策略家。Int>Dexの支援型 ♀WIZに話したことで少し楽になる
    ♀商人・♂セージと同行 ♀ケミとの再会だが・・・

<パピヨン>
現在地:E-6
備 考:ミストレスの魔力を一部受け継ぐ ノーマルより強い
状 態:全快 食事(♂プリ)の邪魔をされてえー何これー

13 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/27(火) 17:21:13 ID:FthaQscI
>>11
そんなに速く仲間が合流できるのかという疑問が残りますがGJ
むしろパピヨンつえーよつえー。
というわけで俺もNGっぽいですが置いていきますね

264.ハプニング(三日目・午前)

「♀Wizさん、大丈夫ですか?顔色が悪いですよ?」
来た道を戻る形で北に向かう途中、♂シーフが♀Wizに問いかける。
勿論、これは♀Wizの指示であり『立ち止まる口実を作ってください』という事である。
イグドラシルの実の半分をもらい、かなり体力が回復しているが、それでも本調子には程遠いらしく、♂シーフの判断はごく自然なものであろう。
ただ、♂シーフは♀Wizがしんどそうにしているのを察し、少し体力を回復させた方が良いかもしれない、という判断もあったであろう。

さて、何故♀Wizがそんな指示を出したか、であるが。
至極、単純な事である。気になる廃屋を見つけただけである。
移動中であれば、気にも留めなかっただろうが、少しでも手掛かりが欲しい現状では、すがる思いであった。
――何か重要な情報が手にはいるかもしれない
確率的には低いとしても、その可能性を試したかったのだ。
そして、二人は『休憩』を取るためにその廃屋に入っていった。


(うわ……何だこの変な臭い……)
廃屋に立ちこめる酷い臭いは、二人の嗅覚を刺激した。
が、面目上は『休憩』であるから、変な声を上げるわけにはいかない。
♀Wizが地面を指して、口紅で文字を書く。
『これは腐敗臭です。死体があるかもしれません』
それを見て、♂シーフは体を震わした。
まさか、マーダラーの手が?
だが、その考えはすぐにかき消えた。
もし、このゲームでの死体であれば、ここまで酷い臭いになるはずがないからである。
じゃあ誰が?
♂シーフは近くにあったナイフ――それがグラディウスだと分かる――を手に取り、床に文字を掘り始めた。
「少し臭いですね……外で休みますか?」
『以前にここでゲームが行われ、その時のもの?』
♂シーフはカモフラージュとして喋りながら、本題を床に掘った。
「大丈夫ですよ。この程度なら、あまり気になりませんから。それより、シーフ君も休んだ方がいいのではないかしら?」
『かもしれません。調べてみる必要があります』
♂シーフの問いに答えつつ、本題に答えを出す。
『会話を途切らせない程度にお願いしますね』


(どうやら、ここは長い間使われていないらしいわね……)
♀Wizはそう思いつつ、寝室と思われる部屋を調べていた。
と言うのも、所々埃を被っていて、布団を調べた時なんかはあまりに埃が立ちこめてその場から離れたぐらいである。
家具なんかも使われてないのか、埃を被っているし、金属部品は錆びてる箇所も見受けられた。
(この腐敗臭はもう一つ向こうの部屋かしら……)
寝室には見るべきところはなく、もう一つ向こうの部屋に移動する。
ドアを開け、その瞬間酷い臭いに思わず咽せそうになった。
(酷い臭い……恐らく、死体はここにあるわね)
衣類を鼻にあて、廊下の窓を開けて息を吸い込んだ後、その部屋に入った。
書斎、だろうか。本棚がたくさんある。
案の場、そこに死体があった。
だが、♀Wizはその死体を見て思わず声を上げそうになった。
白を基調とした、威厳のある衣装――ぼろぼろになって威厳こそ失われているが――それは、あのGMジョーカーと同じ衣装であった。
細かい箇所は違うが、同じに違いない。
ならば、これは誰?
「♀Wizさん、大丈夫ですか?」
♂シーフの問いかけにはっとなり、先ほどの♂シーフが床に書いた問いを思い出した。
それと同時に、「大丈夫ですよ」と♀Wizが答える。
♀Wizは死体に近づき、調べてみることにした。
とは言っても、かなり日が経っているらしく、近づく事すら苦痛であった。
(恐らく、この死体はGMで間違いないでしょうね……)
ならば何故死体が?
(反乱があった?或いは、他のGM処分された?)
可能性としては、前者の方が高い。
GM同士で争うメリットは無いだろうし、何より死体を残す意味が分からない。
となれば――
そこで、♀Wizはある物に目を留めた。
金色に光る、大きい杖――
(これは……ウィザードスタッフ!?)
――ウィザードスタッフ――書物でしか見たことは無いが、吸血鬼や古の大魔導師が持っていたと言われる、とてつもない能力を秘めた秘宝、魔術師の神器とも呼ばれる物である。
恐らく、このGMは魔術師型。死体が腐っているので傷跡までは分からないが、衣服の状態からして、刃物による切傷、その大きさと床の黒ずんだ血からして出血多量、或いはショック死であろう。
♀Wizはウィザードスタッフを持ち、辺りを見渡し――♂シーフが手招きで呼んでいるのが見えた。
「♀Wizさん、これでも食べてください」
と、しかし本題は書棚の方を指していた。
何やら、空きスペースがあり、そこに小さいレバーがある。
『引いてみますか?』
適当な本に掘られた文章は、それである。
♀Wizはとっさに近くの本を手に取り、それに口紅でこう書いた。
「ありがとう。シーフ君も食べたらどう?」
『調べてから考えます』
と。
だが、ここで誤算が生じる。
偶然、レバーの隣にあった本が倒れ――不運にもレバーが入ってしまったのだ。
がちゃん。
「……!!」
二人はレバーの方を振り向いた。
これから、何かが起こるであろう事態に備えるために、準備している。
だが、やってきたのは敵ではない。
突然、床が抜けたのだ。
「え……!?」
「うわっ!?」
同時に声を上げ、逃げるように体を捻ったが、もう遅い。
二人の姿は床に吸い込まれるように消え、絶叫とともに、次第にその絶叫も消えていく。

14 名前:13 投稿日:2007/03/27(火) 17:22:56 ID:FthaQscI
「ぁ……ぁぁ……ぁぁぁぁぁああああああ!?」
どすんっ!
男女の悲壮な絶叫がし、痛そうな着地音と同時に♀Wizと♂シーフがそこに現れた。
どうやら、やや急な滑り台のようになっていたらしく、それが幸いして二人に怪我は無
い。
「っー……いたたた……」
♂シーフは左腕をさすりながら、辺りを見渡した。
無機質な、灰色の壁ばかりである。
真正面に道があるようであり、その先はT字路になっているらしかった。
「♀Wiz……さん?……大丈夫ですか?」
♀Wizは腰を痛そうに押さえながら、痛みに耐えてるようであった。
「……年のせいじゃないわよ?」
半ば脅すような低いトーンで♂シーフに言った。
いや、まだ何も……、と言おうとしたが飲み込んだ。
言ったら魔法が飛んでくるような気がしたからである。
「それはおいといて……どうやら、ここは地下室らしいわね」
先ほどの雰囲気を完全に消して、冷静に状況判断をする。
滑り落ちてきたのだから、地下だというのは容易に予測できる。
「どの辺なんですかね……地図で確認をし……てえええええええええ!?」
地図をみて位置を確認しようとした♂シーフは、突然叫んだ。
それにつられ、♀Wizは急いで地図を取り出し、確認しようとして――
「嘘っ!?」
♀Wizも相当驚いたらしく、声が裏返った。
地図には、自分たちの現在位置が無かったのだ。
それどころか、地図に書いてある島の図がまるまる消えていたのだ。
「どどど……じゃなくてどうなってるんですかこれ!?」
♂シーフは驚きでパニックになってるのか、やや呂律が回っていない。
「わ、私に聞かれても……って、シーフ君落ち着いて!」
♀Wizにしては珍しく、少々パニックになっているらしい。が、すぐに落ち着きを取り戻す。
『多分、ここは地下です。あと、筆談はもう意味がないかもしれません。』
♂シーフは、♀Wizの落ち着きに感化されたのか、次第に落ち着きを取り戻す。
同時に、♀Wizが口紅で書いた文章を見て、自分のミスでおかれた状況がとても深刻であることを理解した。
深呼吸を数回繰り返し、
「とにかく、進んでみましょう」
♂シーフは、このゲームで初めて得た得物を手に、言った。
「……それは?」
♀Wizは、♂シーフの右手に収まっている短剣を見やり、聞いた。
「さっきの所で拾ったんです。トリプルハリケーングラディウスですよ。七回精錬してあるみたいです」
そんな物が。恐らく、あそこであったであろう戦闘の名残、と言った所だろうか。
そんな事を考えながら、♀Wizは♂シーフの後ろにいる謎の物体に見つけ――
あれは……リムーバ!?
「シーフ君、隠れて!」
考える前に、言葉が出た。
その言葉に呼応するように、♂シーフはハイディングですぐに隠れる。
♀Wizはユピテルサンダーの呪文を詠唱し、魔力を込める。
そこで、♀Wizは一つの驚愕。
魔力を込める速さが、かなり速くなっているという点である。
自分が対峙した♂Wizには全く及ばないが、少なくとも自分で驚くほど効率的に魔力を込めることが出来ているのだ。
そして、ユピテルサンダーを放ったあとに二つめの驚愕。
威力が、地上の時と比べて格段に上がっているのだ。
事実、ユピテルサンダーの直撃を受けたリムーバは、感電のせいか動きがかなり鈍くなっている。痙攣しているようにも見えた。
一応、先ほど手に入れたウィザードスタッフを使っているが、それだけでここまではならないだろう。
ともなれば、答えは一つ。
(スキル制限が外れた!?)
それ以外に考えようがなかった。
それと同時にファイアーウォールを唱え、そこにリムーバが突っ込んだ。
一瞬の炎の乱舞。
だが、それでリムーバは崩れた。
これで、♀Wizは確信する。
間違いなく、スキル制限が外れている。
そして、ここから二つの推測が生まれた。
一つは、この空間では装置の影響を受けない可能性。
一つは、ウィザードスタッフが装置の影響を無効化させる物である可能性。
今の所、後者の可能性が高いと♀Wizは判断する。
が、ここがもしGM達の懐であるならば、前者である可能性も否定は出来なかった。
どちらにしろ希望が大きくなってきたのを♀Wizは感じていた。
(私の実力を存分の発揮できるのなら……ジョーカーを殺せる)
もちろん、ジョーカーの実力は未知数なのだが、♀Wizは自らを鼓舞する為に、また誓いを確認する意味でもそう確信させた。
そして、リムーバの惨状を目の当たりにし、呆然としている♂シーフ――ユピテルサンダーが放たれた時点で出てきたらしい―に近づき、
「大丈夫?」
と声をかけた。
♂シーフは、借りてきた猫のように、首を縦に振ることしか出来なかった。

<♂シーフ>
現在地:D-6→北か西の半島を目指す→謎の地下室?へ
所持品:多めの食料 +7トリプルハリケーングラディウス
容 姿:栗毛
備 考:ハイディング所持 盗作ローグ志望でちょっと頭が良い ♀Wizと同行

<♀WIZ>
現在地:D-6→北か西の半島を目指す→謎の地下室?へ
所持品:クローキングマフラー ロザリオ(カードは刺さっていない) 案内要員の鞄(DCカタール入) ウィザードスタッフ
容 姿:WIZデフォの銀色
備 考:LV99のAGIWIZ GMに復讐 ♂シーフと同行 年の事は聞かないでね?
状 態:容態安定。ただし全身に傷跡が残る。HPは半分ぐらい?希望が見えてきて気持ちが前向きに。

<リムーバ>
所在地:謎の地下室?
状態:JT→FWに突っ込んで即死

15 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/27(火) 18:44:19 ID:FGrpByiU
いくらなんでも、謎の地下室とリムーバは脈絡がなさすぎやしないか?

まあ、投稿した本人がNGっぽいって言ってるから分かってるのかもしれないが。

16 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/27(火) 18:45:41 ID:FGrpByiU
そしてごめん。dameちまった……OTL
お詫びにageときます。

17 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/27(火) 19:08:34 ID:7h4kZ7NE
GM橘がアナベルツじゃなく、シュバルツバルド関連の間者なら、
リムーバーが出てきても話に繋がりが出てきそうなんだがな
『あの会社』なら敵対国にでも普通に提供しそうだが・・・

NGっぽいがうまく使えば面白くなりそうな気がする

18 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/28(水) 08:43:35 ID:sasWv34c
GM橘辺りが、独断でリムーバを密輸して使ってる気もするw
きっと、殺されてたGMは本来のGM橘なんだよ!!
そして偽者がGM橘として、現在の位置にいるとか(アリエナイ

19 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/29(木) 03:06:25 ID:Q7divT4Q
264.プリズナー(三日目・午前) (NG?)

(すごい・・・)
♂シーフは♀WIZに見とれていた
詠唱の早さ、そしてその威力は勿論の事だが

薄暗い地下室をリムーバの残骸が火の粉を上げて舞い踊る
その中心に、彼女が居た
闇に映える銀髪がサラリと流れ、微笑を浮かべて僕を見ている
神聖で妖絶で、その姿は今まで見てきた絵本のどんな女神よりも・・・


「・・・♂シーフ君?」


「…あっひゃい!?」

思いっきり裏返った声が出た

「どうしたんですか?ぼーっとして…落ちた時どこか痛めました?」
「いっいえ、大丈夫です」

見とれてました、とは流石に言えない

「でも、何か変ですよ?熱でもあるのかしら・・・」
無防備に顔を覗き込んでくる♀WIZ

(えっちょっまっうぇwwwwテラヤバスwww)

♂シーフ、思考回路ショート寸前

「ほっ本当に大丈夫ですからっ!」
バックステップを辛うじて抑えながら♀WIZを牽制
逆毛語で支配されつつある思考回路に鞭打って対策をはじき出す
(自我が崩壊する前に何とか話題をそらさねば…!)
手を振り回しながらあとずさるという格好悪い体勢ながら、目と頭でネタを必死に探す
と、
「あ、あれなんでしょうか」
床に光るものを発見、考える間も無く「それ」に飛びつく
「さっきの奴のドロップですかねぇ」


♂シーフの妙なテンションに首を傾げていた♀WIZだが、気を取り直して「ソレ」に目を向ける
「それは…確か囚人の腕輪です」
シュバルツバルドの生体工学研究所に忍び込んだという知人に何度か見せて貰った事がある
「へぇ、コレがそうなんですかぁ」
職業柄か性格か、腕輪を手にとって色々な角度でそれを眺める
まるで子供のような♂シーフを微笑ましいと思いながらも、ふと疑問が頭を掠める
(…囚人の腕輪…?リムーバが落とすなんて話は聞いたことがないけれど…)

「うぐっ!」
「♂シーフ君!?」
突然♂シーフが呻き、膝を地に着けた
♀WIZは慌てて♂シーフの元へ駆け寄る


コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ

圧倒的な殺意が♂シーフの頭に響く

コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ

(何・・・だよ、これ・・・)
むき出しの意識が呪詛の刃で切刻まれる

コロセコロセコロセコロセ殺セ殺セ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ!!

(あぁ…「自分」が壊れていく…)


♂シーフの右腕に、囚人の腕輪が鈍く光る


<♂シーフ>
現在地:D-6→北か西の半島を目指す→謎の地下室?へ
所持品:多めの食料 +7トリプルハリケーングラディウス 囚人の腕輪?
容 姿:栗毛
備 考:ハイディング所持 盗作ローグ志望でちょっと頭が良い ♀Wizと同行 呪詛に体を蝕まれる

<♀WIZ>
現在地:D-6→北か西の半島を目指す→謎の地下室?へ
所持品:クローキングマフラー ロザリオ(カードは刺さっていない) 案内要員の鞄(DCカタール入) ウィザードスタッフ
容 姿:WIZデフォの銀色
備 考:LV99のAGIWIZ GMに復讐 ♂シーフと同行 年の事は聞かないでね?
状 態:容態安定。ただし全身に傷跡が残る。HPは半分ぐらい?希望が見えてきて気持ちが前向きに

20 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/29(木) 03:38:13 ID:Q7divT4Q
初めての投稿〜
orz 自分で書いてみて書き手さんのLVの高さを思い知りました


orz ぁぁぁ、良くみりゃナンバリングも間違えてる

21 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/29(木) 08:17:00 ID:53u8BAto
<特定グループの時間が進みすぎることの弊害>

あるキャラ(およびグループ)の話のみが進むことで問題になるのは、
・そのキャラに対する他のキャラからのリアクションが制限される
ex)夜の時点で無傷なキャラに、昼の話として戦闘で負傷させることはできない
・同様にそのキャラの行動を通じて他のキャラの状態が制限される
ex)あるキャラが夜に♂Wizと出会ったとしたら、♂Wizは夜まで生存しなくてはならず
  しかも夜にはその場所にいなくてはならない
・特に定時放送をはさむ場合は死亡者および禁止区域の問題で整合性が取りにくい

上は極端な例を挙げたが、時間軸の整合性が絡むと大抵問題が発生する。
しかし、実際問題として書きにくい、動かしにくいキャラと言うのもいると思う。
そうしたキャラが残った場合に誰がそれを書くかのお見合い状態になって
全体の進行が止まるというのもそれはそれで問題だし、だからといって
「書きたくないけど/ネタ思いつかないけど、話が進まないから書いてみた」
なんてので進んでしまうようになるとリレー小説として有益とは思えない。

明確に制限事項とするのではなく、自粛事項程度にしておくのがいいのではなかろうか。
・物語全体の時間軸の整合性に配慮して、特定のキャラの時間を進めすぎないこと。
・同じキャラに関しての話が連続することについては、連投規制に抵触しないならば
 制限はしないが、物語上の扱いで不公平感が出ない程度に配慮・自粛すること。
・この物語に明確な「主人公」は存在しない。えこひいきとならないよう配慮すること。

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