■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501-504 前100 次80 最新50

スレッドの大きさが 462KB を超えています。512KBを超えると書き込めなくなるよ。

【憎悪と狂気】バトルROワイアル 十冊目【恐怖と絶望】

325 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/07/21(月) 10:28:30 ID:SRx3DmNU
随分止まったな…

書き手さんまだいるかい?
どの辺で詰まってるとかある?

326 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/07/22(火) 19:21:34 ID:JzUvn8uY
書き手です(´・ω・)ノ イマスヨー

ええと・・・私は書いたばっかりだから、あと数話はほかの書き手さんが続けてくれるまで
私ひとりで話を進めるのはちょっと・・・・・・ って部分で止まってます(汗

327 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/07/25(金) 17:48:38 ID:aaKdWamw
あらま…それはどうしようもない;;
他の書き手さんが降臨するのを待つしかないのかな…

328 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/09(土) 18:57:02 ID:if0sqnh6
287.猛る力[3日目]


それは大切な、大切な約束だった。
なんであの人がそんなことを望んだかはよく分からない。
守ればどうなるのかもよく分からない。
理由なんてどうでもよかった。
あの人との約束だから守りたかっただけで。
破るなんて想像もできない、神聖な誓いともいえるものだった。
だから――

◇◇◇◇

「クァグマイアー!」
先手を取ったのは♀Wizだった。
目標空間に充満した水分が地面をぬかるみに変え、空中にいるパピヨンの羽をも重くする。
「あーもーうっとーしーっ」
パピヨンは大きく羽ばたき、上空へ逃げた。
一瞬遅れて彼女のいた場所にファイアウォールが立ち、熱気にあぶられる。だが辛うじて炎は届かない。
「なにすんのよー!」
「何って…あえて言うなら教育的指導、かしら」
魔法が届かないと見た♀Wizは皮肉めいた答えを返す。
間合いに引き込むための挑発。しかしパピヨンもさすがに前の遭遇で懲りたのか、簡単に乗るようすはない。
母譲りの魔力によって得た圧倒的スピードを生かして、魔法の射程外ぎりぎりを飛び回りながらタイミングを計る。
こうなると♀Wizとしても油断できなかった。
前の遭遇ではあっさり撃退したが、それはウォール系魔法やクァグマイアを駆使して動きを制することができたからだ。
その手の設置魔法はうまく使えば複数の敵を同時に捕らえることもできる半面、目標をロックオンしないため高速で動き回る相手は捕らえにくい。
かといって適当にばら撒いたのでは、精神力の浪費となる上に自分の逃げ足まで封じかねない。
詠唱が遅めな分を身の軽さでカバーしている彼女としては、そんな自殺行為は避けたかった。
確実に捉えられる一瞬を逃すまいと、♀Wizは油断なくパピヨンを追い始めた。

一方♀Wizに這いよろうとする寄生虫には♂プリと♀アコが立ちはだかった。
唯一まともにパピヨンと戦える♀Wizがあっちに集中できるよう、なんとしても押しとどめなくてはいけない。
だがそのとき、一歩退いて全体を見ていた悪ケミが声を上げた。
「ね、ちょっと。こっちも動いたわよ!」
それまで身じろぎもしなかった♂スパノビがゆっくりと巨体を起こす。
すぐ近くに居た♀マジは一瞬迷った。
♂スパノビが敵の可能性はかなり減ったが、目の前で立ち上がられてみると圧迫感がすごいし、捕まったら手も足も出ないのは経験済みだ。
とりあえず蟲への攻撃を中断して身を守る呪文を唱える。
「ファイアウォール!」
「え?そっち?」
火柱の上げる轟音に♀アコが振り向いた。
しかし♂プリは舌打ちをしつつも正面の蟲から視線を外さない。
「そっちぁ任せたっ」
一声怒鳴って突進。
先手必勝。躊躇していたらそこから戦線が崩壊しかねない。
他の脅威に何かのケリが付くまでこの蟲は1人で抑える。
そんな彼の決意をあざ笑う声が降り落ちた。
「あ〜あ、結局いっちばんマズそ〜な奴か〜」
「♂プリさん、上!」
一瞬で振り切られた♀Wizが距離を詰めつつ警告する。
促されるまでもなく♂プリは頭上から押し寄せる殺気を感じていた。
同時にギチギチと牙を鳴らしながら地を這う蟲が足元へ殺到する。
「こなくそっ」
振り下ろされる触角をマイトスタッフで受け止めつつサイドステップ。脚を狙う蟲には勘で見当をつけて蹴りを放つ。
当たりそこねの鈍い感触。
牙に挟まれることはなんとか防いだが、角度が悪い。
バランスを崩してたたらを踏む。その足に突っ込んできた蟲の脚が絡まった。
ひとたまりもなく転倒する。
「やべっ」
絶体絶命。
跳ね起きた目の前に真紅の鞭が、背後からギチギチという不気味な音が迫る。
両方は避けられない。パピヨンの攻撃は食らう覚悟で前へ――
「アイスウォール!」
ギンッ
逃げようとする鼻先に白い壁がそそり立った。
避けようもなく顔から激突する。だが紅い鞭は壁の向こう側で弾かれた。
「邪魔しないでよおばさんっ」
必殺の一撃を妨害した相手をパピヨンは振り返った。
「あら。おばさんには大人の都合があるから、そういうわけにも行かないのよ」
「あーっ!何かムカつくーっ!」
まさに大人の余裕を浮かべてみせる♀Wizにパピヨンは顔を真っ赤にして怒る。が、その直後
「アイスウォール」
「あ、あぶなっ!?」
連続して立てられた氷の壁に閉じ込められかけ、慌てて上空へ逃れた。
一方♂プリはぶつけた鼻をさすりながら背後を振り返る。
パピヨンの攻撃は♀Wizが止めてくれたが、後ろからも寄生虫が迫っていたはずだ。
そっちが当たらなかったのはなぜか。
「おめえ…」
振り返った彼はうめいた。
腕を伸ばせば届くような距離で、三本の牙がガチガチと噛み合わされていた。
ただその切っ先は近付いてこようとしない。
いや、むしろわずかずつではあるが離れていっている。
そして、その原因が蟲の向こうにいた。
「♂スパノビ…だっけか」
寄生虫の尾にしがみつき、握った短剣をつき立てて。
両の腕に力を込め絞り上げる。
「あんた、味方してくれるの?」
♀アコが不思議そうに問う。
どちらの問いにも♂スパノビは無言。
助けるとか、味方するとか、そんなことではなく。
ただ、敵を、壊す。
淫徒プリはぼすの仲間だったから。
探して、やっと見つけた2人目の仲間だったから。

なかまをさがすんだよ

それは大切な約束。
破っちゃいけない約束を邪魔した奴は、
淫徒プリを殺した蟲は、敵。
敵は、壊す。
♂スパノビは力の限り蟲を締め上げた。
「おいやべえぞ、一旦離れろっ」
その間に態勢を立て直した♂プリが♂スパノビへ怒鳴る。
ウンゴリアントに似たその蟲には厳密な前後がない。
尾に当たる位置にも複眼と牙がある。
そこにしがみついたままでは反撃を防ぐすべがない。
だけど♂スパノビには関係なかった。
ただそいつを壊すために、刃をねじ込み、締め上げ続ける。
蟲は形容しがたい声を上げ、体を振り回した。
ドチュッ
湿った音を立て、牙が彼の腹にめり込む。
それでも♂スパノビの力は弱まることはなく、むしろ強まった。
腹に突き立てられた牙が、彼自身の力でさらにズブズブと深く埋まってゆく。
他の牙にも挟まれ、引き裂かれた傷口から血が激しく噴き出した。
「おいっ、やめろって!死ぬぞっ」
無茶する彼を♂プリが引き剥がそうとする。
だが生存本能を捨てたように攻撃し続ける♂スパノビは♂プリを振り払った。
「くそっ!…こうなりゃヤケだっ、さっさとやっちまうぞ!」
「おっけっ」
♂スパノビが手遅れになる前に蟲を倒そうと、♂プリと♀アコが殴りかかる。
♀マジも長い詠唱を始め、蟲の周囲に魔法円が浮かび上がった。

「あーっ、あたしのトモダチいじめるなっ!」
集中攻撃を受けようとする寄生虫の様子を見て、蝶の羽を持つ娘は非難の声を上げた。
急降下を掛けようとするが、すかさず魔法が飛んできて元の高さへ追い返される。
牽制にソウルストライクを放った♀Wizが首を振った。
「勝手すぎる言い分じゃないかしら」
「なにがよー!あんたたちだってトモダチ以外どーでもいーのは一緒じゃなーい」
あっかんべー、と舌を突き出して見せながらもパピヨンは高度を下げない。
否、下げられない。
魔法の撃ち合いで勝てるとは思いにくい。
かといって接近戦を挑んでもクァグマイアに捕まってあっさり避けられる。
スピードで振り回せることは分かったが、他の連中と固まっている状態ではそれも生かせない。
相性が悪すぎる。
唯一のアドバンテージである魔法の届かない高度を維持したまま、彼女は『トモダチ』を取り戻す手を必死で探した。
「…あれ?」
その目が地上を忍び寄る黒くて小さな影を捉えた。
どうやら♀Wizはこちらに気を取られていて気付いてないらしい。
(チャンス、かも?)
パピヨンは口の端に小さく笑みを浮かべた。

329 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/09(土) 18:57:13 ID:if0sqnh6
<♀WIZ>
現在地:E-6
所持品:クローキングマフラー 未挿sロザリオ
    ウィザードスタッフ DCカタール +7THグラディウス 多目の食料
容 姿:WIZデフォの銀髪
備 考:LV99のAGIWIZ GMに復讐 ♂シーフと同行 年の事は聞かないでね?
状 態:容態安定 ただし全身に傷跡が残る HP/SP中回復


<♂スパノビ>
現在地:E-6
所持品:スティレット ガード ほお紅 装飾用ひまわり 古いカード帖 食料二食
スキル:速度増加 ヒール ニューマ ルアフ 解毒
外 見:巨漢 超強面だが頭が悪い
備 考:BOT症状発現? ♀BSの最期の命令に従っている 寄生虫を殺す
状 態:腹部に裂傷


<♂プリースト>
現在地:E-6
所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 食料二食 マイトスタッフ
外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔
備考:殴りプリ
状態:HPSP共に微回復


<♀アコライト&子犬>
現在地:E-6
容 姿:らぐ何コードcsf:4j0n8042
所持品:集中ポーション2個 子デザ&ペットフードいっぱい 食料二食
スキル:ヒール・速度増加・ブレッシング
備 考:殴りアコ(Int1)・方向オンチ 首輪と地図と禁止区域の関係を知る
状 態:多少の傷 SP微回復


<♀マジ>
現在位置:E-6
所持品:真理の目隠し とんがり帽子 食料二食
容 姿:褐色の髪(ボブっぽいショート)
備 考:ボクっ子。スタイルにコンプレックス有り。氷雷マジ。異端学派。
   首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミに敵意
状 態:足に軽い捻挫、普通に歩くのは問題無し


<悪ケミ>
現在地:E-6
所持品:グラディウス バフォ帽 サングラス 黄ハーブティ 馬牌×1 食料二食
容 姿:ケミデフォ、目の色は赤
備 考:サバイバル・危険物に特化した頭脳、スティールを使えるシーフを探す、子バフォに脱出を誓う、首輪と地図と禁止区域の関係を知る
したぼく:グラサンモンク
参考スレッド:悪ケミハウスで4箱目


<デビルチ>
現在地:D-6→E-6
所持品:+10スティックキャンディ トライデント(デビルチ用)
備 考:悪魔
状 態:瀕死


<パピヨン>
現在地:E-6
備 考:ミストレスの魔力を一部継承 ミストレスの持つ虫達を統べるカリスマ継承 ノーマルより強い スピードも速い


<寄生虫>
現在地:E-6
外 見:ウンゴリアントの亜種
備 考:淫徒プリから孵る パピヨンに忠誠
状 態:ストームガスト一発直撃。


<残り13名+4匹>

330 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/15(金) 18:20:47 ID:HaXk4LZA
新作きてた〜、ありがとう!

冒頭の語りを♀Wizと旦那のことかと思ってしまった
♀BSとの約束なんだね。♂スパノビ一途だなぁ
協力派(?)はいい奴が多すぎて涙腺が危険だ

>>326
前に頑張って終わりまでもっていきたいって言ってた人かしら?
制限解けたら頑張ってください

331 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/20(水) 04:00:53 ID:k8Hc9KMY
288.彼女の結末

 気付いた時、辺りには誰もいなかった。
 己の相棒の姿も、何処にもなかった。
 戦闘の跡か。これは、何だ。不気味な生物の残骸のようなものと、その体液であろう気味の悪い染みが散らばっている。
 おぼろげに辿ってみた記憶の最後の映像は、羽虫の女王と大勢の人間との対峙。一体あれから、どうなったのだろうか――。
 そうだ。こうしてはいられない。
 あの頼りない相棒は一体、どこに行ってしまったのか。探さなければ。
 ばさりと広げた翼に違和感と多少の痛み。火傷をしている。
 ……この程度、何でも無い。
 何が起こっているのか。
 ♀ハンターは、何処に行ってしまったのか。
 把握しなくては。
 そう思うや否や、彼はひとりその場を飛び立った。


    ◇  ◇  ◇


「……お前の負けだ」
「………………」
 己にぴたりと拳を向けたままのグラサンモンクを前に、最早♀ハンターであったものはクロスボウを片手に突っ立っている。ぴくりとも動かず、相変わらず焦点の定まらない目元も振り乱された髪に隠れてわからない。
 ♂セージの思惑は、ただ♀アルケミストが最も重傷だと判断したからではない。♀アルケミストの持っていたクロスボウが奴の手に渡ったのであれば、せめて♀アルケミストがクロスボウとセットで使っていたもうひとつの武器、毒矢を奴から遠ざける必要があった。そうすれば、グラサンモンクほどの腕と体力があるならば、暫くは矢の攻撃にも耐えることができるだろう。そして敵の闇雲に矢を射ちまくる、あの攻撃スタイルならば。
「――そう、矢はいずれ尽きる」
 彼女の所持品であったオリデオコンの矢筒の中には、もう埃以外には何も入っていない。代わりを見つけたばかりの弓も、使い切りの消耗品である矢がなくなってしまってはどうしようもない。彼女は遂に、攻撃する武器を失ったのだ。
 グラサンモンクの勝利、である。
「俺の言葉が、わかるか」
 グラサンモンクの問い掛けにも、反応は無い。しかし、肩が小刻みに上下しているということは立ったまま死んでしまっているなどということはなさそうだし、何を思っているのかはわからないが逃げる意志も感じられなかった。
「何があったんだ。いや、何かがあったのか……? その姿は、どういうことなんだ?」
 返事は返って来ない。
 言葉が話せないのだろうか。
 暫し、グラサンモンクは思案する。
 少なくとも、目の前にいる存在は危険因子には違いない。放っておくわけにはいくまい。だが、戦意を失った彼女に止めを刺すのは少し、グラサンモンクには躊躇われた。
 それでもここでこうしてぐずぐずしているわけにはいかないのだ。さっきのあの、悲鳴の主は誰だったのか。♂セージを追い、♂モンクも♀騎士も手当てをしてやらなくては。早く仲間と合流しなくては。悪ケミストにまた叱られる。
 そう、俺はもう、迷わないと誓ったのだ。
「……すまないが、少しの間動けなくなって貰う」
 そうやって、拳を握ったまま彼女に一歩近付いた、その時。
「…………!!」
 何を言ってもぴくりとも動かなかった彼女が、反応した。
 凄い勢いでぐるりと彼女が首を向けたその方向をグラサンモンクも目で追うと、そこには。


    ◇  ◇  ◇


 ふたりの人間が、そこにいた。
 片や見覚えの無い男。どうやらモンクのようだが、サングラスをかけており、無愛想に見える。
 もう片方はどろどろの、不死者のような奴だった。
 どうやらこのふたりは戦闘をしていたらしく、よく見れば遠くの方にもう何人か、人間が倒れているように見えた。
 どろどろの奴が一歩、鳥の存在に気付いて足を踏み出した。
 ふぁると名付けられたその鳥は、おぼつかない足取りでよろよろと自分に近寄ってくるそいつの足元にあるものを見た。
 相棒の為に自分が運んで来た弓が、ぼろぼろになって折れていた。
 折れた弓は、目の前の奴の体液にまみれていた。
 こいつが、♀ハンターを。
 ふぁるは、どろどろの奴に向けて、自分の主人に向けて、グラサンモンクの脇を抜けて、傷ついた翼にも構わずそれを翻して、電光石火の勢いで迫ると、
「ぶぁ゙…………る゙」
 手を伸ばそうとした♀ハンターであったものへ、ふぁるの爪が一閃、二閃し、ゆっくりとその躯が地に伏すその間際に、彼女の口から潰れた声で漏れた呟きは、愛鳥の元には届かなかった。



<残り12名+4匹>

<♀ハンター>
現在地:E-6
所持品:スパナ、古い紫色の箱、フォーチュンソード、オリデオコンの矢筒、+2バイタルシュールドボウ[3]
    (所持品は全て寄生虫の体内にいたため痛んでいます)
外 見:全身の皮膚が半分溶けた異様な姿
スキル:ファルコンマスタリー、ブリッツビート、スチールクロウ、集中力向上、ダブルストレーピング
備 考:対人恐怖症、鳥と会話が出来る、純鷹師、弓の扱いはそれなり
状 態:死亡

<ふぁる>
現在地:E-6
所持品:リボンのヘアバンド
スキル:ブリッツビート スチールクロウ
備 考:なんだかんだいいながら♀ハンターが心配で堪らない、ツンデレ? GM側の拠点を発見するも重要視せず無視
    寄生虫に捕食されかけた事で異様な姿になった♀ハンターを♀ハンターと認識できず
状 態:JTによる負傷、♀ハンターが殺されたかと激昂

<♀騎士>
現在地:E-6
所持品:S1シールド、ツルギ
外見:csf:4j0i8092 赤みを帯びた黒色の瞳
備考:殺人に強い忌避感とPTSDを持つが、大分心を強く持てるようになる。刀剣類に抵抗感 笑えるように
状態:気絶 負傷多数 重篤?

<♂モンク>
現在地:E-6
所持品:なし
外見:アフロ(アサデフォから落雷により変更)
スキル:金剛不壊 阿修羅覇凰拳 発勁
備考:ラッパー 諸行無常思考 楽観的 刃物で殺傷
状態:腕に裂傷、JTを複数被弾、意識不明、通電によるショック症状

<グラサンモンク>
現在地:E-6
所持品:緑ポーション5個 インソムニアックサングラス 種別不明鞭
容 姿:csm:4r0l6010i2
スキル:ヒール 気功 白刃取り 気奪 指弾 発勁 金剛 阿修羅覇王拳
備 考:特別枠 右心臓 したぼく二号 悪ケミを護る ♀ケミに疑念 デビルチを警戒
状 態:掌と肩に打撲 SP微妙に枯渇
参考スレ:【18歳未満進入禁止】リアル・グRO妄想スレッド【閲覧注意】
作品「雨の日」「青空に響く鎮魂歌」よりモンク(♂モンクと区別するため便宜的にグラサンモンクと表記)

332 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/20(水) 04:04:41 ID:k8Hc9KMY
時間を付記し忘れました、[三日目昼頃]です(汗

333 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/20(水) 21:29:18 ID:BIIKZ7/k
>>331
ありがとう。
おつかれさまでした。
ふぁると♀ハンターの心のつながりゆえにおきた悲しい結末がすごくよかったです。
これからもがんばってください。

334 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/26(火) 23:32:55 ID:dP8geoXs
ふぁるが♀ハンター殺すとは正直想定の範囲外だわ

335 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/09/07(日) 17:25:45 ID:7dsJ4/Tk
勘違いからくる戦いは悲しいね…
さてこれからふぁるはどうなるのか
♀ハンターを守れなかったと自分を責めそうだなぁ

336 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/09/12(金) 09:44:31 ID:TaMlxkkY
かなり久しぶりに来たけど続いててよかった
まとめとかで見直してくる

337 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/09/16(火) 15:49:02 ID:gTRCrmAU
Wikiの人物一覧更新してみました。
詳細の方は挫折orz
まとめサイト個人で作ってる人は凄いなぁと思った数時間

338 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/09/18(木) 23:59:44 ID:gcw3Wots
乙であります!

339 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/10/13(月) 12:35:58 ID:gSxx.VhA
♂sノビと♀ケミに死亡フラグが・・・。
気絶瀕死組と対mob組は合流できるのか、♂騎士と♀商人はPTに戻れるのか
10人を切ろうかという参加者数になり、終盤に近付いてきましたね

340 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/11/13(木) 21:16:42 ID:hidww.IA
停滞してますな・・・(`・ω・´;)
完結まで見届けますよ!

341 名前:接近に失敗しました 投稿日:接近に失敗しました
接近に失敗しました

342 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/12/30(火) 02:51:17 ID:5Pq4xoBA
4ヶ月以上動いてなくてしょんぼり。
なんだか進め辛い空気?というか作者さんがもう一人だったりするんじゃ…
次の投下待ちで停滞中なのかな

二回目始まったのが2005/11/07。
いつの間にか四年目入ってたのね

343 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/07(土) 04:28:50 ID:jh9bq/Sg
289.信頼対決

情勢は、圧倒的にパピヨンが不利だった。
敵には魔法職が二人。聖職者が二人。さらに、蛮勇とも呼べるほど強固な意思で攻撃を続けるアタッカーが一人。
対して、味方には自分と、『トモダチ』が一匹。
『トモダチ』は狂戦士のごとく攻撃を続ける♂スパノビに粘着されおり、今すぐにでも助けたい。
しかし、かといって安易に近づけば♀WIZのクァグマイアにより動きを鈍くされた後、魔法で蜂の巣にされるのが目に見えている。
パピヨンは、この状況を転換させうる何かを心から渇望していた。
そして。
今、それは存在したのだった。

パピヨンが自分たちの背後に回ったのを見て、♀WIZはほくそ笑んだ。
おそらく、寄生虫とパピヨンで挟み撃ちにする気だと考えたからだ。
しかし、逆に言えば、それは味方の分断である。
これで、パピヨンは寄生虫を攻撃している♂スパノビを攻撃することができない。やろうとしても、♀WIZが阻む。
心配なのは、むしろ♂スパノビの方だ。
明らかに正常心を忘れており、先ほどから無用な捨て身の攻撃を続けている。
だが、そちらには♂プリーストと♀アコライトと♀マジがついている。
きっと彼らならば、♂スパノビを助けてくれるに違いない。
それは冒険者特有の、ある意味泥臭い、しかし何よりも高潔な、信頼という名の絆だった。

♀WIZが♀マジ達を信頼しているように、♀マジもまた♀WIZを信頼していた。
♀マジ達は寄生虫へ攻撃中であり、パピヨンに背を向けてしまっている。
それは、パピヨンへ絶大なる隙を晒していることになる。
しかし。
自分の後ろには、♀WIZがいる。
彼女ならば、パピヨンを完封してくれる。
そして、私達に完全なる勝利を与えてくれる。
一人では成しえられない、何事にも換えられない、勝利を。

♀WIZは信頼していた。♀マジが寄生虫を倒してくれることを。
♀マジは信頼していた。♀WIZがパピヨンから守ってくれることを。
その信頼は揺ぎ無い確実のものであり、それを実現させるだけの意思と実力を彼女達は持っていた。

しかし。
その信頼には、横からの第三者への襲撃への配慮が、完全に欠けていたのだった。


何が起こったのか、♀WIZにはわからなかった。
彼女が理解できたのは、体中を電撃のような何かが駆け抜けたことと、瞬間、自分が木に叩きつけられていたこと。
そして、自分が取り返しのつかない失態を犯してしまった、ということだった。

ずっと様子を伺っていたデビルチは、ついに♀WIZの決定的な隙にありつき、ユピテルサンダーを叩き込んだ。
同時に、寄生虫へと走り出す。
手に持つトライデントを腰だめに構え、寄生虫と♂スパノビに気をとられている♂プリーストへと走り出し。
ずぐり、と。
重い手ごたえが、デビルチの奇襲が成功した、ということを知らせたのだった。

♀WIZが突如横に吹き飛んだことに、パピヨンはまったく驚くということをしなかった。
いや、むしろ計算どおりだ、とほくそ笑むほどだった。
自分がうまく立ち回れば、きっとデビルチは最良の形で場に介入してくれるに違いない、と。
モンスターには冒険者のようにモンスター同士で信頼しきる、ということはほとんどない。
せいぜいが同属で守りあう程度のものである。
なら何故パピヨンがデビルチをそこまで信頼しきっていたのかというと、それはそれほど彼女が純真であったからである。
何故そこまでの純真な心を持てるか、それは定かではない。
ただ生まれたばかりの無知であるのか。
それとも女王としての本能であるのか。
はてまた母親であるミストレスに種をつけた、あるお人よしの父親の血なのか。
ただ一つ確かなことは、パピヨンの信頼は決して冒険者のそれに引けをとらないほど、強固なものであった、ということである。

デビルチの活躍に歓喜したパピヨンは、この期を逃してなるものか、と突撃する。
完全に背中の無防備を奪った♀マジに対して、上空からの滑空の勢いそのままに、強烈な飛び蹴りを放つ。
見事それは相手の背中に命中し、♀マジを地面に叩きつける。
パピヨンの勢いはそれだけで止まらない。
次の目標は……この事態にも関わらず、トモダチへの攻撃をやめない♂スパノビである。
「きゃはははははははははははははははっ、死ねッ、クソガキッッッ!!!!」
パピヨンの右手が閃く。
右足膝、臀部、後背部。
強烈なピアースが♂スパノビを貫いた。


何が起こったのか、♀アコライトには全く理解できなかた。
いや、理解できないというより、理解したくなかった。
ほんの、ついさっきまで。
自分達のパーティーは、モンスターを圧倒していたはずである。
しかし、それは一瞬にしてひっくりかえってしまった。
♀アコライトの冷静な部分が、この状況を説明する。
敵の増援、奇襲、自分以外の全員が攻撃を受けたということ。
彼女もまた冒険者であり、他の仲間と同様に、仲間に対して絶対の信頼を置いていた。
しかし、その仲間は全て地に伏せている。
絶対の信頼はもはや完全に逆転し、♀アコライトの意思は絶対的な絶望に包まれたのだった。

344 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/07(土) 04:29:20 ID:jh9bq/Sg
<♀WIZ>
現在地:E-6
所持品:クローキングマフラー 未挿sロザリオ
    ウィザードスタッフ DCカタール +7THグラディウス 多目の食料
容 姿:WIZデフォの銀髪
備 考:LV99のAGIWIZ GMに復讐 ♂シーフと同行 年の事は聞かないでね?
状 態:容態安定 ただし全身に傷跡が残る HP/SP中回復
    デビルチのユピテルサンダーを受ける。


<♂スパノビ>
現在地:E-6
所持品:スティレット ガード ほお紅 装飾用ひまわり 古いカード帖 食料二食
スキル:速度増加 ヒール ニューマ ルアフ 解毒
外 見:巨漢 超強面だが頭が悪い
備 考:BOT症状発現? ♀BSの最期の命令に従っている 寄生虫を殺す
状 態:腹部に裂傷。右足膝、臀部、後背部を刺される。


<♂プリースト>
現在地:E-6
所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 食料二食 マイトスタッフ
外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔
備考:殴りプリ
状態:HPSP共に微回復。腹部を刺される。


<♀アコライト&子犬>
現在地:E-6
容 姿:らぐ何コードcsf:4j0n8042
所持品:集中ポーション2個 子デザ&ペットフードいっぱい 食料二食
スキル:ヒール・速度増加・ブレッシング
備 考:殴りアコ(Int1)・方向オンチ 首輪と地図と禁止区域の関係を知る
状 態:多少の傷 SP微回復


<♀マジ>
現在位置:E-6
所持品:真理の目隠し とんがり帽子 食料二食
容 姿:褐色の髪(ボブっぽいショート)
備 考:ボクっ子。スタイルにコンプレックス有り。氷雷マジ。異端学派。
   首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミに敵意
状 態:足に軽い捻挫、普通に歩くのは問題無し。背中を思い切り蹴られる。


<悪ケミ>
現在地:E-6
所持品:グラディウス バフォ帽 サングラス 黄ハーブティ 馬牌×1 食料二食
容 姿:ケミデフォ、目の色は赤
備 考:サバイバル・危険物に特化した頭脳、スティールを使えるシーフを探す、子バフォに脱出を誓う、首輪と地図と禁止区域の関係を知る
したぼく:グラサンモンク
参考スレッド:悪ケミハウスで4箱目


<デビルチ>
現在地:D-6→E-6
所持品:+10スティックキャンディ トライデント(デビルチ用)
備 考:悪魔
状 態:瀕死


<パピヨン>
現在地:E-6
備 考:ミストレスの魔力を一部継承 ミストレスの持つ虫達を統べるカリスマ継承 ノーマルより強い スピードも速い


<寄生虫>
現在地:E-6
外 見:ウンゴリアントの亜種
備 考:淫徒プリから孵る パピヨンに忠誠
状 態:ストームガスト一発直撃。


<残り13名+4匹>

初投稿ですが、よろしくおねがいします。
なんかダメなところとかあったら、容赦なく外伝扱いしてください。
なお、既に終着点は構想しております。
良くも悪くも、そこへ向けて物語が加速するということについて、ご容赦願います。

345 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/08(日) 02:49:52 ID:6qpfSHPk
……ひょっとしてもう誰も見ていないのかな。(そりゃそうかもしれないけど)
見ている人がいたら最後まで続き書くので、気づいたら書き込みおねがいします。
いつまでも待っていますから……

346 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/09(月) 20:00:12 ID:5g5zRSrg
見てますともー
他にも、居るとは思うが・・

一話からのまとめって、需要あるかな?随分長く続いてるから
自分もなんだけど、話の流れを忘れてしまってる部分があるんですよね
流ればわかれば書き手さんも増えるかなぁ〜とか、思ったんですが

347 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/09(月) 21:17:06 ID:lFRM0emE
見てます。
はじめはリレー方式だったけど、>345さんにまとめてもらってもいい気がします。
もう半年も放置されてましたし、ずっとこのままなのより完結しちゃったほうがいいと思います。

348 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/09(月) 21:57:45 ID:ydAWicAA
見てますヨ、書き手がいる限り見に来るつもりです。

349 名前:345 投稿日:2009/02/09(月) 22:50:03 ID:WPDHY/Zo
見ている人いた!!
というわけで、これから少しずつ進めていきたいと思います。
皆様、最後までどうかよろしくおねがいします。

350 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/10(火) 16:58:25 ID:Yx/4dtNM
ごめんねー。見たけどそのときには書き込まなかった。
話が進んで嬉しい限り。

嬉しいけれどこれからキャラががっつり死んでいくのを思うと複雑でもあるw
それぞれの死に際の葛藤や行動もバトロワの面白さですが。
伏線が張り巡らせてあって大変だと思うけど頑張ってください
続く限りは見に来ますよー (2/??)

351 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/10(火) 22:50:23 ID:Aatex5Aw
うわっ久しぶりに来たら進んでる!!
書いているうちに解らなくなったり大変だとは思いますが
続き頑張って下さい!見守らせて頂きます

by.たった一度だけ書いた事のある元書き手

352 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/11(水) 03:13:28 ID:abvqCqkc
290.撤退戦・前

ぐぅ、と焼け付くような痛みを感じた。
♂プリーストは一瞬混乱したが、即座に自分が腹を刺されたのだと悟った。
足元を見れば、そこにはデビルチがいた。こいつが下手人だろう。
♂プリーストは渾身の力でデビルチを蹴りつける。
それだけで、デビルチはサッカーボールのように弾んで、近くの木にぶつかった。
さらなる伏兵がいないかと周囲を確認するが、どうやら伏兵はこのデビルチだけだったらしい。
だが、それでもパーティーは壊滅的な打撃を受けたらしい。
モンスターと共にやってきて自分達と共闘していた♀WIZは木に叩きつけられたらしく、まったく動く気配がない。
♀マジは意識はあるものの、叫びつつ地面でもんどりうっている。おそらく彼女も奇襲を受けたのだろう。
♂スパノビはさらに酷い。元々かなり傷ついていたが、今パピヨンに背中ごしに胸を貫かれている。
悲鳴を上げているため即死ではないようだが、それもいつまでもつやら。
かく言う自分も酷い。
デビルチの槍は鋭く、内臓がかなりやられている。
さらに呪いまでかかっていたのか、全身に力が入らず、今にも意識を失って倒れそうだ。
幸いにも♀アコライトと悪ケミは全くの無事なようだが……あの素早いパピヨンを相手にどれだけ戦うことができるやら。
突発的な共闘者である♀WIZは知らないが、他の仲間と比べれば、♂プリーストが最も戦歴が長い。
ゆえに、パーティーのリーダーとして、この状況をどうすればよいか決断しなければならない。
退くか、戦うか。
ほんの一秒。
それで♂プリーストは決断を下した。

「皆、聞け!!」
どすん、とマイトスタッフを地面に叩きつける。
その音で、意識のあるものたちの意識は全て♂プリーストに集まった。
「現在、パーティーは絶望的な状況にある。俺はもう長くは持たないし、動けないやつらも多い。だが――」
♂プリーストは、♀アコライトと悪ケミを見る。
「お前達は、幸いにも無傷だ。お前達は他のやつらを連れて逃げろ。悪ケミは♀WIZを。♀アコライトは♀マジを。その間――俺がモンスターを足止めする」
「そ、そんな――」
「俺がリーダーだ、口答えは許さん!!!」
反論した♀アコライト叫ぶのと同時に、♂プリーストの口から血の混じった唾が飛び散る。
「念のため、撤退は別々の方向へとする。悪ケミはD6方向へ、♀アコライトはF6方向へ逃げろ。以上だ」
あっさりと終わらせすぎたか。
悪ケミも♀アコライトも、呆気にとられた目で♂プリーストを見る。
こういうとき、咄嗟に動けないようじゃ冒険者失格だぜ、と内面で苦笑しつつ、♂プリーストは叫ぶ。
「以上だといっている、全員、動けええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
「う、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
弾けるように、悪ケミと♀アコライトが動いた。

悪ケミが♀WIZに走り寄る。
だが、悪ケミは♂プリーストの言葉に従ったから動いたわけではない。
パーティーが壊滅状態になった最大の要因は、増援である♀WIZが動かなくなったからである。
果たして、♀WIZは木に寄りかかったまま気絶していた。だが、彼女さえ起きれば、犠牲を出さずにモンスターを追い払うことができるかもしれない。
♂プリーストは己の死を自覚していたが、悪ケミはまだ彼らの命を諦めてなかったのである。
「ねえ、起きて」
ペチペチ、と頬を叩く。
「ねえ、起きてよ。貴女の力が必要なんだよ」
頬を叩く力は強くなり、パチン!パチン!と力強い音がする。しかし、♀WIZは目を覚まさない。
「ねえ、お願いだよ! 貴女が起きてくれないと――」
大切な仲間が、死ぬ。
こらえきれなくなった悪ケミは、♀WIZの体全体を揺すろうとして――そこで、ぬるりとした感触に気づいた。
♀WIZの後頭部を触った手が、真っ赤になっていた。
なんのことはない。
ユピテルサンダーのダメージ自体は軽症だった♀WIZだったが、叩きつけられたときの当たり所が悪かったのだ。
つまり、それは彼女もまた重傷者ということであり――この状況が絶望的であるということでもあった。
思わず、悪ケミの目に涙が溢れてきそうになる。
何故こんなに運が悪いのか。神様は何故、こんな意地悪をするのか。
だが泣き言ばかりを言っているわけにはいかない。
こうなった以上――私が最後の砦にならなければいけない!!
(悪ケミ奥義!!)

 所 持 限 界 量 増 加 ! !

このスキルは、商人には必修のスキルとなっている。
何故か。
アイテムを沢山持てるようになることで、移動の手間や狩場の滞在時間を延ばすようにするためか。
否!!
このスキルが商人の必修スキルとなっている理由、それは例え非力な者であっても、重い人間を運べるようにするためである!!
そもそも、商人は基本的に前に出て戦うための職業ではない。
ブラックスミスは数々の自己支援を持つが、その理由も元を正せばパーティーの仲間を鼓舞するためなのだ。
そんな商人だから、パーティーが壊滅状態となっても、生存していることが多い。
そんなとき、パーティーが反撃可能ならばよいが、撤退の余地しかない場合。
そのときこそ、商人が最後の砦となって息のある仲間を連れて逃げられるように、と所持限界量増加が必修となったのだ!!

「うおおおおおおおおおおおおっ!!!」
悪ケミは、怒号とともに♀WIZを両肩に背負う。
さらに、悪ケミは懐の切り札を取り出す。
「封じられし名馬の魂よ、我に力を与えよ!!」
ヒヒーーーーン!!!
力強い馬のいななきが悪ケミの全身に力を満たしていく。
悪ケミは馬のごとき凄まじい速さで、西へ向かって走り出したのだった。

353 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/11(水) 03:16:44 ID:abvqCqkc
<♀WIZ>
現在地:E-6
所持品:クローキングマフラー 未挿sロザリオ
    ウィザードスタッフ DCカタール +7THグラディウス 多目の食料
容 姿:WIZデフォの銀髪
備 考:LV99のAGIWIZ GMに復讐 ♂シーフと同行 年の事は聞かないでね?
状 態:容態安定 ただし全身に傷跡が残る HP/SP中回復
    デビルチのユピテルサンダーを受けた時、後頭部を木にぶつけて気絶。


<♂スパノビ>
現在地:E-6
所持品:スティレット ガード ほお紅 装飾用ひまわり 古いカード帖 食料二食
スキル:速度増加 ヒール ニューマ ルアフ 解毒
外 見:巨漢 超強面だが頭が悪い
備 考:BOT症状発現? ♀BSの最期の命令に従っている 寄生虫を殺す
状 態:腹部に裂傷。右足膝、臀部、後背部を刺される。


<♂プリースト>
現在地:E-6
所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 食料二食 マイトスタッフ
外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔
備考:殴りプリ
状態:HPSP共に微回復。腹部を刺される。死を自覚した。


<♀アコライト&子犬>
現在地:E-6
容 姿:らぐ何コードcsf:4j0n8042
所持品:集中ポーション2個 子デザ&ペットフードいっぱい 食料二食
スキル:ヒール・速度増加・ブレッシング
備 考:殴りアコ(Int1)・方向オンチ 首輪と地図と禁止区域の関係を知る
状 態:多少の傷 SP微回復


<♀マジ>
現在位置:E-6
所持品:真理の目隠し とんがり帽子 食料二食
容 姿:褐色の髪(ボブっぽいショート)
備 考:ボクっ子。スタイルにコンプレックス有り。氷雷マジ。異端学派。
   首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミに敵意
状 態:足に軽い捻挫、普通に歩くのは問題無し。背中を思い切り蹴られる。


<悪ケミ>
現在地:E-6
所持品:グラディウス バフォ帽 サングラス 黄ハーブティ 食料二食
容 姿:ケミデフォ、目の色は赤
備 考:サバイバル・危険物に特化した頭脳、スティールを使えるシーフを探す、子バフォに脱出を誓う、首輪と地図と禁止区域の関係を知る
したぼく:グラサンモンク
参考スレッド:悪ケミハウスで4箱目
状 態:♀WIZを担いでE6→D6方向へ移動


<デビルチ>
現在地:D-6→E-6
所持品:+10スティックキャンディ トライデント(デビルチ用)
備 考:悪魔
状 態:瀕死。♂プリーストにさらに木に叩きつけられる。


<パピヨン>
現在地:E-6
備 考:ミストレスの魔力を一部継承 ミストレスの持つ虫達を統べるカリスマ継承 ノーマルより強い スピードも速い


<寄生虫>
現在地:E-6
外 見:ウンゴリアントの亜種
備 考:淫徒プリから孵る パピヨンに忠誠
状 態:ストームガスト一発直撃。


<残り13名+4匹>

見ている人がたくさんいた!
これで勝つる!!
てなわけでテンションあがってきたのでぺたり。
感想などいただけると、さらにテンションがあがって投稿速度増加スキルがかかるかもです。

354 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/13(金) 04:58:42 ID:C6vcXtho
おおっと似たことを考えてる人がいた。
無駄に様子見しながら書いてた分をアナザー投下しますw

355 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/13(金) 04:59:43 ID:C6vcXtho
アナザー.真紅[3日目]

「そのまま押さえといて!」
蟲にしがみついた♂プリへ一声叫んで♀マジは呪文を唱え始めた。
ファイアボルト。10本まとめて飛ばしてやる。
ほとんど同時に♀Wizも同じ呪文を唱え始めた。
仲間を巻き込む大魔法や、♂スパノビの傷を広げかねないJTは使えないってことだろう。
でもパピヨンが黙ってはいなかった。
「させないよーっ」
赤い光の球を生み出しながら急降下。
魔法を♀Wizへ撃って――本体はこっちくる!?
「くうっ…クァグマイア!アイスウォール!」
闇SSの直撃で詠唱をとめられた♀Wizが足止めの魔法を使ってくれた。
間に合え。
「んもー!また邪魔ー!?」
行く手をさえぎられたパピヨンは文句を言いながら飛び上がって、また赤い光を生み出した。
そしてもう少しで魔法の完成するボクに向けて発射。
「ソウルストライク!」
♀WizがSSで器用に相殺する。でも
パパンッ…ドンッ
「わっ痛っ」
SS同士で相殺なんてどうしたって無理がある。セージの魔法じゃないんだから。
一発当たっちゃって衝撃で詠唱が途切れた。
やっぱりこのパピヨンムカつく。
魔法の射程は一緒だからほとんどの呪文は闇SSで妨害されるし、頭の悪い普通のモンスターと違ってファイアウォールに引っ掛かってる間に詠唱するって方法も効かない。
やっぱりFDでなんとか凍らせるしかないか。
動きを止めるだけならアイスウォールもあるけど、スキルまでは封じれないから追い打ちが掛けられないはず。
♀Wizをちらっと見る。
そしたら♀Wizと目があって頷き返された。
何か考えがあるみたいだ。なら
「ファイアウォール!」
「おっとー」
目の前に立てた炎の壁からパピヨンが飛び下がる。
かすりもしなかったけどそれでぴったり♀Wizの射程圏。
「アイスウォール!アイスウォール!アイスウォール!」
地面からそそり立った氷の壁がパピヨンの前後左右をぎっしりと固めた。
「つめたっ!何すんのよおばさんっ」
パピヨンは文句を言ってじたばたするけどもちろん動けない。
疑似ピラーって奴…じゃない。ファイアウォールを立てる隙間がない。
「どうする気さ?」
「まあ見てて」
尋ねるボクに軽くほほえむと、♀WizはSSの射程圏外へ下がってストームガストを詠唱し始めた。
そうか。射程距離は同じでも、大魔法なら範囲分だけ遠くまで届くんだ。
アイスウォールが溶けるタイミングも当然熟知してるんだろう。
だけど追い込まれたはずのパピヨンが氷の中で笑った。
「なーんちゃって。引っ掛かったー」
「え!?」
引っ掛かったって何が?
氷を割って逃げる気かな?でもそれならもう氷を叩き始めてないとおかしい。
不思議に思ってるとどっかからキーキー声が聞こえた。
ボクの習った魔術とは体系が違うけど、間違いなく呪文の詠唱。
「デビルチ?…どこ!?」
確かちょっと前に♀アコがぶちのめしたはず。
あのバカ、とどめ刺してなかったのか。
焦って見回すと♀Wizの横、♀マジから見るとパピヨンの向こう側に黒い影を見つけた。
遠い。
でもSSの一発も当てれば止まる。迷ってる暇はない。
一直線に駆け出すと、♀Wizのびっくりしたような焦ったような顔が見えた。
…考えてみたらSGの範囲に駆け込んだんだ。そりゃ驚くよね。
まあ何とかなるっ。
と思った瞬間、視界の隅に赤い光が灯った。
「あまーい」
パピヨンの闇SS。防御は間に合わない。歯を食いしばって耐える!
ドドドドンッ
「く…はっ」
ダメージより衝撃がきつかった。足が止まり、呼吸が乱れる。
そしてその分一歩届かない。
「ユぴテルサンダー」
「あうっ」
バリバリという放電音とともに♀Wizの体が大きく跳ね飛ばされた。
それでも空中で器用に身をひねり受け身を取った。
衝突。
「ぐぉっ」
♂プリに。
「あら、ごめんなさい」
「立ったらダメ!」
慌てて♂プリの上からどこうとする♀Wizに怒鳴る。
その意味に気付いたのは♂プリの方だった。
「あぶねえっ」
ガチンッ
♀Wizを引きずり倒した♂プリの頭上すれすれで、火花さえ散らして硬い顎が閉じる。
「ヌう、おしイ…」
悔しげに呟いたデビルチが茂みへ姿を隠す。
「ざーんねーん」
「じゃないだろっ」
デビルチは諦めてパピヨンに仕返しのSSを叩きつける。
でも♀Wiz達へ気を取られてる間に向こうも次の闇SSを準備していた。あっさり相殺したパピヨンが得意そうに笑う。
ムカついた。けど無視して♀Wiz達を助けに走る。
2人は蟲の前で倒れたまま。その頭上へ一度は避けた牙が振り下ろされる。
「やべ」
♂プリの妙に冷静なつぶやきが聞こえた。
間に合わない。そう判断したらしく♀Wizだけを突き飛ばす。
そして何かの砕ける鈍い音。
「♂プリさん!?」
♀Wizが悲鳴に近い声をあげて振り返る。
だけど体液を飛び散らせて身をのけぞらせたのは蟲の方だった。
「っっっったあぁ〜〜〜〜〜いっ!」
悲鳴を上げて♀アコが飛び離れる。
押さえた右拳からは蟲の体液と自分の血をしたたらせてる。
力加減も考えないで硬い殻を思い切り殴ったらしい。でもそのおかげで♂プリは助かったんだから
「バカなのもたまには役に立つんだね」
思わずつぶやいた。
「いや、いい気合だっ」
♂プリは獰猛な笑みを浮かべて蟲の下から転がり出し、行きがけの駄賃にマイトスタッフで蟲の複眼を一撃した。
視界を狭められた蟲が耳障りな声を上げる。
気を取り直した♀Wizも追い打ちのSSをたたき込む。
一瞬で攻守が逆転した。
チャンスだ。ここで一気に押し切らなくちゃ。
ボクもSSを唱え
「ダメ、後ろ!」
1人戦闘から離れてる悪ケミの警告が聞こえた。
氷の崩れる音。そして羽音。

ドクン、と心臓が脈打って
時間の進みがとても遅くなって
背中から胸へと
灼熱の感覚が貫いた。

356 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/13(金) 05:00:16 ID:C6vcXtho
アナザー.揺れる天秤[3日目]


「ちょっと、嘘!?」
♀マジの胸の中央を赤い触角が撃ち抜いている。その光景に♀アコの悲鳴が上がった。
即死だ。手の打ちようはない。
分かってはいても、いや分かってしまったからこそ全員の動きが止まる。
再び形勢が虫の主従に傾こうとした刹那
「うおおおおおおぉっ!」
凍りついた空気を断ち割るように♂プリのマイトスタッフが振り下ろされた。
蟲は避けることさえできずにその一撃を受ける。
尾を♂スパノビに組み止められているためだけではない。♂プリを向く蟲の両眼は砕けていた。♀マジの最期に唱えたSSは完成し、一矢を報いていたのだ。
「止まんなっ!こいつらシメて、泣くのも祈んのもそれからだっ!」
破戒僧らしいことを破戒僧らしい口調で怒鳴る。
蹴飛ばされるように全員の時間が動き出した。
「ファイアウォール!」
すでに次の獲物を狙って動き出していたパピヨンを♀Wizが牽制する。
「ちぇ」
パピヨンは♀マジの遺体を引きずって後退。まだ生気を残している血液をすすりだした。
「このお…」
「行け」
怒りをあらわにする♀アコへちらりと視線を投げ、♂プリは告げた。
「こっちは俺とこいつで何とかなる」
「…お願いっ」
♀アコは飛び出す。
実のところ彼女が一対一でパピヨンに勝てる可能性はかなり低い。おそらく♀Wizの援護を受けることになるだろう。だったら♀Wizが1人で牽制し、先に蟲を倒した方が効率はいい。
理屈ではなく経験と勘がそういう結論をはじき出していた。だがモンクを志す彼女が明確な悪への怒りを我慢することなどできなかった。
「ちえぇぇすとおぉぉっ」
間合いを一気に詰め、全力の右中段突きを繰り出す。
「なによー。ごはん邪魔しないでよー」
♀マジの遺体を抱えて血をすすっていたにもかかわらず、パピヨンはその攻撃をあっさりかわした。
お返しとばかりに左右の触角が連撃で迫る。
ストレートの左を首を振って避け、さらにしゃがんで右のスウィングを回避。
「アイスウォール!」
♀Wizの声とともにパピヨンの背後へ氷の壁がそそり立ち、退路を断った。
♀アコは即座に踏み込んでパピヨンを追い込む。
「せえぃっ」
大振りになった初撃とは違う鋭いワン・ツー。
今度はパピヨンも避けきれず、触角を使って弾きながら横へ逃げる。
その一点を狙い、♀アコの肩越しに半透明の魔力球が殺到した。
「ソウルストライク!」
♀アコの体と攻撃を目隠しにしての不意打ち。闇SSでの防御は間に合わない。
ズババババンッ
全弾が命中し、肉体にはじける音が連なった。しかし
「…んなっ」
絶句したのは♀アコの方だった。
パピヨンは体の前にぶら下げた♀マジを盾にして魔法を受け止めていた。しかも着弾によって開いた傷口から血液をすすって見せて投げ捨てる。
「ぷう。ごちそうさまっと」
口を拭うパピヨンの姿を見て♀Wizは目を見開いた。
今まで交戦でパピヨンにも小さいながらダメージを積み重ねてきた。その痕跡が見あたらない。そればかりか
「じゃー反撃かいしーっ」
「下がって!」
明らかに今までより充実した魔力を感じて♀Wizは叫ぶ。
ほとんど同時に♀アコも危険を感じて跳びすさった。
その目前で真紅の魔力球が生み出され、打ち出される。
「くっ!」
♀アコはとっさに体を丸め両腕で顔と胴体の急所をかばう。ところが赤い光弾は身を固くした彼女の左右をかすめ、♀Wizへ向かった。
「ソウルストライク!」
♀Wizはかろうじて詠唱を間に合わせた。しかし至近距離で魔力が炸裂し、余波を浴びてよろめく。
さらに防御を固めたために動きの鈍った♀アコを触角が打ち据えた。
「くぅっ」
ガードの上からでも息が詰まるほどの一撃を浴びて腕の骨が軋む。
痛めていた右手にいやな痺れが走り、しかも拳の届かない距離へ押し返されてしまった。
強い。
2人の頬を嫌な汗がつたった。


「おおおおおっ」
がんがんと蟲の表皮を叩きつけながら♂プリも次第に焦りだしていた。
ほとんど一方的に攻撃し続けているが、固くて生命力もやたら高い。彼だけでは一気に倒すだけの決定打が欠けていた。
♀Wizたちの苦戦は彼にも見えている。そして♂スパノビの力も明らかに弱り始めていた。
考えてみればこの手の地を這う蟲はほとんどが毒を持っている。その牙を腹に突き立てたままこらえているのだ。とっくに限界を迎えていてもおかしくない。
「さっさとくたばれっ」
ギイイッ
早く決着をつけようと思い切り振りかぶった瞬間、本能的に危険を察知した蟲が牙を盲滅法に振り回した。杖と牙が激しく噛み合い、金属的な音が上がる。
「やべ、しまった」
♂プリの視線が宙を舞うマイトスタッフを追った。
彼の攻撃も蟲の牙一本を見事に叩き折ったが、代償に武器を失った。
拾いに行くか素手で殴るか一瞬迷う。その間に蟲の追撃が来た。
「うおおっ」
三本の牙の内一本が折れたおかげで挟み込まれはしなかった。だが棍棒で殴られたような衝撃を受けて薙ぎ倒される。
そのまま噛みつこうとする牙をぎりぎりつかみ止めた。だが、これで彼も動けない。♂スパノビが力つきたら支えきれないだろう。
やばい。何か逆転の手を打たないと。
じりじり押し込まれる牙を彼はにらみ付けた。


「フロストダイバー!」
「おっとー」
♀Wiz達も苦戦を続けていた。
そもそもここまで魔法を連発しすぎて精神力の残りが心もとない。
また♀アコも、高速で移動しながら攻撃を繰り出すパピヨンを追いきれていない。
さらにはデビルチもまだどこかで機会をうかがっていると思っていい。
「アコさん、♂プリさんの方をお願いします」
一瞬迷って♀Wizは言った。
「でも!」
ぎりぎりで触角をかわし続け、細かい傷だらけになった少女は悔しそうにパピヨンをにらむ。
「こちらは大丈夫ですから」
「……!」
♀アコは、ぎり、と唇を噛んだ。
♂プリにも同じ事を言われた。
つまり不可欠な戦力ではないということだ。充分に強ければどちらかに協力して一気に倒せたのに。
未熟。自分はあまりにも未熟。
「すぐ戻るからっ」
歯を食いしばって♂プリ達のところへ駆け戻ろうとする。その前に桜色の影が舞い降りた。
「だーめ。次はあんたー」
「邪魔っ」
体の前にそろえた両腕で急所をかばい、左右のステップでフェイントをかけて一気に抜ける。
触角がかすめたがダメージは少ない。行ける。
そう思った瞬間視界がぼやけた。
「あ…れ…?」
「アコさんっ!?」
パピヨンの脇を駆け抜けたところで突然止まった♀アコに、♀Wizは叫んだ。
一瞬遅れて何があったのか気付く。
「――睡眠毒!」
普段なら起こせば済むが、手の足りない今は最悪のタイミングと言っていい。
さらにパピヨンは赤い光を集め、槍を構えるように触角を大きく引く。
このまま無防備な背後から攻撃されれば♀マジの二の舞だ。
「フロストダイバー!」
凍結してくれれば儲けもの。回避されても♀アコへの攻撃は止まる。
だがパピヨンは素早く飛び上がり、木を盾にして氷を避けたかと思うと♀Wizへ突撃してきた。
「あははははははは、死んじゃえーっ!」
魔力球と触角は構えたままだ。FDを唱えた後では両方を防ぐだけの呪文を唱える余裕などない。
「クァグマイア!」
♀Wizは魔法を食らうのは諦めて物理攻撃の回避を優先した。
そして
「スペルブレイカー」
「「え?」」
赤い魔力球は撃ち出される前に消滅した。
「やれやれ。つい手を出しましたが、これはどうしたものでしょうかね」
茂みの中から出てきた男は困り顔で頬を掻いた。

357 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/14(土) 02:30:07 ID:2uS/u2Hs
途切れてるけど書き込んでいいのかな?
>>352
ちょっとキャラの性格が怪しく感じたりも。
悪ケミが男前で吹いたw
パッシブの所持量増加をここで使うのも面白いなーと思った
忍者の形見の馬牌もこれでラストだね

>>354
そんなこと言わずこれからも様子見て投下を。
ラストはようやく♂セージ合流だったのかな?

358 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/15(日) 18:46:41 ID:9Lv9OjpY
む、進んでいる・・・!
自分も現存する書き手のひとりですが、これは見守ったほうが良い流れなのでしょうか。
自分もまた投下しても大丈夫なのかな・・・?

359 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/15(日) 19:07:18 ID:21QFVP8c
>>358さん
>>343>>352を書いたものですが、ぜひ参加してほしいと思います。
ただし、その場合、投稿参加者で一度今後の展開について意見を統一する必要があると思います。
現在の状況はいろいろと問題が山積みになっているので……

360 名前:354 投稿日:2009/02/15(日) 19:53:09 ID:hZwu0FAI
アナザー投下した者です。
>>359
あー、やっぱりですか。
本来リレーで談合のようなことはしたくないのですが、
それぞれにビジョンを持っている場合、下手すると伏線の潰し合いになってまた進行が止まりかねないんですよね。
私もそれが怖くて書き溜めていました。
展開を一本に限定するのはやりすぎにしても、お互いどういうつもりでいるかは知っておきたいですね。
他の展開を妨害するならそれなりの意志と意図をもってやれるように。
けどここでネタバレは興ざめですし、一度ROかメッセででも会いますか?

361 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/15(日) 20:41:01 ID:21QFVP8c
可能ならば会議はROでしたいですね。
メッセは重いので入れていないので……

362 名前:354 投稿日:2009/02/15(日) 22:17:18 ID:hZwu0FAI
私もROの方が楽です
>>358さんはどうかな?

363 名前:359 投稿日:2009/02/15(日) 23:15:07 ID:21QFVP8c
とりあえず>>358さんをあんまし待ってもアレなので、17日の22時くらいにRO内で話あいませんか?
場所は……Verdandiサーバーの、噴水北あたりで。鯖の住人の溜まり場とかぶっていたら、随時変更で。
>>358さんは気づかれましたら、参加してください。
ちなみに、Verdandiサーバの理由は、無作為に決めたからです。やるならばどこでも可能です。

364 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/16(月) 09:23:36 ID:PDuv6KrA
おお、書き手さん3人いたのか
流石にリレーで処理できるレベルの伏線じゃないですよね
第一回の終盤はどう終わらせたんだろう
2ルートあるってことは一人ずつ書いてたのかな?

話し合いが上手くいきますように。
読み手はスレで投下を待つことにします。

365 名前:354 投稿日:2009/02/16(月) 20:43:38 ID:WYKF545M
>>363
了解しました。時間・鯖とも問題ありません
分かりやすい名前のノビを作って配置しておきます

366 名前:358 投稿日:2009/02/16(月) 20:45:37 ID:SzzVvaO2
>>358です、乗り遅れちゃった・・・!

17日の22時は、恐らく仕事で繋げないと思います、申し訳ない・・・。
それ以前に今、課金が切れてたりもするんだけd

けふけふ
個人的には「リレー小説」という企画をもうちょっと楽しみたかったのが本音ですが、それよりもまず完結を目指したいのは私も同意です。
私個人としてはこの後の展開に明確なビジョンは持っておらず、ほかの書き手さんの作ってくれた展開をうまく調理していこうと思っていた程度なので、
話し合いに参加し難いのも含めて、この後の展開像を持っている書き手さん優先で話を進めて頂いて構わないとは思っています。

と、言いつつもまだちょっと書き手を続けてきたいのも本音だったり。
まだ次回に話し合いの機会があるのならば、私も参加したいと思いますー。

367 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/16(月) 20:50:39 ID:WYKF545M
あ、聞き忘れました
噴水ってプロ中央の噴水のことでいいでしょうか?

368 名前:359 投稿日:2009/02/16(月) 21:32:04 ID:vqMPRze6
>>366
了解いたしました。
決定事項は、追って連絡したいと思います。
そのため、連絡先が流出しても問題ない連絡方法があれば、教えていただきたいです。
>>367
そうです。プロンテラ北の噴水です。よろしくおねがいします。

369 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/16(月) 22:40:29 ID:pR0v.85M
リレーってのは、不特定多数が好き好きにカキコしていく
カオスが面白いんだが、3人じゃ逆に難しいって事か。
まぁ、この際談合だろうがなんだろうが完結してもらえれば嬉しい限り。

370 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/17(火) 00:39:21 ID:ZmamYGJo
|ω・`)ここにも書き手いるよー

ただ、休止して早1年以上になってて、
書き手を続けていいものか
手を上げていいものか悩んでた。

差し支えなければいってもいいかな(´・ω・`)?

371 名前:359 投稿日:2009/02/17(火) 00:45:47 ID:IDJU8FI.
>>370
ぜひ参加してください!!
待ってます。

372 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/17(火) 16:35:30 ID:iGRaolR.
>>369
ここまで煮詰まってくると難しいと思うよ。
作者αはキャラA生存ルートで組み立ててたのに、作者βが殺してしまうと話の組み直しになる。
終盤入って色々話まとめてるところで、本筋折られると続けられなくなるんじゃないかな?
バトロワの結末はいくつかあるけど、それでもパターンはあるし。
どう終わってもいいリレー小説よりもやりにくいんじゃないかなぁと思ってる

カオスも面白いけど、やっぱり書いてくれる人いての物語だからねー
中盤に殺人者側が全滅して投げちゃった人もいるんじゃないだろうか
書きやすさってのも必要だと思うのよ
この第二話のログみてたら第一話より硬くて書き辛いって作者さんいたようだし。
(一話で色々問題点あってルール厳しくなったのもあるんだろうけど)

リレーの「意外な伏線」ってのは面白いけれど、使われなきゃ意味のないもの
今の第二話って伏線がうようよしすぎてて使う方が困ってる気がする
瀕死or気絶キャラばかりのような…

>>370
書く気があれば何年たとうが作者さんですよ。
テコン、忍者、ガンスリはいないから大丈夫。きっと。

なんか色々語ってたら長くなりました、ごめんなさい。

373 名前:354 投稿日:2009/02/17(火) 22:04:25 ID:cb/OCqFg
>>370
Verdandi鯖プロンテラ156,217付近にて会議始めてます〜
いらっしゃるならどうぞ〜

374 名前:370 投稿日:2009/02/17(火) 22:24:51 ID:rvyCRzSU
|ω・`)いまからむかいますー

375 名前:370 投稿日:2009/02/17(火) 23:01:34 ID:rvyCRzSU
|ω・`)そんなわけで、書き手としては諦めてROMでまた続きを楽しみにします。

お二人様がんばってくださいませ!

376 名前:358 投稿日:2009/02/18(水) 15:52:10 ID:YY2EiBmM
358です。
とりあえず、フリーメール( ・ω・)つ[ldsg12@hotmail.com]
話し合いの結果がどうなったのか、連絡下されば有難いです。

377 名前:359 投稿日:2009/02/18(水) 20:31:28 ID:tSuWRRIM
>>376
火曜日の会議の議事録を送付しました。
ご確認の程、よろしくお願いいたします。

378 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/19(木) 14:26:40 ID:leIE1eEM
話し合いお疲れ様です

379 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/19(木) 23:20:15 ID:lT604/1k
たしかに第一回が無事完結して満足してしまったのか第二回は伏線出しすぎたね
登場の時点ですでにキャラ設定固定されてるってのもあったし。
第一回の時はキャラ設定は徐々に固まっていって後半になってから
突然意外な設定(♀クルセと♀剣士等)が出てきたりして面白かったけど
今回はこれ以上伏線出したら処理し切れなさそう・・・
そういう点では第二回は書きにくい上に
第一回の時にサポートへ回ってくれたWIKIやらマップ制作の人やらが居なくなったのも痛いと思う

とりあえず今書き手側に回ってる人には頑張ってもらいたいです(´・ω・`)

380 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/20(金) 21:52:22 ID:w3VW5w4A
291.撤退戦・後

♀アコライトのまぶたから涙が流れ落ちる。
♂プリーストは死ぬだろう。♂スパノビも死ぬだろう。
それが、悲しい?
違う。
自分にその未来を変えるだけの力がない。
それが、たまらなく悔しいのだ。

♀マジは今もなお地面にのたうちまわって喘いでいた。
♂プリーストは言った。♀マジを連れて逃げろ、と。
逡巡する暇はない。
もしここで立ち止まって参戦したとしても勝ち目がない以上、一秒でも早く彼女と共に敵から逃げなくてはいけない。
いや、むしろ戦えば、比較的傷の浅い♀マジをさらに傷つける可能性もある。
仕方ない。
仕方ないけど……悲しい。
悲しいけれど、仕方ない。

「大丈夫? 意識はある?」
「う、はぁ、はぁっ……」
言葉にはなっていなかったが、首をわずかに縦に振る。
「背中を蹴られたよね。骨は大丈夫?」
こくり、こくり。二度首を縦に振る。
「すっごく、痛くて、いしきがとびそうに、なったけど、なんとか――」
「うん、もういいよ、大丈夫」
背骨が折れていれば、タンカのないこの状況では脱出は絶望的なのだが、そうでなければ希望はある。
「失礼するよ。痛かったら言ってね」
そう言って、♀マジを持ち上げてから背負う。
♀マジにはおデブ扱いされたが、こういうときのために体力をつけていて正解だった、と痛感する。
「大丈夫だね? なら――行くよ。速度……増加」
風の守護が♀アコを包み、人一人分担いでいるとは思えないほど体が軽くなる。
(ごめんなさい。そして――ありがとうございます。私は絶対、貴方達の分も生き延びてみせます)
ほんの少しだけ、♂プリースト達の方向を見る。
彼らは満身創痍ながらも、屈せずにモンスターに相対していた。
(本当に、本当に、ありがとうございましたっ――!!)
溢れそうになる涙を必死にこらえ。
♀アコは東へ向かって走り出した。


大声を出してマイトスタッフを振り回す♂プリの攻撃をよけながら、パピヨンは内心舌打ちをしていた。
敵を蹴散らしたところで、パピヨンは心躍っていたのだ。
なにしろ、敵には美味しそうな奴らばかりいたのだから。
♀wizと♀アコは色艶がよく、きっとその血は極上であっただろう。
♀マジと悪ケミは若干貧弱ではあったが、肌が今直ぐにでも突き刺して血を吸いたくなるほど白かった。
しかし、奴らは全員逃げてしまった。
残ったのは、汗臭い大男を泥臭い大男のみ。みるからにまずそうだ。
しかし、だからといって女達を追いかけていってしまっては、今もなお♂スパノビと交戦中のトモダチがやられてしまうかもしれない。
元々トモダチを守るために乱入したというのに、それを失ってしまっては本末転倒だからだ。
(ああああ、もう、イライラする!!)
血だらけになりながらも一向に倒れる様子のない男達もまた、パピヨンの苛立ちに拍車をかける。
お前らみたいな血を吸う価値もない肉塊なんて、とっととくたばってしまえ!!

パピヨンは自覚してはいなかったが、パピヨンは苛立つと同時に焦っていた。
どれだけ攻撃しても倒れる様子のない男達に阻まれ、パピヨンは未だにトモダチを救出できずにいる。
女から逃げられ、トモダチにも死なれては、なんのために乱入したのかわからない。
苛立ちと焦りはパピヨンの攻撃を雑にさせ、それによって戦闘が長引きさらに苛立ちと焦りを生む。
パピヨンは完全に不の悪循環に陥っていた。

体力はなく、気力もなく、それどころか命すらもほとんど残っていない。
しかし、♂プリーストにはただ、闘志のみが残っていた。
「うらうらうらぁっ!! どうしたこの虫畜生、かかってこいやあああああああっ!!!」

意識はなく、闘志もなく、それどこか正気も残っていない。
♂スパノビに残っているのは、戦闘の経験による条件反射と大事な人の言葉のみ。
(な…ま…を………)
いや、既に♂スパノビにはその大事な言葉を思い出すだけの正気すら失っていた。
しかし、その言葉の意味だけは、理解していた。
仲間を見つける。仲間を守る。そのために――戦う!!
♂スパノビは、寄生虫の殻に僅かに開いた隙間にスティレットを突き刺す。
プパを相手に何百回、何千回も繰り返した行為だ。
そして、そのときと同様に、なけなしの気力を開放させる!
「インベナム!!!」
シーフギルドに伝わる秘術により、スパノビからスティレットに伝わった気力が寄生虫の血の一部を毒に変換する。
決して強い毒ではないが、しかし弱くもない。
「グギャァァァァァァ!!」
体内を走る異物に寄生虫がのたうちまわる。
と同時に、♂スパノビが崩れ落ちた。
のたうちまわった寄生虫の鋭い顎が、スキルを使い隙をさらした♂スパノビの心臓を貫いたのだ。

(やっだ……やっだよ、ぼず……おで、なかまを、まもれた……)
命が飛び去る前のほんの一瞬だけ訪れた正気の思考で、♂スパノビは歓喜し、そのまま絶命した。

381 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/20(金) 21:53:04 ID:w3VW5w4A
<♂スパノビ>
現在地:E-6
所持品:スティレット ガード ほお紅 装飾用ひまわり 古いカード帖 食料二食
スキル:速度増加 ヒール ニューマ ルアフ 解毒
外 見:巨漢 超強面だが頭が悪い
備 考:BOT症状発現? ♀BSの最期の命令に従っている 寄生虫を殺す
状 態:腹部に裂傷。右足膝、臀部、後背部を刺される。寄生虫の攻撃により死亡


<♂プリースト>
現在地:E-6
所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 食料二食 マイトスタッフ
外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔
備考:殴りプリ
状態:HPSP共に微回復。腹部を刺される。死を自覚した。


<♀アコライト&子犬>
現在地:E-6
容 姿:らぐ何コードcsf:4j0n8042
所持品:集中ポーション2個 子デザ&ペットフードいっぱい 食料二食
スキル:ヒール・速度増加・ブレッシング
備 考:殴りアコ(Int1)・方向オンチ 首輪と地図と禁止区域の関係を知る
状 態:多少の傷 SP微回復。♀マジを背負ってE6→F6方向へ移動


<♀マジ>
現在位置:E-6
所持品:真理の目隠し とんがり帽子 食料二食
容 姿:褐色の髪(ボブっぽいショート)
備 考:ボクっ子。スタイルにコンプレックス有り。氷雷マジ。異端学派。
   首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミに敵意
状 態:足に軽い捻挫、普通に歩くのは問題無し。背中を思い切り蹴られるが意識あり。


<デビルチ>
現在地:D-6→E-6
所持品:+10スティックキャンディ トライデント(デビルチ用)
備 考:悪魔
状 態:瀕死。♂プリーストにさらに木に叩きつけられる。


<パピヨン>
現在地:E-6
備 考:ミストレスの魔力を一部継承 ミストレスの持つ虫達を統べるカリスマ継承 ノーマルより強い スピードも速い


<寄生虫>
現在地:E-6
外 見:ウンゴリアントの亜種
備 考:淫徒プリから孵る パピヨンに忠誠
状 態:ストームガスト一発直撃。インベナムにより毒状態。


<残り12名+4匹>

382 名前:359 投稿日:2009/02/24(火) 20:07:50 ID:h4zYeHrI
>>354様へ業務連絡
本日は第2回の会議の予定でしたが、都合が悪くなってしまったので中止といたします。
次回は未定です。よろしくおねがいいたします。

383 名前:354 投稿日:2009/02/24(火) 21:40:40 ID:D6PKkUpE
おっと了解しました

384 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/28(土) 09:06:44 ID:rUfe3dls
292.そして彼だけになった。

♀アルケミストの前には、死神がいた。

全身から力はどんどん抜けていき、それに反比例して全身の痛みはますます増している。
それでも――意志は、まだある。
そう、生き残る。
どんな手を使ってでも、生き残る。
そうじゃないと――これまでの人生で行ってきた全てが、無駄になる。
幸せになるために、なんでもやった。
笑顔で笑う自称友人を陥れた。
純朴な青年を誘惑した。
自分を幸せにしてくれない親を――殺した。
それも、全ては幸せになるため。
そう、自分は正しい。
人はみな自分が幸せになるために生きている。
私はそのハードルが他人よりも著しく高かっただけ。
私は常に最善の結果が出るようにと行動してきた。
その私が何故、こんな血と埃に塗れた辺境の島で、一人寂しく死ななければならないのか!!!

理不尽だ! 理不尽だ!

私は生きたい!
生きて、幸せになりたい!
そのためにはこんなところで死んでいられるか!!!


そこで、死神の手が、私に触れて。
瞬間、全身を蝕む苦痛が薄れていくのを感じて。
私は、自らの人生の徒労を理解し、また自分が幸せに包まれているのだと理解した。


♀アルケミストが息を引き取ったを確認して、ようやくグラサンモンクは彼女の首から手を離した。
彼女は――生きようとしていた。決して、生き延びられる筈がないのに。
その執念、あるいは妄執は彼女の全身あるいは全霊を蝕んでいた。
このままでは、彼女はきっと無念のまま死んでいくだろう。
そう理解したグラサンモンクは――♀アルケミストの首に、手をかけた。
せめて、彼女が安らかな死を迎えられるように、と。
医学的な話をするならば、首を絞めることで脳に血液が送られなくなるため、正常な思考ができなくなる。
しかし、それ故に彼女の思考を蝕む妄執を取り払った状態で、彼女を逝かせることができた。
事実関係を確認するならば、彼は♀アルケミストを殺したことになる。
それでも彼は後悔はしていなかった。彼女を妄執から解き放ってから逝かせられたのだから……

「さて、と」
もう一人、重傷者がいた。
♀騎士だ。
彼女は生きているだろうか。
グラサンモンクは彼女に近づき、露わになっているその首筋に触れる。
はたして――彼女は、冷たくなっていた。

グラサンモンクは、ほんの数秒だけ、目を閉じる。
それは、やけになって叫んで走り出したくなる自分を抑えるため。
そして、死んだ♀ハンター、♀アルケミスト、♀騎士への黙祷でもあった。

そして、残ったのは彼と、♀ハンターを殺した鷹だった。
この鷹には見覚えはないが、先ほど♀ハンターを倒した手並みをみると、まさか野生ではあるまい。
彼は先ほどからぴぃぴぃと泣いている。
グラサンモンクには彼の言葉がわからないが――なんとなく悲しげな響きを感じ取っていた。
ともかく、彼をこのままにしておくわけにはいかない。
このゲームの参加者でないのなら、なおさら。
「なあ、鷹よ」
それが、自分に向けられた言葉だと理解したのか。
鷹は、グラサンモンクに寄ってくる。
結構躾けられているな、と感心しつつも、グラサンモンクは続ける。
「お前は、もう帰れ」
ぴぃ、と鷹が悲しそうに鳴いた。
「この島は――地獄だ。
どいつもこいつもいい奴で、誰も彼もが生きたいと思っているくせに、全員死んでいく」
だが、と続ける。
「お前は、ゲームの参加者じゃない」
ぴぃ
「お前は、帰れ。帰ってくれ。このままだと、きっとお前は死ぬ」
ぴぃ、ぴぃ。
「だから、頼む、帰ってくれ。そして新しい生活を見つけて――せめてお前だけは、幸せに生きてくれ」
両手、両膝、さらに頭を地面につける。
獣に自分の意思がどこまで伝えられるのかわからなかったが、彼にはこれしか方法が思いつかなかったのだ。
「頼む、お前だけは――帰って、幸せに――」
1分、2分、それ以上。
長い長い間、グラサンモンクは土下座をしていた。
そして、ようやく目の前の気配が消えたことを感じて――立ち上がった。

ふぁるは、大空を周回していた。
そして、グラサンモンクが立ち上がったのを視認すると、ぴぃ、と一言だけ鳴いて、ねぐらへ向かって飛び立った。

<残り10名+3匹>

385 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/28(土) 09:07:13 ID:rUfe3dls
<♀アルケミスト>
現在地:E-6
所持品:S2グラディウス ガーディアンフォーマルスーツ(ただしカードスロット部のみ) 矢筒 毒矢数本 望遠鏡 食料二食
外 見:絶世の美女
性 格:策略家
備 考:製薬型 悪女 ♂スーパーノービスと合流したい(ひとりは怖い)
状 態:脇腹に貫通創(治療済) 寄生虫ロシアンルーレット状態 喉元に矢 毒 モンクの手によって安らかに死亡

<ふぁる>
現在地:E-6
所持品:リボンのヘアバンド
スキル:ブリッツビート スチールクロウ
備 考:なんだかんだいいながら♀ハンターが心配で堪らない、ツンデレ? GM側の拠点を発見するも重要視せず無視
    寄生虫に捕食されかけた事で異様な姿になった♀ハンターを♀ハンターと認識できず
状 態:JTによる負傷、♀ハンターが殺されたかと激昂。グラサンモンクの意思を受け取り、島から脱出。

<♀騎士>
現在地:E-6
所持品:S1シールド、ツルギ
外見:csf:4j0i8092 赤みを帯びた黒色の瞳
備考:殺人に強い忌避感とPTSDを持つが、大分心を強く持てるようになる。刀剣類に抵抗感 笑えるように
状態:死亡

<グラサンモンク>
現在地:E-6
所持品:緑ポーション5個 インソムニアックサングラス 種別不明鞭
容 姿:csm:4r0l6010i2
スキル:ヒール 気功 白刃取り 気奪 指弾 発勁 金剛 阿修羅覇王拳
備 考:特別枠 右心臓 したぼく二号 悪ケミを護る デビルチを警戒
状 態:掌と肩に打撲 SP微妙に枯渇
参考スレ:【18歳未満進入禁止】リアル・グRO妄想スレッド【閲覧注意】
作品「雨の日」「青空に響く鎮魂歌」よりモンク(♂モンクと区別するため便宜的にグラサンモンクと表記)

386 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/28(土) 15:18:05 ID:tzRahv6c
アフロモンクが連れて行かれたんだね
♀騎士は流石に治療までに時間かかりすぎたか…

ふぁる帰しちゃっていいのかな?
GMの基地っぽいの知ってるんじゃなかったっけ。
♀ハンターいないから情報引き出せる人がいないけれど…

今は増えすぎた伏線処理中かな?
大変そうだけど頑張ってください

387 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/01(日) 11:22:29 ID:K.n5/lng
♀ケミは孤児で殺人も♂ローグが人生初のはずだったと思う
なんにしても楽しみにしてますよー

388 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/02(月) 00:55:35 ID:xJHlkGp6
>>387
ご指摘ありがとうございます。
今後の展開に関わる重大な矛盾ではないので修正はしませんが、以後気をつけます。

389 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/02(月) 11:35:03 ID:0e1Kf57M
これまでのWikiに反映させておきました。
♀ケミの親関連はどうなるんでしょ?

390 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/02(月) 20:59:12 ID:xJHlkGp6
>>389
普通にwiki更新できたのですね……トップの赤文字に騙されました。
wikiの292の矛盾箇所は削除しました。♀ケミの親・殺人関連は過去設定を優先させてください。


292.そして彼だけになった。(訂正版)

♀アルケミストの前には、死神がいた。

全身から力はどんどん抜けていき、それに反比例して全身の痛みはますます増している。
それでも――意志は、まだある。
そう、生き残る。
どんな手を使ってでも、生き残る。
そうじゃないと――これまでの人生で行ってきた全てが、無駄になる。
幸せになるために、なんでもやった。
それも、全ては幸せになるため。
そう、自分は正しい。
人はみな自分が幸せになるために生きている。
私はそのハードルが他人よりも著しく高かっただけ。
私は常に最善の結果が出るようにと行動してきた。
その私が何故、こんな血と埃に塗れた辺境の島で、一人寂しく死ななければならないのか!!!

理不尽だ! 理不尽だ!

私は生きたい!
生きて、幸せになりたい!
そのためにはこんなところで死んでいられるか!!!


そこで、死神の手が、私に触れて。
瞬間、全身を蝕む苦痛が薄れていくのを感じて。
私は、自らの人生の徒労を理解し、また自分が幸せに包まれているのだと理解した。


♀アルケミストが息を引き取ったを確認して、ようやくグラサンモンクは彼女の首から手を離した。
彼女は――生きようとしていた。決して、生き延びられる筈がないのに。
その執念、あるいは妄執は彼女の全身あるいは全霊を蝕んでいた。
このままでは、彼女はきっと無念のまま死んでいくだろう。
そう理解したグラサンモンクは――♀アルケミストの首に、手をかけた。
せめて、彼女が安らかな死を迎えられるように、と。
医学的な話をするならば、首を絞めることで脳に血液が送られなくなるため、正常な思考ができなくなる。
しかし、それ故に彼女の思考を蝕む妄執を取り払った状態で、彼女を逝かせることができた。
事実関係を確認するならば、彼は♀アルケミストを殺したことになる。
それでも彼は後悔はしていなかった。彼女を妄執から解き放ってから逝かせられたのだから……

「さて、と」
もう一人、重傷者がいた。
♀騎士だ。
彼女は生きているだろうか。
グラサンモンクは彼女に近づき、露わになっているその首筋に触れる。
はたして――彼女は、冷たくなっていた。

グラサンモンクは、ほんの数秒だけ、目を閉じる。
それは、やけになって叫んで走り出したくなる自分を抑えるため。
そして、死んだ♀ハンター、♀アルケミスト、♀騎士への黙祷でもあった。

そして、残ったのは彼と、♀ハンターを殺した鷹だった。
この鷹には見覚えはないが、先ほど♀ハンターを倒した手並みをみると、まさか野生ではあるまい。
彼は先ほどからぴぃぴぃと泣いている。
グラサンモンクには彼の言葉がわからないが――なんとなく悲しげな響きを感じ取っていた。
ともかく、彼をこのままにしておくわけにはいかない。
このゲームの参加者でないのなら、なおさら。
「なあ、鷹よ」
それが、自分に向けられた言葉だと理解したのか。
鷹は、グラサンモンクに寄ってくる。
結構躾けられているな、と感心しつつも、グラサンモンクは続ける。
「お前は、もう帰れ」
ぴぃ、と鷹が悲しそうに鳴いた。
「この島は――地獄だ。
どいつもこいつもいい奴で、誰も彼もが生きたいと思っているくせに、全員死んでいく」
だが、と続ける。
「お前は、ゲームの参加者じゃない」
ぴぃ
「お前は、帰れ。帰ってくれ。このままだと、きっとお前は死ぬ」
ぴぃ、ぴぃ。
「だから、頼む、帰ってくれ。そして新しい生活を見つけて――せめてお前だけは、幸せに生きてくれ」
両手、両膝、さらに頭を地面につける。
獣に自分の意思がどこまで伝えられるのかわからなかったが、彼にはこれしか方法が思いつかなかったのだ。
「頼む、お前だけは――帰って、幸せに――」
1分、2分、それ以上。
長い長い間、グラサンモンクは土下座をしていた。
そして、ようやく目の前の気配が消えたことを感じて――立ち上がった。

ふぁるは、大空を周回していた。
そして、グラサンモンクが立ち上がったのを視認すると、ぴぃ、と一言だけ鳴いて、ねぐらへ向かって飛び立った。

<残り10名+3匹>

391 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/02(月) 22:23:20 ID:ynb6sIfY
キャラ同士だから燃えるはずのバトロワにモンスター混ぜすぎたのがこのシリーズの汚点

392 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/03(火) 00:37:18 ID:jKi2F1iM
やっぱり殺人者側が早々に消えてしまったのが厳しかったよ
♂クルセvsグラリスは燃えたけど結局相打ちになっちゃったしね
もう転向できそうなキャラがいないからMobに頼るしかないのかも

393 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/07(土) 22:06:53 ID:hupy3Ds2
まあ、これはこれで好きだけどな。
みんなキャラを殺したくないっていう愛があるのは仕方がねえ。

394 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/07(土) 23:05:55 ID:dw3pF9M6
キャラに愛がありすぎて誰かに殺される前に自分がかっこよく殺したいと思った俺は異端。

395 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/08(日) 16:33:47 ID:IygkPxDU
293.死屍累々

腹を貫かれた♂プリーストは、言うまでもなく重症であった。
出血はおびただしく、何らかの応急手当をしなければ数分程度しか生きられないだろうと思われた。
その状況で、彼は、なんとキリエ・エレイソンを緊急の包帯代わりに使った。
制御装置により、ヒールで傷口を塞ぐには大量の気力を消費するし、それだけの気力は既に彼にはなかった。
一方、キリエ・エレイソンも弱体化されてはいたものの、しかし耐久力が弱まった程度であったため、傷口をカバーする用途にはうってつけだったのだ。
しかし、この方法には重大な欠陥がある。
それは、根本的な解決にはならない、ということである。
もし、パピヨンの攻撃をまともに食らってしまったら、二度と立ち上げれるかもわからない。
それ以前に、彼の気力が尽きれば、再び腹から血が流れ出し死亡するだろう。

だが、それでいい。
どちみち、助からない命なのだから――


♂プリーストは、よく戦った。
結局パピヨンに翻弄されろくに打撃を与えられなかったものの、敵の攻撃をうまく避け、流し、防いだ。
それでも、それが限界だった。
「その命、奪った!!」
「はぅぁっ……!!!!」
ついに、執拗なパピヨンは彼の腹のバリアを破壊し、のみならずその傷口をさらに広げたのだ。
それが♂プリーストの限界だった。
マイトスタッフが手から滑り落ち、支えを失った♂プリーストは地面に崩れ落ちる。
崩れ落ちた姿はまさに芋虫。
鮮やかな蝶の前にして、血と土に塗れたその姿は、無様としか言いようがなかった。
「きゃはは、ねえ、今どんな気分? ねぇ、どんな気分? 今から死ぬけど、どんな気分?」
「くぅっ……はぁっ……」
「うふふっ! しゃべることもできないんだ。あはっ、ばーかばーか、ざまあみろ♪」
ようやくストレスから開放されたパピヨンは、今や絶頂にあった。
自分をいらいらさせた肉塊を、徹底的に貶める。
それしか、彼女の頭には存在しなかった。
「うふっ、さて、今からアンタを殺すけど……でも、アンタの血は、絶対に吸わない。何故だかわかる?」
♂プリーストが答えられるはずもないことはわかっているので、パピヨンはうれしそうに続ける。
「それはね、アンタの命が何の価値もないことを証明するため。
だって、血を飲んだら、アンタの命にはそれだけの価値があるってことを認めちゃうからね。
……うふふ、アンタ、私に比べるとだいぶ生きてきたみたいだけど、今日この日まで、どれだけの命を奪ってきた?
アンタは、昨日までは食物連鎖の頂点として何億の生命の犠牲の上に永らえてきた!!
その犠牲の責任を負っているアンタは! 今! 何の意味もなく死ぬ!!
ばーかばーか、無責任! 恥知らず!
アンタのために犠牲になった命はなんなのか!!
アンタは今日、全ての犠牲を無駄にして死ぬ!!
そして、アンタはその全ての生命に謝罪しつつ、自らの生命を賠償にして惨めに死ね!
うふ、ふふふ、きゃははははははははははははははっ!!!!!!」


「ククッ、馬鹿なのはお前のほうだよ、単細胞さんよ」
「なっ!?」


口を開くことすらも予想の範疇外だったため呆然とするパピヨンをよそに、♂プリーストは続ける。
「俺の生命が無駄だ? 勘違いしているんじゃないのか? おばかさんよ。
俺の命はなぁ……さっきの女の子四人を逃がすためだけに、存在していたんだよ。
何億の犠牲が無駄に? 四人の命を助けられたのなら、俺一人の犠牲になるよりもよっぽどいい。四倍だぞ、四倍。
そうさ、お前は自分を勝者だと思っているようだが……お前が俺に挑んだ時点で、既に勝敗は決まっていたんだ。
お前は既に敗者なんだよ、このマヌケがっ!!!!」
「くっ、黙れ黙れ黙れだまれだまれダマレダマレッッッ!!!!!」
「ばーかb−kbbbbk……」
「くそっ、くそっ、くそっ!!!!!!!」
パピヨンの一撃が♂プリーストの顔を抉り、彼はもうまともに話すことができなくなったが、それでも彼は罵倒を続ける。
それに激昂したパピヨンは、さらに顔を抉り続けた。相手に伝わらない罵倒を繰り返し、何度も、何度も。


♂プリーストの遺体の頭部が完全に破壊されたころ、ようやくパピヨンは冷静な頭を取り戻していた。
(そうだ、あのコはっ……)
パピヨンは、何故自分がここに来たのかをすっかり忘れていたのだ。
トモダチである寄生虫は直ぐに見つかった。
その体はだらりと弛緩し、ぴくりとも動かず。
つまり――死んでいた。
寄生虫は、♂スパノビを殺したが、その傷は深く、毒も受けていた。
そのため、何度もパピヨンに助けを求めたのだ。
しかしパピヨンは、聞き入れなかった。♂プリーストの死体を破壊するのに夢中だったから。
現状から一瞬でそのことを悟ったパピヨンの全身から、力が抜ける。
ここにきた最大の目的が潰え、彼女は貴重な仲間を失ったのだ。
(そうだ、仲間といえば!!)
デビルチは、どうなったのか。
♂プリーストに殴られて、飛んで行ったはず。
その方向をうろ覚えながら探して――それは、直ぐにみつかった。
デビルチのぬいぐるみのような体が、まるで綿を抜かれたようにぺちゃんこになっている。
「ねぇ、大丈夫? 生きているの?」
パピヨンの願うような問いにも、デビルチは答えない。
「ねぇ、ねぇってば。ねぇ、返事をしてよぅ……」
何が悪かったのか。どこから間違えてしまったのか。
敗北感と脱力感に包まれながら、パピヨンは空ろにデビルチの遺体にすがっていた。

396 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/08(日) 16:37:01 ID:IygkPxDU
<♂プリースト>
現在地:E-6
所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 食料二食 マイトスタッフ
外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔
備考:殴りプリ
状態:HPSP共に微回復。腹部を刺される。パピヨンの攻撃により死亡。遺体の頭部は損壊。

<デビルチ>
現在地:D-6→E-6
所持品:+10スティックキャンディ トライデント(デビルチ用)
備 考:悪魔
状 態:♂プリーストにさらに木に叩きつけられて死亡。

<パピヨン>
現在地:E-6
備 考:ミストレスの魔力を一部継承 ミストレスの持つ虫達を統べるカリスマ継承 ノーマルより強い スピードも速い

<寄生虫>
現在地:E-6
外 見:ウンゴリアントの亜種
備 考:淫徒プリから孵る パピヨンに忠誠
状 態:ストームガスト一発直撃。インベナムにより毒により死亡。

<残り9名+1匹>

397 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/08(日) 18:24:40 ID:jhfKi5zQ
書き込みに来たら続きが!
楽しく読ませていただきました、ついに♂プリも…。
死に様、格好良かったです。

ついでなんですが、絵を描きました。
ttp://yosugaya.fem.jp/battleRO/image/illu561.jpg
執筆者の皆様に。

事情で半年くらい空いてしまったのですが、また読みに来ています。
月並みな言葉しか浮かばないのですが、がんばってください!

398 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/08(日) 22:48:40 ID:IygkPxDU
>>397
うおおお、すごい、凄すぎる。
超大作、ありがとうございます。
貴方の応援を裏切らないよう、最高の作品にしていきますので、今後も楽しみにしてください!!

PS 左上の♂スパノビが可愛すぎ

399 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/09(月) 08:44:04 ID:fssA6N3E
続々と死亡者が…
第一回のプロ南を思い出しますね
最近は週末ここ覗きに来るのが楽しみ

さて残りの人はPTごとに
♂騎士、♀商人
悪ケミ、♀Wiz
♀アコ、♀マジ(方向音痴のため悪ケミと合流できない?
♂セージ、♂モンク
グラサンモンク
パピヨン
こんな感じ?
位置的には皆E-6近辺かー

>>397
アフロの存在感が異常www
もしかして全キャラですか?
久しぶりの絵で嬉しいです

400 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/09(月) 09:29:04 ID:fssA6N3E
Wiki更新してて↑のミスに気付いたorz
アコたち同じ方向に逃げたんじゃなかったですね

人物一覧の詳細も触りたいけど情報量が膨大で挫折

401 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/11(水) 17:12:47 ID:s/0vk6lI
現在の禁止区域更新しときました(図以外の)。
図は無理です。誰か代わりにry

402 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/13(金) 01:23:12 ID:aBpAvfzw
− 294話 Vengeance − 3日目午前〜昼頃

「アァァ……ァァ……」

♀商人が、首輪の仕組みをはじめとした、自分が得た情報を騎士に教えているところであった。
ほぼ全ての情報を伝え終えたとき、その悲鳴が聞こえた。
「悲鳴、聞こえたよね?」
「ああ……誰の声かまでは分からないが……」
普通じゃない。
二人とも、とっさにそう感じる。
おそらく、ここから遠くはないが、近くもないだろう。
「様子を見てくる。君はここで身を隠しておいてくれ」
「えっ!?で、でも」
様子を見に行くと言う♂騎士の腕を掴み、♀商人は必死で彼を止めようとする。
「もしかしたら、仲間が危険な状態かもしれないだろ?」
「で、でも、私一人じゃ化け物が……」
「化け物?」
化け物、と言う単語を聞いて、♂騎士は怪訝な顔をする。
「さ、さっきね、弓を持った化け物が……」
結局、二人とも動き出すまで数十分かかった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「さっきから、モンスターばかり見てる気がするな」
♂騎士と♀商人は、草むらに隠れ、啜り泣くパピヨンを見ていた。
「あれ、さっき私達を襲ったパピヨンだよ。その時は、♂セージさんや♀Wizさんのおかげで逃げてったけど」
パピヨンに襲われたときの事を思い出しつつ、そう言った。
啜り泣いてるのはどういう事だろう。
そう思っていると、突如パピヨンが動きを見せた。
目で、その動きを追った。

頭部が破壊されたプリーストと、虫と重なるように動かないスーパーノービスの姿を見つけた。

「……っ!」
思わず声が出そうになり、だが、こらえた。
顔は破壊されていて分からないが、微かに原型を残している修道女のヴェールが、一緒に横たわっていた。
間違いない。
「あれ……♂プリさん、だよね?」
♀商人は、口元を押さえつつ今にも泣きそうな声で囁く。

確認するまでもない。
あの♂プリースト以外に、誰がいようか。
自分勝手な被害妄想から、信頼できる人を殺してしまった、俺の懺悔を静かに聞いてくれた男。
そして、そんな俺を真面目に説教して、励ましてくれた男。
強面で、口は悪い。だが、聖職者らしい強靱な意志と確固たる信念を持った男。
眩しかった。目が眩みそうなくらいに。
そして、憧れてた。俺には、とうてい持ち得ない強い精神を持った、その男に。
その男が、こんなふざけた場所で、その強面を破壊されて地に横たわっている。

気付けば、パピヨンは泣きながら虫を咀嚼し始めていた。
向こうにいるデビルチも、半身が無かった。
♀商人は、思わず目をそらす。

俺は、何をやっているんだ。
誰も救えず、誰も助けられず。
なのに、自分だけのうのうと生き延びて。

気付けば、剣を抜いていた。
♀商人は、驚いて止めようとしたが、それでもおかまいなく立ち上がった。
――パピヨンと、目があった。
♀商人に、隠れておくよう指示すると、俺は前に出て行く。
「アンタも、あいつらの仲間?」
鋭い眼光。
「どうなの?」
今度は、身体ごとこっちに向け、再び眼光。
「どうなの!?何とか言いなさいよ!!」
そして、俺は静かに質問を投げかける。
「♂プリを殺したのは、お前か?」
声が小さかったかもしれない。
パピヨンは、再び怒鳴る。
「何て言ったの!?聞こえるように言いなさいよ!!」


「♂プリを殺したのは、お前か?」
この男、たぶんあの連中の仲間なんだろうな。
「♂プリってこれのこと?だったら、私がこの通り、ぎったぎたのけちょんちょんにぶっ殺しちゃったよ。残念だったね!ざまあみろ!」
こいつも、ぶっ殺してやる!
 アンタ、この男の仲間だよね?だったら、絶対許さない!!こいつらのせいで、トモダチも、デビルチも、みんなみんな死んで……」
「黙れ」
ぞくり
背筋に、冷たいものが走った。
なんだなんだ、なんなんだこいつは。
凄まじい恐怖が、全身を襲う。
「な、なんだよ、強がったって怖くないぞ!アンタも、こいつみたいにぐっちょんぐっちょんのめっためたに……」
「もう一度だけ言う。黙れ」
ぞくり
さっきよりも更に冷たいものが、背筋を走った。
やばいやばいやばいやばいやばいやばい
こいつ、普通じゃない、と言うか人間じゃない!
何だよあの目!
あれじゃまるで、悪魔じゃないか!
「な、なんだよ……、人間のクセに生意気な……!アンタもこいつみたいに、顔も分からないくらいにしてやる!!!」
そして、男に攻撃をしかけようとして、目が合う。

ぞくり

全身の毛穴が、目一杯広がった気がした。
と言うか、広がったと思う。
とにかく、怖かった。
どうしようもなく怖かった。
あまりの恐怖に動けなくなりそうなほど。
だから、あたしは反射的に、ありったけの魔力を解放して、ありったけの魔力球を放出した。

それが、戦闘開始の合図だった

<♂騎士>
現在地:E-6
所持品:S1少女の日記、カッツバルゲル、錐、カード帖(♀スパノビ遺品)
外見:深い赤の瞳
備考:GMの暗示を屈服させた?、混乱して♂ケミを殺害 心身の異常を自覚
   できれば♂ケミを弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走
   ♀商人と同行 両手剣タイプ 悲鳴のした場所へ様子見
状態:痛覚が完全に喪失 体力は半分以下? 精神は安定? 個体認識異常を脱する
   必要とあらば殺すことを厭わなくなった? 仲間を守りたい

<♀商人>
現在地:E-6
所持品:店売りサーベル、乳鉢いっぱい、カート、100万以上のゼニー 食料二食
容 姿:金髪ツインテール(カプラWと同じ)
備 考:割と戦闘型 メマーナイトあり? ♂セージに少し特別な感情が?
    ♂騎士と同行 嘘が大騒ぎになり自己嫌悪中 装置を探しに行く 悲鳴のした場所へ様子見

<パピヨン>
現在地:E-6
備 考:ミストレスの魔力を一部継承 ミストレスの持つ虫達を統べるカリスマ継承 ノーマルより強い スピードも速い
    デビルチと寄生虫を一部咀嚼

403 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/16(月) 15:28:55 ID:AzLcWqq.
おや、♂騎士vsパピヨン?
話の流れ的に♂騎士は下手な殺し方できないような気がしてたけど。
パピヨン消えてしまうとすると、そろそろ最終決戦になるのかな?

404 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/20(金) 02:15:18 ID:cT0xx5Vg
295.GMのお仕事(三日目・昼)

意外なことかもしれないが、GMの仕事は決して楽なものではない。
例えば、不正者が現れないよう、首輪の盗聴器から取得する会話内容をログにとり、内容をチェックする。
また、冒険者達の各々の移動推移や死亡記録などもログにとり、いつどこで、誰が何をしたかを詳細に記録するのもまたGMの仕事である。
もちろん、直接幹部たるジョーカーやGMがそのような雑用を行うわけではない。
あくまで行うのは下級兵士達であり、GMはそれをチェックするだけである。
チェックするだけ、であるが、その量も膨大である。
特に現在はGMは幹部であるジョーカーを除いて一人となってしまっているため、GM橘の作業量も跳ね上がっていた。

「ご報告いたします。先ほど、♂プリーストが亡くなりました。死亡原因は――またも、パピヨンの仕業です」
「また、モンスターですか……」
既に、ジョーカーによって、パピヨンの素性は明らかにされている。
その上で、GM橘は頭を抱えていた。

死者がでるということは、通常ならば喜ばしいことである。
が――死亡原因が冒険者でなく、それ以外の要因にある。これは好ましいことではない。
何故ならば、BR法の狙いの一つには、最期の一人まで冒険者同士を争わせることで、王国の脅威となる冒険者の結束を崩すという目的があるからである。
しかし、冒険者以外の脅威が現れると、冒険者の特性としてかえって結束を強めてしまうこととなるのだ。
もし残った冒険者が全員結束し、GMに反逆を起こせば、GMとしては冒険者を皆殺しにしてはいけなくなる。しかし、それは当初の目的を達成できなくなるということにもなるのだ。
GM橘(林)は今、GM橘として行動している以上、この事態に早急に対処をしなくてはいけない。
元はといえば研究をしたいがためにこの島に潜り込んだ彼にとって、その作業は非常に厄介で面倒くさい仕事であろうと思われたのだった。
(第一、どうしろっていうんだ?)
今更パピヨンを参加者として登録しても、手遅れである。
会話ログを見ても、今や冒険者達の注意はマーダーよりもモンスターに向かっている。
そう、問題といえば、マーダーの存在もまたGM橘の頭を悩ます案件だった。
BRを実施するにあたって、運営側は参加者の中にマーダーとなりうる人物を送り込んだり、支給品に殺人を促進させるようなアイテムを仕込んだりして、結束意識の強い冒険者たちが殺し合いを行われるように促している。
だが、現在――マーダーとなりそうな人物が、いないのだ。
強いて言えば、精神異常を仕込んだ♂騎士がいるのだが、その♂騎士は現在、格好の獲物である♀商人と仲良く同行中である。
となると、♂騎士は精神異常をどうにかして解除したことになる。
これも会話ログを遡れば判明するかもしれないのだが、果たしてそれがどれだけ時間がかかるやら。
終末が近い以上、暢気なことは言ってられないのだ。


「で――私の判断を仰ぎたい、というわけですか」
「ええ。正直、私一人では手一杯です」
「そうですか。ご苦労様です。いえ、皮肉ではなく、本当に感謝しているのですよ」
GM橘が眉を顰めたのを見て、笑顔でジョーカーは否定した。
実のところ、GMジョーカーは女王の側近中の側近であり、他のGMよりも多くの権力をもっている。
そのため、この島でのジョーカーの仕事はGMの意思の最終決定を行うことと、他のGMが確認したログの簡単な報告を聞くこと、そしてあとはイレギュラーの対応くらいだけなのであった。
冒険者も運営側もてんやわんやに動いているこの島で、唯一ジョーカーだけがわりとのんびりとしているのである。
こういうときくらい、働いてもいいものではないか、とGM橘は糾弾したいのを必死で抑えているのだ。
ジョーカーは、ほんの少し思案して――言った。
「別に、問題はないでしょう」
「良いのですか?」
「この島に来た以上、冒険者たちの最期は2つです。最期まで生き残るか、死ぬか、です。
死ぬ状況も、そう多くのパターンはありません。他殺、自殺、事故死。あとは餓死とBANです。
このうち、ようは最期の冒険者がBANにならなければよいのですよ。それで、問題は解決です」
「ああ、なるほど」
そこで、ようやくGM橘もジョーカーのいわんとしようとしていることを理解した。
「つまり――大量の不正者が出た場合、二人を残してBANすればよい、ということですね?」
「そのとおりです。いくら冒険者とはいえ、所詮は人間。二人きりになれば、自ずと結束は離れ、殺しあうことでしょう」
「了解です。不正に関しては、そのように。ただ、パピヨンの扱いはどうします?」
パピヨンは、既に調査によって崑崙島のそれを遥かに超える能力を持っていることが確認されている。
もし彼女が冒険者を全員殺してしまっては、生存者がいなくなってしまう。
「それも問題ありません。確認したところ、どうもアレはミストレスほどの能力は持ってはいないようです」
半分、人間の血が混ざっているからかもしれませんね、とジョーカーは笑う。
「冒険者達が全員アレに倒されるとは考えられません。彼女には適当に冒険者達の脅威になってもらえばよいでしょう」
「万が一のことがあっても、冒険者が仲間を置いて逃げる光景がきっと見られるでしょう。それはそれで女王さまの慰みになるに違いない」
「クックック。わかっているではないですか」
薄暗い事務室に、ジョーカーとGM橘が響き渡る……

「橘様、ご報告いたします」
ジョーカーへの相談を終えたGM橘に、さっそく次の報告が回ってきた。
厄介ごとがやや晴れて気分が軽くなったGM橘は、さああと少しだ、と気合を入れなおすのだった。
「先ほど、パピヨンと♂騎士が戦闘に入りました。♂騎士は随分と興奮しているようです。また、ほぼ同時刻、♂セージと同行していた♂モンクが死亡しました。会話ログから、♂セージに殺害されたものと思われます」

<GMジョーカー>
位置:不明(管理本部)
所持品:ピエロ帽、他不明(バルムン?)
外見:ピエロ
備考:女王イゾルデの意向を最優先

<GM橘>
現在地:謎の地下室
所持品:剣(バルムン?) GM森の剣
外 見:銀縁眼鏡、インテリ顔
備 考:殴りHiWiz ガンバンテイン ヘブンズドライブ

<♂モンク>
現在地:E-6
所持品:なし
外見:アフロ(アサデフォから落雷により変更)
スキル:金剛不壊 阿修羅覇凰拳 発勁
備考:ラッパー 諸行無常思考 楽観的 刃物で殺傷
状態:死亡

<♂セージ>
現在地:E-6
所持品:ソードブレイカー 島の秘密を書いた聖書 口紅
容 姿:マジデフォ黒髪
スキル:ファイアーボルト ファイアーボール ファイアーウォール ナパームビート ソウルストライク フロストダイバー
備 考:FCAS―サマルトリア型 ちょっと風変わり? GMジョーカーの弟疑惑 ♂モンクを殺害?

405 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/20(金) 02:19:03 ID:cT0xx5Vg
>>354様へ業務連絡
そろそろ、第二回目の会議を行いたいです。
可能ならば日曜日の22〜24時に前回と同じ場所で開きたいのですが、いかがでしょうか?

406 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/20(金) 13:23:21 ID:B6lM0q8Y
うぉ、超乙!!
うまい終わり方だなぁ…機会があれば真似させて貰おうかしら
伏線といえば、GM橘の事もあったんだね
ジョーカーの腹の内が知りたいわ…どこまで泳がせるのやら…

ところで、GM橘の現在位置が謎の地下室になってるけど、本部にいるんじゃないかしら?

407 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/20(金) 14:01:51 ID:cT0xx5Vg
>>406
あー、そのとおりです。ついでにちょこちょこと修正します

<GMジョーカー>
位置:不明(管理本部)
所持品:ピエロ帽、他不明(バルムン?)
外見:ピエロ
備考:女王イゾルデの意向を最優先

<GM橘>
現在地:不明(管理本部)
所持品:剣(バルムン?) GM森の剣
外 見:銀縁眼鏡、インテリ顔
備 考:殴りHiWiz ガンバンテイン ヘブンズドライブ

<♂モンク>
現在地:不明
所持品:なし
外見:アフロ(アサデフォから落雷により変更)
スキル:金剛不壊 阿修羅覇凰拳 発勁
備考:ラッパー 諸行無常思考 楽観的 刃物で殺傷
状態:死亡

<♂セージ>
現在地:不明
所持品:ソードブレイカー 島の秘密を書いた聖書 口紅
容 姿:マジデフォ黒髪
スキル:ファイアーボルト ファイアーボール ファイアーウォール ナパームビート ソウルストライク フロストダイバー
備 考:FCAS―サマルトリア型 ちょっと風変わり? GMジョーカーの弟疑惑 ♂モンクを殺害?

408 名前:354 投稿日:2009/03/21(土) 11:41:23 ID:Lm3SDIBk
>>405
ぐふ、最近忙しくてチェックもできていませんでした。了解です。
ですがGv後ですので10分少々遅れると思います。
余裕を見て22時半ではいかがでしょうか?

409 名前:359 投稿日:2009/03/21(土) 11:55:22 ID:VYgM7oYE
>>408
22:30でOKですよー

410 名前:354 投稿日:2009/03/22(日) 22:56:16 ID:OknhLI6M
>>359
Ver鯖プロ156,217にて待機しております。
もうしばらくお待ちしますねー

411 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/03/30(月) 21:27:54 ID:ivlYLdyI
話し合い上手くいきました?おつかれさまです。
一週間動いてなくてちょっと不安になったので書き込み

412 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/05(日) 00:55:01 ID:h2uU.IaM
296.泥仕合(三日目・昼)

ブォンッ!!!

重量200を誇る両手剣カッツバルゲルが、数瞬前までパピヨンがいた空間を引き裂く。
「逃げるんじゃない、この薄汚い虫けらが!!!」
ブォ……ズガシャッ!!
「ひぃぃぃぃぃ!!」
再び剣が振り下ろされたため下の地面が砕け散り、またも間一髪で避けたパピヨンの体に泥が飛び散る。
だが、それが目立つことはない。何故ならば、パピヨンは既に大量の泥と自身の血によって美しい体を汚していたのだから。

恐怖におののいたパピヨンの攻撃は、あっさりと♂騎士に回避された。強力な攻撃を行うことのみ考え、ろくに照準を合わせないがむしゃらな攻撃だったのだから、当然だ。
そして、初撃を失敗したツケは大きかった。
右翼の損傷。
自由に空を舞い敵を翻弄する、ヒットアンドアウェイスタイルを主とするパピヨンにとって、これは大きな痛手だった。
飛べない蝶は芋虫と同じ。
今のこの瞬間まで、パピヨンはただただ♂騎士の攻撃を避けることしかできていない。

「うおおおおおおおおおおおっ!!!」
ブン! ブン! ブンッ……ズンッ!!!

凄まじい重量を持つはずの鉄塊にも関わらず、カッツバルゲルは怒涛の勢いで攻撃を仕掛ける。
それは鍛え抜かれた♂騎士の肉体・技術だけで実現できる代物ではない。
♂プリーストを殺された怒りが、極限を超える力を、♂騎士に与えた?
それも、違う。
実は、GMが♂騎士に事前に投与した薬品の中には、精神に異常を与えるだけでなく、肉体の反応速度を向上させる薬品『バーサークポーション』が含まれていたのである。
イグドラシルの実により若干中和はしているものの、未だに一部の異常は♂騎士の肉体と精神を蝕んでいる。人間には不可能とも思える攻撃の裏には、このような事情があったのである。
だが、それにも関わらず、既に20撃以上の攻撃を放っておりながら、未だに♂騎士はパピヨンに致命傷を与えられずにいる。
それは、パピヨンが身軽であり、羽が負傷していてもある程度の回避力を持っていることもあるが、それ以上に♂騎士への精神が乱れていることにある。
なんのことはない。バーサークポーションの効果により攻撃速度は増したが、精神が正常を見失っているため、攻撃がずさんになっているのである。
そして、いつまでもパピヨンを殺せない苛立ちはさらなる怒りを呼び、さらに攻撃は苛烈になるが、避けやすくもなっていく。
重要なのは――そのことを、♂騎士だけでなくパピヨンも理解していないことだ。

「死ねッ! 死ねッ! 死ねッ! うおおおおおおおおおおおっ!!!」
フォン! ズガッ! フォン! ズガッ! フォン! ズガッ!

苛烈な攻撃は、パピヨンを捕らえられずに地面だけを耕す。
パピヨンは回避し生き延びることだけに夢中で、反撃を行おうとすら考えない。
それは、見た目だけが派手な、ただの泥仕合だった。


しかし、いつまでもそれが続くはずもなく。
終わりは、あっさりと、訪れた。

「あ」

ずるり。
カッツバルゲルによって破壊された地面に、パピヨンが足を取られた。
パピヨンの体を地面に沈み。
鉄の刃が、パピヨンの頭部目掛けて振り下ろされる。

フォン……グシャッッッ!!

カッツバルゲルは、木っ端微塵に打ち砕いていた。
パピヨンが、一瞬前まで倒れ付していた、その地面を。

そのパピヨンの姿は、♂騎士の視界にはない。
代わりに♂騎士の脳裏に浮かぶのは、眼前に刃が迫ったパピヨンの体を、一瞬淡い光が包んだ光景。
テレポート。
そう、♂騎士達冒険者は首輪と能力制御装置によってスキル能力などを封印されているのだが、パピヨンは部外者であるため、テレポートの規制から外れていたのである。
それを理解した♂騎士は、弾かれたように動いた。

「うおおおおおおおお、糞、このやろう、どこだ、でてきやがれえええええええっ!!!!!」

ザシュッ! ザシュッ! ザシュッ!

♂騎士の剣が、そこらへんの茂みをなぎ払う。だって、そこにパピヨンが隠れているかもしれないじゃないか!!

ズゴッ! ズゴッ! ズゴッ!

カッツバルゲルが、斧のようにそこらへんの樹木に叩きつけられる。だって、そこでパピヨンが休んでいるかもしれないじゃないか!!

周囲には何者の存在も感じられないのにもかかわらず、それでも♂騎士は剣を振るう。

あのパピヨンが今も生きているなんて、許されるはずがない。世界中の全ての人類が許したとしても、俺が許さない。
奴にはただの死すらも生ぬるい。奴は頭以外を完全に破壊して、二度と再生できなくしなくてはならない。
そして残った頭部に、♂プリーストの遺体の前で謝罪させなければいけない。
盗蟲は頭部のみの状態でも生きているし、あいつだってそれくらい不可能じゃないだろう。
文句はどんなのがいいか。ごめんなさい、と一万回言わせるのだけでは生ぬるい。
『この卑しく矮小な私は生きる価値もありません。私は今すぐに死を選び、そのまま二度と現世に戻らず永遠に地獄で貴方にお詫びしつづけます』
そして、それを言い終わった直後に奴の頭を木っ端微塵に砕き、それを♂プリーストの弔いとするのだ!
それには、まずパピヨンを探さなければ。どこだ、どこだ、でてこい、今すぐ俺がその頭を体を切り離してやる。
うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!

ギッ……ギリギリギリ……ズンッ!!!!!

♂騎士の攻撃によって、木が切り倒され、周囲に轟音が巻き起こる。
そこで……♂騎士は、ようやく我に返った。
そしてそれは彼に、パピヨンの討伐に失敗した、ということを知らしめることとなる。
大事なチャンスを逃した。その事実に、♂騎士の体が崩れ落ちる。
大の字に寝そべり、♂騎士の意識もまた、深遠の闇の落ちていった……


と、不意に♂騎士の意識が覚醒した。
周囲には何者の存在も感じられない?

「あの娘は……♀商人は何処だ!?」

<♂騎士>
現在地:E-6
所持品:S1少女の日記、カッツバルゲル、錐、カード帖(♀スパノビ遺品)
外見:深い赤の瞳
備考:GMの暗示を屈服させた?、混乱して♂ケミを殺害 心身の異常を自覚
   できれば♂ケミを弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走
   両手剣タイプ ♀商人を見失う。
状態:痛覚が完全に喪失 体力は半分以下? 精神は安定? 個体認識異常を脱する
   必要とあらば殺すことを厭わなくなった? 仲間を守りたい 若干暴走状態

<♀商人>
現在地:???
所持品:店売りサーベル、乳鉢いっぱい、カート、100万以上のゼニー 食料二食
容 姿:金髪ツインテール(カプラWと同じ)
備 考:割と戦闘型 メマーナイトあり? ♂セージに少し特別な感情が?
    嘘が大騒ぎになり自己嫌悪中 装置を探しに行く 失踪

<パピヨン>
現在地:E-6
備 考:ミストレスの魔力を一部継承 ミストレスの持つ虫達を統べるカリスマ継承 ノーマルより強い スピードも速い
    デビルチと寄生虫を一部咀嚼 右翼損傷 テレポートで逃亡

413 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/07(火) 15:17:53 ID:fcudmexM
すいません、盛り上がってる中でアナザー投下してよろしいでしょうか?

414 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/07(火) 18:59:30 ID:EwFg9LD.
どうぞー
ROMってる者としては本編じゃない話でもどんどん読みたい


また♂騎士怪しくなってきたね
主人公っぽいポジションにいながら、なんだか見ててもやっとする
堕ちるならさっさといっちまえと薄情なことを言ってみる
ああでも♂ケミの努力が無駄になっちゃうなぁ…

♂モンクが♂セージに殺されたなんて話もちらりと出てたけど、こちらは首輪解除したのかな?
かなり長いこと気絶したままだったから♀騎士と同じ道辿ってしまったんだろうか

415 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/07(火) 21:54:46 ID:fcudmexM
ではお言葉に甘えて…。
第三回で彼を使おうと思っていた方すいません;;

Another 岩山に砕かれた思い

「殺し合いをしてもらいましょう」
そう告げたGMジョーカーを見つめ、一人の騎士の男が笑みを浮かべた。
彼は騎士団の中でも優秀で、信頼されていたのだった。
ただ一つ、お化けが苦手という弱点があるのがタマに傷であった。
(余裕ぶってるのも今のうちだぞジョーカー!必ずオレは、仲間を集めてこのゲームを潰してやる!
イゾルテにも馬鹿げた事だと説得しなくちゃな。)
彼は自ら進んで参加した。
こんなのが続けられたらいつかは仲間達も参加させられてしまう。
それを阻止する為に参加したのである。
ふと、以前何回かPTを組んだ♀Wizの姿が横目に見えた。
(確か島の秘密を聞いたって言ってたっけ?)
彼女と組めば順調にBRを潰せれるかもしれない。
さっそく、彼はランダムポータルに乗った。
このゲームが無くなれば仲間達も安心して暮らせるし、犠牲者もこれ以上出なくて済む。

出た場所は
      不安定な岩山の上だった。

状況を把握する前に彼は足を滑らせた。
落下地点にには鋭く尖った岩山があった。
やけにそこまで落ちるのがゆっくりに感じられた。
しかし、彼自身もそれなりの動きしか出来ない。
(くそ!このまま終わってしまうのか!?こんな終わり方じゃ嫌だ!
オレは最後まで戦って戦って…そしてまたアレス達と一緒に冒険するんだよ!)
必死の抵抗も虚しく、少しずつ岩山が迫ってきていた。
そして、衝撃音と共に、全身に激痛が走った。


<ルシフィ 島の南東部にて串刺し 荷物はすべて下に落下
      後にジルタスと差し替えられる>


DSキャラってクホグレンみたいに公式だから大丈夫だろうと…。

416 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/07(火) 23:32:26 ID:r4SduZIA
乙です。
そういえばいたね。その人。
途中参加だったから、wikiの参加者一覧見て、
ペットのジルタスがなんで50人に入っているの!?
カウントミス!? 知られざる50人目がいる!?
って最初から読み返しちゃったりしたなー

417 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/09(木) 21:27:53 ID:YbXTFBEY
− 297話 へいき、へっちゃらッ! − 3日目昼頃

あの場から逃げ出して、どのくらいになるだろう。
走って、走って、走って。
草原のど真ん中を、全力疾走で駆け抜ける。
生きなきゃ。
あの♂プリさんの為にも、生き延びなきゃ。
♂プリさんは、間違いなく死ぬだろう。
悲しいし、悔しい。
でも、受け入れなきゃ。
そして、生き延びなきゃ。

ピ……ピ……

あれ、何の音だろう。
走りすぎて疲れてるんだろうか。

ピピ……ピピ……

ああもう!
うっとうしい!
♀マジは背負われてるクセになんか暴れてるし!
もっと静かにしなさいよ!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ちょっと!キミ!止まって!と言うか方向転換!」
ああもう!
このint1の馬鹿アコはどこ向いて走ってるんだよ!
「うるさいわねっ!怪我人のクセに暴れないで!」
そうじゃなくて!
首輪、首輪鳴ってるから!

ピピピ……ピピピ……

やばいやばいやばい、これホントににやばいって!
言うだけじゃ分からないなら、力尽くでも止めないとだめだ!
「いいから止まって!鳴ってる!首輪!音!鳴ってるから!早く!」
焦ってるせいで、文脈がおかしい。
けど、今はそんなことに構っていられない。
♀アコの身体の至る所を叩きながら、叫ぶ。
叩く度に、蹴られた背中が酷く痛むけど、そんなこと言ってる場合じゃない。
「だーかーらーーー!!怪我人は静かに……え?」
♀アコが疑問の声を投げると同時に、急停止する。
その反動で、ボクの身体が大きく揺れ、強烈な痛みが全身に駆け巡る。
おまけに、いきなりの急制動に♀アコ自身も対応できなかったらしい。
そのまま前のめりに倒れ、ボクはその背中から投げ出された。
そして、ボクの身体は草原の上をごろごろと転がる。
その度に、凄まじい痛みが全身を流れ、意識が飛びそうになる。
いや、何回か飛んだかもしれない。
「今、何て言ったの?」
いきなりの暴挙に悪びれることもなく、そう聞いてきた。
飛びそうな意識を無理矢理繋ぎ止め、氷雷コンボを決めたい衝動を抑えてボクは続ける。
「だか……ら……!首輪……鳴ってる……って……何度……言えば……!」
痛みが強烈すぎて、上手く喋られない。
「だったら、もっと早く言ってよね!無駄に走っちゃったじゃない!」
あまりの馬鹿っぷりに、草原もろとも焼き払いたい衝動に襲われたけど、何とか我慢した。
「だか……ら!何度も……言ったじゃ……ないか……!」
痛みのせいで起き上がることも出来ない。
「あらそうなの?ごめんなさい」
こいつ……!
思わず飛びかかりそうになっけど、痛みが酷くてそんな気力は無い。
ああもう、どうにでもなれ……。

「背骨が折れなかったのは、不幸中の幸いだったわね」
「うう……まだ痛むよ……」
不幸中の幸いか、背骨の損傷はないみたいだった。
ただ、パピヨンに蹴られたと同時に触覚が左の肩甲骨を直撃したらしく、骨折していた。
痛みがあまりにも強烈だったのはこのせいだったらしい。
本来なら三角巾を使って固定しないといけないけど、手元に無いから♀アコのショールと左袖を破って、それで固定してる。
心許ないけど、今はこれで我慢するしかない。
当然、左手は使えないけど盾なんか無いし、直接殴るわけでもないからあんまり影響はない、と思う。
痛みが残るのは仕方ないかな。
まあ、背骨の代わりに折れたと考えればマシかもね。
「ま、ここを脱出するまでの間は我慢することね」
そうだ。
こんな怪我、ここを脱出してからどうにかすればいい。
……先生、見守っててください。
「さて、どうしよっか」
「今の場所はF-6だね。みんなと合流するにはE-6を通るしかないけど……まだパピヨンいるだろうし」
「そうねえ……悔しいけど、あたし達だけじゃかなわないし……」
とは言え、合流するにはさっきの道しかないし、戻るのはあまりに危険すぎる。
おまけに、戦力を考えるとこっちに来る可能性の方が高い。
多分、パピヨンは♀Wizさんのいる方向には行かないと思うから。
その時、ある事が脳裏に浮かんだ。
灯台だ。
悪ケミさんが、「気になる『灯台』があった」って教えてくれたの忘れてた。
確か、砦で使われてる装置と同じものって言ってたような。
その灯台は、ずっとこの先のJ-6にある。
言ってみる価値は、あると思う。
有言実行。早速、行動に移さないと。
ボクはしゃがんで、地面に文字を書き始めた。
『J-6に悪ケミさんの言ってた灯台があるから、そこに行こう』
「とりあえず、向こうの方へ行ってみよう。何か手掛かりがあるかもしれない」
もちろん、会話でのカモフラージュも忘れない。
「ちょ、ちょっと休ませてよ……」
せっかく目的が見つかったのに、その出鼻を挫かれてむっとする。
でも、よく考えたらさっきまであんなきつい戦闘して、ボクを担いでここまで全力疾走して、しかも治療したんだ。
疲れてるのも無理はないか。
でも、ボクはここにいる方がずっと危険だとも思った。
『灯台に着いたら休んでていいから。そこまで頑張って』
「ボクより体力あるんじゃなかったの?それとも、太ってるせい?」
単純な性格だし、簡単に乗ってくるだろう。
案の定、♀アコはすっと立ち上がった。
「どっかのまな板娘と違って、あたしは胸が出てる分身体が重いの。」
『じゃ、任せた』
聞き捨てならない事を言われたけど、地面に書かれた言葉は肯定の言葉。
「お腹の間違いじゃなくて?キミは、この無駄のないボディの素晴らしさを見習った方がいいかもね」
嫌味に嫌味で返して、立ち上がる。
「あら、こういうのはないすばでぃって言うのよ?ま、皮と骨しかない貧弱ボディのあなたには分からないでしょうけど」
♀アコも、嫌味に嫌味で返して同じく立ち上がった。
「「うふふふふふふふふ……」」
不適に笑い、そして地面の文字を足で消す。
小デザが岩陰に隠れた気がしたけど、気のせい気のせい。
「まあ、とりあえず行くよ」
腹立つけど、貴重な時間を無駄に浪費したくはない。
心の中で水に流し、目的地の灯台へ向かって歩き出す。
何か、手掛かりが見つかると良いけど……。

<♀アコライト&子犬>
現在地:F-6(F-5寄り)
容 姿:らぐ何コードcsf:4j0n8042 ショールと左袖を破く
所持品:集中ポーション2個 子デザ&ペットフードいっぱい 食料二食
スキル:ヒール・速度増加・ブレッシング
備 考:殴りアコ(Int1)・方向オンチ 首輪と地図と禁止区域の関係を知る
状 態:多少の傷 SP少量 疲労気味 灯台(J-6)を目指す

<♀マジ>
現在位置:F-6(F-5寄り)
所持品:真理の目隠し とんがり帽子 食料二食
容 姿:褐色の髪(ボブっぽいショート)
備 考:ボクっ子。スタイルにコンプレックス有り。氷雷マジ。異端学派。
   首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミに敵意
状 態:足に軽い捻挫、普通に歩くのは問題無し。背中を思い切り蹴られるが意識あり。
    左肩を負傷→♀アコのショールと袖で固定 痛みは若干残る 灯台(J-6)を目指す

418 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/10(金) 17:27:00 ID:p9R.dxOM
すいません、♂騎士不幸が萌えるので投下してみます!
もし駄目な話だったらNGにして構いません。
ちなみに♀商人は坂本竜馬風に○○ました。(伏字)


298.二度あることは…(三日目・昼)

♀商人はわりとすぐに発見できた。
「…なんで…」
彼女は、♂騎士のすぐ近くにいたのだった。
「なんで……」
額から血を流して倒れていたのだった。
まだ微かに生きてはいる。
だが、その傷は脳にまで達していた。
「よか……や…と……正気に…な……くれた……。」
弱弱しく呟く彼女をただ見つめているしか出来ない♂騎士。
あまりの怒りに、彼女が自分の身が傷つく事も構わず止めようとしてたのに気付いてなかった。
また、守るべき者を傷付けてしまった…と震えながら♂騎士は呟いた。
「……泣かないで…」
それが、♀商人の最後の言葉となってしまった。
♂騎士へと伸ばした手がパタリと地面に落ちた。
自分のせいで♀商人は死んだ。
その考えが、♂騎士の中で膨れ上がる。
「そんな…どうしてなんだよ……どうして俺は誰も守る事が出来ないんだよ!
守りたかったのにっ!今度こそ、彼女こそは最後まで守り通したかったのに!」
♀商人の亡骸を抱きながら♂騎士は泣き叫んだ。
二度あることは三度ある。
いい事も悪い事も、二度も続けば三度目だってありうるのだから。
『どうせお前は誰も守る事など出来はしないんだ。』
再び、♂騎士に邪悪な声が聞こえた気がしたのだった。


<♂騎士>
現在地:E-6
所持品:S1少女の日記、カッツバルゲル、錐、カード帖(♀スパノビ遺品)
外見:深い赤の瞳
備考:混乱して♂ケミを殺害 心身の異常を自覚
   できれば♂ケミを弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走
   両手剣タイプ ♀商人を殺してしまう。
状態:痛覚が完全に喪失 体力は半分以下? 精神は安定? 個体認識異常を脱する
   必要とあらば殺すことを厭わなくなった? ♀商人を殺害した事に嘆いている。

<♀商人>
現在地:E-6
所持品:店売りサーベル、乳鉢いっぱい、カート、100万以上のゼニー 食料二食
容 姿:金髪ツインテール(カプラWと同じ)
備 考:割と戦闘型 メマーナイトあり? ♂セージに少し特別な感情が?
    嘘が大騒ぎになり自己嫌悪中 装置を探しに行く ♂騎士を信じていた
状態:死亡

419 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/11(土) 14:01:47 ID:XMYPounw
不幸属性は萌えるけど同じパターン続くのもどうなんだべか

420 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/11(土) 22:51:26 ID:qJxVttVU
今までスローペースだった分さっさと殺しても良いっちゃ良いけど
急展開ハイペースで殺しすぎだろとは思うこの流れ

421 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/12(日) 01:37:04 ID:JEfgn8ho
人数も少ないし、殺すなら先に続くように殺す方がいいかもね。
同じパターンは何度も繰り返すと「またか」って思っちゃうし。

422 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/12(日) 12:10:35 ID:5jXrJww6
ふむ〜;一応「恐怖で殺した」じゃない分違うかなと思ったけど…やっぱだめか〜;
了解!次書けた時は違う話を頑張ってみますね。

423 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/28(火) 17:11:48 ID:BoHV9JGQ
む、止まってる?
>>418どうするかで迷ってるのかな

424 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/05/16(土) 06:35:46 ID:kbuNMgIU
♀商人と♂セージの関係が密かに気になっていたのは自分だけでいい

477 KB
掲示板に戻る 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501-504 前100 次80 最新50
 名前: コマンド/メール(省略可):
read.cgi ver4.20 by GlobalNoteScript (2006/03/17)