掲示板に戻る 最初- 前5 次5 前1 次1 最新5

【萌え】みんなで作るRagnarok萌え小説スレ 第14巻【燃え】

[12:百物語4/4(2007/07/23(月) 21:23:10 ID:9PpmHOT.)]
 俺はナイフをかかげ誓いの言葉を口に言おうとする。

「俺は……っ! どんなにカッコ悪くても、金が、なくて、もっ、弱くても!!
な、仲間だけは、絶対……に……」

 その先はこみ上げる嗚咽で言えなかった。
しゃくりあげながらなんとか99本目の火を消した時、ギルマスはいつもの優しい顔をしていた。

「本当はな、俺がここで最後の話をして、その後お前を道連れに連れてくつもりだったんだ」

 優しい口調のギルマス。腕のいいBSで、自分のモノは失敗しても他人の依頼は100%成功させる。
失敗してもカートからこっそり材料を出して成功するまで打ち続ける、貧乏なお人よし。
彼の両腕は肩口から削ぎ落とされ、二度とハンマーは振るえないだろう。
拳聖もバードもプリも、みんな致命傷を負っているのに穏やかな顔をしてる。
俺は今日、死を恐れて真っ先にこいつらを捨てて飛んだ。一番堅いはずの俺が。
そんな俺にこいつらは許しの言葉を与える。

「でも、お前は最初の気持ちを思い出した。俺たちと出会ったあの頃のお前だ」
「お前ならまたやり直せるさ。遅すぎるなんて事はないんだ」
「お前は本当の騎士になれたんだから」
「俺たちの事、忘れないでいてくれるよな?」

俺は薄れていく仲間達を目に焼き付けながら、ナイフの柄を強く掴む。
それは何故か暖かく、力強く俺の手を握り返してきた。

「お……俺っ! お前らを……絶対にっ……」

 言葉は出なかった。しかしそれは伝わったようだった。
にじむ視界の中、彼らは確かに笑って消えていった。

 一週間後、俺は転生し伊豆の町で約2年肌身離さず持っていたナイフを受け取り
しっかりとかかげ再び誓う。
「俺は!どんなにカッコ悪くても!金がなくても!弱くても!!
仲間だけは絶対に守りぬく!」


掲示板に戻る 最初- 前5 次5 前1 次1 最新5
NAME:MAIL:

read.cgi ver4.20 by GlobalNoteScript (2006/03/17)