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【萌え】みんなで作るRagnarok萌え小説スレ 第14巻【燃え】

[74:ミニ文章(2/2)(2015/04/07(火) 23:32:21 ID:tnykctHk)]
賑やかに二人が出かけていった。
プロンテラの大通りが桜並木になっているから、往復して戻ってくるコースだろう。
人通りも多いし、まだ大勢の目がある時間だ。

「って、心配しすぎかな」

扉をノックすると、中から返事があった。

「僕だけど、入っていいかな」
「ん。」

扉をあけて入室すると、アルケミストが忌々しそうに紙の束をめくっていた。

「率直に言うとだな、紅男」
「うん」
「無理だ」

やっぱりかー、と天井を仰ぐ。
予想はしていたが、はっきりいわれると、さすがに諦めが優る。

「材料は6割判明したが、薬品以外も使われていた。魔力反応もあったくらいだ」
「さすがだなー、ヘルトルド君」
「これ以上は辿れない。回復手段も手詰まりだ」
「やはり時間経過しかないか。助かったよ、僕じゃなにもわからなかったから」

自嘲気味に告げると、アルケミスト――ヘルトルドは視線を鋭くする。

「あのな、俺も結局はわからなかったんだぞ?」
「薬の知識が高い『専門家でもわからない』ということがわかったんだ。
特効薬が作れないなら、人間のもつ回復力に僕は望みをかけるよ」
「そうか」
「ヘルトルド君、ありがとう」
「ん。」


<了>


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