【萌え】みんなで作るRagnarok萌え小説スレ 第14巻【燃え】
[9:百物語1/4(2007/07/23(月) 20:50:45 ID:9PpmHOT.)]
「……またありきたりな話ですみませんが、ゲフェンの宿屋の――」
バードはいつもとは違う、ぼそぼそとした声で話し出した。
俺は内心舌打ちする。今日はLVが上がって転生して廃剣士になるはずだった。
何を血迷ったのか今こうしてギルメン全員がニブルの武器屋の棺桶を囲み
100本のロウソクを立てて東の国の肝試しとやらをしている。クソ。
「でね、夜中に目を覚ましたら、部屋中にいるんですよ、ナイトメアが」
道騎士になったら俺はこのギルドを抜ける。こいつらとは長い付き合いだったが
野郎5人のむさい、弱い、貧乏なレーサーギルドにいつまでも居る気はない。
この間勧誘してくれたハイプリさんのギルドに入って俺もゆくゆくは……
と、妄想に耽っているとほどなくバードの話が終わる。
「そんなわけでゲフェの宿屋の奥の部屋は気をつけてくださいね。ふぅっ」
バードはロウソクの火を吹き消した。残りはあと2本。
「次はお前の番だ」
向かいに座るギルマスは暗いせいか、ぞっとするほど冷たい瞳をして俺を促した。
俺は無意識にお守り代わりのナイフに触れる。無機質な柄の感触が俺を落ち着かせた。
さて、何を話そう。もうネタはない。作り話は苦手だ。とすると……
「これは、俺がまだノビで修練場に居た頃の話だ――」
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