【18歳未満進入禁止】総合命令スレ30【inハァハァ鯖】
[19:銀髪褐色剣士クリスティ(2019/03/24(日) 19:49:26 ID:FAi3GqRA)]
>>14様
これは…ゲフェンの皆様にご挨拶した時の…ありがとうございます。
ああいう場は不慣れなものでしたので。
>>13様
古城とて地上に存在している限りその摂理から逃れる事は適わない。
「ああもう…何で私達がこんな事しなくちゃいけないのよ!」
鎌を手にした次女ロザリンデが言う。
昼なお暗く、鈍色の雲に閉ざされた空の奥から時折雷鳴が響くといういかにも古城らしい天気の中、クリスティと駆魔一族の末娘達は古城の『草むしり』に駆り出されていた。
四方を石壁に囲まれた、華やかなりし頃は陽光の降り注ぐ庭園だったのだろう一角も、かつて温室があったことを伺わせる痕跡が微かに残るのみ。
雨水などが流れ込み、人工の池があふれかえったままのそこは、現在ははマンドラゴラが群生している。
「先生も材料を自分たちで調達すれば大事に使うからと言ってましたし…」
そう言って宥めるクリスティ。
「2人とも、日が暮れる前に終わらせるよう言われている」
1人ニューマを展開し、メイスで淡々とマンドラゴラの本体を叩き潰す三女クラーラ。
「はぁ…なんで自分を縛る縄の材料を調達しなきゃいけないのよ…」
「で、ですから…」
「分かってるわよ!そうじゃなくて…」
「姉さんが、クリスティさんの緊縛に失敗したから」
「それはそうだけど…そうでも無くて…」
彼女達は単に主に縛られるだけの存在では無い。
時に、3人を互いに縛らせ合う事もある。
意外にも三女クラーラは覚えが良く自縛すらこなせるようになったが、クリスティと次女ロザリンデはまだまだだ。
そのため、縛りに失敗し解けなくなった縄を切らざる得ない局面は多い。
そうなれば当然主である彷徨うものから制裁が下されるのだが、それに加え次に使う縄の素材収集も彼女たちで行うことになる。
マンドラゴラの繊維はヒドラのそれと並びロープへの需要が高いと言われている。
収集商人が値段を付けるのも、そう言った民生向けの需要があるからだ。
「約束だから」
「あ、あんたよく『約束』だけでそこまで割り切れるわね…」
呆れるロザリンデ。
「あ、あの…次行くんで援護を…」
クリスティは相変わらずな二人に割って入った。
それは最近湖上で見かけるいつもの光景のひとつになりつつあった。
クリスティがマンドラゴラの一株に近寄ると、水たまりが波打ちはじめる。
沈んでいたツタが動き始めたのだ。
滑りを帯びた水に浸されていたツタはあっという間に足首纏わり付き、そのまま這い上がり始める。
「熱い…」
水に何か良からぬ成分が混じっているのだろうか、水を吸ったソックスがほのかな熱を帯びはじめる。
「このっ…」
直ぐにマンドラゴラに意識を向け直し、引きずり倒されるよりもクリスティが動く。
ざばざばと垂音を立てつつ、水を吸って重くなったスカートを翻しながら肉薄する。
「はっ!」
白刃がマンドラゴラの胴体に突き立てられる。
一瞬びくりとツタが収縮、その後絶命し水の中に沈んで行く。
「くう…」
荒い呼吸をしながらツタを手に取り、根元から切り落とす。
「大丈夫?」
クラーラがヒールをかけながら問う。
「大丈夫ですが…派手にぬらしてしまいました」
張り付いたスカートの裾をたくし上げながら、クリスティは言う。。
「ごめんなさい、とってください」
「分かった」
クラーラは頷くと、彼女のくるぶしから太腿にまで巻き付いているツタに手を伸ばした。
「まったく…それくらい自分でやりなさいよ」
ロザリンデは言う。
彼女はスカートをまくり、クリスティ同様足に巻き付いたツタを取り除いている。
「すみません、1人だと上手くとれなくて」
「1人でやるより効率は良い」
クラーラは短くそう答えると、ツタを引っ張り始めた。
事実、クラーラは片手で裾をまくりつつ残ったもう片方のみで作業を行っているため、苦戦しているようである。
ツタは絶命時に痙攣したためか、まるでいつも受けている縄のように彼女の肌に食い込んだ状態で硬直しているのだ。
「手はそのまま…」
「あの…あまり見ないで」
「大丈夫。初めてじゃ無い」
「確かにそうですが…」k
メリメリという音を立てながら巻き付いていたツタがまっすぐに伸びて行く。
折れてしまえば縄の材料としては不適格だ。
「ごめん…次、私も良い?」
しばらく作業をしていると、申し訳なさそうな表情でロザリンデが助力を求めてくる。
「わかった」
「はい」
素直に謝り助けを求めるロザリンデに、2人は快諾した。
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