【アブラ】セージ萌えスレ【カタブラ】
[114:2(2005/06/09(木) 11:33:11 ID:yOy5pEbM)]
「ウ………ウ……ウォォ……ォォォォォ…」
低い腹を揺らすような声が聞こえた。いや、それは声だったかどうか。
「ォォォォォォ……!!」
サイトの火が一部を照らす。そして一つの影を浮かび上がらせる。
そこには半透明の死んだ目をしたポリン―いや、ポリンと呼ぶには程遠いかもしれない。
迷いの森で潰され、破壊されたポリン族の念を吸って生きる禍々しい生き物―ゴーストリングがそこにい
た。
「ォォォォォオオオオオン…!!!」
姿を見せたその時、先ほどよりも更に低い、腹をかき回すかのような『音』を立てて影が咆える。
刹那、影の周りに浮かび上がる白い球体、1つ、2つ、3つ、・・・5つ。
「うわあぁぁ・・・なんか怒っちゃってるよぉ・・・どうしよう・・・」
色が呟く。
「ねえ君・・・ここに立ち入ったのは私が悪かったから・・・ね!逃がしてくれないかな!?」
到底言葉がわかるとは思えない『影』に向かって『色』は言う。
「ほらほら!もう尻尾巻いて逃げるから!ね!・・・それじゃ!」
背を向けて後ろに半歩すり出した瞬間・・・白の球体が影の周りを離れる。
ゆっくり・・・円を描くように・・・期をかけたかのように離れ・・・
目標を見つけたソレはフォンという耳障りな風切音を立て鋭く色に伸びていく。
「とっ」
半歩から一歩、脚をすり出したところから、色が消える。いや、横に飛んだ。
刹那まで色がいたところに白いソレが風切音を残したまま5つ、ぶつかってゆく。
地面が爆ぜ、土が飛び、砂が舞い上がる。そして、地面に大きく空いた5つの穴。
「ひぇー・・・こんな強力なソウルストライク・・・見たことないよ・・・」
ソウルストライク―自らの気念を白の塊とし、相手にぶつけ内側から攻撃する魔法。
その気念の強さによって1つから5つと飛ぶ塊は様々。
だが一様に性質は内からの攻撃であり、これほど外―地に対して抉り破壊するほどの威力は
今までのマジシャン・ウィザード・セージの歴史で数えるほどしかない。
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