【アブラ】セージ萌えスレ【カタブラ】
[117:5(2005/06/09(木) 11:34:51 ID:yOy5pEbM)]
「君・・・本当に強いねえ」
「遠距離戦だと負けちゃうねこれは」
「うーん、ちょっと本気出さないといけないかなっ!」
言いつつゆっくりと両手を前に出し、掌を合わせるようにして短い詠唱を唱え―
「フロストウェポン !!」
両手に青い色の気が固まる。武器に氷の属性を付与する魔法。
周りの空気が両の手に触れるたびに、水分が氷となりキラキラと輝く。
更に自分の後ろに垂れている紐を手繰り寄せ、先についている輪っかを両手に持つ。
その輪の中に手を通し同じように短い詠唱を唱え―
「オート・・・スペル !! ファイヤーボルトッ !!」
呼称と共に輪と輪と軽く叩き合わせると、キィンと澄んだ音と共に輪が赤く光り熱を帯びる。
「さあ準備万端!行くよっ!!」
全てが終わるのを待っていたのかいないのか、動かなかった影に向かってそう宣言する。
刹那、色の姿が掻き消える。それを見てか、影が音を発し、再び回りに巨大なウィスパーが出てき―
「はあああぁぁ!!!」
ウィスパーの前に現れた色が、両の手に青い気をまとわせたまま殴る。
モンクも真っ青の体術、冷気を纏った打撃によりウィスパーに直接的にダメージを与えていく。
しかしダメージを与えているのはそれだけではない。
腕を振り上げた瞬間に熱を帯びた輪の中心から炎の矢が生まれ、殴ると同時に降り注ぐ。
これぞセージの真骨頂オートスペル。打撃と魔法を対にした究極の攻撃。
腕を振るごとに現れる氷の粒と炎、色自身の動きからまるでダンスを踊っているかの様にも見える。
「ガ…ァ…!」
音にならない音を発して、生まれたウィスパー全てがあっという間に霧と化す。
その隙に影が突如消える。敵わないと本能的に察したのか。
「逃がさないよっ!」
「サイト !!」
再度身の周りを照らす火を灯す。そしてそのまま影がいた方向に文字通り跳ねる色。
そのまま口から音を奏で―
「オートスペルッ!! ソウルストライクッ!!」
駆けながら詠唱を終わらせる。輪同士を叩き合わせると、今度は白く光りだす輪っか。
そしていつの間にか手に取り出していたナイフに、両手に纏った冷気を移していく。
更に口からの音を止めず色は前方に跳ぶ。
サイトの火が数歩先を照らす。そこに潜んだ影を浮き上がらせるように。
一瞬で色が数歩の距離を詰める。逃げるのを諦めたか、体を反転させ体当たりを試みる影。
影に飲み込まれる色。・・・がそれはフェイント。実体は横にあり。
そのままナイフを影の横側に深々と突き刺す。
「オオオオオオオオオオオオオォォォ!!」
森を揺るがすかのような音が影から発せされる。
体がびりびりと震える。だがこれ程で色は止まらない。
そのままナイフに脚をかけ、蹴って中空に翻り後方に廻る。
体を捻る色の周りに1つ2つ3つ・・・5つの球が浮かび上がる。
更に両側に広げた手の先の輪から白き球が1つ2つ・・・浮き上がり、
「ソウル・・・ストライィィク !!」
力強き呼称と共に、合計8つの白き球が影に突き刺さったナイフに伸びた―――
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