【アブラ】セージ萌えスレ【カタブラ】
[165:136 セージ子さん、商人に食われる。1(2006/01/21(土) 23:26:18 ID:fRyDvkvA)]
季節の風が、初夏を示していた。
カートが重い。
運んできたポーションは全て消え、代わりにいくばくかの収集品が入っている。
初夏といえども。
「暑い…」
俺は流れる汗を拭い、砂にまみれた髪を再びターバンで覆い上げた。
しがない商人である俺が、何故こんな砂漠を歩いているかって?
こっちが聞きたい。
まぁ、自業自得ではあるが、つい、目の前のポータルに乗ってしまったんだ。
そしたら、見慣れた砂漠の町に着いたってとこ。
俺はモロクが嫌いなんだ。
出身が北のほうだからっていうのもあるが、あの町の雰囲気ってのがどうも。
で、プロまで歩きで戻ろうなんて甘い気持ちで歩き出したのが今朝。
狼に追いかけられ、サソリに突かれてで、逃げ回った俺は。
「やばい、…水…」
砂漠を甘く見すぎていた。頭がクラクラする。
脱水症状、しかしカートには水分はない。
「ちくしょう…」
照りつける太陽に呪詛の言葉を吐き、俺はその身を砂に投げた。
−−−ぽちゃん、ぽちゃん。
水の音。規則的に、そして涼やかな音が俺を現実に引き戻した。
石の天井。
無機質なそれらに起こされ、俺の頭が導き出した答えは…
「どこだ、ここ」
とりあえずの状況確認。
俺が寝ているのは建物の中のベッド。
マットは固いが、シーツの白さからいって古いものではなくむしろ手入れが行き届いたものである。
もちろんこの建物に見覚えはない。
「…」
俺は身を起こし、周りを見、石造りの窓から身を乗り出した。
一面の砂。
どうやら倒れたところを砂漠に住む誰かに救われたらしい。
そう、神は俺を見捨てなかった!
思わず拝みかけた手を止め、窓の下に目をやる。
そこに、俺を助けた張本人がいた。
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