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【アブラ】セージ萌えスレ【カタブラ】

[166:136 セージ子さん、商人に食われる。2(2006/01/21(土) 23:26:54 ID:fRyDvkvA)]
長い髪を一つに結い、太陽に焼けた肌が健康的に光っている。
俺と年齢もかわらないような少女がいた。
「あのーう。」
洗濯物を干す彼女に、俺は自分でも驚くほどかさついた声をかける。
「んっ、あ、ああ。生きていたか。」
縁のある眼鏡をかけた彼女は俺に気付きその手を止めた。
「少し待って。もうすぐ終わる」
ぶっきらぼうに言いながら、その手は再び洗濯物にかかっていた。

篭を抱え、少女が部屋に戻ったのはそれからすぐのこと。
体のだるさからベッドに伏せていた俺に水を差し出す。
「あ、すいません…。」
「ゆっくり飲め。」
マグカップに入れられたのは普通の水。でも渇いた体はまるで砂のように水を軽く吸収していく。
「なんか、生き返った…」
「私は死んだかと思っていた。」
ややつり目がちな、しかしその蒼い大きな瞳は俺を呆れたように見つめている。
「こんな砂漠に、何も対策もなしに歩く馬鹿者がいるとはな」
「あー…すんません」
相手は仮にも命の恩人だ。
俺はひきつる口元を抑え、水分を全て吸収した。
「で、何をしにきた?」
喉が鳴った瞬間、彼女は俺の前に立ち冷たくそう言い放った。
「売り物も無いようだ。あったならもう少しいい歓迎でも出来たのだがな。」
椅子に座り、カップを受け取りながらのお言葉。俺は急激に不機嫌になっていく。
「すいませんね、しがない商人は死に掛けてまして。」
「砂漠で迷ったのか。まぁ、生きてて良かったな。」
あっさりと言うと、興味がなくなったかのように席を立つ。
「落ち着いたらいつでも出て行けばよい。このまま追い出すと完全に死への旅路だからな」
カップを手に、そのまま出て行く。俺は慌てた。
「あ、助けてくれて、…ありがとう」
彼女は小さく笑い、そのまま扉を閉めた。


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