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ときめきラグナロク Episode4.0

[177:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/01/31(月) 11:52 ID:J73c8Rn.)]
夕暮れの町並みを小走りに進む2人の影
俺は、まだ名も知らぬ少女の姿を見失わないように足を速めた
・・・のだがすぐに止まってしまった
「よし、着いたー」
・・・って早いなおい・・・
中央噴水から少し南に行ったところで、2人は立ち止まっていた
「じゃあ、ここから南に向かって歩きながら探そーか」
「・・・なるほど、旅人通りになら確かにいそうだな」
「そーいうこと」
・・・正確には「プロンテラ南大通り」なのだが、この通りに露店や各種取引の持ちかけを行う冒険者が
多いことから、今では「旅人通り」と言ったあだ名の方が一般的になっていた
ここは遅い時間でもかなりの数の冒険者で賑わっているから、確かにすーぱーのーびすとやらも
いるかも知れない
「それじゃ、しゅっぱーつ!」
「・・・その前に・・・その、すーぱーのーびすってのはどんな格好してるんだ?」
火と探しをする以上ある意味当然の質問をする。なにせまったく知らないしな・・・
「ん?んっとねー」
軽く首をかしげる彼女・・・こういう仕草にも「綺麗」と言うよりも「可愛い」と思ってしまうのは、
彼女がノービスだからだろうか?
「・・・それはお楽しみにしておきましょーかねぇ」
・・・と思ってたらこれかよ・・・
俺が傍目にもわかるくらいに憮然としてたのだろう
「まーまー、見た目はあたしたちとよく似てるからすぐ分かるよ♪」
笑顔でフォローをいれてくる
「・・・とりあえず、行こうぜ?時間もあまりないんだし」
そう言って、先に歩き出す俺
「あ、待ってよー」
慌ててついて来る少女
・・・さっきの笑顔が想像したとおり・・・いや、想像以上に可愛かったからか、俺の心臓はバクバクと
激しく脈打ち、顔も熱を帯びているように思えた

気持ちを落ち着けるように、自分と似た姿の人を探し始める
辺りを注意深く観察するが、今のところはそれらしい人影には出くわさずにいた
「いないな・・・」
「そんなにメジャーな職業じゃないから、そんなに早くは見つからないよ」
俺のつぶやきに苦笑交じりに答える
・・・南十字路の辺りまで来たが、残念ながら未だ見つかってない
「うー、目が疲れるな・・・」
「そーだねー・・・」
どうやら彼女の方も、少し疲れたらしい
「少し、休憩にしよっか?」
「そうするか」
2人で座れそうな場所を探す
「あそこ、いいんじゃないか?」
壁際で、ちょうど十字路が一望出来そうな場所が空いていたので指差して伝える
「いいねー、そこにしよー」
2人してそこに座り、人の流れを眺める
・・・よく考えたら隣に座っているんだよな・・・
「あ、ちょっと聞きたいんだけど・・・」
変に意識してしまっている自分を誤魔化すように、俺は彼女に質問をし続けた
スパノビ(スーパーノービスの略称らしい)という職業についてや、今の彼女の狩場、
持ち物などなど・・・
「そういえば・・・」
雑多な質問を1通り終えて、ふと気になったことを聞いてみることにした
「なに?」
色々聞かれているのに、彼女は嫌な顔1つせずに答えてくれた
「なんでスパノビを目指しているんだ?」
「え!?」
・・・さっきまでとは明らかに反応が違うが、まずは答えるのを待つことに
「・・・ちょっと、ね・・・」
そう言う彼女の顔は凄く嬉しそうで・・・なのに俺は何故かそれを見て、胸がちくりと痛むのを感じた・・・


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