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【BS】テキサス娘への愛情を発露するスレ3【WS】

[218:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2004/08/18(水) 03:56 ID:pEsQcZmw)]
「さーて、お前の命を助けたは誰が作った槍だ?」
ボロボロになったラーヴァゴーレムに乗り、槍をぶんぶん振り回してるのを見て、
ようやくあいつがわたしの店先からアイスランスを持ち出したのに気付いた。

「…さんです…」
商売敵の名前を言わされる屈辱からか、そいつの口からはほとんど聞き取れない声が漏れた。
「ああん? 全然聞こえねえよ! まわりの皆さんに聞こえるくらいの声で言ってみろ!
この槍を作った名匠はどこのどなただ?」
「び、BS娘さんです!!」
「よーし!」
あいつは満足げに頷くと、ラーヴァゴーレムに深々とわたしのランスを突き立てて止めを刺した。

いつの間にか集まっていた野次馬が歓声を上げる。

「ごめんな、あれ抜けなくなっちまった。つい売り物一つ無駄にしちまった。って… あ…」
「いいよ、あいつにツケておくから。 …え?」
あいつが呆然としてわたしを見ている。
胸元が妙にスカスカしているのに気付くまでに、しばらく時間がかかった。
…その、なんというか。胸元の結び目に火の粉がかかってたのか。
衆目の前に晒してしまっていたのだ。焼けていない、くっきりと色の違いがわかる白い部分を。
「あー! 見るなバカ! うわぁぁぁぁあん」

何も考えられなくなって、その場にしゃがみこんでしまった。

その後どうしたのか良く覚えていない。
気が付いたら自分の家でぼーっとしていた。男物の上着を羽織って。
あいつが心配そうにわたしを見ていた。
思わず胸元を隠すようにするわたしに、あわてて言った。
「ごめん。本当にごめん。混乱してわけわからなくなって。
つい凝視しちまった。その、あんまり綺麗だったもんだから」
あいつの慌てっぷりがなんだかとても可愛く感じられて、わたしもつられて言う。

「ううん。もういいよ。それにそんなお世辞いわなくっても…」

「いや。本当のことさ。ついでだから言うけどな、さっきお前が聞きかけたこと。
色白とか、そんなんじゃなくて、一生懸命鎚ふるってるお前だからいいんだよ。
それにやけた肌と白のコントラストもまぶ…」
「それ以上いうなああああ!」

ばっちぃぃぃいん!

あんまりにも恥ずかしくなって、あいつを思いっきり叩いてしまった。
いくら思いっきり叩いたっていっても、製造型の細腕。たいしたことはないはず。
あいつはその一発でのびてしまった。

「あれ? ちょっと! いくらなんでもあんなので…」

よく見ると、あいつの体は傷だらけだった。
そういえば、なんの防具もつけないで、あいつはラーヴァゴーレムと戦ってくれた。

「…しょうがないな。バカなんだから」

次の日から、槍が突き立ったラーヴァゴーレムの残骸の側に露店を出すようになった。
周りのみんながいい看板になる、って勧めてくれたから。
そのおかげなのか、ちょっと武器の売れ行きがよくなった。

あいつは相変わらずわたしの店にやってくる。
たまにあいつの視線に気付くけど、お互いになんとなく目をそらしてしまう。
この微妙にじれったい間はもうちょっと続きそうだけど、なんとなくそれが心地いい。
あいつがちょっとだけだけど、綺麗だっていってくれたから。


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