アコたんvsメカアコたん Part6
[138:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/04/24(日) 21:14 ID:kyJ/XoOw)]
「何をしに来た、人間?」
いつでも殺せるという余裕からか、玉座から立つことなく問うてきたバフォメットに騎士は正直に答えた
「いやね、人間も忙しいから魔族に邪魔されたくないんだってさ。それで俺があんたを倒しに来たってわけだよ」
「大きな戦があるからか。矮小な人間共の考えそうな事だ。同族で討ち合うとはなんと愚かな生き物か」
「たまに俺もそう思うよ、だからさ少しだけ魔界に戻っててくれないかな。戦わずにすむならそれが一番だろ、なっ?」
騎士のナイスな提案はバフォメットに一蹴された
「魔族の王が人に、一介の騎士ごときに遠慮する必要なし。この機に街を焼き払ってくれようぞ!」
「交渉決裂、かな。いや〜、俺もちょっとムシがいいかなって思ったもんな。だけどよ…」
騎士がファイアランスを構えるのと、バフォメットがクレセントサイダーを振りかぶるのはほぼ同時だった
「さすがに街を焼かせるわけには行かないな……還ってもらうぞ。魔族の王よ!」
「人間が儂に勝てると思っているのか、最初にお前を喰らってやる、無謀な騎士めが!」
互いの武器が幾度となくぶつかり火花を散らす。ペコペコの突進力を借りた騎士とバフォメットの力が真っ向からぶつかりあう
体についた無数の傷から血を流しながらも、巧みにペコを操り旋回させながら騎士が叫ぶ
「へへっ、大した事ないなぁ!魔族の王ってのはこんなもんかよ?」
「無駄な強がりを…人間にしてはやる方だが、もう限界であろう?」
確かに騎士は想像以上に頑強でバフォメットも手傷を負ってはいたが、力の差は歴然、騎士の出血からして決着は時間の問題だった
騎士は刺し違える覚悟で、バフォメットは飽きてきたこの戦いを終わらせるべく、お互いに距離を取り、間合いを伺う
騎士がペコに拍車をかけ直進し、バフォメットも真っ向から跳躍する
その時二人の間に割って入る無数の影、バフォメットの子供達がわらわらと現れる
「やめろ、父上をいじめるなー」「お前なんか僕達が殺してやるー」
慌てたのはバフォメットだった。このままでは子供が騎士の攻撃に巻き込まれてしまう。バフォメットは咄嗟に子供達の前に身を投げ出す
「お前達、危ない!下がっておれ!」
「くっ…!」
激突の直前で騎士はペコを急旋回させる。バランスを崩した騎士はそのままペコから落下し、受身を取ることすらできずそのまま肩から落ちた
「ぐぁ!?…どじった…かな…?」
薄れていく意識の中最後に騎士が見たものは、乗り手を失いあらぬ方向に駆けて行くペコと、近寄ってくる巨大な山羊の足だった
「…バフォメット様、お怪我が」
「儂が人間ごときに傷などもらうものか。それよりこの者に手当てをしてやれい」
「分かりました・・・・・・・・・もう、大丈夫です」
「ご苦労。下がってよいぞ、アリス」
「はい、バフォメット様…」
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