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アコたんvsメカアコたん Part6

[139:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/04/24(日) 21:21 ID:kyJ/XoOw)]
「ん…」
おぼろげに聞こえる声で騎士は目を覚ました。そこはさっきまで自分が魔族の王と戦っていた場所と何も変わっていなかった
愛用のファイアランス、ペコペコ、バフォメット…
「バフォメット!?」
立ち上がろうとするが、重鎧を着て簡単に動けるはずもない。わたわたと這いずって逃げようとする騎士と簡単にその襟首を掴み持ち上げるバフォメット
「お、俺を食べる気か!?だがこの懐に忍ばせた三ヶ月前の生卵と聖水を見てもそんな気になるかな!・・・・・・うわっ、全部割れてる!?」
「こんな人間を認めるべきではないかも知れぬが…いいだろう、お前に免じてしばし儂は人間界を襲うまい」
そう言ってバフォメットは騎士をペコの上に乗せた

「なんで助けてくれるんだ、あんたが勝ってたはずだろ?」
今更だが体中の傷が癒えている事に気づき、騎士はペコに乗ったまま、きつねにつままれたような表情をした
「儂の子供を避けたが故に勝負に水をさされた。改めてお前とは決着をつけたいと思ってな」
「ただ驚いてコケただけなんだけど。しかし子供を守ろうとするとはねぇ…魔族もなかなか情が深いんだな」
「人間と同じ、親子で殺しあうモノもいれば、そうでないモノもいる。だが勘違いするな、魔族にとってお前ら人間は所詮食い物にすぎん」
「俺達も他の生き物食べてるからどうこう言う気はないよ。でも、人間だって黙って喰われるままじゃないと思うぜ」
少し笑って騎士はぼろぼろになったマントを翻した。早く戻らねば戦争が始まってしまうかもしれない

去り際にバフォメットは騎士に尋ねた
「お前も戦に行くのか?」
「ああ、貧乏暇無しだからね」
バファメットはさめざめと蒼い輝きを放つ一本の大きな鎌を取り出し、騎士に手渡した
「これを貸しておいてやる」
「いやー、丁度よかった。俺火ランスしかもってないし、ありがたく貰っとくかな」
「儂に傷をつけた人間にゴミ共の戦などで死なれるわけにはいかんのでな。貸すだけだぞ、いつか返しに来い。そして儂に喰われろ」
「今度は負けないぜ・・・じゃ、俺は行くよ。ありがとな」
そして騎士の乗ったペコペコはGHを後にした。バフォメット一家は城のバルコニーからプティット平原を駆けていくその姿を見送っていた
「父上、なんで人間なんかに大事な武器をあげちゃったんだよ、あれ本物だろ!」「絶対あいつ分かってないって、貧乏そうだから売っちゃうかも」
「よいのだ、すぐに取り返してくれるわ」
この騎士より強い人間なら何人もいた。しかし死んで欲しくないと思った人間に会ったのは初めてだった

「人間よ、名は?」
「んー、魔族に覚えといてもらう程たいした名前じゃないんだけどな…、ーーーだ」


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