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アコたんvsメカアコたん Part6

[56:1/3(2004/08/29(日) 01:47 ID:ZeSUOSsw)]
「どうもお疲れ様、トリス」
プリたんがそう話し掛けて、ビールの入ったジョッキをトリスに手渡す。
今日は毎年8月の最終日曜に行われる騎士団と教会の共同主催のビアパーティであった。
このビアパーティは騎士団と教会がプロンテラ市民との交流及び二つの組織の大事な財源の獲得が目的となっている。
昼と夜の部に分かれており、昼は主に子供たち向けの催し物、夜は大人たちがハメを外して酒を酌み交わし労う。
昼の部でアコたんたちの面倒を主に見てたトリスは既に疲れ切り、ビアガーデンの机に突っ伏していたところだった。
「ああ、お疲れ様、ありがとう」
トリスはプリたんにお礼を言うとジョッキを受け取り一気に飲み干す。
「ぷはぁ、生き返るぅ〜!!」
さっきまでグッタリしてたトリスの顔に生気が戻っていく。
「私たち大人はこれからが本番なんだからじゃんじゃん飲まなくっちゃね」
そう言うとプリたんがビールを持ってくるように後輩らしき少し年下のプリーストに注文をする。
「プリたんの方から誘ってくれるなんて珍しいな・・・」
「最近会う度ギクシャクしてたからね・・・今夜はお酒でもパーッと飲んでバカ話でもしようかと思っただけよ」

先程のプリーストが大量のビールジョッキを運んできたのを見てトリスに動揺が走る。
「今月はピンチなんだ、勿論そっちの奢りだよな?」
トリスが冗談っぽく言う。だが瞳の奥には懐の寂しさが切実に見て取れる。
「あら、女性に奢らせる気?そうねぇ・・・なら飲み比べで負けた方の奢りってのはどう?」
トリスがふと考える。トリスはそれなりに酒には強いと自負していたが、相手は酒豪と有名なプリたんだ。
普通に相手をしては分が悪い。ここはウスラーにアルコールを即分解してもらいズルしてでも勝ちたいところだ。
(と、いうわけで頼むぞウスラー。やばくなったらお前が頼りだ)
(トリス、お前が姦計を練ると逆に敗因に繋がりそうな気がするのは気のせいだろうか・・・)
「よし、その勝負乗った!!」
トリスはウスラーの助言を無視する。トリスの言葉を聞きプリたんがニッコリ笑う。
「なら正々堂々勝負よ!!・・・の前に」
プリたんが言葉を切りトリスから片眼鏡を外す。
「ウスラー使うのは反則だから外させてもらったわよ?」
(げっ、バレバレだったのかよ・・・)
いきなり切り札を奪われたトリス。勝算なき戦いはこれからであった・・・


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