アコたんvsメカアコたん Part6
[58:3/3(2004/08/29(日) 01:49 ID:ZeSUOSsw)]
「・・・私、紅薔薇さんがとても羨ましいです」
未だビールの追加注文を続けるプリたんに騎士子たんが話しかけた。
「私のどこが?」
「あんなに想ってくれる男性がいる・・・ってところがです」
少々お酒が入ってるらしく騎士子たんは興奮気味だ。プリたんはジョッキから手を放し一つ息を吐く。
「羨ましいって、あそこまでくるとちょっと鬱としいけどね・・・」
口で言うほど嫌がってもない様子なのか悪戯っぽい笑みを浮かべプリたんが言う。
「それでもよく一緒にいるじゃありませんか!?」
お酒が入っててその表情を読み取れなかったか、素で真に受けたのかはわからないが騎士子たんは相も変わらず興奮気味だ。
「う〜ん、昔ね、私が至らないばっかりに彼に大怪我させたことあるのよ・・・今もその後遺症が残っててね・・・」
ちょっと塞ぎ込みがちなプリたんの顔に、騎士子たんは聞いてはいけなかったことを聞いてしまったのではないか、少し頭が冷えた。
「だから今一緒にいるのはせめて好くなるまでは、って自責の念が今は強いわね・・・私としたこがこんな辛気臭い話するなんてお酒が廻ってきたかな・・・悪いけど今日は帰るわ」
「あ、はい、私もそろそろシフトの時間なんで戻ります。」
プリたんと騎士子たんは軽く別れの挨拶をし、別の方向へと去っていった。
そのころ自室のベッドにアサシンを寝かせたトリスが彼の顔を覗き込む。
「なぁ、この人って普段の言動があれだから気にもしなかったけど結構綺麗な顔してるんだな・・・」
「うむ、どこかには性格は普通でも女からはモテそうもない男がいるというのに神様というのは不公平なものだな」
少しトゲを含んだウスラーの冗談にトリスが返答する。
「ウスラー、誰のことを言ってるんだ?」
「少しは自覚はあるようだな」
何を言い返したところでウスラーには勝てないと踏んだがトリスが話を無理矢理変える。
「ミスティスもそうなんだが、この人もちょっと化粧して女装させたら早々敵う女の人っていないんじゃないかな、って思ってさ・・・」
「トリス!?まさか、お前そっちの気があるのか!!」
「そ、そんなわけないだろ!ただちょっと気になっただけだよ!!」
ウスラーの言葉を力いっぱい否定するトリス。
「ううむ、お前がそんな調子だからいつぞやかのミスティスとの実戦訓練の時に一部の女騎士たちから『そういえば噂で聞いたんだけど、あの二人…』などと言われるのだ!」
「な、なんなんだよ!俺とミスティスが一体何だって言うんだ!?」
「我が知るわけなかろう!明日に差し支えるぞ、お前も早く寝ろ!!」
ウスラーから聞いた『噂』が気になりトリスはその日あまり眠れなかったという。
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