ダンサに萌えるスレ
[135:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/05/21(土) 00:59:26 ID:.1ej1nT.)]
と、歩き出そうとしたとたん。
急にダンサーがよろけた。
「大丈夫か、ダンサー?」「あれれ、力が入らない…;」
ぺたんと地面に座り込んでしまうダンサー。どこか、魂が抜けている感じがする。
「やれやれ、しょうがない…」「ふぇ?」
このままではしょうがないから、ダンサーを抱き上げる。
「プ、プリ君!?」「一生懸命がんばったご褒美だ、僕がしょってってやる」
顔を赤くして慌てふためくダンサー。僕とて恥ずかしいが、動けないものを動かすには
仕方がない。
「さ、帰るよ」「う、うん…///」
そのまま縮こまってしまうダンサー。そんな様子がかわいらしくて。
「でもでも、わたしって重くない?」「全然?」
そうかと思えば突発的にしゃべってくるけれど、即答で切り返す。
「あうぅう…;」
ついに黙り込んでしまった。
━━ぽつっ、ぽつっ。
「雨か…」
急に空に雲がかかり、雫が零れ落ちてきた。風が弱いのがせめてもの救いか。
「ダンサー、一回下ろすよ」「え? え?」「雨が本格的になると大変だからな」
そういいながらコートを脱ぎ、それでダンサーをくるむ。
これで僕の上の服はTシャツだけ。まあ、仕方ない。
「プリ君、風邪引いちゃうよ!」「女の子が風邪をひいたらいけません」
そんなダンサーの抗議も、すぐに言い返す。
「でも…」「…思い出すなぁ」「えっ?」
降りそそぐ雨の中、僕は微笑みながらダンサーに言った。
「僕たちがフェイ森で一緒に修行してたころ、さ。ちょっと奥へ進みすぎて、道に迷ったら
雨降って。ダンサー、疲れ果ててたじゃない? そのときもこんな風にして抱きかかえて、
フェイの街まで帰ったっけ…って」「ぁ……」
少し遠い目をしながら言う。聞いて思い出したのか、ダンサーの声は、かすれたような。
「濡れないように…風邪を引かないように…」
優しく、言い聞かせるように言う。ダンサーは、泣いているような、気がした。
雨の音が、その雫が、カーテンとなってしまっているけれど。
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