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ダンサに萌えるスレ

[136:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/05/21(土) 01:04:17 ID:.1ej1nT.)]
 それからのことは良く覚えてなかった。
 何とかギルドのアパートまでたどり着いて、ダンサーのことををセージ娘やうさ先生たちに
お願いした後…ずぶぬれのままじゃどうしようもないから、何とか着替えて、ベッドに
倒れこんだような。
 体が鉛のように重くて、火が吹いたように熱い。意識が沈んでいく。
 のども痛むし、咳き込んで胸も痛い。どうしようもないなこれは…
「プ……ん、……君」
 何か聞こえた。目を開けるのもだるいぐらいだというのに。
 手に何かが重なる。
 あたたかくて、きもちがいい。
 ぬくもり。 ……ぬくもり?
 ゆっくりと、でも何とか目を開ける。
 かすかに入ってくる光が映し出したのは。
「プリ君…」
 心配そうに僕を見つめるダンサーだった。
「ぁ……ぅ?」「無理にしゃべらないでもいいよ。ちゃんと寝てて」
 言葉さえ、出ない。ダンサーは気遣ってそんなことを言ってくれた。
「あ、そだ。氷取り替えるね」
 言うと、ダンサーはいつの間にか僕の額に乗せられていた氷袋をはずしてくれた。
 中身を入れ替えてもう一度僕の額へ。ひんやりとした感触が気持ちいい。
 もしかして、ずっと看病してくれてたのか……
「ぁ…が…ぅ」
 ありがとう、そんな言葉さえもかすれて。それがすごく悔しくて。
 でもダンサーは、微笑みながら僕の手を握り締めてくれた。
「どういたしまして。わたしのほうこそ、守ってくれてありがとう」
 やさしい、ほほえみ。
 手のぬくもりを通じて伝わってくる思いが染み渡る。
 すごくすごく、満たされていく……
 ダンサーは守ってくれて、というけれど。本当は僕が守られているんじゃないか。
 そうだとしたら、逆にそれはうれしいことだと思う。
 支えて、支えられて。
 自分を必要として、そして自分が必要としている人がいるのだから。
 全身に感じる思いに導かれて、静かに眠りに落ちていった。最後に目に映ったダンサーは、
とても優しい笑顔をしていた……



 夢さえも見ない闇の中。どれほど時が流れたのか知る由もない。
 闇から回帰してくる。日差しが僕を引き戻す。
 ゆっくりと目を開ける。天井が見えた。
 ぼくは…僕は、あれ?
 起き上がろうとして、脳裏に走った姿がある。
 ━━ダンサー。
 少し体を起こして目をやる。と、ベッドにうずくまる感じで、ダンサーが眠っていた。
 ずっと看病していて、疲れたのだろう。
 ダンサーを起こさないように起きると、毛布を取り出してそっとかけてやる。
「ありがとうな、ダンサー」
 眠っているダンサーに小さな声でお礼を言う、と。
「ん…プリ君…」
 一瞬起きたのかと思ったけれど違ったようだ。寝言、か。
 少し口元を緩ませて立ち上がる。そのせいで、続いた言葉は聞こえなかった。

『大好きだよ━━』


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