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【アラームたん】時計塔物語 in萌え板【12歳】
- 1 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/02(水) 19:44 ID:eNgSWhIE
- LiveROの時計塔スレがdat落ちしてしまったのでこちらに立ててみます。
こちらに立てる事で再び活性化する事を祈って…
とはいえdat落ちする程放置されてたスレなのでもう需要が無いかもしれませんが…
- 2 名前:前テンプレ(保管所抜き) 投稿日:2005/02/02(水) 21:42 ID:oa2Iw2iU
- ー-,.-‐ '"´ `゙ ー 、,,_
_,.-'" `ヽ、 ←アラームたん
_,.-' // / / ヽ
´ ̄ ,i|/ /' // /| i i | , 丶
i|i' /! / / / i|i /ll |ヽ、 | | , --- 、. `、
i| | /_| /-/ / |l / |l| !l | il i.;-'::::::::j i
i|l { /´ |/ il / { ! `|lト、|l リ| i| ;`'i""| |
!|l ハl {! |/ |/ !| l lメ|i l|i| |l | ! |l |
i |l |i‐=-!、 ! 、,_ ヽノ/ |li| |l i!| | | li ト、
!_!LlL__ `゙' /;;`゙'シ< リl| |!lil.| | li| ill.ト、ヽ
/ `ヽ、,`! ' 丶;,::.:.:.::;〉ヽ|l i l llj | | il !
/ 、ヽ )_j , , ,`゙''< |li | ノ!リ i | l| i |
/ ヽ ハ、 丶 ' j|l ,/|l lリ リ ノ{\
i ノーノ| |l ト、 _,. ゞリ 〃 |lヾノ / ハ|| \
/| ´ 'i´|l| ヾ!l`ー--r一 ヽ´ リ// ヾニノンノ ヾ! ヽ、
/ ! !l|l| ハ ヽ __ リ〃/`ヽ`ー' ` ヽ、
/ | !|リ /| ヽ、 ヽ、` ,〃/ | , ヽ、
/ l i 〈 l ヽ、 ヽ__,ノ/ /}/ ヽ、
■なんのスレなの?
アルデバランの時計塔に住んでいる小さな女の子を中心に広がる話題を扱うスレです。
■ちゅういすることは?
・このスレの設定等にFAはありません。
・ゲーム内でアラームたんに直接会うことはできません。
※急に視点を変えると画面の隅にちょこっとだけ見えることがあるかも?
・もしアラームたんや荒武隊の面子の名前のついたアラームを見かけたなら、
それは某ツール製作者のいたずらによるものです。
出会えた事を思い出として心の片隅にそっとしまっておくのが良いでしょう。
- 3 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/02(水) 22:42 ID:gWmwFesY
- 2げっと アラームたん転生オメ
- 4 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/03(木) 06:24 ID:T/zgRMKA
- 4げとー ずさー
アラームたん俺の相方になって
- 5 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/03(木) 22:27 ID:A/k4caOY
- >>4
すでにアラームたんは俺のものだあああああああああああああああ
- 6 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/03(木) 23:17 ID:KzVSVTaw
- ((((((((((((( ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ずざー
6げと
- 7 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/04(金) 12:58 ID:iZifuC/2
- なぜ保管所抜き?
- 8 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/04(金) 19:52 ID:Kra5YBVQ
- 真・アラーム伝説ってことなのか
ともかく7げと
- 9 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/04(金) 20:38 ID:HzmZFDq2
- 9を貰っときます
- 10 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/05(土) 18:04 ID:/3HaQ4cE
- 今日だけでアラームたんに10回追い出されてきたぜ
- 11 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/06(日) 13:02 ID:x0twnZ3s
- 11get
アチャスケさんはいまいずこ…
- 12 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/06(日) 22:09 ID:ug1yN3l.
- ■もっとアラームたんに会いたいのだけど?
・補完所URL
ttp://f26.aaacafe.ne.jp/~alarmmoe/index.html
・うぷろだURL
ttp://cgi.f26.aaacafe.ne.jp/~alarmmoe/cgi-bin/upload.cgi
・時計塔タロットまとめサイト
ttp://wWw.alarm.sakage.jp/
一応保管庫を補完。
前線から退いてこちらでマターリまたやっていきましょうか。
- 13 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/10(木) 08:55 ID:QBSk/UkI
- アラームたんスレ復活〜♪ヽ(・ヮ・*)
- 14 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/10(木) 14:29 ID:jatARj46
- 復活はいいけどここまで過疎いところを見ると最早需要は無くなってる希ガス
- 15 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/10(木) 21:31 ID:Rji6QsQw
- 何か再燃するようなものでもあればいいんだが
そろそろバレンタインとかネタ振ってもSSや絵が投下されないしね
俺がやれって?
俺は文章力&絵心皆無なので無理です,、'`,、('∀`) '`,、'`
- 16 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/11(金) 00:50 ID:ZgMyniqI
- 初代のころは音楽やらなんやらでやけに盛り上がったなぁ
今でも時計塔の曲は当時の神が作り出したアラームたんイメージ曲だよ
- 17 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/13(日) 12:51 ID:CPNml.w2
- ttp://haru.s19.xrea.com/ropc/images/20050209.jpg
- 18 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/13(日) 21:11 ID:PlN8/Sp2
- >>17
きょぁぁ(゚∀゚)GJ
- 19 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/13(日) 22:22 ID:pt.7Hfs6
- >>17
ラピタ|ミ<ちょっくら油でポリーンにしてもらってくるわ
- 20 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/15(火) 03:37 ID:sre8.8BI
- その日。ミッドガルド中の男性諸君がそわそわしていたその日も、荒武隊隊長は、機体の傍で悠然と煙草を吹かしていました。
少しばかり昔を思い出しながら。
「あ、いたいたー」
そこへかかったのは耳慣れた子供の声。アラームです。
駆けよってくるその姿を認めて、隊長は急いで煙草をもみ消しました。
「あのね、はい、プレゼント」
小さな背丈から一生懸命にさしだされた手に在るのは、綺麗に包装されたハートの形のチョコレートです。
「…バレンタインデーか」
あまり甘いものの好きではない――というよりむしろ苦手な彼がそう呟くと、アラームはにこーっと笑いました。
「うん! 昨日お婆ちゃんのお鍋を借りて、お姉ちゃんとふたりで作ったんだよ」
知識ばかり豊富なライドワードと知識すらないアラームのふたりを、魔女が罵りながら手伝っている様が容易く想像できて、
隊長は微かに笑みました。
「えっとね、私、隊長にこいしてるんだよ」
彼は危うくひっくり返るところでしたが、そこは大人の威厳で踏みとどまります。
「そんな物言い、誰に習った?」
「パンクさん」
隊長はお調子もののカビを思い浮かべて、さもありなんと納得します。
「こいしてるって、好きで好きでたまらないひとに言うんだって。
じゃあ皆に言ってくるね、って返事をしたら皆喜ぶぞ、って言われたよ」
少し困ったふうに隊長は頭を掻いて、それから言いました。
「それは多分、大事な言葉だ。あまり軽々しく使う代物ではない」
「大事なの?」
不思議そうにアラームは首を傾げます。好きなひとにどうして好きだと告げていけないのでしょう。
「そうだ。とても特別な言葉だ。胸を張って誰かに恋していると言えるのならば、それは幸福なのだ。例えそれが生涯、ただ一
度の事だとしても」
走馬灯のように脳裏を過ぎった記憶。それに引っ張られるように、隊長はいつになく饒舌でした。
彼が我に返ると、真摯な瞳がじっと自分を見つめています。幼いなりに何かを感じたのでしょうか。それは気遣うような、労
るようなまなざしでした。
「――隊長は、こーふくだったの?」
彼は一度瞑目し、そして巌のような顔に静かな微笑みを浮かべると、そっとアラームの小さな頭を撫でました。
「ところで、アイツには贈ったのか」
「アチャスケさん?」
頷いて見せると、アラームは嬉しそうに答えます。
「お婆ちゃんが届けてやるよって言って、ふたつとも持って飛んで行ってくれたんだ」
さんざ愚痴を言いながら、きっと魔女は楽しそうだったでしょう。
それから隊長は疑問に思い、そして訊くのをやめました。バースリーはもうこんな儀礼めいたお祭りには付き合わないでしょ
う。ならもうひとつが誰から宛てたものなのか、凡その想像がついたからです。
「ふふふー」
アラームが楽しい企みがあるかのように笑いました。
「あのね、帰ってきたらお婆ちゃんにもあげるんだ。ちゃーんと皆の分作ったんだから。あ!」
そうか、とまた頭を撫でると、アラームは更に幸福そうに笑み崩れます。けれど突然、彼女は思い出したように声を上げました。
「どうした?」
「あのね、お婆ちゃんにこいしてるんだよ、って言わない方がいいのかな?」
真面目に尋ねるその顔を見ながら、隊長はこの子に恋はまだまだ早いな、と思いました。
この約一月後。
女の子へ贈り物などした経験のない隊員達が、お返しに四苦八苦する事になるのですが、それはまた別のお話です。
- 21 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/15(火) 07:33 ID:OthtxpOI
- >>20GJ!
その場面場面を想像してたら、何だか泣けてきたよ・゚・(ノД`)・゚・。 やっぱり時計塔物語はいいな。
- 22 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/15(火) 12:28 ID:2I4W6g5g
- いいなぁ。かわいいなぁ。男らしいナァ。
なんつーかうまく表現できないんだけど、和める。
仔猫とかを見たときの和み方じゃなくてなんていうか…。ウワーン
- 23 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/19(土) 19:40 ID:Fx6ewN5I
- 今日oROで遊んでたんだが
ハンターで時計2行ったら旧配置だったんだよ
時計2にはデビ部屋有ったし
アチャスケエリアが有って、アラームの固定沸きも・・・
俺でも懐かしく思ったぐらいだし
ココの住人なら尚更だろうと報告を
- 24 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/20(日) 03:19 ID:iYNjHKjQ
- なんと、ここに時計スレが・・・・>>215見て少しだけ電波が飛んで来た。
「はん、相変わらず格好着けてるじゃあないか」
老いた魔女がアラーム仮面を被ったバードの前に現れた。
「誰かと思えば婆さんか。何しに来たんだ?」
「あの子達からのプレゼント届けに来てやったのさ。感謝しな」
そう言われて、彼は今日が何の日かを思い出した。
「なるほど…こいつは礼を言うべきだろうな。ありがとよ、婆さん」
「はっ、礼を言う相手が違うね。いいかい、ちゃーんと来月には
お返しをしに来るんだよ?でなきゃ承知しないからね」
言いたい事だけを言って魔女は去る。残されたのは本当に困った様子の
バードだけだった。
- 25 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/23(水) 21:40 ID:24lvbGQs
- 今度は落ちないように・・・
- 26 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/24(木) 01:57 ID:cPW0DCQQ
- この板は一月くらい書き込みなくても余裕で落ちないから大丈夫だよ?
- 27 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/25(金) 23:12 ID:2/6hl30w
- というか落ちるということ自体がほぼないんじゃ?
- 28 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/05(土) 04:00 ID:Fwhjj/ww
- ゲフェニアではおとなしかったエルダー爺さんに何があったのですか。
アラームたんを守らねばという使命感からの年寄りの冷や水ですか。
- 29 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/06(日) 01:10 ID:wa.ystI6
- >>28
時計塔が本来の姿なのです
ゲフェニアは頼まれてイヤイヤやってたので
('A`)マンドクセだっただけです
- 30 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/10(木) 14:03 ID:6/fCki7g
- 電波受信中…
- 31 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/10(木) 15:39 ID:DZckOT7Y
- エルダー老が時計塔に来た理由なる電波を受信。
唯今、文章に手直し中。
- 32 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/10(木) 16:05 ID:DZckOT7Y
- そこはある田舎町の場末の酒場だった。
其処に、一人…否、二人の男が居た。
「かくして彼等は、楽園を目指す。それでも彼等は楽園を目指す。
遠い遠い、茨の道を歩む。遥か彼方。決して見果てぬ夢目指す。
巡る巡る時計の針は、何時か必ず、その楽園を指し示す」
明るく、優しく、寂しく、稚拙で、けれど美しい歌。
手にしたギターの音色と絡み合い、聞く人々を魅了する。
その歌を詠うは、奇妙な仮面を被った、骸骨の様に痩せた詩人。
二人の男の、一人。
旋律が、緩やかになり、穏やかになり。
そして、最後に一度だけ、強く弦を弾き、詩人の指が止まる。
「皆、聞いてくれて有難う」
詩人は、彼の歌に似合わぬ素っ気無い言葉を投げ、観衆へと一礼する。
その場に居る誰も彼もが惚けた様に詩人を見つめたまま、数秒の時が過ぎた。
『パチ…パチパチ…』
不意に…数人の男が、詩人に拍手を送る。
『パチパチ…パチパチパチパチ…』
それは、次々と周囲の者を巻き込んでいく。
『パチパチパチパチパチ』
やがて、酒場は割れんばかりの拍手に包まれていった
- 33 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/10(木) 16:06 ID:DZckOT7Y
- 「…ふむ、ふむ。アルデバランの時計塔か…ふむ」
ひとしきり、観客達が壇上の詩人に拍手を送り終え、満足した表情で、家路に付き始めた頃。
その男は、顎から、山羊の如く長く、垂れ下がった白い髭をいじくりながら、呟いていた。
「まさか、あすこの連中が…未だに本気だとはのぅ…
魔導を志し、早や1200年…長く生きておると、面白いこともあるもんじゃて」
室内だというのに、目深く被ったフードの奥から、燃える蝋燭の様な目が、詩人を捕らえる。
男…汚れた薄紫のローブを着た、老人は傍らの金色の杖に手をやり、椅子から立ち上がった。
…その唇には、深い深い笑み。
「おぉい、そこの若いの!!」
「…俺のことか?」
愛用のギターを手にし、楽屋に引っ込みかけていた詩人が、老人の声に立ち止まる。
「おお〜、そうじゃそうじゃ。ちょっと、こっち来てくれんかの?
お主に、尋ねたいことがあるんじゃ」
入れ歯を通り越して、何度目かの瑞歯が生え揃った顔で破顔しつつ、言う。
「何をだ…?」
「別になんでも構わんじゃろ? 悪いようにはせん。ささ、こっちに来なさい」
しばし、詩人は不審げに老人を見る。
無理も無い。詩人も、人のことを言えた姿では無いが、
それにしても…この老人は、どこをどう見ても怪しさ以外の何者も搭載していない。
正直、よくこの酒場に入店できたものだ、と詩人は思った。
頭では怪しげな姿を疑いつつも、だからこそ詩人は老人の下へと歩み寄っていた。
彼等の座るテーブルの向こう側で、酒場の店主が既に店じまいを始めている。
「で、ご老人、俺に何の用だ」
「んー…単刀直入に言わしてもらうぞぃ?」
「ああ」
「お前さん、人じゃないだろう?」
「………俺は、唯の旅芸人だ。あんたが考えてるような骸骨じゃないさ」
詩人は、数度呼吸をした後、平坦な声で言った。
「ワシ、一言も『骸骨』だなんていってないぞぃ?」
「………………」
もしも、男の被った仮面が表情を表すことが出来たなら、
かくん、と顎が落ちた表情を連想させる、沈黙。
「ま…お前さんが『何であれ』、あの歌…時計塔物語だったか…は、いい歌じゃったよ」
墓穴を掘った詩人を前に、老人は言う。
「…何が言いたい?」
「…判らんか。そうか、そうか。お主もまだまだだぞぃ?」
からから、と老人は笑う。
「お主の歌は、人にも、ワシにも通じておるじゃないか。
人の心にも、魔の心にも…お主の歌う、楽園の様に。
そんな詩人は、そうそうおらんよ。ワシが保障する」
「………」
深い皺を顔に刻んで笑う老人を前に、詩人は顔を伏せた。
「さて、ワシはそろそろ失礼するよ。急に用事ができちまった」
「用事…?」
詩人は、老人に問うた。
そして、老人は詩人に答えた。
「時計塔を訪ねに行くのさな」
老人は笑い、杖を片手に立ち上がった。
いつの夜、何処とも知れぬ街で出会った詩人と老人。
そして、時計塔に、永遠を手に入れた古き魔導士『エルダー』が顕れるようになったのは、
この夜から暫く過ぎてからのことである。
- 34 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/10(木) 16:08 ID:DZckOT7Y
- エルダーのモデルは亀仙人、ということで。
駄文失礼!!
- 35 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/13(日) 19:07 ID:Ve19wkAw
- エルダーじいさん来塔記念! GJです
でもSSのバドスケさんにむしろ萌えてた俺(*´Д`)
- 36 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/15(火) 16:07 ID:aGDFjskc
- 時計塔管理者カード。
INT + 1
スキル使用時のディレイ時間が5%減少する。
アラーム、クロック、パンクカードをすべて装備時、MDEF + 3 , DEF + 3
装備 : 兜
- 37 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/15(火) 16:13 ID:aGDFjskc
- アラームカード。
物理ダメージを受けた時、オートスペル[サイト] Lv 1が発動する。
MAXHP + 300, VIT + 1
装備 : 靴
- 38 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/16(水) 14:52 ID:NFxQa4kY
- 壁lω・) ダレカ…イル?
- 39 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/16(水) 16:15 ID:jua5vFyE
- 壁lω・) ・・・
- 40 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/16(水) 16:32 ID:Cf29kZY2
- |<イナイヨー
- 41 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/16(水) 16:40 ID:y6HQs2DA
- |<がおー
- 42 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/16(水) 17:05 ID:NFxQa4kY
- 壁lω・) …
壁lω・) デムパ、ジュシンシテイイ?
- 43 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/16(水) 19:12 ID:f4R.jC26
- クロックカード。
物理ダメージを受けた時、オートスペル[オートガード]Lv3が発動する。
オートガードLv10を取得しているならば、Lv3の代わりにLv10が発動する。
装備 : 鎧
- 44 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/16(水) 19:13 ID:f4R.jC26
- パンクカード。
物理ダメージを受けた時、オートスペル[クァグマイア]Lv1が発動する。
クァグマイアLv5を取得しているならば、Lv1の代わりにLv5が発動する。
装備 : 肩にかけるもの
- 45 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/16(水) 22:05 ID:WH2Z7yps
- 壁|ω・) イインジャナイ?
- 46 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/17(木) 03:55 ID:.ez0LCGw
- 古城にして魔城。廃都にして死都。様々な忌み名を以て知れ渡るグラストヘイム。
その中庭に、黒い騎士が佇んでいました。
人に呼ばわれる名は深淵の騎士。破壊の具象。武技の極み。そう畏怖される彼でしたが、けれどその姿は悲しげでもあ
りました。
「よう、大将」
まるで彫像のように動かないまま、どれほど時が流れていったでしょう。その騎士に、恐れ気もなく声をかけくる者が
居ました。
それは奇妙な仮面を被ったひとりの詩人でした。ギターを小脇に、親しげに手を上げます。
「まったくここは冷えるな。外でこれなら中はさぞかしだろう。石造りってのも考えものじゃないか?」
毒づきながら、詩人は仮面を外しました。その下から現れたのは全くの髑髏。ひとの姿を偽装した、それはアーチャー
スケルトンでした。合わせるように騎士が騎馬から降ります。
「…」
「石造りは時計塔も変わらないだろうって? そりゃそうだ。そもそもこの身に、」
詩人の声に、かすかに寂しそうな色が混じりました。
「寒い暑いの関わりはないな」
そう。彼らはそれぞれの事情によって、時計塔から去る事になった魔物でした。
「…」
「ああ、皆元気でやってるよ。婆さんなんかは元気が過ぎるくらいだがな」
最近塔に顔出ししてきたというアーチャースケルトンの土産話は尽きません。彼はグラストヘイムを離れられない騎士に
皆の消息を伝えるべく、こうして時折やってくるのでした。
「今も変わらず全員夢追いのままだ。まったく、馬鹿者揃いさ」
その言葉には、けれど懐かしむような、誇るような響きが籠もります。
「だが俺は思うよ。馬鹿が馬鹿らしいと理想を諦めたら、一体誰が夢を追うんだ、ってな」
「…」
「言葉ばかりうまくなったって? ま、詩歌いだからな」
詩人は少し照れたように頭を掻きました。この沈黙の騎士と居ると、どうにも饒舌になっていけません。思いもよらない
大言壮語をしてしまう時があるのです。でもそれは気恥ずかしさが先に立つから普段口を出ない、己が秘めている真情だと
も、彼は承知していました。
「最近な、言葉ってのを少しばかり信用してる。言わずとも伝わる。語らずとも解りあえる。そういう仲も確かにあるだろ
う。だがそこまでになるのに、どれだけの時間が入り用だ?」
だから装いと同じく仮面を脱いで、この騎士には伝えておこうと思うのです。それを受け止める相手と判っているから。
「解り合えない奴らが伝え合う。せめて思いやる。言葉ってのは、その為にこそあるんだと思うぜ」
「…」
――この詩人は、人と魔物との境界もまた、それで埋められると信じているのだろうか。
――いや、信じているのだろう。何故ならば彼もまた、誇るべき馬鹿の一翼であるのだから。
騎士は讃えるようにそう思いましたが、挙措としては静かに頷いただけでした。
「なんだよ、何笑ってやがる。…ま、大体想像はつくけどな」
かつんとその甲冑を拳で叩き、髑髏は青空を仰ぎます。彼らの上に在るには、不釣合いなほどに晴れ渡った空。
「言ったろう、言葉を信用し始めたと。街を巡り歩いてると、歌い歩いていると、なんとかなるんじゃねぇかって気もして
くるのさ。それに――」
詩人の視線が騎士の上に戻りました。けれど騎士を見てはいないようでした。
それは共通の、懐かしい誰かを思う目でした。
「――それに、オレたちはあの娘を知っている。あの瞳を、あの笑顔を憶えている。なら十分だろう。楽園の夢を見るには、
それで十分のはずだ」
「…」
騎士はやはり黙して語らず、けれど同意を示すかのように、黒馬が嘶きました。
「は、柄にもない話を語っちまったな。ま、また来るぜ、大将。馬鹿どもの話を持ってな」
仮面を被りなおし、死人は別れを告げて背を向けます。
古城にして魔城。廃都にして死都。様々な忌み名を以て知れ渡るグラストヘイム。
その中庭に佇む騎士は、常と変わらぬように見えます。
けれどその周りを、やわらかな春の風が吹き抜けて行きました。
- 47 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/17(木) 14:32 ID:qt/6yUpE
- 壁lω・)< …
壁lω・)< ハジマルマエニ、CMダヨー
- 48 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/17(木) 14:33 ID:qt/6yUpE
- 天呼ぶ、地呼ぶ、(いろんな意味で)人が呼ぶ!!
呼んで無くてもやってくる!!(欲深い人の下には)
誰だ? 誰だ? あいつは誰だ?
あいつ あいつ あいつは、あいつは…
正義の精錬工『クホルダー』!!(クホルダー!!)
鉄槌片手に武器を討つ!!過剰精錬何のこと!?
笑い、声がっ、木霊するぅぅぅぅっ!!(クホホホホホホ)
瞼閉じれば可愛いあの娘。討たせぬ為に武器を討つ!!
喰らえ、必殺クホハンマー!!唸る鉄槌武器を討つ!!
俺がやらねば誰がやる!!正義の精錬工クホルダー!!クホルダー!!
うた:○グレンのおにーさんと精錬工マッスルズ
作詞:ひ み つ
各地の精錬所で絶賛活動中!!
精錬所も、時計塔楽園計画に協賛しています。
- 49 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/17(木) 15:29 ID:qt/6yUpE
- 壁lω・)< …
壁lω・)b< GJ!! GJ!! バドスケサンカコイイ!>46
- 50 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/18(金) 09:49 ID:u2JfvW8M
- クホルダー!!
- 51 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/18(金) 18:57 ID:w4/vHb82
- 壁lω・)< …チョッピリ、ナガクナリソウ。
壁lω・)ノ (駄文)
壁lミサッ
- 52 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/18(金) 18:58 ID:w4/vHb82
- 1
国境都市アルデバラン。
南には、天を突くミョニル山脈を眺め、北には遠くジュノーの浮島が覗く地。
一つの大きな時計台を取り囲むようにして、その街は在った。
けれども、此処で語るは人の町ではない。
大きな時計塔。人に忌み嫌われ、傷つけられ、それでも楽園を目指そうとする夢追い達の物語。
「みなごろーし、みなごろーし、一人ものこさねーぇ♪」
そこは、遠く、歯車の音が聞える薄暗い通路。
ふわふわと浮く、羽根付きカビ団子…パンクが、機嫌良さそうに歌を口ずさみながら、進んでいた。
少し先からは、塔の外から差し込む光。外の人間達が、塔に入ってくる穴がある。
「レッツビギンさキリングタイム〜、とくらぁ。 …ん?」
瞳の端に、妙な木箱が一つ映る。
ふわふわと近づき、彼は中を覗く。
「…なんだぁ、こりゃ?」
その箱の中には、茶色い毛玉が一つ。
カビ団子は、生まれてこの方、時計塔から出たことなど殆どない。
そして、時計塔にある書籍はその殆ど(エルダーが最近持ち込んだ♀職大全集(D何某編)など一部除く)
が難解…というよりも、時計塔管理者やエルダーぐらいしか読めないような代物である為、読書などもしない。
よって、その物体は彼にとって初めて見るものであった。
「何かの生き物か…?」
小さく丸まっているそれは、呟くパンクをよそに目を閉じたまま身じろぎ一つしない。
浅く、呼吸を繰り返すそれは、彼の目からしてみても随分弱っているようだった。
「どうしたもんかねぇ」
少しばかり、浮いたままパンクは思案する。
何故こんな所で木箱に入っているのか知らないけれど、冒険者で無ければ排除するわけにもいかぬ。
このまま放っておいては、塔を訪れる凶悪な人間が何をするか判ったことではない。
けれども、彼はしがない見回り。そのうえ、この生き物の名前も知らぬ。
ふわふわと、上下に浮き沈みして判断に窮すること暫し。
「そうだ!!ライドの姐さん連れて来よう」
- 53 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/18(金) 18:59 ID:w4/vHb82
- 「犬ね」
本の前に展開された、理知的な女性のホログラフはきっぱり、一言で生物を判別した。
「多分、棄てられたんでしょう」
そして、テーブルの上の木箱を覗き込みながら、そう付加える。
「棄て犬っていうやつか?」
何処かで聞きかじった言葉を口にする。
「ええ、そうね。飼えないのなら、最初から飼うべきじゃないんだけど…」
そうは判っていても、ついつい過ちを犯してしまうのが、人の性ではあるのだけれど。
言って、浮かぶ本の前で幻影は腕を組みながら、こめかみに人差し指を当てた。
ふわふわと無言のまま浮かぶ、カビ玉と本。
「…で、姐さん。この犬って奴、どうするんで?」
言われて、幻影が目線を弱った子犬に落とす。
「…そうね。取り合えず、手当てをしてあげましょう。
餌をあげて、良く眠らせて、体力が戻るのを待って、この仔、どうするか決めましょう」
そうしないと、死んでしまうかも知れないから。
言葉に応じて、ぺちん、と敬礼するようにパンクが人間なら額に当る部分に自分の羽を当てた。
「合点承知の助っ。そんじゃ、俺はクロックじいさんや管理者の奴に知らせてくるからな」
- 54 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/18(金) 19:04 ID:w4/vHb82
- 壁lω・) < …
壁lω;) < ヤッパリ、ナガクナリソウ・・・ ツギカラハ、uプロダニアゲマス・・・
壁lミサッ <駄文失礼!
- 55 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/19(土) 01:19 ID:Tg.ulYDk
- 別にここでもいいと思うぞ
続き楽しみに待ってます
- 56 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/21(月) 05:05 ID:ko3/iegg
- 壁lω・)ノ(続き: http://f26.aaa.livedoor.jp/~alarmmoe/cgi-bin/source/up0147.xxx )
壁lミ
- 57 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/22(火) 15:17 ID:/aA1p5yc
- ふと、思った。
我々が、今認識している時計塔は、全体のほんの一部に過ぎないとっ。
つまり、時計塔の本来の大部分は地下にまだ埋もれたままで、
そここそが、楽園計画にとって一番大切なんだ、と思ってみるテスト。
最深部にアノリアンがいなくなったのは、水没部から
時計塔深部探索にでかけたのかも。
んで、更に時計塔本来の姿は1000年前の大戦の折、
「楽園」の為の技術を後世に伝えるシュワの墓所みたいな場所か
別の惑星にミッドガルドから避難するための箱舟だったり、とか。
後、過去スレ見てて、
錬金術師がとんでもない名前であることの理由をでっち上げ。
つまり、昔のこと過ぎて正確な名前が伝わらなかったと、推測。
実際、ギリシャ神話のゼウスもジュピターなんて名に変ったりしてますし。
- 58 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/22(火) 15:22 ID:/aA1p5yc
- 後、実は時計塔管理者って、一番見つけて欲しくない部分を隠すために
時計塔のほかの部分に冒険者の注意を向けさせてたりして。
…うう。へんなSFっぽい電波ですみません。
- 59 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/23(水) 16:47 ID:ji4Oj5v.
- 壁lω・)< …
壁lω・)< …ヤッパリ、UPロダジャ、スレガサミシイカラ、ココニアゲルネ
壁lミサッ < ツヅキハモウスコシマテーネ!!
- 60 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/23(水) 17:37 ID:KD4mHPBU
- 56を読んだ。
管理人「…嘆かわしいですね、最近の若い連中は正しい受け答えも出来ないとは」
荒武隊長「……」
管理人「そう、直接返答を要求されるか許可された時以外、部下は発言権はありません、知っていますね?」
荒武隊長「イエス、サー」
管理人「それくらいのことを分かるように、部下教育を貴方に要求するのは、過大評価でしたか?」
荒武隊長「サー、ノー、サー」
管理人「それと、アイアイ、サーとイエス、サーの違いも重要です。しっかり復習させておきなさい」
荒武隊長「アイアイ、サー」
管理人「…まぁ、部下と隊長の関係にこのように上司が口を突っ込むのもあまりないことではあるわけですが」
- 61 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/23(水) 18:16 ID:ji4Oj5v.
- OK、つっこみありがとう。早速くぐってみた
ttp://www.warbirds.jp/ansq/7/G2000197.html
ここの様な感じでいいのだろうか?
取り合えず、自分は
イエス・サー =>文字どうりに「はい、上官殿」
アイアイ・サー =>サイト引用で「命令を理解し、かつ、それに従います」
という風に、脳みそに格納しますた。
- 62 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/23(水) 20:24 ID:KD4mHPBU
- Σ
いあ、そんな真面目にぐぐられるとただの海軍小説好きのしったか厨な私は困ってしまう。
アイアイは命令された時に了解する返答。ちなみに、命令拒否する場合の返答パターンは多分ない。
ありえないので沈黙するべし。命令拒否はマスト逝きだっ。
疑問系で声をかけられた場合はイエス、かノーにサー。
アイアイ、とイエスを間違えてぶんなぐられるシーンは、士官候補生が士官に育つ過程を書く小説では
かなりの頻度で出てきます。というか、真っ先に叩き込まれることの一つらしい…。
で、アレです。重箱の隅をつついてゴメンナサイ
- 63 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/24(木) 00:28 ID:uN6s4M9A
- 壁lω・) <アヤマラナクテイイヨー タリナイ、チシキノ ホカンニ アリガタイカラ
壁lミサッ <サテ、ツツキヲ カクゾー!!
- 64 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/24(木) 00:40 ID:Q0QlZB7U
- お礼言うの忘れてたよ…コレジャ ジイシキカジョウナヒト ジャマイカ orz
突っ込みトンクス。知識の肥やしにさせてもらいまつ。
- 65 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/24(木) 04:35 ID:6FDgVMbc
- 壁lω・) < ……
壁lω・) < フクロウセンセイト、ジーチャンボウソウデ、ヨテイヨリナガクナターヨ
壁lω・)ノ(駄文)
壁lミサッ
- 66 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/24(木) 04:35 ID:6FDgVMbc
- 3.
てくてくと、長い廊下を歩きながらアラームは、考えていた。
荒武の言い回しは難しく、彼女の知らない言葉もあったけれども、
取り合えず、管理者のおじさん達が自分を呼んでいるらしい、ということは理解できた。
ただ、その理由が彼女には思い浮かばない。
いや、しばし考え込んで後、少女は一つの理由に思い至った。
彼女が『着ぐるみ』を壊す回数が増えているのではないか、と。
考えてみると、確かに最近、悪い冒険者に着ぐるみを壊される回数が増えた気がした。
『…どうしよう…』
実際に数えた訳でもなく、その考えは杞憂に過ぎないのだけれど。
しかし、彼女とて未だ幼い少女。一度掻き立てられた不安を自ら抑える術を知る筈も無い。
勿論、四六時中何時だって誰にだっていい子に振舞ってはいられないのだ。
一旦考え始めたが最後、どんどんと悪い想像ばかり膨らませてしまう。
具体的に言うならば、目を吊り上げ、眼鏡をぴかぴか光らせて睨むオウル先生や
蒸気を頭の辺りから噴出して怒っている管理者を思い浮かべて、彼女は恐怖した。
その背景は暗雲が立ち込め、遠雷がごろごろと鳴り響いていたりする。
『全く…貴方は何時も何時も機体を壊してばかりいて一体何を学んで(以下、延々と説教が続く)』
『このところ幾らなんでも壊し過ぎじゃよ。全く、ワシの身にも(以下、延々と愚痴が続く)』
『どうしよう、どうしようっ』
一瞬思い浮かべた恐るべき光景に真っ青になる、アラーム。
幾ら時計塔の一員として一生懸命に頑張ってるといっても、好き好んで怒られたい訳では無論、無い。
途端、足取りは重くなり、呼ばれた部屋までの距離が永遠と同じくらい長く感じられる。
「うー…」
回れ右。そして戦術的撤退を実行したい気持ちを必死で抑え、アラームは歩く。
その歩みはピラミッドのミノタウロスよりも遅かったりするが。
何時もの勉強部屋への曲がり角や、昼間、一緒に闘う皆が居る筈の談話室。
バースリーが腕を振るう食堂を通り過ぎ、目的の部屋が近づいてくる
勿論、憂鬱の度数もうなぎのぼり。じっとりと嫌な汗が手に浮かぶ。
そして、そんな彼女は背後の不埒で悪いジジイに気づかない。
「おおー!! アラームたんじゃっ!! 待っとったぞ!!」
ジジイ…新参にも関らずライドワード部隊に無断で秘蔵の写真集なぞこっそり追加しいの、
女冒険者にハアハアしぃのでこってりと時計塔の真面目な面々から絞られ続けたにも関らず、
反省なぞ皆無のエルダー老である…は、勿論、少女のブルーな心境なぞ一切知らぬ風に、大声で言う。突然に。
「わひゃぁっ!?」
「アラームたん。飛び上がっちまう程、ワシに会えて嬉しいかぁ」
全く予期していなかった大声に、飛び上がる程驚くアラーム。
一方、豪快に笑いながら、かさかさに乾いた手で少女の頭をなでる爺。
「え、あ、う…え、えと」
頭をなでられるまま、にへらーと曖昧な笑顔でエルダー老に答える。
「取り合えず、それだけは違うと言わせてもらいます。エルダー老」
そんな老人と少女に、部屋の中から現れた蒼でそろえた外套と山高帽を纏った一人の紳士が声をかける。
「う…」
「遅い。一体何をやっていたのだね」
くちばしからは、目の前で萎縮する少女に対する容赦の無い言葉。
彼は、梟の姿取る大悪魔。名を、オウルデュークと言った。
そして、言うまでも無く少女が今現在持つとも会いたくない人物である。
彼は、一度溜息を吐くと
「全く…私は何時も君に時間は大切にしろと言っているだろう。
人間の言葉を借りるのは癪だが、タイム・イズ・マネーという言葉もある…」
「は、はいっ先生!!」
しゃきっ、と背筋を伸ばしたアラームを前に、また何時もどおりの説教が始まりかけ…
「梟のぅ〜、別にそれくらいいいじゃないか。アラームたんが可哀想じゃよ」
「エルダー老!! 貴方は何と能天気なことをおっしゃるか!!
それと…私のことは梟と呼ぶなと何度申し上げたら老は理解なさる!?」
梟と呼ばれる事を、高貴な血筋の悪魔たる彼は我慢できない。
怒りに飾り羽を逆立て、エルダーへと詰め寄る。
「私の名前は前に申し上げた筈!!」
「とはいってものぅ…なんじゃったっけ?」
そんな怒れる悪魔を前に、老人力を発揮するエルダー。
ぽりぽりと立派な髭を蓄えた顎を指先で掻き、暫し黙考する。
「思い出されましたか?」
口元をひくつかせながら、デュークが言う。
「んー…デューク…」
「そうです、私の名前は…」
なにやら思い出しかけたエルダーを前に、梟が言う。
「デューク・更家じゃったか」
…その瞬間、隣で事態を見守っていたアラームは、
俯いているオウルデュークの蒼い外套が、一瞬、オウルバロンの様に紅く染まるのを、確かに見た。
ゆらり、と彼の周囲の大気が見えない圧力に歪曲し、迸る魔力に金属の床板に亀裂が走る。
「あわ、あわわわわ…」
まるで、ザ・ワールド。三者の時間は停止する。
「ク…ククククク…ククククククククク…」
肩が、揺れる。漏れる様な笑い声にあわせて上下に。
外套が揺れる。怒りのあまり、見境のなくなった魔力に。
「ん、違ったか? それじゃあ、デューク・東郷か?」
ぷちっ、という擬音。そして 時は 動き出す
一歩、デュークは歩みだし顔を上げる。
そこには、笑顔。但し、それは怒りに歪んでいて。
「エルダー。私には、誇りがある。貴族として生まれ、貴族として生きてきた矜持だ。
お前は、それを汚した。完膚なきまでに汚したのだ。その罪を支払え。今すぐにだ」
「…ほげ?」
しかし、悪くて不埒な老人は、それを惚けた表情で聞いていて。
「…………」
その所業で遂に、彼はキレた。もう、全く見境無く。人間の言葉を喋ることすら忘れるくらい。
「クケェェェェェェェェェッ!!(訳:ぶち殺すぞヒューマンがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!)」
「おわーっ!! 梟のがキレたわいっ!!」
ローブのすそをたくし上げ、脛毛の生えた足を見せびらかせつつ、
エルダーは反転、全力疾走で敵前逃亡を開始した。
ライトニングボルトが嵐の様に乱れ撃ち、デュークはエルダーを追いかける。
「………」
そして、後に残されたのは土煙を立てながら走り去っていく二人を呆然と見送るアラームだけ。
「………え、えと…うん。取りあえず、呼ばれてるし行った方がいいよね」
取りあえず、自分自身を納得させ、彼女はすぐ近くに見える目的地に向かった。
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