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【アラームたん】時計塔物語 in萌え板【12歳】

[52:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/03/18(金) 18:58 ID:w4/vHb82)]
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 国境都市アルデバラン。
 南には、天を突くミョニル山脈を眺め、北には遠くジュノーの浮島が覗く地。
 一つの大きな時計台を取り囲むようにして、その街は在った。

 けれども、此処で語るは人の町ではない。
 大きな時計塔。人に忌み嫌われ、傷つけられ、それでも楽園を目指そうとする夢追い達の物語。


「みなごろーし、みなごろーし、一人ものこさねーぇ♪」
 そこは、遠く、歯車の音が聞える薄暗い通路。
 ふわふわと浮く、羽根付きカビ団子…パンクが、機嫌良さそうに歌を口ずさみながら、進んでいた。
 少し先からは、塔の外から差し込む光。外の人間達が、塔に入ってくる穴がある。

「レッツビギンさキリングタイム〜、とくらぁ。 …ん?」
 瞳の端に、妙な木箱が一つ映る。
 ふわふわと近づき、彼は中を覗く。

「…なんだぁ、こりゃ?」

 その箱の中には、茶色い毛玉が一つ。
 カビ団子は、生まれてこの方、時計塔から出たことなど殆どない。
 そして、時計塔にある書籍はその殆ど(エルダーが最近持ち込んだ♀職大全集(D何某編)など一部除く)
が難解…というよりも、時計塔管理者やエルダーぐらいしか読めないような代物である為、読書などもしない。
 よって、その物体は彼にとって初めて見るものであった。

「何かの生き物か…?」

 小さく丸まっているそれは、呟くパンクをよそに目を閉じたまま身じろぎ一つしない。
 浅く、呼吸を繰り返すそれは、彼の目からしてみても随分弱っているようだった。

「どうしたもんかねぇ」
 少しばかり、浮いたままパンクは思案する。
 何故こんな所で木箱に入っているのか知らないけれど、冒険者で無ければ排除するわけにもいかぬ。
 このまま放っておいては、塔を訪れる凶悪な人間が何をするか判ったことではない。
 けれども、彼はしがない見回り。そのうえ、この生き物の名前も知らぬ。

 ふわふわと、上下に浮き沈みして判断に窮すること暫し。

「そうだ!!ライドの姐さん連れて来よう」


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