【アラームたん】時計塔物語 in萌え板【12歳】
[53:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/03/18(金) 18:59 ID:w4/vHb82)]
「犬ね」
本の前に展開された、理知的な女性のホログラフはきっぱり、一言で生物を判別した。
「多分、棄てられたんでしょう」
そして、テーブルの上の木箱を覗き込みながら、そう付加える。
「棄て犬っていうやつか?」
何処かで聞きかじった言葉を口にする。
「ええ、そうね。飼えないのなら、最初から飼うべきじゃないんだけど…」
そうは判っていても、ついつい過ちを犯してしまうのが、人の性ではあるのだけれど。
言って、浮かぶ本の前で幻影は腕を組みながら、こめかみに人差し指を当てた。
ふわふわと無言のまま浮かぶ、カビ玉と本。
「…で、姐さん。この犬って奴、どうするんで?」
言われて、幻影が目線を弱った子犬に落とす。
「…そうね。取り合えず、手当てをしてあげましょう。
餌をあげて、良く眠らせて、体力が戻るのを待って、この仔、どうするか決めましょう」
そうしないと、死んでしまうかも知れないから。
言葉に応じて、ぺちん、と敬礼するようにパンクが人間なら額に当る部分に自分の羽を当てた。
「合点承知の助っ。そんじゃ、俺はクロックじいさんや管理者の奴に知らせてくるからな」
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