◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え2冊目◆
[62:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/12/27(火) 22:15:51 ID:FB0N0Omg)]
一体どのぐらいの間、泣き続けたのだろう。
喉が嗄れる程に泣いて、ようやくセージの気持ちもおさまってきた。
いつの間にか、大騒ぎを止めたドラップスとポリンが、セージの前に佇んでいた。
「ご主人……」
「ごめんなさい、ご主人さま」
悲しそうな二匹の声に、セージは抱きしめていたポポリンから顔を上げると、袖でごしごしと目元を擦った。
「……ん、平気。もう大丈夫だから」
不安げな顔をしたままの三匹に、セージは微笑みかけた。
モンクがくれた愛情の欠片は、今もここにちゃんとある。
だから、もう大丈夫。
セージは大きく体を伸ばすと、餌の入った袋に手を伸ばした。
「ごめんね、ごはん遅くなっちゃって」
「いいえー、平気ッスよ」
「そうそう、ボクたちお腹なんかちっとも空いてませんから」
ドラップスとポリンに言われ、セージはそう、と呟いた。
「じゃあ、僕だけご飯にするか」
「あああ待って待ってご主人さま!」
「お腹空いたッス!」
慌てた二匹がセージの足に飛び乗ると、代わりに降りたポポリンが袋の中に入り込んだ。
「あー、一匹だけずるい!」
大騒ぎを始めた三匹を見つめながら、セージは立ち上がった。
思う存分泣いたためか、かなりお腹が空いていた。
昨日バードと食べた夕食以来の食事なのだから、当然といえば当然である。
そういえば昨日の食事中、少々酔ったバードに、失恋経歴を延々と語られたような気もする。
ただの愚痴かと思っていたのだが、あれは彼なりの慰めだったのかもしれない、とセージは気付いた。
ならば、とセージは一人決意する。
今度あの友人がふられたら、自分から食事に誘ってやろう、と。
恐らくそう遠くない未来に実行することになるだろう、といささか失礼な事を思いながら、セージは窓の外に目を向けた。
全てを包み込むように、雨は優しく降り続いていた。
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