◆【18歳未満進入禁止】みんなで創る小説Ragnarok ♂萌エロ 第2巻◆
[59:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/06/23(金) 23:48:42 ID:d6Qo0ViY)]
ずるり、ずるりと、重い物を引きずるような音を立てて、男騎士が歩いていた。
平らな板張りの、宿の廊下なのだが、酒が回ったのか、少々足取りがおぼつかない。
いや、一番の原因は別にあるのだが。
「俺も、結構飲んだんだけど……」
聞いてるか、と騎士が訊ねるのは、
背中に背負った大荷物――焦げ茶の髪を無造作に束ねた、男プリーストである。
こちらは相当に酔っているらしく、体重を完全に騎士に預けている。
それでも騎士の声は聞こえたのか、
プリーストは焦げ茶の髪を揺らし、幸せそうな顔を騎士に向けた。
「うん、俺も愛してる」
「お前は何と会話してるんだ!」
思わず怒鳴りつけた騎士だが、プリーストに堪えた様子はない。
「そんな大声で言わなくても分かってるって」
「どうだか……」
「お前も俺を愛してるんだろ?」
「ちっとも分かってねえ!」
どうしようもない酔っ払いに、騎士は溜息を吐く。
「ハイペースで飲んでると思ったらこれかよ……」
げんなりした顔をしつつも、背負ったプリーストを投げ出さないのは、
騎士がお人好しなのか、それともプリーストが言うように「愛してる」からなのか。
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