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悪ケミハウスで4箱目

[301:(2007/07/11(水) 22:10:21 ID:SvDopuDA)]
子バフォは全身の力を抜き、フッと一息ついた。
戦った敵の数は多かったものの、子バフォの相手ではなかった。
が、流石に無傷とまではいかなかった。

子バフォ「主からハーブをいくつかもらわねばならぬか。また怒るであろうな」

以前も子バフォから見ればほんのかすり傷程度ではあったが怪我をして戻った
ことがあった。その時、悪ケミはひどく怒り、手当に使うハーブがもったいない
から二度と怪我をしちゃダメ!もうしないと誓いなさい!と何度も誓わせられ、
子バフォは困惑するばかりだった。

子バフォ「主も製薬に関することになると真剣であるからな。確かその前に
     しかられた時も────」

その時だった。
子バフォの左足に激痛が走った。痛みに眼をやると一本の矢が刺さっている。
いや、矢尻が腿の外側から内側まで貫通しているのだから串刺しになったと
言うべきか。子バフォにとってにわかには信じがたいことだった。
仮にも上位魔族である子バフォの強靭な四肢を射抜くなど、並の者に成しえる
ことではない。その一瞬の動揺が隙を生んだのか、次の瞬間背後から強烈な
一撃を受けて子バフォは大きく態勢を崩した。
立て直しざまに背後へとカマを振るうが、その鋭い一撃は空を斬った。

子バフォが素早く辺りを見回すと10数m離れた場所に男が立っていた。
手にしている武器と風貌からして暗殺者の上位────アサシンクロス。
背後の一撃がこの者によるならば、カマを振るった一瞬でこの距離を移動した
事になる。それも、気配を完全に殺した状態で。
そして、そのさらに背後に弓を引く女の狙撃手────スナイパーの姿を見た
子バフォはとっさに横へと身を投げ出した。
肩口を矢が2本かすめていく。もしかわせてなければ子バフォの真紅の両目は
その矢で射抜かれていたことだろう。


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