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【憎悪と狂気】バトルROワイアル 十冊目【恐怖と絶望】

23 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/03/31(土) 10:57:58 ID:0XocTEPQ
書こうと思ったんだが文章が浮かばず・・・
とりあえず、前スレから出てきてない方を・・・

<♀騎士>
現在地:E-6
所持品:S1シールド、錐
外見:csf:4j0i8092 赤みを帯びた黒色の瞳
備考:殺人に強い忌避感とPTSDを持つが、やや心を強く持てるようになる。刀剣類に抵抗感 笑えるように
状態:JT2発被弾 背に切傷

<♂モンク>
現在地:E-6
所持品:なし(黙示録・四つ葉のクローバー焼失)
外見:アフロ(アサデフォから落雷により変更)
スキル:金剛不壊 阿修羅覇凰拳 発勁
備考:ラッパー 諸行無常思考 楽観的 刃物で殺傷
状態:腕に裂傷、JTを複数被弾、意識不明、通電によるショック症状

<♂騎士>
現在地:E-6
所持品:ツルギ、S1少女の日記、青箱1個、カード帖(♀スパノビ遺品)
外見:深い赤の瞳
備考:GMの暗示に抵抗しようとするも影響中、混乱して♂ケミを殺害 心身の異常を自覚
   できれば♂ケミを弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走
状態:痛覚喪失、体力は半分ほど 精神は安定してきているが、アンバランスな部分を残す
   個体認識異常を脱するが、体に変調?
   快方の傾向にあるが、未だ人間を殺すことに恐怖心は残る

<寄生虫(寄生磯巾着?)>
現在位置:F-6
外見:大きい紫色のヒドラっぽいもの(ペノメナ?)
備考:♂ローグから孵り、捕食 両生類? 西へ移動中
状態:全快

24 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/04/01(日) 17:55:35 ID:kzh9vEWs
265.崩壊していく理性の中で。(三日目・午前)(NGかも)

「あああああああああああああ!!」
右腕が、熱い。腕輪が恐ろしいほどの熱を発しているように感じられる。
殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ
自分のものとは思えない殺意が♂シーフの思考を蹂躙し、破壊していく。

(このまま、僕は壊れていくんだろうか・・・?)
♂シーフは崩壊しつつある理性の中で考えた。
(このままじゃ、♀WIZさんに攻撃を仕掛けてしまうかも・・・)
なにか解決策はないかと、必死に考えを生み出そうとするがそれもままならない。

殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!

彼の思考を殺意が攻撃し続ける。
「やめろ、やめてくれえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
堪らず♂シーフは叫ぶ。誰かタスケテ。
彼の叫びに♀WIZは驚き、体をビクッと振るわせる。
しかし、彼女は♂シーフから離れようとせずに彼の体をしっかりと抱きしめる。
そして、♂シーフの耳元で、優しく囁いた。
「♂シーフ君しっかりして、大丈夫。私がついているから。」
(母さん・・・?)
♂シーフの体を優しい温もりが包み込む。それは、亡くなった母のものとどこか似ていて、♂シーフの思考を少しだけ落ち着かせた。

(母さんも父さんも僕は失った。)

♂シーフはゆっくりと深呼吸をする。思考がさらにクリアになっていく。

(もう、誰も失いたくない。この温もりを失いたくはない!)

(その為には、今のこの状況は駄目だ。腕輪をどうにかしないと・・・)
しかし、彼が考えをめぐらせていると再びあの殺意が彼を襲った。

殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!その女を殺せ!

♂シーフの意思とは関係なく、右手がグラディウスを握る。
(やばい!!)
「♀WIZさん逃げて!!」
彼はそう叫ぶとバックステップを繰り返し♀WIZと距離をとる。
そのままの勢いで部屋の壁に自らの体を激突させる。
衝突の勢いで右手からグラディウスが抜け落ちる。

「♂シーフ君!!」
♀WIZが壁に突っ込んでいった♂シーフに向かって叫んだ。
「来ないでください!!」

♂シーフはなんとか自分の意思で動かせた左手でグラディウスを拾いながら答えた。
「この腕輪は危険だ。このままじゃ僕の意思など関係なく♀WIZさんを襲ってしまうかもしれない。
 だから、破壊します。」
「もし、破壊できなくて♀WIZさんを襲うようなことがあったら・・・」
息をしっかりと吸う。恐怖で足ががくがくと震えた。
「そのときは、僕を殺してください。」
自分に出来る最高の笑みを浮かべながら♂シーフは♀WIZに伝えた。

それは、まるで自分ならできると自己暗示をかけているようで。
なるべく、♀WIZを心配させないように彼が気を使っているようで。
そして、自分が死ぬのを覚悟して別れを告げているようでもあった。


<♂シーフ>
現在地:D-6→北か西の半島を目指す→謎の地下室?へ
所持品:多めの食料 +7トリプルハリケーングラディウス 囚人の腕輪?
容 姿:栗毛
備 考:ハイディング所持 盗作ローグ志望でちょっと頭が良い ♀Wizと同行 呪詛に体を蝕まれる
    ♀WIZの姿に亡き母が重なる 死を覚悟?
<♀WIZ>
現在地:D-6→北か西の半島を目指す→謎の地下室?へ
所持品:クローキングマフラー ロザリオ(カードは刺さっていない) 案内要員の鞄(DCカタール入) ウィザードスタッフ
容 姿:WIZデフォの銀色
備 考:LV99のAGIWIZ GMに復讐 ♂シーフと同行 年の事は聞かないでね?
状 態:容態安定。ただし全身に傷跡が残る。HPは半分ぐらい?希望が見えてきて気持ちが前向きに

25 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/04/01(日) 18:00:29 ID:kzh9vEWs
>>24
ナンバリングは266ですね申し訳ない
NGになるかもしれないけど投稿してみたー
♀WIZに♂シーフの母を重ねてしまった
間接的に年増と言ってるようなものだから♀WIZさんのファンの方々には謝罪したいです
前スレから出てない方々の話を書いたほうがよかったかも?

26 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/04/02(月) 01:57:28 ID:9oGNLfrk
心から済まないと思っているが口にさせてくれ
>>24を読んで、何故か♂シーフの脳内でDMCが流れていると脳内変換されてシマタ
「SATUGAIせよ!SATUGAIせよ!」

27 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/04/02(月) 08:12:36 ID:NtEUyHpE
何のために>5のコピペを書き込みしたと……。
時間が進みすぎるから、他のPTが進んでから書いて欲しかったです。
ルール読まない人多すぎ

28 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/04/02(月) 10:39:07 ID:8D8VfD0E
時間のルールに拘ってられるほど多くの書き手が残ってるといいんだけどね

29 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/04/02(月) 16:04:03 ID:WW4uVc9.
他のPTが進んでないのは気になるけど、物語自体は少しずつ進行してるから
と喜んでいる僕は異端なのでしょうか(*´・ω・`)
これからの展開に期待

30 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/04/02(月) 20:59:21 ID:/4ma.sjw
ちょっと気になったのでカキコ。
>>5は第一回ROワで問題になった、「特定PTの時間軸を進めすぎること」についての注意喚起ですよね?
264〜266話は連続したひとつの場面なので時間は数分しか進んでおらず、他PTの行動を制限しません。
抵触するとすれば
『・同じキャラに関しての話が連続することについては、連投規制に抵触しないならば
 制限はしないが、物語上の扱いで不公平感が出ない程度に配慮・自粛すること。』
という一文ですが、その前段に
『しかし、実際問題として書きにくい、動かしにくいキャラと言うのもいると思う。
そうしたキャラが残った場合に誰がそれを書くかのお見合い状態になって
全体の進行が止まるというのもそれはそれで問題だし、だからといって
「書きたくないけど/ネタ思いつかないけど、話が進まないから書いてみた」
なんてので進んでしまうようになるとリレー小説として有益とは思えない。』
とも書かれてます。
同場面の話が続くのが3回程度ならすでに同様の箇所がいくつかありますし、
現実問題として集団がGM含め4つに絞られた現状では話を交互に進めることは難しくなっています。
そこまで目くじらを立てることではないと思うのですがどうでしょうか?

31 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/04/07(土) 10:53:40 ID:ps7gprM.
もう2週間ほどで開始から2周年か…早いもんだ

32 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/04/07(土) 10:54:11 ID:ps7gprM.
sage忘れるとかもうね

33 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/04/25(水) 11:07:11 ID:muNb5lCw
ほっしゅ

34 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/04/28(土) 06:36:40 ID:rYlIza6A
進んでませんなあ・・・。
続きを書きたいものの、流石に動かせるパーティがふた組にもなるとどうも
自分で続きを書くよりも他の人がどう繋げてくれるかを期待してしまう・・・。

そろそろ物語も収束させてく時期ですなー。

35 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/03(木) 17:33:45 ID:EJ5bSd/Y
「battleROyale'Swiki」のトップページがSPAMに改変されて
元々あったメニューが消えています。

36 名前:R-0109 ◆eVB8arcato 投稿日:2007/05/04(金) 00:12:36 ID:Kmwk8ajM
どうも、初めまして。
「バトルロワイアルパロディ企画スレ交流雑談所(以下交流所)」の方でラジオをしているR-0109と申します。
現在、交流所のほうで「パロロワ企画巡回ラジオツアー」というのをやっていまして。
そこで来る5/6の21:00から、このロワを題材にラジオをさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?

ラジオのアドレスと実況スレッドのアドレスは当日にこのスレに貼らせて頂きます。

交流所を知らない人のために交流所のアドレスも張っておきます。
ttp://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1178101118/

37 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/04(金) 00:25:46 ID:AS/7rGsA
このところ停滞してて今までの書き手さんも潜伏してるんで……
いいとか悪いとか意見は出にくいかも
でも、どういう感じの話題の出方になるんでしょうかね

38 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/04(金) 11:36:26 ID:IoCGGiwE
>>36
現在どーよって話より、以前どーだったかーって話になりそーだね
とりあえず、書き手や常駐してる(た?)人間全員からのレスは不可能だし
まとめるコテが居るスレでもない。全員名無しがデフォなもんでね
スレの雰囲気は馴れ合いに近いマッタリなので、ラジオで流す事自体は、問題無いと思いますよ

39 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/04(金) 22:26:08 ID:RrSjGJIc
ここは、2周目が始まって、登場人物の紹介が終わって殺し合いが始まった去年の今頃辺りまでが一番熱かったな。
特に大きな問題は無いと思ったけど、その辺りかペースが下がっていってラジオに…と言われてもスレが殆ど進まないほど人が少ない。
今はGW中だから、書き手さんらが旅行中とかという事もありえるけど…

まとめサイトは >>1 で、過去ログ倉庫は ttp://moeita.net/oldlogs/RO/ ここの企画カテゴリにあります。

他のロワがどうなのかも気になるな。

40 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/04(金) 22:28:49 ID:8ErRc.4g
1部だけとはいえ完結してるロワは珍しいみたいだしな
1部の時の話をメインにしていけばいいんじゃないか?

41 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/05(土) 04:03:19 ID:vvDnuVPw
>>40
何となく第一回完結の前後思い出した
色々と頭ひねりつつ、他の書き手はどーやるつもりなのかなーとかそれの邪魔しちゃ悪いなーとか考えつつやっぱりやりたい事やって
そっちは任せたぜ兄弟! ってな感じで手出さなかったルートも綺麗にまとまって
全部終わった時ぁ、心底満足したよな〜。座談会も楽しかったーよヽ(´ー`)ノ

42 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/05(土) 11:49:59 ID:hBIMAKfA
だがちょっと待って欲しい
2部が終わる前に思い出話を始めるとますます停滞しはしないか

とROM専がほざいてみる

43 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/06(日) 00:44:53 ID:P3ZxIXBc
まぁ、ある意味バトROワは、本来無個性なはずのROのキャラをオリキャラ化していく作業でもあるわけで。
その辺りに潜在的な難点を含んでたのかも、と分析してみるテスト。

44 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/06(日) 01:14:31 ID:PAs9gCgA
特に第二回は前回のキャライメージ引っ張らないように苦労したな…
と、殴りアコと殴りWIZを放り込もうとした元書き手が言ってみるw

45 名前:R-0109 ◆eVB8arcato 投稿日:2007/05/06(日) 21:06:50 ID:9cz4nDAc
ttp://121.112.181.25:8000/
ttp://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi/ROMoe/1173139809/

上がラジオアドレスで、下が実況スレ(したらば)のアドレスです。
ラジオの聞き方はttp://spill.jp/play.htmlを参考にどうぞ

46 名前:R-0109 ◆eVB8arcato 投稿日:2007/05/06(日) 21:07:26 ID:9cz4nDAc
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5008/1178453083/

うわあああああ、実況スレミスりました……

47 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/06(日) 21:55:27 ID:Jvi/jVmQ
住民さん住民さん
ラジオ実況住民がお待ちしております
聞きに来てくださいな

48 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/07(月) 00:34:09 ID:eGHMub8g
ok完結に……参加しそこねた_| ̄|○

49 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/07(月) 00:39:49 ID:m0WWm19Q
ふぅ。
WIKIの画像保管庫、全て、垢ハックリンクになっていた。

とりあえず、本来の直し方(?)がわからんので、
バックアップからコピペで直したけど。

他にもあるかもしれん。

50 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/07(月) 00:40:48 ID:m0WWm19Q
「バトROワギャラリー」ね。

51 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/07(月) 13:10:42 ID:lDjMrTDw
7日だと思ってた…orz

52 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/09(水) 00:04:32 ID:Hs5YQ7QY
ラジオで、俺の書いた話が話題に取り上げられたたらしい
おおおおぉぉぉぉぉ嬉しくて首吊りそうな勢いだ

なーぜーおーれーはー参加できなかったんだー_| ̄|○
でも、直で聞いてたら嬉しすぎて俺泣いてたかもしらん。涙もろいのですよぼかぁ

53 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/09(水) 09:11:37 ID:Iqw6mo6U
久々に覗いてみたら面白そうなことしていてぎゃああああああ
聞き逃した。・゚・(ノД`)・゚・。

54 名前:R-0109 ◆eVB8arcato 投稿日:2007/05/09(水) 20:08:23 ID:7Lz8PsOE
うーん、住人さんの大半が聞き逃してしまったようなので現在のツアー後にもう一度ここに回ってこようと思います。
そのときはもっと前もって予告をしようと思うのでよろしく御願いします。

55 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/09(水) 23:09:50 ID:Hs5YQ7QY
>>54
気を遣わせるねえ、ありがとう
次こそは何とか参加出来るよう頑張ってみるさーね

56 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/11(金) 20:45:24 ID:caVZgJ8k
それも良いが、皆で第二回のコレまでを一度読み返して纏める作業を

や ら な い か。

なんというか、キャラ把握も兼ねてダイジェスト版を作ってみる、と言うか。
いや、久々に第二回目の一話読み返してみたら思いの他面白く感じちゃって。
凄く苦労のある作業になりそうだけれども。(苦笑い)

57 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/13(日) 14:21:23 ID:9a/sL6MM
ttp://wiki.spc.gr.jp/battleROyale/
Wikiのフロントページが広告(?)に書き換えられていたので
ページ一覧に修正したんですが、この先はどう整えたらいいですか。
(元のフロントページがどんなふうになっていたのか分かりません)

58 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/13(日) 20:19:51 ID:c240/bME
個人的には、
そこ、全て白紙にして、廃棄してもいいんじゃないかなっと思う自分。

所々、垢ハックが仕掛けられてる。
(修正はまだしてない)

59 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/14(月) 01:03:48 ID:j270NHLc
現在機能は、第二回があるほうに全部おいてあるし、廃棄しても問題ないと俺も思う。
そこをもう一回整える意味がさほどあるとも思えないし。

60 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/14(月) 06:36:39 ID:dJEOE2r6
267.頭上の敵[3日目午前]


まずいことになった、と♀ケミは全力で脳を回転させる。
死にぞこないの逆毛が余計なことを言ってくれたせいで疑われるのは時間の問題になってしまった。
しかも顔見知りの淫徒プリまで出てきた。
考えてた中でも最悪に近い状況だ。
でも、事態はまだ混乱している。

「ん〜。ちょっと増えすぎ?できれば順番に並んで欲しいなあ」
「ふざけんなー!あんたちょっと降りてきなさいっ」
「やーだよー。そっちが昇ってきたらー?」

パピヨンは急に数の増えた『ごちそう』を警戒して少し高度を上げていた。
その高さから地上の♀アコと口げんかしている。
こうしてみると知能のあるパピヨンというのは実に厄介だ。
人の手の届かない高さから中〜遠距離の攻撃ができるのだから。
弓使いがいない今、有効な反撃をできるのは魔法使いだけだろう。
彼女は♂セージと♀マジに視線を向ける。

「魔法使いさんたち、あのパピヨンを撃ってください!」
「あ。ちょっとムカ。そこのおばさんからに決〜めた」
「誰がおばさ――」

ヒュヒュヒュヒュンッ
♀ケミの言葉をさえぎって血色の魔力球が殺到した。

「きゃっ」
「ソウルストライク!あんた、挑発してるんじゃないわよっ」
「ソウルストライク。まあやることは一緒のようですが」

パパパンッ
左右から飛来した半透明の魔力球が血色のそれと空中で交錯する。
ほとんどは相殺しあったが、弾幕をすり抜けた赤光が一発♀ケミの眼前へ迫る。

「ちっ」
命中直前、グラサンモンクの掌が割り込んで受け止めた。
彼も♀ケミに対する疑念を増してはいたが、目前の敵に攻撃を受けてる最中にそんなことは言ってられない。
薄く煙を上げる手のひらを握り締め、彼は毒づいた。

「思ったより痛いぞ」
「あったりまえでしょ!むちゃするんじゃないわよっ」

悪ケミに叱られるグラサンモンクを横目に♀ケミは考えを素早くまとめる。
どうやら『仲間』達はまだ彼女を見捨てていないらしい。
♂プリの言葉を聴いて全然疑わないはずもないだろうが、これなら挽回の余地はある。

「プリーストさんが危ないです。あの人から引き離さないと」
彼女はそう言って飛び出した。

「ちょっとあんた、まだそんなこと」
「戦えないのに前出るなーっ」
叫ぶ♀マジと♀アコの間を抜ける。
前へ。一気に♂プリの元へ。

「ちょっとー。無視すーるーなー」
木々の間を縫ってパピヨンが襲い掛かった。
中空から再び真紅の光弾を放とうとする。
だが今度はそれが撃ちだされる前に消滅した。

「スペルブレイカー」
「あ、あれっ?ちょっと、邪魔しないでよっ」
「そう言われましてもねえ」
「む。次やっつけるのあんたに決定ー。いーもん別のコトだってできるし」

つかみどころのない笑みを浮かべる♂セージに頬を膨らませ、パピヨンは羽を大きく羽ばたかせる。
「寝ちゃえー!」
その蝶の羽からキラキラ輝くものが広がった。

「きれい…」
「のんきですね。息を止めて」
「鱗粉?…げ、やば」
「何が?」

♂セージや♀マジらはその意味に気付いて息を止めたが、♀アコや♀商人、グラサンモンク達は舞い散るそれを吸い込んでしまった。

「ちょっとしたぼく!ねるなー!」
「…ぐ」

足元をふらつかせたグラサンモンクを悪ケミが叩き起こす。
♀商人も♂セージが肩を揺さぶって意識を取り戻させた。
睡眠毒も体へ直接打ち込まれた場合と違って広範囲に散布したのでは効き目は薄いようだ。しかもこの人数なら眠らなかった者が起こせる。

「もういっかーい」
「同じことやったって無駄よっ」
再び輝くものが宙に広がるのを見て全員が息を止めた。

だが、その様子にパピヨンは笑う。
「なーんちゃって」
瞬刻の後、触角の間に真紅の光弾が生まれ♀ケミへ向かって殺到した。
息を止めていた♂セージはスペルブレイカーに間に合わない。

「――しまった!」
「きゃあっ!?」
どぱぱぱんっ
鈍い着弾音が連鎖する。
その衝撃に突き飛ばされるように♀ケミの体が転がった。

「ああもうっ」
♀マジは♂セージとアイコンタクトを取り詠唱の態勢に入る。
「ソウルストライク!」

「邪魔っ」
ほとんど同時にパピヨンは魔力球を生み出し、自分がやられたのと同じように相殺しようとする。
その出鼻を♂セージが押さえた。

「スペルブレイカー」
「ええっ!?うわわわわっ」
撃ち出される前に赤い光球だけが消滅する。
当然のように♀マジの魔法はパピヨンに命中しようとした。
彼女はとっさに羽を閉じて落下しながら身をよじり、直撃を回避する。
それでも避けきることはできず、魔力に弾かれた羽から鱗粉が散った。

「んもうあぶなっ!って、きゃーっ!?」
「とうっ」「逝け」

地上すれすれで羽を広げ、地面への激突を回避したパピヨンへ2つの影が殺到する。
鋭い拳の連打が左右から襲った。
スピードを殺した直後で飛び立つには間に合わない。避けようにも挟み撃ちで逃げ道が封じられている。
とっさにパピヨンは地面を蹴り、同時に触角を上へ放った。
鞭のように枝に巻きつかせ、一気に体を引き上げる。

「まだだ」
拳が空を切ったグラサンモンクは体を急停止させ、パピヨンへ右の人差し指を向けた。
その動きに合わせて青白く光る気の塊が飛ぶ。
急いで枝から触角をほどいて羽ばたくが、逃げ切るには間に合わない。
かすった肩口から薄黄色の体液がしぶき、羽にピンポン玉大の穴が開いた。

「いったーい!なにすんのよ寄ってたかってー!いじめかっこわるいっ!」
「…どこでそんな言葉覚えたのよ」
「あれで落とせないとはな」
魔法も届かない高度へ離れたパピヨンを睨みつつ、グラサンモンクは気を練り直す。

その間に淫徒プリは♀ケミの元へ向かっていた。
見たところあのパピヨンの能力は通常よりかなり高い。
魔法の直撃を受けたとすればかなりひどい傷を負っているかもしれない。

「あんたも無視すーるーなー」
その動きを見とがめたパピヨンは急降下し、魔法の射程に淫徒プリを捉える。
だがそれは地上にいる者たちにとっても同じことだった。
「今度こそっ」
♀マジがソウルストライクを詠唱し、♂セージはパピヨンの動きを待つ。

しかしパピヨンは闇SSで相殺しようとはしなかった。
「おんなじ技はきかないよーだ」
手近な巨木の幹を巻くように降下し、魔法の射線を切る。
半透明の魔力球は木の表面でむなしくはじけた。

「それではそちらも撃てないでしょうに」
♂セージは即座にスペルブレイカーの準備をやめて素早く別の呪文を詠唱する。
「ナパームビート」
その術はパピヨンではなく、彼女が回り込んでいる木の枝で炸裂した。
軽い破裂音が上がり、衝撃波が四方に放たれる。
衝撃は幹の陰へも回り込み、狙いどおりに蝶の羽を打った。が、パピヨンは軽く顔をしかめただけで爆圧に乗ったかのように加速する。
目標は彼女のほぼ真下で待ち構えるグラサンモンクと♀アコ。

「いっくぞー」
「来い」
すでに気を集め終わったグラサンモンクはその流れを指先へ集める。
飛び込んでくるのが剣を握った人間なら指弾を撃つほうが早かっただろう。
しかしパピヨンの一撃は鞭の間合いを持っていた。

バチッ
鈍い音が上がり、彼の肩から背中にかけて服がはじける。
もちろんその程度の打撃で気を乱すような甘い修行は積んでいない。
指先へ集められた気は霧散することなく撃ち出された。
なのにその気弾はパピヨンをかすめもせず、あらぬ方へ飛ぶ。

(睡眠…攻撃かっ)
急激な眠気でグラサンモンクの腕が下がり、膝が落ちていた。これでは当たるものも当たらない。
暗くなる意識の隅で彼は歯ぎしりした。

だが、パピヨンも自身の突撃速度が速すぎて止まるにも次の一撃を入れるにも間に合わない。
衝突を避けてグラサンモンクの脇をすり抜けようとしたその時
「せぇいっ!」
止まりようのないパピヨンに♀アコの拳が振るわれた。
狙い打ちに突き出したジャブは正確に相手のボディを捉える。確かな手ごたえが拳に残った。
ところが本命の右ストレートは空を切る。

「ちょ、逃げるの!?」
「ばーかばーか暴力女ー」
ワン・ツーの間をすり抜けられた♀アコは飛び去る後ろ姿に叫ぶが、パピヨンは子供じみた悪口を返しただけだった。
落下のスピードをほとんどそのまま飛翔速度に変えた彼女は地面すれすれを滑るように飛ぶ。
逃げ出したわけではない。次の標的は別にあった。

61 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/14(月) 06:37:58 ID:dJEOE2r6
「来るよっ」
「あー、困りましたね」

自分達へまっしぐらに突進してくるパピヨンを目にして♂セージはぼやいた。
どうやら多少のダメージは覚悟の上でこちらの遠距離戦力を1人ずつ削いで行くつもりらしい。
自分でもそうするだろう。となれば狙いは体力と防御力に劣る♀マジへの直接攻撃。
ソウルストライクでは止めきれまい。

彼と同じ判断をしたわけではないが、♀マジは突っ込んでくる敵に対しほとんど反射的に防御の術を唱えた。
「ファイアウォール!」
正しい選択だ。だが。

♂セージは詠唱しながら♀マジへ向かって走る。
「ソウルストライク!」
パパパパンッ
炎の壁の中で魔力球同士が相殺しあう音が連鎖した。
パピヨンも赤いソウルストライクを撃っていたのだ。
さらに♂セージはそのまま駆け寄り、驚き顔の♀マジを突き飛ばす。

「え!?」
ガキンッ
一瞬後。何かが猛スピードでファイアウォールを突き破り、♂セージの胸元で激しい金属音を上げた。

「ちょっとキミ、大丈夫!?」
「♂セージさん!」
♀マジと♀商人が悲鳴じみた声を上げる。
よろめく♂セージの体から、のたうつ赤いものが炎の向こうへ引き戻された。
触角の長いリーチを利して壁越しに攻撃されたのだ。
ファイアウォールを出す位置が近すぎた。♂セージがかばってくれなければ♀マジは心臓を貫かれていただろう。

「ファイア…ウォールっ!」
♀マジは自責の念を押し殺し新たな呪文を唱えた。
ファイアウォールの厚みが倍に膨れ上がる。
パピヨンは素早く飛び上がってそれを避けた。そして不満そうに口を尖らせる。

「ちぇー。やったと思ったのになー」
「え?」
パピヨンの言葉の意味を測りかねて♀マジは眉根を寄せる。
その背後で♂セージが身じろぎした。

「大丈夫?」
「ごほっ…まあなんとか大丈夫のようです」
心配する♀商人に彼は右手のソードブレイカーを上げて見せる。どうやらそれでぎりぎり防いだらしい。

「無事だったんだ。って、わ!?」
「よそ見はいけませんよ」
♂セージは思わず振り返った♀マジの襟首を立ち上がりざまにつかむ。
そして体の位置を入れ替えるのとほとんど同時に頭上へ忍び寄っていたパピヨンの触角が襲い掛かった。
だが不意打ちを狙った一撃にさっきほどの勢いは乗っていない。
彼は刃で受け止めながら素早く詠唱した。

「フロストダイバ…ごほごほっ」
「うわ」

地面から伸びてきた氷の帯に足を取られかけ、パピヨンは慌てて距離をとる。
もし♂セージが咳き込まず、呪文が完全だったら凍結していたかもしれない。
彼女のアドバンテージは飛行能力にある。捕まったら最後だ。
不利を悟った彼女は高く飛び上がる。

ただ、1人も殺せずにただ逃げるのでは腹の虫がおさまらなかった。
「べーっだ。いーもん、おばさんやっちゃうからー」
パピヨンは♂セージらに舌を出し、ついでに尻まで叩いて見せてから♀ケミ達を目指す。

「いやもうまったく。私も翼が欲しいですね」
♂セージはぼやきながらパピヨンを追って駆け出した。

一方、地面に伏す2人の容態を確かめていた淫徒プリは一息ついていた。
パピヨンの放った魔力球のうち♀ケミに直撃したのは1つか2つだけらしい。
いっそ死んでてくれれば面倒がなかったのに。
ちらりと黒い考えが頭をよぎったが、ひとまず彼女のことは置いといて一刻を争いそうな♂プリの治療に専念することにする。
その時

「逃げてっ」
背後から♀商人の声が届いた。
振り返るとすぐ近くまでパピヨンが迫っている。♂セージと♀マジが追っているがどう見ても間に合わない。
淫徒プリは舌打ちし、瞬時に『正しい』選択をした。

「速度増加」
自分の足を速くし、パピヨンが直線的には追って来れないよう立ち木をはさむ位置へ移動する。
そしてその離れた位置から倒れている二人にヒール。
少々利己的に見えるが、淫徒プリでは2人をかばい切れない以上もっとも合理的な判断だった。

ただし、もちろん他の者まで同じ意見とは限らない。
「ちょっと、何やってんのよ!」
「逃げるなー!」
♀アコと♀マジの熱血コンビが怒鳴った。

淫徒プリは少しむっとする。
合理的に考えて、これ以上治癒魔法の使い手を減らす危険は冒せないだろう。
それも素性の怪しい♀ケミや助けられるかどうか怪しい♂プリのために。
言い返そうとしたとき♀ケミがゆっくり身を動かすのが目に入った。

「プリーストさん…」
♀ケミは小さくつぶやき、♂プリを守ろうとするかのように覆いかぶさる。
これは賭けだった。
彼女の嘘を論破されないためには最低限♂プリの口を封じないといけない。
それも♀ケミ自身が手を下すことなく。
だから♂プリもろとも攻撃を受け、それが瀕死の彼へのとどめになるよう仕組んだ。危うい賭けだが今はこれしかない。

そして、彼女の上に蝶の羽を持つ娘がたどり着いた。

「バイバーイ」
ドドンッ
高速で飛び過ぎるパピヨンの頭部から真紅の鞭が連続して振り下ろされ、ぱっと血しぶきが上がった。


<♂プリースト>
現在地:E-6
所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 多めの食料 マイトスタッフ
外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔
備考:殴りプリ ♀ハンターを抱え交戦地点へとUターン
状態:瀕死(HPSP共に真っ赤) →不明

<♀アルケミスト>
現在地:E-6
所持品:S2グラディウス ガーディアンフォーマルスーツ(ただしカードスロット部のみ) クロスボウ 矢筒 毒矢数本 望遠鏡 寄生虫の卵入り保存食×2
外 見:絶世の美女
性 格:策略家
備 考:製薬型 悪女 ♂スパノビ・悪ケミらと同行 首輪や地図の秘密を知り悪だくみ中 淫徒プリと再会
状 態:闇SS被弾 →不明

<♂スパノビ>
現在地:E-6
所持品:スティレット ガード ほお紅 装飾用ひまわり 古いカード帖
スキル:速度増加 ヒール ニューマ ルアフ 解毒
外 見:巨漢 超強面だが頭が悪い
備 考:BOT症状発現? ♀BSの最期の命令に従っている ♀ケミ・悪ケミらと同行 仲間を見つけた?
状 態:HPレッドゾーン、ヒールを受けてやや回復?意識は朦朧?or気絶?

<悪ケミ>
現在地:E-6
所持品:グラディウス バフォ帽 サングラス 黄ハーブティ 支給品一式 馬牌×1
容 姿:ケミデフォ、目の色は赤
思 考:脱出する。
備 考:サバイバル、危険物に特化した頭脳、スティールを使えるシーフを探す、子バフォに脱出を誓う、首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミを信用?
したぼく:グラサンモンク
参考スレッド:悪ケミハウスで4箱目

<♀アコライト&子犬>
現在地:E-6
容 姿:らぐ何コードcsf:4j0n8042
所持品:集中ポーション2個 子デザ&ペットフードいっぱい
スキル:ヒール・速度増加・ブレッシング
備 考:殴りアコ(Int1)・方向オンチ 首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミを信用?
状 態:デビルチとの戦闘で多少の傷

<♀マジ>
現在位置:E-6
所持品:真理の目隠し とんがり帽子
容 姿:褐色の髪(ボブっぽいショート)
備 考:ボクっ子。スタイルにコンプレックス有り。氷雷マジ。異端学派。
   首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミに疑念 レズ疑惑
状 態:足に軽い捻挫、普通に歩くのは問題無し

<グラサンモンク>
現在地:E-6
所持品:緑ポーション5個 インソムニアックサングラス[1] 種別不明鞭
容 姿:csm:4r0l6010i2
スキル:ヒール 気功 白刃取り 気奪 指弾 発勁 金剛 阿修羅覇王拳
備 考:特別枠 右心臓 したぼく二号 ♀ケミに疑念
状 態:悪ケミを護る、♂WIZ殺害後♀マジを治療、デビルチ・♀ハンターを警戒 パピヨンと対峙中、睡眠状態
参考スレ:【18歳未満進入禁止】リアル・グRO妄想スレッド【閲覧注意】
作品「雨の日」「青空に響く鎮魂歌」よりモンク(♂モンクと区別するため便宜的にグラサンモンクと表記)

<♂セージ>
現在地:E-6(東の半島を目指す)
所持品:ソードブレイカー 島の秘密を書いた聖書 口紅
容 姿:マジデフォ黒髪
スキル:ファイアーボルト ファイアーボール ファイアーウォール ナパームビート ソウルストライク フロストダイバー
備 考:FCAS―サマルトリア型 ちょっと風変わり? GMジョーカーの弟疑惑
    ♀商人・淫徒プリと同行 ♂プリとの再会だが・・・
状 態:胸部打撲でちょっと咳き込んでいる

<♀商人>
現在地:E-6(東の半島を目指す)
所持品:店売りサーベル、乳鉢いっぱい、カート、100万はくだらないゼニー
容 姿:金髪ツインテール(カプラWと同じ)
備 考:割と戦闘型 メマーナイトあり? ♂セージに少し特別な感情が?
    ♂セージ・淫徒プリと同行 ♂プリとの再会だが・・・

<淫徒プリ>
現在地:E-6(東の半島を目指す)
所持品:女装用変身セット一式 未開封青箱
容 姿:女性プリーストの姿(csf:4h0l0b2) 美人
備 考:策略家。Int>Dexの支援型 ♀WIZに話したことで少し楽になる
    ♀商人・♂セージと同行 ♀ケミを警戒?

<パピヨン>
現在地:E-6
備 考:ミストレスの魔力を一部受け継ぐ ノーマルより強い
状 態:あちこちに軽症 撃退されてご立腹中?

<残り16名>

62 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/14(月) 09:31:18 ID:cqyo8V0k
新作ktkr。後で読ませてもらいます

63 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/14(月) 23:28:41 ID:j5Avdy6I
GJ・・・と言いたいが、グラサンモンクはインソムニアックサングラス装備だ。
睡眠耐性があるので寝ることはないと思うんだ。

64 名前:60 投稿日:2007/05/15(火) 00:01:42 ID:50kXBVHE
…しまったああああああああああ!?

65 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/15(火) 00:37:06 ID:0MPcZNjg
うーむ。修正を試みてみますが、昨日ほぼ貫徹でしたので今日はもう_。orz
いつになるか不明ですので>>60-61は一旦取り下げさせていただきます。
その間にどなたか別の展開思いついたらそちら優先で。

でもってお詫びといっては何ですがこんなもの投下。

66 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/15(火) 00:39:03 ID:0MPcZNjg
267. 2つの地下で(三日目午前)


その異常は即座にGM森へ報告された。
ジョーカーでも橘でもなかったのは単に当番の問題である。

「あ?誰が消えたって?」

森は監視など退屈極まりないという様子を隠しもせず、椅子にだらしなく腰掛け大あくびをしながら聞き返す。

「♀Wiz、♂シーフの両名です」
「あー。だったら死亡報告書いとけ」

つまらないことで呼ぶな。森はそう言わんばかりの口ぶりで言って目を閉じた。
そのまま寝てしまいそうな様子に兵士は急いで報告を続ける。

「いえ、死亡してはいません。首輪とのリンクは正常に機能しています」
「そのどこが消えてんだ」
「地図盤上から位置表示が失われたんです」
「なんだと?」

ようやく事態の異常さを理解したように森は椅子から身を起こした。
壁面に設置された巨大な地図へ歩み寄り、しかめ面で眺め回す。

「つまりあれか?脱走されたってことか?」
「そんなはずは…。島外へ出たのであればリンクが切れているはずです」
「じゃあどうしたってんだ」
「さあ…」
「分かんねえのかよ。ちっ、使えねえな」

森は自分にも推測できていないことを棚に上げて舌打ちする。
兵士はさすがにむっとしたようだが、そこは組織人の悲しさ。文句は口に出さない。
代わりにその憤懣は問題を起こした2人へ向かう。

「では違反とみなして爆破しますか」
「ん?んー…。そうだ、ちょっとまて」

森は何か思いついたのか、口の端に笑みを乗せて押し止めた。

「まだそいつらがルール違反したって決まったわけじゃねえだろ?」
「は?…それはまあ地図から消えてはいけないというルールはありませんが…」
「で、具体的にどうなってるか分かんねえ、と。だったら俺が見てくらあ」
「……は!?」

兵士は口をあんぐりとあけて数秒間硬直した。
その間に宣言どおり出てゆこうとした上司を我に返って呼び止める。

「ここはどうするんですか!」
「知るか。俺がいなくても別に困らねえだろ」
「それはそうですが。じゃなくて、本部をカラにする気ですか?」
「不安なら橘のヤツでも呼べよ」

必死に引きとめようとする部下達をあっさりかき分け、森は監視室を出て行った。

*****

「ふむふむ。それは困りましたねえ」

私室へ大慌てで飛んできた兵士の報告を聞いても、ジョーカーの声はのんびりしたままだった。

「たった今、陛下には異常無しとご報告申し上げたところですのに」
「そ、そういう問題ですか?」
「大事なことですよ」

大真面目な顔でジョーカーは言う。
冗談か本気か判断しかねて兵士が返答に困っていると、彼はかすかに不満そうな顔をして話を切り替えた。

「まあそれはともかく。GM森が調査へ向かったのならその結果を待ちましょう」
「いいのですか?」

てっきり森を止めてくれるものと思っていた兵士は意外そうな顔を見せる。
それに対してジョーカーの方も不思議そうな顔を返した。

「原因不明の理由で地図から反応が消えたのでしょう?システムに問題点があるなら解明しないとろくなことになりませんよ」
「ですがもしGM森が2人を殺してしまったら?」

調査というのはただの口実で、森が喜々として出て行ったのは『運動』したくなっただけだと思うのですが。兵士の顔にはあからさまにそう書いてある。
だがジョーカーは眉ひとつ動かさず机の引き出しを開けた。

「その場合正当な理由があればよし、さもなければ彼が代わりにゲームの参加者となるだけです」

こともなげに言って取り出した真新しい首輪を机の上に置く。
兵士はうそ寒そうな表情で首筋をなでた。

*****

「正直なところ、どうお考えですか?」

兵士と入れ替わるように入ってきたGM橘が尋ねた。
彼も別口から報告を受けたらしい。

「どうとは?」
「なぜ♀Wizと♂シーフの位置が分からなくなったかです」
「そうですねえ」

ジョーカーはのんびり相槌を打ちながら部屋の隅へ行く。
どうするかと思えばコーナーテーブルに用意されたポットから紅茶を注ぎ始めた。
そしてゆっくりひと口、じれる橘がせかそうとするのを手で制して言う。

「位置表示が消える可能性として考えていたことはあるのですけどねえ」
「なんでしょう」
「地図が壊れた場合ですよ」
「…なるほど」

参加者の現在地は各自に渡された地図の機能によって追跡される。したがって地図が失われれば持ち主の居場所も分からなくなる。
もちろん地図はそう簡単に破れたりしない素材を使ってあるし、少々切り裂かれたぐらいではかけられた魔法も消えない。
だが炎の中に投げ込まれたりすればさすがにひとたまりもないだろう。

「では2人とも大きな事故に巻き込まれたということでしょうか」
「いえ。地図が両方とも壊れるほどの目にあって持ち主達が生き残るなどあり得ませんよ」
「ならば意図的に地図を破壊した可能性は?」
「そんなことをするべき理由がどこにあります?」

ジョーカーはカップを手に席に戻った。
地図を失えば以降の行動に不自由を生じる。
意味もなく自分で地図を焼く馬鹿がいるとは思えない。

「たとえば♀Wizが例の工務大臣から秘密を聞き出した女だとすれば、こちらに位置を知られることを嫌って壊したとは考えられないでしょうか」
「そこまでして居場所を隠す理由は?」
「それはもちろん反乱を起こすためでしょう」

自説を開陳する橘に対し、ジョーカーは組んだ両手の上にあごを乗せてつまらなそうに言った。

「反乱するつもりならギリギリまで隠さなくっちゃ意味ありませんよ。わざわざ地図を壊してこちらに警戒させるはずがありません。捨てれば充分ですね」
「では時間切れまで禁止区域に潜むつもりでいるとか。それなら捨てただけでは次の禁止区域設定で爆死する可能性があります」
「馬鹿言っちゃいけません。生き残れるのは1人なのですよ」
「それは…うーん」

一言の下に切って捨てられ、橘は言葉に詰まった。
地図の秘密に気付いたのならそれを逆手にとって禁止区域に潜み、他の参加者が減るのを待つという選択肢はありうる。
だがそれは最後の1人になろうという明確な意思と戦略があっての話だ。
そんな人間が2人連れで隠れるはずがない。
やがてジョーカーは首を振って続けた。

「やはり地図が破損したという考えは捨てるべきでしょうね」
「と言いますと?」
「地図の反応しない場所に行ったのでしょう」
「そんな場所があるんですか?」
「島内で一箇所だけ地図が働かない場所があるのは知ってますね?」

ジョーカーは橘の問いには直接答えず、別の質問で返した。
橘は即答する。

「ええ。ここですよね?」

ジョーカー達の居る管理本部内では地図は反応しない。
参加者達が島内各所に飛ばされる前に集められるのがここだからである。
もし飛ばされる前に地図を確認した者が居ても、本部の場所がばれてしまわないようにという用心だった。

「まさか、すでに侵入を許したとお考えですか?」
「それこそまさかですねえ。私が言いたいのはここと同様の仕組みで地図の反応しない場所があるのではないかということですよ」
「そんな場所が?設計か施工段階でのミスでしょうか」
「いえいえ。工務大臣は確かにお馬鹿さんでしたが、こと仕事に関しては手抜きのない方でした。そんな初歩的ミスを見逃すとは思えません。誰かが完成後に手を加えたと考えるのが自然でしょう」
「はあ。すると前回反抗した者の誰かでしょうか」
「難しいですね。時間・手段・資材、全てに欠けます」
「それは…程度問題ではありませんか?我々でも難しいと思いますが」
「1つだけ思いついた方法があります」

ジョーカーは思わせぶりに言葉を切り、橘を見据えながらゆっくり一言だけ告げた。

「ガンバンテイン」

この魔法は先に設置された魔法を部分的に中和する。
とは言ってもギルド砦の各種制限や屋内のテレポート禁止など、建物等へ半永久的に付与された術までは除去できない。
本来は。
だがこの島の場合通常の施設とは違い、短期間に広範囲へ施術する必要があった。
当然あらゆる場所へ直接術を掛けるような余裕はなく、島内四箇所の装置の力で強引かつ一時的に付与しているに過ぎない。
ならばガンバンテインで除去できる可能性もある。

「なるほど。♀Wizが使ったのでしょうか」
「無理です。ガンバンテインはハイウィザードスキルで、しかもジェムストーンが必要です」
「あ、そうでしたか。では誰が」
「過去、この島にハイウィザードの能力を持った者は数人しか来ていません」

ジョーカーはその瞳に心の奥底まで見透かすような光をたたえて橘を見た。

「その方々を思い返してみたのですが、施設整備に来ていた林という技術者を最近見ないのですよねえ。彼がどうしているか知りませんか?」
「……あなたではあるまいし、兵や技術者の動向をいちいち把握してませんよ」
「それは残念。では自分で調べてみましょうかねえ」

にこやかに笑いながらもジョーカーの視線は橘から動かない。
これは明らかな恫喝だ。
ジョーカーは彼が何かやったと確信している。
まだ物的証拠がないから彼が暴発するか口を割るのを待っているに過ぎない。
橘は腰に下げた剣を意識した。

67 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/15(火) 00:39:20 ID:0MPcZNjg
*****

林はハイウィザードだった。
そして魔法技術者として島へ来ていた。
彼はその職務によってシステムに関する充分な知識を得、その知識とガンバンテインを用いて問題の廃屋からシステムの影響を除去することに成功した。
以来彼は職務の合間を見つけては、何の制限も受けないその場所で『囚人の腕輪』を研究。残留思念を利用した殺人衝動の刷り込みを先月までにほぼ完成させた。
折りよくほぼ同時期に反乱でGM数名が失われ、代理が新たに派遣されることになった。
林はそのGMの顔写真とプロフィールを入手。変装の下準備を整えた上で上陸する彼を出迎え、本部に案内すると偽って廃屋へ誘い込んだ。
少々不自然な状況へ誘い出されたのはGMにも油断があったからだろう。
魔法には詠唱が必要であり、さらに島内では兵士も技術者も等しく能力を制限されている。林に限らず誰が相手でも敵ではないはずだった。
だが林はいわゆる「殴り」で、しかも廃屋に能力制限の影響はなかった。
囚人の腕輪と共に密輸したリムーバーをおとりに、隙を見せたGMを背後から一突き。
手馴れた一撃はそのまま致命傷となった。
その後彼はGMの装備を奪い取り、用意しておいた白衣と道具で殺したGMに変装。
殴りであることのカモフラージュのために持ち歩いていたウィザードスタッフと殺人の証拠である短剣はそこに捨てた。
幸いゲームとゲームの間の準備期間だったためジョーカーは島におらず、さらに眼鏡とオールバックという特徴的なスタイルが変装を見破りにくくした。
だからこそ今日この時まで、少なくとも表立って彼を疑ったものは居なかった。
――殺されたGMは名を橘といった。

*****

ジョーカーと真っ向勝負した場合、果たして勝ち目はどれぐらいあるだろう。
橘がそんな計算を始めたとき、部屋の扉を誰かがノックした。
そして返事をするより早く扉が開く。

「お話中失礼します、GMジョーカー。島内に予定外の人物がいるようです」

先刻森のことを報告に来たのと同じ兵士だった。
GM同士の会話に割り込んだだけあってその内容はジョーカーにも意外なものだったらしい。
橘へ向けていた強烈な視線がそれる。

「GM森ではないのですか?」
「いえ。それとは別方面です。♂プリーストと戦ったことで存在が判明したのですが、彼はその相手と会話しパピヨンと呼んでいました」
「会話した?それは寄生虫にしても妙ですね」

ジョーカーは首をひねり、席を立った。
そして部屋を去る間際に振り返り、橘へ意味ありげな笑顔を送る。

「いささか急を要する要件ができましたので、あなたとのお話はまた後で」

その後ろ姿を見送る橘の背を、今になって冷や汗が伝う。
いよいよ姿を消すか何らかの決着をつけるかしないといけなくなった。
計画の結末を見届けてゆくことはできそうもない。
散々苦労して段取りを組んだ仕事だったのに。
彼はひとり歯軋りした。


<GMジョーカー>
位置:不明(管理本部)
所持品:ピエロ帽、他不明(バルムン?)
外見:ピエロ
備考:女王イゾルデの意向を最優先

<GM橘>
位置:不明 (管理本部)
所持品:不明 (バルムン?)
外見:銀縁眼鏡、インテリ顔

<GM森>
位置:不明 (管理本部)
所持品:不明 (バルムン?)
外見:逆毛、筋肉質

68 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/15(火) 00:40:59 ID:0MPcZNjg
って読み直してる30分の間にID変わってる!?
65=64=60です。

69 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/15(火) 12:30:11 ID:nA7J7Pog
GJと言いたいけれど、♀WIZと♂シーフの地下話はNG前提で投稿されてた気が

70 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/15(火) 20:13:53 ID:qKshG2tg
>>65
幾つか修正は必要だけど、おおむねGJだね。
個人的には、外部での皆さん使って何かやりたいって思ってただけに良い感じ。
時間が相変わらず足らないのが口惜しい……

71 名前:65 投稿日:2007/05/16(水) 00:57:58 ID:hB3WIy0w
>>69
264〜266話は投稿者が「NGっぽいけど」と言ってるだけで、ナンバリングは進んでますしNGと確定はしてないのでは?
展開に多少無理があるのが問題なのであれば、その辺に理由付けをすればいいと思って書いてみたのが>>66-67です。
もっとも投下するかどうかはだいぶ迷って、後から書いた>>60を優先したのですが……。
>>70
ありがとうございます。
私も時間がなくて一話書くのにいったい何日掛かってるんだか。。。

72 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/16(水) 18:19:24 ID:Y3/5ewXs
65さんGJ!
修正さえすれば地下での数話はNG扱いしなくても良さそうな感じになってきたね。
何はともあれこれからの展開にwktk

73 名前:60 投稿日:2007/05/18(金) 02:17:09 ID:9OmP2TJM
とりあえず60-61修正完了したので再投下します。
って言っても話の筋はほとんどそのままですが。
もうミスはない…といいなあ…

74 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/18(金) 02:19:57 ID:9OmP2TJM
268.頭上の敵[3日目午前]


まずいことになった、と♀ケミは脳をフル回転させる。
死にぞこないの逆毛が余計なことを言ってくれたせいで疑われるのは時間の問題になってしまった。
しかも顔見知りの淫徒プリまで出てきた。
考えてた中でも最悪に近い状況だ。
でも、事態はまだ混乱している。

「ん〜。ちょっと増えすぎ?できれば順番に並んで欲しいなあ」
「ふざけんなー!あんたちょっと降りてきなさいっ」
「やーだよー。そっちが昇ってきたらー?」

パピヨンは急に数の増えた『ごちそう』を警戒して少し高度を上げていた。
その高さから地上の♀アコと口げんかしている。
こうしてみると知能のあるパピヨンというのは実に厄介だ。
人の手の届かない高さから中〜遠距離の攻撃ができるのだから。
弓使いがいない今、有効な反撃をできるのは魔法使いだけだろう。
彼女は♂セージと♀マジに視線を向ける。

「魔法使いさんたち、あのパピヨンを撃ってください!」
「あ。ちょっとムカ。そこのおばさんからに決〜めた」
「誰がおばさ――」

ヒュヒュヒュヒュンッ
♀ケミの言葉をさえぎって血色の魔力球が殺到した。

「きゃっ」
「ソウルストライク!あんた、挑発してるんじゃないわよっ」
「ソウルストライク。まあやることは一緒のようですが」

パパパンッ
左右から飛来した半透明の魔力球が血色のそれと空中で交錯する。
ほとんどは相殺し合ったが、弾幕をすり抜けた赤光が一発♀ケミの眼前へ迫る。

「ちっ」
命中直前、グラサンモンクの掌が割り込んで受け止めた。
彼も♀ケミに対する疑念を増してはいたが、目前の敵に攻撃を受けてる最中にそんなことは言ってられない。
薄く煙を上げる手のひらを握り締め、彼は毒づいた。

「思ったより痛いぞ」
「あったりまえでしょ!むちゃするんじゃないわよっ」

悪ケミに叱られるグラサンモンクを横目に♀ケミは考えを素早くまとめる。
どうやら『仲間』達はまだ彼女を見捨てていないらしい。
♂プリの言葉を聴いて全然疑わないはずもないだろうが、これなら挽回の余地はある。

「プリーストさんが危ないです。あの人から引き離さないと」
彼女はそう言って飛び出した。

「ちょっとあんた、まだそんなこと」
「戦えないのに前出るなーっ」
叫ぶ♀マジと♀アコの間を抜ける。
前へ。一気に♂プリの元へ。

「ちょっとー。無視すーるーなー」
木々の間を縫ってパピヨンが襲い掛かった。
中空から再び真紅の光弾を放とうとする。
だが今度はそれが撃ちだされる前に消滅した。

「スペルブレイカー」
「あ、あれっ?ちょっと、邪魔しないでよっ」
「そう言われましてもねえ」
「む。次やっつけるのあんたに決定ー。いーもん別のコトだってできるし」

つかみどころのない笑みを浮かべる♂セージに頬を膨らませ、パピヨンは羽を大きく羽ばたかせる。
「寝ちゃえー!」
その蝶の羽からキラキラ輝くものが広がった。

「きれい…」
「のんきですね。息を止めて」
「鱗粉?…げ、やば」
「何が?」

♂セージや♀マジらはその意味に気付いて息を止めたが、♀アコや♀商人、グラサンモンク達は舞い散るそれを吸い込んでしまった。

「ちょっとキミ!寝てるんじゃないわよ!」
「…あ、あれ?」

足元をふらつかせた♀アコを♀マジが叩き起こす。
♀商人も♂セージが肩を揺さぶって意識を取り戻させた。
睡眠毒も体へ直接打ち込まれた場合と違って広範囲に散布したのでは効き目は薄いようだ。しかもこの人数なら眠らなかった者が起こせる。

「もういっかーい」
「同じことやったって無駄よっ」
再び輝くものが宙に広がるのを見て全員が息を止めた。

だが、その様子にパピヨンは笑う。
「なーんちゃって」
瞬刻の後、触角の間に真紅の光弾が生まれ♀ケミへ向かって殺到した。
息を止めていた♂セージはスペルブレイカーに間に合わない。

「――しまった!」
「きゃあっ!?」
どぱぱぱんっ
鈍い着弾音が連鎖する。
その衝撃に突き飛ばされるように♀ケミの体が転がった。

「ああもうっ」
♀マジは♂セージとアイコンタクトを取り詠唱の態勢に入る。
「ソウルストライク!」

「邪魔っ」
ほとんど同時にパピヨンは魔力球を生み出し、自分がやられたのと同じように相殺しようとする。
その出鼻を♂セージが押さえた。

「はいスペルブレイカー」
「ええっ!?うわわわわっ」
撃ち出される前に赤い光球だけが消滅する。
当然のように♀マジの魔法はパピヨンに命中しようとした。
彼女はとっさに羽を閉じて落下しながら身をよじり、直撃を回避する。
それでも避けきることはできず、魔力に弾かれた羽から鱗粉が散った。

「んもうあぶなっ!って、きゃーっ!?」
「とうっ」「逝け」

地上すれすれで羽を広げ、地面への激突を回避したパピヨンへ2つの影が殺到する。
鋭い拳の連打が左右から襲った。
スピードを殺した直後で飛び立つには間に合わない。避けようにも挟み撃ちで逃げ道が封じられている。
とっさにパピヨンは地面を蹴り、同時に触角を上へ放った。
鞭のように枝に巻きつかせ、一気に体を引き上げる。

「まだだ」
拳が空を切ったグラサンモンクは体を急停止させ、パピヨンへ右の人差し指を向けた。
その動きに合わせて青白く光る気の塊が飛ぶ。
パピヨンは急いで触角をほどいて羽ばたいたが逃げ切るには間に合わない。
かすった肩口から薄黄色の体液がしぶき、背後の羽にピンポン玉大の穴が開いた。

「いったーい!なにすんのよ寄ってたかってー!いじめかっこわるいっ!」
「…やはり単発では無理か」
空中で器用に地団太を踏むパピヨンをグラサンモンクは無表情に見上げた。
指弾は複数同時に撃とうとするとそれだけ余分に「ため」が必要になる。
だから隙を狙うために素早く撃てる単発を使ったのだが、それで倒せるほど甘くはなかったらしい。
彼はゆっくりと気を練り直す。

そのとき期せずして戦いの中に静寂が生じた。
パピヨンと魔法使い達がお互いに出方を窺うことで生じた間。
戦闘に気を取られていた淫徒プリはその空白によって自分のなすべき事を思い出した。
見たところあのパピヨンの能力は通常よりかなり高い。
彼女の攻撃を受けたのであればひどい傷を負っているかもしれない。
淫徒プリは♂プリと♀ケミのところへ駆け出した。

「あんたも無視すーるーなー」
その動きを見とがめたパピヨンは急降下し、魔法の射程に淫徒プリを捉える。
だがそれは地上にいる者たちにとっても同じことだった。
「今度こそっ」
♀マジがソウルストライクを詠唱し、♂セージはパピヨンの魔法を待つ。

しかしパピヨンは闇SSで相殺しようとはしなかった。
「おんなじ技はきかないよーだ」
手近な巨木の幹を巻くように降下し、魔法の射線を切る。
半透明の魔力球は木の表面でむなしくはじけた。

「それではそちらも撃てないでしょうに」
♂セージは即座にスペルブレイカーの準備をやめて素早く別の呪文を詠唱する。
「ナパームビート」
その術はパピヨンではなく、彼女が盾にしている木の枝を目標に炸裂した。
軽い破裂音が上がり、衝撃波が四方に放たれる。
衝撃は幹の陰へも回り込み、狙いどおりに蝶の羽を打った。が、パピヨンは軽く顔をしかめただけで爆圧に乗ったかのように加速する。
目標は彼女のほぼ真下で待ち構えるグラサンモンクと♀アコ。

「いっくぞー」
「来い」
グラサンモンクは気の流れを指先へ集中させた。
飛び込んでくるのが剣を握った人間なら、あるいはさっきと同じ単発なら指弾を放つほうが早かっただろう。
しかしパピヨンの一撃は鞭の間合いと飛燕の速度を持ち、しかも彼は今度こそ仕留めるべく5つすべての気球を操っていた。

バチッ
鈍い音が上がり、打たれた肩から背中にかけて服がはじける。
もちろんその程度の打撃で気を乱すような甘い修行は積んでいない。
だが、攻撃が命中した瞬間にめまいが襲う。
(睡眠…攻撃かっ)
膝から崩れようとする彼の脳裏にどこからか近付く馬蹄の響きがこだました。

75 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/18(金) 02:21:09 ID:9OmP2TJM
グラサンモンクの動きが鈍ったのを見てパピヨンはにんまりした。
しかし自身の突撃速度が速すぎて止まるにも別の攻撃を加えるにも間に合わない。
衝突を避けてグラサンモンクの脇をすり抜けようとしたその時
「せぇいっ!」
♂モンクの体の陰から♀アコの拳が飛び出した。
狙い打ちに突き出したジャブは正確にボディを捉える。確かな手ごたえが拳に残った。
ところが本命の右ストレートは空を切る。

「速い!?」
「やーいやーいへなちょこぱんちー」
落下のスピードをほとんどそのまま飛翔速度に変えて、ワン・ツーの間をすり抜けたパピヨンは♀アコをからかおうと振り返る。
だがその目が驚愕に見開かれた。
動きを止めたかに見えたグラサンモンクの指先が正確に彼女をさしている。

「破っ」
「うっきゃああああああ!?」
気合と共に5つの気弾がパピヨンに迫った。
とっさに生み出した魔力球で2つを打ち落とし、スピードにまかせて1つを振り切る。
だが残りの1個が羽を貫通し1個が足を直撃した。

「どーして寝ないのっ!?あんたヘン!」
足の傷から体液をしたたらせながらパピヨンは叫ぶ。
「さあ。どうしてだろうな」
グラサンモンクはぼそりとつぶやき、サングラスの位置をなおした。
そこにはナイトメアの力が宿っている。悪夢の名を持つその馬は取り憑いた者に安眠を許さない。
それこそがインソムニアック――すなわち不眠の呪い。

「もーっ。おぼえてろーっ」
パピヨンはスピードに乗ったまま一気に間合いを取った。
攻撃が効かないのならこれ以上あのモンクにこだわるのはまずい。
本能的にそう察して標的を切り替える。

「来るよっ」
「まだやるつもりですか。私だったら逃げますが」
まっしぐらに突進してくるパピヨンを目にして♂セージはつぶやいた。

サングラスのモンクが睡眠毒に屈しなかった時点で勝負はほぼ決している。
いかに素早くても遠距離攻撃の持ち主がこれだけ居る以上パピヨンはジリ貧だ。
だからこそパピヨンもモンクを封じようとしたのだろう。
それに失敗した以上、次の一手で彼か♀マジのどちらかを倒さなければいけない。
となれば狙いは体力と防御力に劣る♀マジへの直接攻撃。
それなりの覚悟で来るだろう。ソウルストライクでは止めきれまい。

彼と同じ判断をしたわけではないが、♀マジは突っ込んでくる敵に対しほとんど反射的に防御の術を唱えた。
「ファイアウォール!」
正しい選択だ。だが。

♂セージは詠唱しながら♀マジへ向かって走る。
「ソウルストライク!」
パパパパンッ
炎の壁の中で魔力球同士が相殺しあう音が連鎖した。
パピヨンも赤いソウルストライクを撃っていたのだ。
さらに♂セージはそのまま駆け寄り、驚き顔の♀マジを突き飛ばす。

「え!?」
ガキンッ
一瞬後。何かが猛スピードでファイアウォールを突き破り、♂セージの胸元で激しい金属音を上げた。

「ちょっとキミ、大丈夫!?」
「♂セージさん!」
♀マジと♀商人が悲鳴じみた声を上げる。
よろめく♂セージの体から、のたうつ赤いものが炎の向こうへ引き戻された。
触角の長いリーチを利して壁越しに攻撃されたのだ。
ファイアウォールを出す位置が近すぎた。♂セージがかばってくれなければ♀マジは心臓を貫かれていただろう。

「ファイア…ウォールっ!」
♀マジは自責の念を押し殺し新たな呪文を唱えた。
ファイアウォールの厚みが倍に膨れ上がる。
パピヨンは素早く飛び上がってそれを避けた。そして不満そうに口を尖らせる。

「ちぇー。やったと思ったのになー」
「え?」
パピヨンの言葉の意味を測りかねた♀マジは眉根を寄せる。
その背後で♂セージが身じろぎした。

「大丈夫?」
「ごほっ…まあなんとか大丈夫のようです」
心配する♀商人に彼は右手のソードブレイカーを上げて見せる。どうやらそれでぎりぎり防いだらしい。

「無事だったんだ。って、わ!?」
「よそ見はいけませんよ」
思わず振り返った♀マジのケープをつかんで♂セージは立ち上がる。
その勢いで2人の位置が入れ替えるのとほとんど同時に頭上へ忍び寄っていたパピヨンの触角が襲い掛かった。
だが不意打ちを狙った一撃にさっきほどの勢いは乗っていない。
彼は刃で受け止めながら素早く詠唱した。

「フロストダイバ…ごほごほっ」
「うわ」

地面から伸びてきた氷の帯に足を取られかけ、パピヨンは慌てて距離をとる。
もし♂セージが咳き込まず、呪文が完全だったら凍結させられていたかもしれない。
捕まったら最後だ。
彼女は高く舞い上がった。
もうすぐグラサンモンクも射程距離に入る。さすがに潮時だろう。

ただ、1人も殺せずに逃げるのは腹の虫がおさまらなかった。
「べーっだ。いーもん、おばさんやっちゃうからー」
パピヨンは♂セージらに舌を出し、ついでに尻まで叩いて見せてから♀ケミ達向けて飛び出す。

「いやもうまったく。私も翼が欲しいですね」
ため息混じりにぼやきながら♂セージはパピヨンを追って駆け出した。

一方、地面に伏す2人の容態を確かめていた淫徒プリは一息ついていた。
パピヨンの放った魔力球のうち♀ケミに直撃したのは1つか2つだけらしい。
いっそ死んでてくれれば面倒がなかったのに。
ちらりと黒い考えが頭をよぎったが、ひとまず彼女のことは置いといて一刻を争いそうな♂プリの治療に専念することにする。
その時

「逃げてっ」
背後から♀商人の声が届いた。
振り返るとすぐ近くまでパピヨンが迫っている。♂セージ達が追っているがどう見ても間に合わない。
淫徒プリは舌打ちし、瞬時に『正しい』選択をした。

「速度増加」
自分の足を速くし、パピヨンが直線的には追って来れないよう立ち木をはさむ位置へ移動する。
そしてその離れた位置から倒れている二人にヒール。
少々利己的に見えるが、淫徒プリでは2人をかばい切れない以上もっとも合理的な判断だった。

ただし、もちろん他の者まで同じ意見とは限らない。
「ちょっと、何やってんのよ!」
「逃げるなー!」
♀アコと♀マジの熱血コンビが怒鳴った。

淫徒プリは少しむっとする。
合理的に考えて、これ以上治癒魔法の使い手を減らす危険は冒せないだろう。
それも素性の怪しい♀ケミや助けられるかどうか怪しい♂プリのために。
言い返そうとしたとき♀ケミがゆっくり身を動かすのが目に入った。

「プリーストさん…」
♀ケミは小さくつぶやき、♂プリを守ろうとするかのように覆いかぶさる。
これは賭けだった。
彼女の嘘を論破されないためには最低限♂プリの口を封じないといけない。
それも♀ケミ自身が手を下すことなく。
だから♂プリもろとも攻撃を受け、それが瀕死の彼へのとどめになるよう仕組んだ。危うい賭けだが今はこれしかない。

そして、彼女の頭上へ蝶の羽ばたきがたどり着いた。

「バイバーイ」
ドドンッ
高速で飛び過ぎるパピヨンの頭部から真紅の鞭が連続して振り下ろされ、ぱっと血しぶきが上がった。

76 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/18(金) 02:27:03 ID:9OmP2TJM
状態欄は1レスの許容量に収まらなかった&無駄に長くなるので省略します
必要であれば>>61と同じ(グラサンモンクの睡眠のみ削除)なのでそちらを参照ください

77 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/18(金) 08:11:41 ID:r.UdAniY
確か一人の人が続けて書くのはNGだよね。たとえ違う話でも。
だからどちらかはNG扱いになるよ、60さん。

78 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/18(金) 08:45:43 ID:VSwNW4qk
あのルールは違うPTなら1日、同じなら3日あけないとダメだったと思う
この場合はどっちみち日が開いてるからいいんじゃね?
つかこの流れの遅さなら今更このルールに拘る必要もないと思うけどな、進むだけマシだし

79 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/18(金) 09:05:02 ID:r.UdAniY
それで、一人の人が話を全て回していいって言うのはどうかと思うよ。
前回もそれでgdgdがあったの忘れたの?

80 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/18(金) 14:07:48 ID:dfuZFHp2
私は採用で構わないと思いますが・・・
この後も60さんだけで話を展開させてく訳でもないでしょうし、乱戦編も地下編も、ここまで話の流れが進まない状況が続いていると
話の繋ぎ手となってくれるのは他の書き手さんにとっても(どちらの展開にしても)有難いです。

・・・一応自分もいち書き手なので。

81 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/18(金) 15:32:37 ID:8gPab/12
過疎ってるからといってルールを破っていいわけないだろ。
何の為の決まり事だと。

82 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/18(金) 17:17:40 ID:VSwNW4qk
どっちみち60の人はルールには抵触して無いから採用でいいだろ
1日1本も確か24時間単位じゃなく1日単位で1本だったからギリセーフだしな
……本人はID変わらない内に投下しようとしたようだけど、変わってなかったらNGだったんだぜ

83 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/18(金) 21:01:07 ID:6SzUxkiQ
まぁ、書き溜めておけばいいんじゃね?と言う話ではあるな。
連投規制にあわせる形で投下していけば大丈夫だし、
上にも出てるがルール議論以前に進まない事の方がリレーやるってスレの意義からすれば問題な訳だし。
それに一人リレーについても、もうちょっと加速してから考える事にしても十分間に合う問題だと思う。

84 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/19(土) 09:14:57 ID:Sx.2xA2U
随分前にフラッシュ作るって言ってた誰かです。
今頃フラッシュじゃなくて動画作ったので、良かったら見てください。
初めて作ったので勝手がわからないので、変なところがあるかもしれませんが笑って見逃してorz

ニコニコ動画
www.nicovideo.jp/watch/sm316334

Youtube
www.youtube.com/watch?v=3mvK62mRqn8

85 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/23(水) 10:30:52 ID:yPl0bQRc
>>84
長い文章が読みにくいのが気になったかな?
もう少し時間とってくれるか、短くしてくれると見やすいと思う

86 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/23(水) 13:32:23 ID:R7AYd/e2
フラッシュといえば前にあった受難シリーズの曲を使ったやつがかなり良い出来だったな
久しぶりに見てみたいからだれか持ってたら上げてくれないかな

87 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/23(水) 17:40:53 ID:yPl0bQRc
「バトROワ応援どころ」さんに置いてあったよ

88 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/24(木) 14:55:03 ID:8owX7enk
観てきた、情報マジありがとう

89 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/26(土) 01:38:54 ID:r1fj8JFg
ふと2回目を頭から読み返していたら、♂WIZが電人HALに見えた。

90 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/26(土) 10:06:20 ID:M4cHg9p6
無理やり復活させられた♂WIZ2は即デリされるわけか

91 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/05/27(日) 09:31:02 ID:c0md7oGk
Wiki( wiki.spc.gr.jp/battleROyale/ )のトップページ以外 削除完了。

92 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/10(日) 23:53:02 ID:mZ8ZWDpA
大分ハデに止まってるなぁ……やっぱ話進めるにはマーダーが足りないのかな

93 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/11(月) 04:09:08 ID:9shL.rfw
自発的な有力マーダーが3日目夜〜朝に全滅したのは確かに動かしにくいな。
パピヨンはイレギュラー気味だしメイン参加者は間接的悪役タイプと脱出しようとするタイプ、恐慌状態なタイプしか残ってないと書きにくいな・・・。

94 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/17(日) 20:41:32 ID:T6nYFuBA
逆に言うと、結末に向かってスタートするにもいい頃だと思うけどな。

95 名前:R-0109 ◆eVB8arcato 投稿日:2007/06/22(金) 00:26:20 ID:3AFN1RhU
お久しぶりです。

ツアーの予定分が終わりそうなのでリベンジラジオを6/30の21:00ぐらいからやろうと思いますが宜しいでしょうか?

前回と同じく、実況アドレスとラジオアドレスは当日貼りにきます。

96 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/23(土) 00:52:37 ID:hMqi54Co
静かだ…晒すなら今のうtry

ttp://www.fileup.org/fup154803.swf.html
受信PASS→br2

ラジオリベンジ企画大感謝!
…の、勢いで作ったもののスタート(+リプレイ)画面考えてなかったという
前回と同じミスぶちかましました。|||orz

ラジオ当日には修正版晒…して、よろしいか?
(※現目次頁最新話までの若干ネタばれ風味)

97 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/23(土) 08:34:37 ID:LmZ2jMnI
6/30....土曜か。

98 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/23(土) 18:00:42 ID:dG6tb9OU
前回参加できなかったから、今回は頑張って時間空けようかな……

99 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/26(火) 04:32:53 ID:PaDpcu16
お!
今回は聞けそうだ〜

100 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/30(土) 11:48:22 ID:x7MLVdyk
すっかり雑談になっとるなぁ^^;
書きたいのだがさすがにここまで話し進んでるとちょい難しい;;
次のBRに自キャラ出す文章書きますね

101 名前:SiteMaster ★ 投稿日:2007/06/30(土) 15:22:34 ID:???
私も参加できそうです。
肝心な時間に寝てそうですが…(汗

それ以前に、私が参加しても話せることないですけどね(笑

102 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/30(土) 17:07:42 ID:PLwNaLH2
他うpろだにFlash一本晒して参りました。

ttp://up.uppple.com/upload.cgi?mode=dl&file=4299
受信パス→br2

最終的に気付けば4.8Mサイズに。
ので存外に重いです…。
お茶請け代わりにでも一見して頂ければ幸いです。

103 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/30(土) 20:32:33 ID:hwEC.UMA
>>101

個人的には萌え板の現状とか聞きたいなぁ。

104 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/30(土) 20:40:41 ID:C2EDy6uA
待ちきれなくてもう来た俺が通りますよ。
結局どこでやるんだろうか。

105 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/30(土) 20:46:45 ID:yqDeSFvU
>>102

DLしようとしたら、再生されてしまう_| ̄|○

106 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/06/30(土) 20:53:30 ID:dCIdfsbc
眠いからラジオ最後まで起きてられるかちょっと心配だぜ…

107 名前:R-0109 ◆eVB8arcato 投稿日:2007/06/30(土) 20:57:53 ID:jLP0ot0U
ttp://r-0109.ddo.jp:8000/
ttp://spill.jp/play.html
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5008/1178453083/

上がラジオアドレスで
真中が聞き方で
下が実況(前回の続き)です

108 名前:SiteMaster ★ 投稿日:2007/06/30(土) 23:42:40 ID:???
>>103
たとえば、どんなです?

109 名前:103 投稿日:2007/07/01(日) 04:28:24 ID:/kMsA1kg
酔い潰れてて聴けなかった。orz
管理人さん申し訳ない。

110 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/07/03(火) 06:21:09 ID:HM0/DDIc
とりあえず地下云々もそのまま通すってことでwiki更新しといたよ

111 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/07/06(金) 11:28:55 ID:qGlR.bkE
ご苦労様ー。とりあえず茶でも。
つ且~

112 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/07/25(水) 19:07:26 ID:JCaX0UHI
一気に過疎ったな……

113 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/07/26(木) 04:23:31 ID:w5QHLcHM
うう…此処はどうなる…?

114 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/07/27(金) 08:20:30 ID:.aCQHwFs
夏休みな人はじっくり考えて投下してみようぜ。

115 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/07/27(金) 21:47:36 ID:E2FXQEdE
ラジオのあった週に投下してみるぜって言ってた人はどうしてるんだろうな

116 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/07/28(土) 23:48:05 ID:NPL0o4gk
↑ほんとラジオで言ってた人楽しみにしてたのに・・・

117 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/07/31(火) 23:48:14 ID:Fi7WAoe6
同じくワクテカしてたのですがもう一ヶ月たっちゃいましたねー
仕方ないので自分でちょっと書いてみましたよ

118 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/07/31(火) 23:48:35 ID:Fi7WAoe6
269.イン・ザ・ダーク[3日目午前]


殺せ、殺せ、殺せ、殺せ
その声はほとんど物理的な圧力を持って彼を押しつぶそうとする。

暗い、暗い地下道で。
決して傷つけてはならぬひとを前に。
光の差しこまぬ闇を背に。
♂シーフは耐える。

殺せ(いやだ)
殺せ(だめだ)
そいつは(このひとは)
敵だ(希望なんだ)

意識ははっきりしている。
意志もゆらいでいない。
すくなくとも、まだ。

それらを押しのけようと蠢くものは衝動。
砂漠でオアシスを目前にしたかのような欲求。
肉に刃をつきたてる感触。血のにおい。味。
それらが魅惑的な声で彼を呼ぶ。

のどが鳴った。
さほど冒険者経験の長くない彼でも、砂漠で動物を狩ったことはある。
そして狩りの獲物は食べるものだ。
もしも今、彼女を手にかけたら。自分はその肉に食らいついてしまうかもしれない。

(だめだっ)
危険な妄想を振り払うように頭を振る。
力と理性を振り絞るようにして短剣を振り上げ、腕輪へ振り下ろす。
カチンッ

「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…………っ!!!!!!!」
言葉にならない絶叫がほとばしった。
刃先の振動が腕の骨を伝って背筋を駆け上る。
快感に近くて、でも何かが違う、もどかしい感覚。

腕輪にはわずかな傷がついただけだった。
直前で右手が勝手に動いたせいだ。
そのため短剣が腕をかすめ、浅い傷口から血がにじんでいる。

「あは、は、ははは、あは…」
引きつったような笑い。瞳から涙があふれる。
傷口からしたたる血に、痛みより歓喜を感じたから。
耐え切れなくなる前に彼はバックステップを踏んだ。

闇の奥。ほとんど何も見えないその場所は焦げ臭い臭いがした。
がしゅ、と炭化した何かを踏み潰す感触。
闇が深く感じるのは壁や天井が黒くすすけてるせいもあるのだろう。

彼はその場所でめくら滅法に両手を振り回した。
手足が何かに当たるたび、そこへ何度も何度も短剣を叩きつける。
半ば焦げ、半ば朽ちた家具は短剣でもたやすく切り崩せた。

ときどき壁に当たる固い感触に手が痺れ、傷つく。
それでよかった。
暴れつづけて破壊衝動を満たし、体力を使い果たせれば。
血への渇望を忘れていられれば。

なのに。
「♂シーフ君!」
♀Wizさんの声が聞こえた。

せっかく見えなくしたのに、容貌が、表情がありありと思い浮かぶ。
渇望がよみがえる。
あのきれいな人を滅茶苦茶にしたい。
本能の深いところが、ずくん、とうずく。

我知らず声の方へ足が向いた。
「大丈夫?」
心配そうな響き。
明かりがゆっくりと近づいてくる。

「…にげてください」
平板な声で言いながら心のどこかで叫ぶ。
だめだ。
いま逃げられたりしたら間違いなくその背に飛びかかる。

止まって。
いや、むしろ
僕を殺して。

衝動を恐れ、心の表面ではそう言って。
でももっと深いところが考える。

♀Wizと戦う方法を。

彼は心の底から己を恐れた。
だから本来恐るべき敵である男が現れたとき、彼はむしろ感謝した。
白い服を着たそいつは野太い声で言った。

「お前ら、こんな所でナニしてた?」


<♂シーフ>
現在地:D-6→北か西の半島を目指す→謎の地下室?へ
所持品:多めの食料 +7トリプルハリケーングラディウス 囚人の腕輪?
容 姿:栗毛
備 考:ハイディング所持 盗作ローグ志望でちょっと頭が良い ♀Wizと同行 呪詛に体を蝕まれる
    ♀WIZの姿に亡き母が重なる 死を覚悟?
<♀WIZ>
現在地:D-6→北か西の半島を目指す→謎の地下室?へ
所持品:クローキングマフラー ロザリオ(カードは刺さっていない) 案内要員の鞄(DCカタール入) ウィザードスタッフ
容 姿:WIZデフォの銀色
備 考:LV99のAGIWIZ GMに復讐 ♂シーフと同行 年の事は聞かないでね?
状 態:容態安定。ただし全身に傷跡が残る。HPは半分ぐらい?希望が見えてきて気持ちが前向きに

119 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/08/02(木) 19:02:29 ID:WIMts1Qk
久しぶりの新作投下おつー

120 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/08/02(木) 20:34:32 ID:z54Jy6xg
ありがたやありがたや。
時間があれば自分も創作したいんだけどな・・・。

121 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/08/16(木) 15:51:32 ID:Tj43/Eng
夏休みなのにすんごい停滞してる……。ラッパー側全然進んでなかったので進めてみました。

270.決意[3日目午前]

突然の叫び声。
幾度となる魔法の行使と思われる音。
どう考えても、大規模な戦闘が行われている。
二人の騎士は、不安を消せないでいた。


270.決意[3日目午前]

突然の叫び声。
幾度となる魔法の行使と思われる音。
どう考えても、大規模な戦闘が行われている。
二人の騎士は、不安を消せないでいた。


本当なら、今すぐにでも飛び出して助けに行きかったであろう。
だが、♂モンクと♀騎士を放っていくわけにはいかない。
「どうしたものだろうな……」
今更だが、そう漏らさずにはいられなかった。
♂モンクは一向に目覚める気配がないし、♂騎士自分、いつ狂うか分からないのだ。
「♂プリーストさんと♀ハンターさんは大丈夫でしょうか……?」
不安になったのか、♀騎士が聞いてきた。
確かに定時放送を聞いていれば、ミストレスが死んだということが分かるはず。
ならば、安全になったここに戻ってくるはずである。
……だが、一向に戻ってくる気配がなかった。
「まさか、さっきの叫び声は……」
♀騎士は、はっとして顔を上げる。
その顔は、不安の色で覆いつくされていた。
「……何かあったんでしょうか……助けに……」
「だめだ」
助けに行かないと、と言おうとしたのだろう。
♂騎士が、それを遮った。
「♂モンクはどうするんだ? 放っていくわけには行かないだろ?」
「でもっ……!」
♂騎士の指摘に、♀騎士は反論できない。
♂騎士は更に続けて、
「……それに、もし誰かに襲われたらどうするんだ? 最悪、殺さないといけないかもしれない」
その言葉に、♀騎士は何も言えなくなった。
確かに、自分には人を殺す自信が無い(尤も、それは♂騎士も同じなのだが)
♀アーチャーの件も、♂騎士が一緒だったから出来たのだ。
一人であれば、出来なかっただろう。
更に、精神的な問題もあるが、武器の問題もあった。
♀騎士は、シールドと錐しか持ってないのだ。
盾のスキルが豊富なクルセイダーならともかく、騎士である。
錐だけでは、どう前向きに考えても威力不足は否めない。
♀騎士には、反論する材料は無かった。
「……ごめんなさい……」
何も言えず、♀騎士は謝るしか出来なかった。
「……ごめん、俺も言いす……っ!!?」
♂騎士もバツが悪かったのか、謝ろうとしたときだった。
「ぁ……うああああっ!!?」
突然の叫び声に、♀騎士は顔を上げる。
そこには、突然苦しみだした♂騎士の姿があった。
「♂騎士さん!? どうしました!?」


身体が、熱い。
焼けるように、このまま消し炭になってしまうのではないか。
先ほどまで無かった痛覚が全身を駆け巡る。
(ちくしょう!またか……!)
最初や二回目より、酷い。
あまりの痛みにのた打ち回り、その度に更なる痛みが襲ってくる。
まるで、全身の痛覚が異常に鋭敏化しているような……。
――そろそろ疲れてきたのではないか?
まただ。
頭の中に直接響いてくる、不愉快すぎる声。
――いくら足掻いても逃げられんぞ? この現実からはな。
  それともどうした? 我に屈する気になったか?
屈する? 俺が?
「……っ黙れよ!! 誰がお前なんかに……ぅあっ!?」
――ほう、あくまでも抵抗するか。
  抵抗したいのならばすればいい。だが、いつまでもつかな?
  あの時もそうだった。あれだけ強く誓ったのにも関わらず、結局は自分で殺してしまったではないか、♂アルケミストを。
「あれは……っ!」
自分が、またしても恐怖に負けただけだ。
もう負けるつもりはない!
『「信じて……くれないか、俺のこと」』
裏切られても尚、無理して笑顔を見せた親友の顔が脳裏に浮かぶ。
そう、俺はもう負けない、負けるわけにはいかない!!
――♀アーチャーの時はどうなのだ? あれこそ、自身の渇きを潤したかっただけではないのか?
  奇麗事を言ってはいたが、それは渇きを潤すための口実であろう? 私には分かるぞ。
  さあ、言うのだ。「もっと殺したい」とな。
「違う! 好き勝手なことをベラベラと喋るな!!」
俺は、あの子が望んだことをしただけだ!
自分から望んだわけじゃない!
『「……ありがとう」』
……ありがとう? 何でありがとうなんだ?
だが、少なくともあの子は、『王子様』といることを望んでいた。
俺は……。
……あれ?
なんだ?
気持ちよくなってきた……な。
――やはり人間は単純で良いな。いとも簡単に手中に落ちてくれる。勝手に暴れて体力を消耗してくれるとは、やはり単純すぎるな。
  あの白装束達にも感謝しなければな。お前も感謝するのだぞ? あの白装束達にな。
白装束?
ああ……そういえばそんなのもいたな。
なんか、どう……でも良くなってきた……。
さっきまでは不愉快だったこの声も、なんか心地よく響く……。
――さて、周りに獲物はたくさんいることだ。まずはその物達から殺してしまえ。
  なに、なんの事はない。そのツルギを、一振りするだけでいいのだ。一撃でカタがつくぞ。
  少なくとも、今のお前にはそれだけの力がある。さあ、やるのだ。
ツルギ……ねえ。どちらかと言えばクレイモアの方がいいんだがな。
――青箱をまだ開けてなかろう? 後で開けてみれば良い。
  そこに♀騎士がいるだろう? さっさと殺してしまえ。
♀騎士、か。
そうだな……。


ん?


なんだ?


『「ごめんなさい。あたし、最後まで迷惑を……」』


誰だ?


『「あなただけを苦しませることなんてできません」』


ダレダ?


『「私の手も、汚れていますから」』


アあ、コれは……。

122 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/08/16(木) 15:52:20 ID:Tj43/Eng
「……っ調子にのるな!! お前が俺に従いやがれ!!」
先ほどまでの気持ちよさは微塵と消え、再び痛みが全身を駆け巡る。
だが、先ほどまで痛みはなかった。
「さっきからごちゃごちゃとくだらない事をやかましいんだよ!!」
同時に、ものの見事に奴の術中に嵌ってしまった自分を悔いた。
こんな思いは二度とごめんだ。
――貴様、何を言っているのか分かっているのか? 貴様の汚れた手では……
「黙れっ!! 俺はもう逃げない!!」
そうだ。
俺はもう迷わない。
大切なもの、守りたいもの、そこにたくさんあるじゃないか!
迷う必要なんて、ないんだ!
だからこそ、俺は自らを鼓舞するように叫んだ。
「白装束だかなんだか知らんがな、俺は守りたいものを守る! 奪おうとする奴は叩き斬ってやる!!」
だから、もう死ぬわけにはいかない。
守れるだけ、精一杯守る。その為に精一杯生きる。
……あいつも、その方が喜ぶだろうしな。


「あの……大丈夫ですか?」
♀騎士が、心配した様子で声をかける。
「ああ、悪い。もう大丈夫だ。吹っ切れたよ」
今までの悲観的な顔はもう、無かった。
もう、吹っ切れたらしい。
が、
♀騎士の心配所はそこではなかったらしい。
「いえ、そうではなくて……なんか一人で叫びまくってましたけど……」
「………」
♂騎士は返す言葉も無く、先ほどの声を精一杯恨んだ。
「……そういや、青箱まだ開けてなかったな……」
♂騎士は、袋から青箱を取り出した。
♀プリーストの、遺品であろう。
「それは?」
♀騎士が聞いてくる。
「大切な人の……形見だ。守ってやれなかったからな……」
少し悲しげな表情を浮かべながら、そう言った。
「あ……ごめんなさい」
その様子を見ながら、♀騎士はすぐさま謝った。
知らなかったとは言え、余計なことを聞いてしまったと。
だが、
♂騎士の、その表情とは裏腹に、強い決意の色があった。
(でも、守りたいものが全部無くなったわけじゃない)
「いいんだ。俺は、仲間を守りたい。だから、精一杯生きたい。あいつも、それを望んでるだろうから」
その♂騎士の姿は、どうみても不安定だった今までとは別人とも言えた。
「まあ、開けるか。役に立ちそうなものがあるかもしれない」
辛気臭い話は無しにして、と。
それに、♀騎士はそうですね、と同意した。
そして、その青箱を開けてみる。
出てきたのは、幅広の巨大な剣であった。
―カッツバルゲル
それは、攻撃と防御を兼ね備えた、まさに♂騎士が望んだ武器と言える。
「これは……」
「俺は元々両手剣の方が得意だしな」
♂騎士は、手に入れたばかりのカッツバルゲルを一振りしながら言った。
「ツルギは君が使うといい。短剣だとリーチが短すぎるだろ?」
♀騎士は一瞬、返答に困った。
だが、♂騎士の好意を無駄にするわけにはいかないし、♂騎士が言うことも尤もだ。
何より、自分だけ楽するわけにもいかなかった。
「……ありがとうございます」
だから、♂騎士から差し出されたツルギを受け取らないわけにはいかなかった。
刀剣類を持つことには抵抗がある。あるけど、それを理由に逃げるわけにはいかなかった。
目の前の騎士も、もう逃げない、と強く決意を表していたから。
「ああ、そういえばカード帳もあったな。♀スパノビのだが……」
♂騎士が言った、その時だった。


がさっ


草むらからである。
その音に、二人はすばやく反応した。
「誰だ!?」
♂騎士は、♀騎士と♂モンクを庇うように、カッツバルゲルを構える。
「ひっ!?」
その視線の先にいたのは、♂プリーストに抱えられて離脱したはずの、♀ハンターだった。


<♀騎士>
現在地:E-6
所持品:S1シールド、錐 、ツルギ(♂騎士から受け取る)
外見:csf:4j0i8092 赤みを帯びた黒色の瞳
備考:殺人に強い忌避感とPTSDを持つが、大分心を強く持てるようになる。刀剣類に抵抗感 笑えるように
状態:JT2発被弾 背に切傷

<♂モンク>
現在地:E-6
所持品:なし(黙示録・四つ葉のクローバー焼失)
外見:アフロ(アサデフォから落雷により変更)
スキル:金剛不壊 阿修羅覇凰拳 発勁
備考:ラッパー 諸行無常思考 楽観的 刃物で殺傷
状態:腕に裂傷、JTを複数被弾、意識不明、通電によるショック症状

<♂騎士>
現在地:E-6
所持品:ツルギ、S1少女の日記、カッツバルゲル、カード帖(♀スパノビ遺品)
外見:深い赤の瞳
備考:GMの暗示を屈服させた?、混乱して♂ケミを殺害 心身の異常を自覚
   できれば♂ケミを弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走
   両手剣タイプ
状態:痛覚喪失?、体力は半分ほど 精神は安定? 個体認識異常を脱する。
   必要とあらば、人間を殺すことを厭わなくなった? 仲間を守りたい

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