【憎悪と狂気】バトルROワイアル 十冊目【恐怖と絶望】
[122:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2007/08/16(木) 15:52:20 ID:Tj43/Eng)]
「……っ調子にのるな!! お前が俺に従いやがれ!!」
先ほどまでの気持ちよさは微塵と消え、再び痛みが全身を駆け巡る。
だが、先ほどまで痛みはなかった。
「さっきからごちゃごちゃとくだらない事をやかましいんだよ!!」
同時に、ものの見事に奴の術中に嵌ってしまった自分を悔いた。
こんな思いは二度とごめんだ。
――貴様、何を言っているのか分かっているのか? 貴様の汚れた手では……
「黙れっ!! 俺はもう逃げない!!」
そうだ。
俺はもう迷わない。
大切なもの、守りたいもの、そこにたくさんあるじゃないか!
迷う必要なんて、ないんだ!
だからこそ、俺は自らを鼓舞するように叫んだ。
「白装束だかなんだか知らんがな、俺は守りたいものを守る! 奪おうとする奴は叩き斬ってやる!!」
だから、もう死ぬわけにはいかない。
守れるだけ、精一杯守る。その為に精一杯生きる。
……あいつも、その方が喜ぶだろうしな。
「あの……大丈夫ですか?」
♀騎士が、心配した様子で声をかける。
「ああ、悪い。もう大丈夫だ。吹っ切れたよ」
今までの悲観的な顔はもう、無かった。
もう、吹っ切れたらしい。
が、
♀騎士の心配所はそこではなかったらしい。
「いえ、そうではなくて……なんか一人で叫びまくってましたけど……」
「………」
♂騎士は返す言葉も無く、先ほどの声を精一杯恨んだ。
「……そういや、青箱まだ開けてなかったな……」
♂騎士は、袋から青箱を取り出した。
♀プリーストの、遺品であろう。
「それは?」
♀騎士が聞いてくる。
「大切な人の……形見だ。守ってやれなかったからな……」
少し悲しげな表情を浮かべながら、そう言った。
「あ……ごめんなさい」
その様子を見ながら、♀騎士はすぐさま謝った。
知らなかったとは言え、余計なことを聞いてしまったと。
だが、
♂騎士の、その表情とは裏腹に、強い決意の色があった。
(でも、守りたいものが全部無くなったわけじゃない)
「いいんだ。俺は、仲間を守りたい。だから、精一杯生きたい。あいつも、それを望んでるだろうから」
その♂騎士の姿は、どうみても不安定だった今までとは別人とも言えた。
「まあ、開けるか。役に立ちそうなものがあるかもしれない」
辛気臭い話は無しにして、と。
それに、♀騎士はそうですね、と同意した。
そして、その青箱を開けてみる。
出てきたのは、幅広の巨大な剣であった。
―カッツバルゲル
それは、攻撃と防御を兼ね備えた、まさに♂騎士が望んだ武器と言える。
「これは……」
「俺は元々両手剣の方が得意だしな」
♂騎士は、手に入れたばかりのカッツバルゲルを一振りしながら言った。
「ツルギは君が使うといい。短剣だとリーチが短すぎるだろ?」
♀騎士は一瞬、返答に困った。
だが、♂騎士の好意を無駄にするわけにはいかないし、♂騎士が言うことも尤もだ。
何より、自分だけ楽するわけにもいかなかった。
「……ありがとうございます」
だから、♂騎士から差し出されたツルギを受け取らないわけにはいかなかった。
刀剣類を持つことには抵抗がある。あるけど、それを理由に逃げるわけにはいかなかった。
目の前の騎士も、もう逃げない、と強く決意を表していたから。
「ああ、そういえばカード帳もあったな。♀スパノビのだが……」
♂騎士が言った、その時だった。
がさっ
草むらからである。
その音に、二人はすばやく反応した。
「誰だ!?」
♂騎士は、♀騎士と♂モンクを庇うように、カッツバルゲルを構える。
「ひっ!?」
その視線の先にいたのは、♂プリーストに抱えられて離脱したはずの、♀ハンターだった。
<♀騎士>
現在地:E-6
所持品:S1シールド、錐 、ツルギ(♂騎士から受け取る)
外見:csf:4j0i8092 赤みを帯びた黒色の瞳
備考:殺人に強い忌避感とPTSDを持つが、大分心を強く持てるようになる。刀剣類に抵抗感 笑えるように
状態:JT2発被弾 背に切傷
<♂モンク>
現在地:E-6
所持品:なし(黙示録・四つ葉のクローバー焼失)
外見:アフロ(アサデフォから落雷により変更)
スキル:金剛不壊 阿修羅覇凰拳 発勁
備考:ラッパー 諸行無常思考 楽観的 刃物で殺傷
状態:腕に裂傷、JTを複数被弾、意識不明、通電によるショック症状
<♂騎士>
現在地:E-6
所持品:ツルギ、S1少女の日記、カッツバルゲル、カード帖(♀スパノビ遺品)
外見:深い赤の瞳
備考:GMの暗示を屈服させた?、混乱して♂ケミを殺害 心身の異常を自覚
できれば♂ケミを弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走
両手剣タイプ
状態:痛覚喪失?、体力は半分ほど 精神は安定? 個体認識異常を脱する。
必要とあらば、人間を殺すことを厭わなくなった? 仲間を守りたい
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