【憎悪と狂気】バトルROワイアル 十冊目【恐怖と絶望】
[125:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2007/08/17(金) 14:13:57 ID:GCgEsyY2)]
「♂騎士さんっ!」
♀騎士は、自分の足に巻きつく触手を千切ろうとするが、うねる触手の動きと粘液によって阻まれ、うまくいかない。
「・・・・・・!!」
逡巡するが、すぐに♂騎士から受け取ったツルギを抜くと、己を拘束せんとする触手に突き立てた。ぶつり、と切れた触手は、体液を撒き散らしながらびちびち跳ね回っていたが、やがて動かなくなった。
「加勢、しますっ!」
「・・・・・・ッ、くそ」
触手の攻撃によって地面に転がされた♂騎士は、大剣を地面に突き立て、支えに立ち上がる。まだ、ミストレス戦で失った体力を取り戻せていないのだろう。とはいえ、それは♀騎士も同じことだったのだが。
触手でふたりの騎士を包囲するように牽制しながら、寄生虫はその本体の部分をぶるぶると震わせた。次の瞬間、ぐぱあ、と粘液の糸を引きながら、寄生虫の身体の一部が、裂けた。恐らくは、これが“口”なのだろう。それが証拠に、裂け目に体積を合わせるかのように寄生虫の全身も大きく膨らみ、獲物を呑み込まんと待ち構えている。同時に、触手に弄ばれて宙ぶらりになっていた♀ハンターが、徐々にその高度を増し、段々と寄生虫の本体の真上へと移動を始めた。否、♀ハンターを掴んだ寄生虫の触手が、獲物を己の真上へと引き寄せ始めた。
「いっ・・・、いや、離して、やだ、嫌・・・・・・!!!」
これから自分がどうなるのか、流石にそのくらいは思考が回ったらしく、♀ハンターは残った体力で必死に抵抗を試みた。両手両足を何とか動かそうとするが、巻きついた触手によってがっちりと締め付けられており、♀ハンターの力では全く動かせない。じわじわと、嫌でも♀ハンターの視界の端に映る景色が、寄生虫の頭上へと移動していくのがわかる。
「やだ、やだ、やめて、おねがい、ふぁる、おねえちゃん、嫌、たすけて、やだよ、わたし、嫌、いやぁ・・・・・・・・・!!!」
最早♀ハンターに許されたことは、髪を振り乱しながら掠れた声で叫び続けることで、せめてもの抵抗の意を示すことだけだった。
「♀ハンターさん!!」
「止めろぉっ!!」
二人の騎士が同時に剣を構えて駆け出そうとするが、地中から触手が次々と飛び出しては二人に絡み付き、その動きを封じようとする。
そして、♀ハンターの全身に纏わりつく触手が彼女を解放し、
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああ!!!!!!!!」
ばくん、と。
寄生虫の口の中へと、落下した。
「嫌、ふぁる、たすけ・・・・・・・・・やだ、やめ、おね・・・い、たすけ・・・・・・!!!」
海で溺れて波を掻き分けるみたいに、閉じていく寄生虫の口の中から♀ハンターが必死で手を伸ばし、顔を出し、脱出を試みようと宙を掴んでは再び寄生虫の中に沈んでゆく。
「・・・・・・・・・・・・・・・嫌・・・・・・やめ・・・・・・たすけ、・・・・・・・・・・・・!!」
「っそ、離せ、離せえっ!!」
目の前の光景に顔を歪めながら、♂騎士は全力でカッツバルゲルを振り回し、触手をまとめて叩き斬った。そのまま、♀騎士に纏い付く触手にも斬撃を加え、断ち切る。
「・・・・・・、ありがとうございます・・・!」
両腕が自由になった♀騎士も、ツルギで残る触手を薙ぎ払った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・嫌・・・ぁ・・・・・・」
完全に♀ハンターが寄生虫に飲み込まれると、閉ざされた口は再び隠れ、膨張していた寄生虫自体の大きさも元に戻った。♀ハンターをひとり分飲み込んでいるため、その形は“人型に”歪になってしまっているが。
だが、貪欲に、食欲に支配された寄生虫が、獲物を一匹捕食したところで満足する筈がない。醜悪な蟲は触手を揺らめかせながら、更なる獲物に狙いを定める。
「まだ、生きてる! 今ならまだ、助けられる! さっさとこいつを倒せば!」
♀騎士は迷いを払い、ツルギを構える。
ぐっと握り締めた、剣の柄の感触。どこか懐かしさを感じる。
♂騎士は迷いを払い、叫ぶ。
「俺は、騎士だ! 護ってやる、みんな、みんなだ!!!」
<♀騎士>
現在地:E-6
所持品:S1シールド、錐 、ツルギ
外見:csf:4j0i8092 赤みを帯びた黒色の瞳
備考:殺人に強い忌避感とPTSDを持つが、大分心を強く持てるようになる。刀剣類に抵抗感 笑えるように
状態:JT2発被弾 背に切傷 触手によるダメージ自体はありません
<♂モンク>
現在地:E-6
所持品:なし
外見:アフロ(アサデフォから落雷により変更)
スキル:金剛不壊 阿修羅覇凰拳 発勁
備考:ラッパー 諸行無常思考 楽観的 刃物で殺傷 戦闘場所より少し近くで気絶中
状態:腕に裂傷、JTを複数被弾、意識不明、通電によるショック症状
<♂騎士>
現在地:E-6
所持品:ツルギ、S1少女の日記、カッツバルゲル、カード帖(♀スパノビ遺品)
外見:深い赤の瞳
備考:GMの暗示を屈服させた?、混乱して♂ケミを殺害 心身の異常を自覚
できれば♂ケミを弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走
両手剣タイプ
状態:痛覚喪失?、体力は半分以下 精神は安定? 個体認識異常を脱する。
必要とあらば、人間を殺すことを厭わなくなった? 仲間を守りたい
<♀ハンター>
現在地:E-6(寄生虫体内)
所持品:スパナ、古い紫色の箱、設置用トーキーボックス、フォーチュンソード、オリデオコンの矢筒、+2バイタルシュールドボウ[3]
スキル:ファルコンマスタリー、ブリッツビート、スチールクロウ、集中力向上、ダブルストレーピング
備 考:対人恐怖症、鳥と会話が出来る、純鷹師、弓の扱いはそれなり
状 態:寄生虫に捕食されそう ♀スパノビと離れ、再び誰も信用できない状態 ただただ恐怖
<ふぁる>
現在地:E-6
所持品:リボンのヘアバンド
スキル:ブリッツビート スチールクロウ
備 考:なんだかんだいいながら♀ハンターが心配で堪らない、ツンデレ? GM側の拠点を発見するも重要視せず無視、♀ハンターと遭遇
状 態:JTによる負傷で気絶中
<寄生虫(寄生磯巾着?)>
現在位置:E-6
外見:大きい紫色のヒドラっぽいもの(ペノメナ?)
備考:♂ローグから孵り、捕食 両生類?
状態:♀ハンター捕食中
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