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【萌え】みんなで作るRagnarok萌え小説スレ 第14巻【燃え】

[26:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2008/02/04(月) 10:30:14 ID:619Nae3o)]
老婆が目覚める事はもうないだろう。
彼女は愛する人の元へ行ったのだから。


気が遠くなるほどの長い月日が経過した。
草原だったこの場所にもやがて整備され新しい町が建ち、多くの冒険者が行き来している。
何もかも変わってしまったが、変わらないものもあった。
あの剣とその横に建てられた小さなお墓。
長い月日が経ったけど相変わらず剣は美しく、すぐ隣にある墓は毎日掃除されているのであろう事が分かるほど整っている。
「もしかして泣いているのか?」
この街に着き、この街のシンボルとも言える有名な剣を見た瞬間、ピンク色の法衣を着た少女がいきなり泣き出した。
何故泣き出したのかも分からないし、泣かすような事をした覚えのない少年だったが戸惑いつつも少女の肩を抱き寄せ頭を撫でる。
「ぐすっ……悲しい訳じゃないんだよ?でもこの剣みたら、なん、か涙が止まらなくて……」
ごめんね、ごめんねと謝りながら泣く少女を、仕方ないなぁと呟きながらも少年はよりいっそう強く少女を抱き締めると。
抱き締められた少女も弱い力で精一杯返した。
もう離さないといわないばかりの抱擁をしながら苦笑まじりの顔で少女を見る。
少女が何故泣き出したのかは検討つかないが、少年は奇妙な感覚を感じていた。
「う〜ん、なんか俺。以前ここに来た気がするんだよな……」
今日初めて来た街なのにおかしいなと少年は思う。
未だに泣き続ける少女を抱き締めながら見上げた空はどこまでも青く。
草原の香りを含んだ風が吹き抜けた気がした。


<The End>


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