【萌え】みんなで作るRagnarok萌え小説スレ 第14巻【燃え】
[41:Addicted To You(2008/04/19(土) 09:13:01 ID:zTNmg45w)]
それは修練を積みにウルフ森と呼ばれるところに行った時の事だった。
5匹のウルフに囲まれ、齧られ、嬲られているアコライトを見かけた。
「どうする?助けよっか?」
わたしの呼びかけに大きくうなずく。
『バッシュ!!』
何度か連発し、退治することが出来た。
へなへな…と倒れこむアコライト。
「大丈夫? キミ?」
「ええ…何とか大丈夫…ありがとう…」
そういい残すとわたしの腕の中に倒れこんだ。
「よっ…と」
とりあえず背負う。
わたしが常宿にしている部屋に彼を運ぼう。
女の子かと思うぐらい軽い。
…最近はウルフを倒した時にたまる修練の値が上がったことにより、こんな感じの人を見かける。
素直にハエなりテレポートしてくれればおいしく処理するんだけど…。
無事到着。
「あらアリサ。
倒してきたモンスターにしては大きなものね」
ケラケラと宿の店員が話しかけてくる。
「ん…冗談はともかくドア開けて」
「はいはい…食べ物も運ぶ?」
「うん、わたしのはいつものセットで、この子のは…消化が良くて滋養があるのがいいかな」
半ば引きずるように運ぶ。
「あ…僕…」
「目、覚めた? まだあったかいしとりあえずこれでも食べて」
野菜がたくさんのスープ。 十分おなかいっぱいになるぐらいだ。
ベッドから上半身を起こし、スープに口をつけている。
「おいしいですね」
「うん、ここの宿は安いのに食事つきで、かつ美味しいから気に入ってるんだ」
わたしはパンをちぎり、黙々と食べ続ける。
食べ終わった彼がわたしの方をじーっと見つめてる。
「ん?どうしたの?」
「ありがとうございます! …これお礼に…って言っても少ないけれど」
取引用のトレイにイチゴ5個と少しのにく、化け物のエサを彼が置いた。
「いいよ。
わたしもたくさん倒せて、いい思いしてるんだから」
トレイを突っ返す。
「…でも…ただ助けられてちゃ…僕も男ですし…」
「いいのいいの。
同じ冒険者なんだから男女は関係なし!」
ウインクして、瞬とした彼を元気付ける。
「じゃあいいよ、今度一緒に冒険しよ?
トレイに書いてあった修練度ならわたしと一緒に組めるしさ」
「ありがとうございます!
…男なのに力も全然無いし、正直一人で狩り続けるのは気が遠くなりそうで…」
そう言うと友達長にお互いの名前を刻む。
「ウッディーね。 よろしく」
それからと言うもの色々な所に行き、どんどんと修練があがった。
回復剤を少なく積んで、多くの収集品を拾い。
彼の支援魔法でずいぶん楽に狩れる様になった。
いつしか、お互い惹かれあい、キスをする仲にまで発展した。
「ん…」
いつもは強がってるわたしが、ただの女に戻る瞬間だ。
弱弱しい彼が、逆に男になる。
しばらく故郷に帰る事になった彼を見送り、修練に励んだ。
前のように黙々と狩り、代理で商人系の職に売ってもらい。
倒れるように寝て。
起きると支度を整えて、狩る。
子供じゃないんだからこの程度の寂しさで泣かない。
親しい友人と恋の話をすると、同じような悩みを抱えている子がいた(もちろん二人のことは誰にも言わない)。
「新しい人見つけたほうが早いんだけど、…そうも行かないね、好きになっちゃったんだもん」
寂しげに微笑む彼女。
そっか、わたしウッディーの事好きなんだ。
今気づいても遅い。
故郷に居る間は、念話も通じない。
[ただいま、アリサ]
借り物の水パイクで天下大将軍を狩っていたら、突然念話が飛んできた。
[おかえり、ウッディー]
嬉しくて笑みがこぼれる…こんな顔、見せられない。
つくづく念話で良かったと思う。
[会いたいんだけどいい?]
[いいよ?どこにいる?]
[フェイヨン]
ここから徒歩でも間に合う距離。
でも、一秒でも早く会いたいわたしは、蝶の羽根で帰った。
「改めて。 おかえり、ウッディー」
「ただいま」
そう言うと宿に行き、ベッドに腰をかける。
最初は軽いキス。 徐々に激しくなる。
「ん…」
体の芯が熱くなる。
「ね…おねがい、キスよりもぎゅっと抱きしめて…」
「ううん…いいよ?」
ウッディーの体温が服越しに伝わる。 …早い鼓動も。
「お願い、今はこうしてて。 …いきなりやめないで」
寂しかったとか、泣き言は言わない。
ただ、彼と少しでも長くこうして居たかった。
<END>
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