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【萌え】みんなで作るRagnarok萌え小説スレ 第14巻【燃え】

[40:Witch hezel(2008/04/17(木) 16:52:55 ID:sP0bDo8s)]
 数日後、俺は思い出したかのようにアヤが欲しがっていた赤いリボンを持って溜まり場へ向かった。
 実用装備を買い揃えるのが先、と言っている割には露店を見ては
「いいな…」
 と呟いているのを覚えていたからだ。
 …どんな顔をするかな、そう思うと胸が高鳴った。

 アヤは居ない。 ギルド名簿を見ると、そこには確かに居ると記されているのに。
 まあいいか…そう思い、グランドペコから降り、近くの木に手綱を縛ると、疲れが出て…。

「…ケ…ミケ」
 ?…アヤ…か?

「あ、やっと起きた。
 こんな所で寝てると風邪ひくんだから」
 上にぼろマントがかけられていた。
「ん…ありがとう…」

 顔を洗おうと溜まり場の近くにある宿屋の洗面所を借りに行く。
 …なんだ、あいつら俺の事を見てくすくす笑ってる。
 指を差してるものまでいる。
「@*#:・…!?」
 急いで「それ」を落とすとアヤのところに駆け寄る。

「あー、おかえり。
 似合ってたのにー」
 にやにやと笑う。

 寝ている間に化粧品と染料で化粧&「可愛いでしょ?」と書き込まれていた。
 いつもの悪ふざけならまだ許せる。
 けど、限界だ。 怒りをぶちまける。
「おま…いい加減にしろよ!」
「え?何でそんなに怒ってるの?
 ミケ可愛いかったのにぃ」
「やっていい事と悪いことに区別ぐらい、つくだろうが!」
 そういうと背中を向け、溜まり場から去ろうとした。

「ミケ…ごめん」
「……」
 付け上がられても困る。だから放って置いた。
「ごめんね」
「……」
 小声になる。
「ごめんなさい、もういたずらはしないから…」
 …許そうか、と思って振り返った時。
「……」
 諦めたように、うつむいて溜まり場から出て行った。
 胸がチクン、と痛んだ。


「ミゲール、それきっとアヤのことが好きになってるんだよ」
 ギルドメンバーのユーリ―――ギルドに入ってからの親友で、
腹を割って話せる仲のブラックスミスだ―――に、今までの事や、胸の痛みを相談した。
 その答えがこれだ。
「そっか…」
 判りきっていたことなのに。

 いつの間にか、本気で好きになっていたようだ。
 そういえばふとした時に肩をすくめて困った表情を見るのが、少し怖かった。

 もし、いつものように付き合い、そして別れたら。
 再び誰かと恋に落ちた時に、思い出しそうで…怖い。

 この感情を忘れていく事が成長していくことだとしたら…俺はずっとこのままで居たい。

<END>


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