掲示板に戻る 最初- 前5 次5 前1 次1 最新5

【萌え】みんなで作るRagnarok萌え小説スレ 第14巻【燃え】

[69:ミニ文章(2015/03/23(月) 21:58:00 ID:MWvUK/bE)]
同じネタでガールズトークすりゃええんじゃい!と気づいた。
今度こそ男キャラは出さねーぜ!とノリノリだったのに気を抜くと登場する出たがりが多い。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


借りてきた本を返しにいく途中、楽しげな声にちょっと寄り道。
同じギルドのセージとダンサーとウィザード、それにサブマスのブラックスミスがいらっしゃいました。
こちらに気づいたサブマスが「おいでおいで」と手招きしています。

「なにしてるんですか?」

近づいてみれば、テーブルの上にどっさりとアイテムが置いてあります。
ハイヒールや荒れ狂う波の書、天使の守護など、ちょっと珍しい品が多いような。
ブラックスミスがテーブルに並べながら、説明してくださいました。

「紫箱が安売りされてたから、大量購入してあけてるとこなのよ」
「え、これ全部、紫箱から出たものですかっ?」
「すごいよね〜」
「開けちゃうとこみせてってお願いしちゃった」
「間近で見る機会なんて滅多にないから、ウフフフ、レアな経験よ」

なるほど、と種類のバラバラな矢を摘み上げます。

「一攫千金とはいかないわよね、そろそろ破魔矢も出るかしら」
「起こらないから奇跡っていうバニラアイスジャンキーの名言もありますから。
そういえば男性陣は呼ばないのですか? ギャンブルみたいなノリ、好きそうな方ばかりですのに」
「さっきまでいたけど、2名は自室で死んでるわ。一撃死だったそうよ」

よくわからないので「そうですか」と答えておきます。2名って誰でしょう?
あ、尖っているいばらのカタールがあります。
手にとって装着。

「……なんでしょう、この微妙な付け心地は」
「私もさっき荒れ狂う波の書を構えて、似たことを思っちゃった。属性付与にはない違和感がでちゃうの」
「慣れれば馴染むのかしら? 私は本より杖だけど」
「属性矢でも、やっぱわかんないよね〜」

カタールを外してテーブルに戻すと、ブラックスミスが首を傾げて、

「気になるなら、あげるわよ?」
「えっ、いや、気にならない――わけでもないですが、うーん」
「じゃあ、プレゼントってことで」

もしも「気に入ったなら」だったら、断ってお金を受け取ってもらおうとしましたよ、ええ。
だけど「気になるなら」だと難しい。だって興味はありますし。
お世話になってるのにプレゼントまでいただくには、と断っても押し切られる未来がみえました。
ならば、取り置きをしていただいて、お金が揃ってから購入・受取がよろしいかと。
それに、

「プレゼントだったら意中の殿方からいただきたいですからね、やはり購入させてください」

不意に静寂が訪れました。
サブマスは呆れ顔で。
ダンサーとセージは互いの手を合わせて。
ウィザードはからかうような笑みを浮かべて。
それぞれ、こちらを注視しています。
………はっ。

「いまのなしですッ! 口が滑りましたッ!
そこの御三方、ニヤニヤしないでくださいッ!」
「ほ〜ぉ、ほほ〜ぉ、案の定、好きな人いるのね〜。誰かな〜? 誰なのかな〜?」
「盛大に自爆しちゃったね。やっぱりギルメンの誰かでしょ」

なぜバレてるんですかっ!?という叫びを慌てて飲み込んだ。
せ、セーフです、まだセーフです!
セージに向かって「なんのことですか」と笑いかけようとして、

「ほら、赤くなっちゃったし正解でしょ。証明終了ーっと」
「〜〜〜〜〜ッ!?」

なんですぐ顔に出ますかねぇ!?
両手で頬を押さえ、ってめちゃくちゃ熱いしッ!

「フフフ、純情アピールね! 一人ずつ名前をあげていったらすぐわかりそう。
本人がいる前でやったら、即バレ告白コースよ。まさにヘル・オア・ヘブン!」
「そんな怖いこと言う人キライですっ!!」

ご本人に知られるのだけは回避しなくてはなりませんッ!
……実らない恋ですし、ちょっと夢みただけなんです。
OK、かなりへこんだので少し落ち着きました。

「そ・れ・よ・り・もっ!
みなさんは殿方から贈られるなら、どんなプレゼントがいいですか!?」

強引な話題そらし、けどこれが精いっぱいなんです。へるぷみー。
苦笑しながら、そうねぇ、とブラックスミスが乗っかってくれました。まじサブマス女神さま。

「しおれないバラなんて、ロマンチックでいいわね」

ふむふむ、とダンサーが大げさに頷き、

「その口ぶり、さては貰ったことがあるのかな〜?」
「そうよ。ほら、常に持ち歩くくらい、うれしかったの」
「惚気か〜。しかも即答だよ〜」

羨ましいな〜、と言いながらソファーに沈むダンサー。
その隣でセージが「んー」と宙を見上げ、

「私は偽天使の羽かな。
『偽物』って天使の存在を否定しちゃってるとこが好感高め。
ドロップ元の偽天使の存在はガン無視しちゃうけど」
「フフフ、このロマンチストの振りしたリアリストめ。
装備の『天使の守護』シリーズを貰って悶えるといいわ」
「それってスパノビ専用装備だし。まぁ、そういう微妙なチョイスは確かに悶えちゃうね」

よし、話題すり替え成功。
後日にまた詰め寄られたら、そのときはそのときです。全力バックステップで逃げます。

「では誰もがタブー化してる願望をオープン!
ホワイトリリーなんてどう? ゾクゾクするわね!」

自身の体を抱きしめて悶えるウィザードに、

「相場がギガ単位だね〜……、ゼロの数が多いな〜」
「もはや贈り物じゃなくて、貢物の域に達しちゃう」

ブラックスミスがスモーキー人形をぽーんと放り投げました。
宙を舞うスモーキーは、ウィザードの手の中にぽふっと着地。

「ホワイトリリーよりぬいぐるみのほうが喜ぶでしょ、あなた」
「まあね。『毎晩添い寝してます』と言うシチュ萌え付きもいいでしょ。
フフフ、全裸のぬいぐるみと添い寝なんて、まさに淫乱っ!」
「オシリス人形は包帯ぐるぐるですけど、あれも剥いたんですか?」
「残念ながら包帯ごと縫い付けてあるから剥けないわよ。ムナック人形も同じ。
フフフ、『解いた』じゃなくて『剥いた』という表現のチョイスに戦慄したわ」

スモーキー人形を膝の上にのせて、もふもふと撫でまわすウィザード。
こうしてみると常識人っぽくみえますのに。

「このコ、もらっていいかしら?」
「そのつもりで渡したのよ」
「ありがと。フフフ、触り心地がサイコーよ!」

それはよかった、とブラックスミスは紫箱から青箱を取り出しました。マトリョーシカですか。

「で、あなたは何を贈られたいの? 動くスポア人形かしら? その巨乳に挟んで男に迫ればいいわっ!」
「意味はわかりませんが、えっちぃ意味ですね!? まだ怒ってませんけど怒りますよ!?」

テーブルに埋もれてたポリン人形をばしっとウィザードに投げつけましたが、素早くキャッチ。おのれ高DEXめ。
「ポリン人形もありね。2個あればエセ巨乳も可能よー!」とか言ってますが幻聴だから聞こえません。

「御本人の銘入りアイテムなんていいですね。イベントでよくやってるサービスの。
難点は、イベントアイテムって食料品が多いところでしょうか。もったいなくて食べられなさそうです」
「逆の発想で、ランカーのスリムポーションいっぱいなんてどうかな〜?
すっごい特濃だよ〜」
「ええ、ええ、回復量が多いから特濃ですよね、他意はないって信じてますからねッ!?」
「草の葉や花びらみたいな、プラス効果のついたかわいい装備もいいよね。もちろん一度は使用しちゃったやつ」
「遠回しに間接キス要求してるじゃないですか、あと強引にこじつけないでくださいッ!」

やいのやいの騒いでる間にも、アイテムが増えていきました。
神官の手袋、プレゼントボックス、未熟リンゴ、プラコンなどなど。

「見事に微妙なラインナップで笑えるわね。ほとんどが売却処分かしら」
「矢全部もらうよ〜。計算めんどいし、まとめて千ゼニーでいい〜?」
「その半額でいいわよ。それでも貰いすぎてるくらい」
「うーむ、属性本、ちょっと欲しくなっちゃったから、売ってほしい」
「いいわよ。はい、どうぞ」
「私はプレゼントボックスを全部いただくわ。カモン、ぬいぐるみっ!」
「出るといいわね、3コだったけど」

外はすっかり暗くなってしまいました。
……そう、図書館は閉館してる時間です。
返しそびれましたね、本。
おもしろかったし楽しかったので、まぁ、いいかな、と。


<オチなしでおしまい>


掲示板に戻る 最初- 前5 次5 前1 次1 最新5
NAME:MAIL:

read.cgi ver4.20 by GlobalNoteScript (2006/03/17)