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【18歳未満進入禁止】みんなで創る18禁小説Ragnarok ♀×♀ 第6巻【百合】
- 73 名前:lily love 投稿日:2009/01/27(火) 10:25:55 ID:f8uD9o0U
- それからぴーちゃんが出てきたのは1時間ぐらいしてからだった。
何かと時間のかかる女の子としてはそれぐらい普通といえば普通だけれど、
元からあまり必要としてないような彼女にしては珍しい。
羨ましい話だが、素地が素晴らしいせいであまり手の入れようが無いのだ。本人の自覚は無さそうだけれど。
そうそう、ぴーちゃんっていうのはわたくし内での彼女の愛称。
プロフェッサーらしくないところを簡潔に上手くそれでいてキュートに表現していると思うけどどうかしら?
ただのせーちゃんとは違うのだよせーちゃんとは。
「んー!さっぱりしたわ!ここの宿、湯加減だけは最高ねっ」
お風呂上りですっかり上気した頬が、さっきの更衣室の時の顔を私に思い出させ、ドキリとした。
そんな私のことには構いなく、椅子は私が既に座っているので、その傍のベッドに腰掛ける。
なんだかさっきの私の本への仕打ちをもう忘れたかのようなご機嫌ぶりに、ちょっとカチンときた。
「いつもよりなんだか長かったみたいですけど…もしかしてー、その、しちゃったですかあ?」
にひひとおじさん的な笑みを浮かべてみる。
恨みも溜まっていることだし、たまにはからかってやろう。
きっと、猛烈に否定したあげく、私に説教でも始めようとするに違いない。
どんなタイミングでするりと逃げてやろうかな?
「しちゃう・・・?何を?……うーん??」
その腹黒い思惑は、しかしすぐに回避されてしまった。
さっぱり見当が付かないといった表情のぴーちゃん。
やがては眉を寄せて人差し指をこめかみに当てて本気で考え始める始末。
ああもうっ。
こうなったら直球投げ込んでやる。
「あの、まさかですけど…。オナニー、知らないんです?」
ど真ん中ソウルストライク。
あまりに単純な私の問いかけぴーちゃん、目をぱちくりぱちくり――って?もしかして分かってない?
あらまあ。まさか、そのまさかの初耳だったとは…。
「えっ?知ってるわよ?もちろん!」
「………。」
あ、これって絶句っていうんだ。
今の話の流れで全く有りえない回答、大変ありがとうございました。
当の本人、さも当然。何故そんな当たり前のことを聞くの?――といった表情。
そ、そうよね、いくらそっちに疎そうに見えたって、それぐらい知ってるわよね。
ただ、お風呂→長すぎる→しちゃうと言って、それを連想しないほどそっち方面に疎かったというだけで…。
「確か正しくはこうだったわよね…」
え、正しく――って?
言葉の意味を測る間もなく、ぴーちゃんはとうとうと語り始めた…。
雄男兄(O Nan Ni)…。
古来よりアマツに伝わる、男子のみに許された神事を発祥とする格闘技。
その名前は、粉骨砕身も厭わぬ余りに猛々しいぶつかり合いに由来する。
ちなみに、現在における拳聖の温もりスキルは、この雄男兄を原型にするといわれる…。
「『緑と縁の地アマツ 民…書房刊』に記述が残されているわ。発刊元は傷付いていて判別できていないけど」
ズデデーン!
思わず椅子から転げ落ちそうになる…気がするぐらいにずっこけた。
いや実際は、ただただ呆気に取られているだけなのだけど。
しかしこの先輩ときたら、天然天然だとは思っていたけど。うーん、そうきたか。
「この構造を解明出来たら、これからの魔、もしくは神…との戦いにおいてきっと役に立つわね」
神妙な面持ちで話を続ける先輩。
こういうときにはぴーちゃんじゃなくて本当にプロフェッサーなのだなと改めて思う。
あくまでも学問に対する態度に限定されるけど。
「せーちゃん、一緒に研究する?温もりスキルはまだまだ謎が多いものね」
そんな世迷言ばかりの書籍の一説を信じて研究だなんて一体誰が…と思った矢先。閃いた!
ぼけぼけしているのに生意気にも教授たる地位を得ているこの友人をいじり倒してやる名案が。
早速からかいリベンジに移ります。
「こちらこそお願いしちゃっていいです?ちょっと一人じゃ挫折しそうだったところで…」
「あら、挫折なんて絶対にだめよ!最期までちゃーんとやり遂げないと研究者の名折れよ?」
しかも自ら伏線まで張ってくれるだなんて実にありがたい。
- 74 名前:lily love 投稿日:2009/01/27(火) 10:26:52 ID:f8uD9o0U
- 「まず私の見解から。知ってのとおりとは思いますけど共通確認として」
肉体を駆使するテコンキッドから分かれた拳聖・ソウルリンカーの最も大きな差異は何か。
一言で表すなら、「幽」と「霊」の違いと考えられる。
片や「幽」の世界に接続し、片や「霊」を憑依させ、力を操る。
と、これはお互いの共通見解なので一息に説明した。
その「幽」と「霊」を調べるにあたっての問題は…、
「問題は、テコンの修行を経ずに、この境地にどうやって辿り付くか、なんだけど」
先輩が割って入る。
もうっ。でしゃばりなんだから…。
まあ、彼女としてはその程度、聞くまでも無いんだろうけどね。
軽く折られた話の腰を持ち直し、考察を続ける。
「…コホン。そう、そのヒントは、テコンの属性とする「肉体」にあると思います」
一旦ここで言葉を止めて先輩の様子を伺う。
特に意見を挟んでくる様子も無く、理性の篭った目で続きを促してきた。
「肉体、それに宿る理性の殻を破った果てにある境地こそ、「幽」と「霊」の接続点」
理性は肉体について回る。
肉体の無いもの――例えば無形種族――に宿る理性は無い。
つまり、肉体の無いもの『幽・霊』にアクセスするには、理性を解き放つ必要がある。
テコンはその過酷な修行によってコントロールする術を会得し、次なるステップへと進むのだ。
「その方法が、肉体の鍛錬を通した極限への到達、というわけね」
私がそれに頷く。
さすが、専門以外のことでもよく知っている。
「でも私達にそれは出来ないわ。研究者であって求道者ではないのだもの」
想定内の答え。
そう、彼らにしか出来ないことが私達にも出来たら、職業なんて分ける必要は無いのだ。
「ええ、そうですね。でも…」
ここで少しもったいぶって、考える…演技をする。
せっかく一芝居うつのだから徹底的にやってやろう。
「でも、鍛錬とは違うもう一つの方法があって、それならその境地に辿り付けるかもしれない」
「だから、それが何なのか、と聞いてるの」
いくらか待たせた後の言葉には、先輩の期待する答えを全く含めなかった。
彼女は、こと学問については天然ぶりなど素振りも見せず実に厳格である。
そこに由来するプライドは自ずと高くなりがちなもの、
私が少し焦らすような回答をすると、期待通りに深く食いついてきた。
仕上げに、心底困り果てたと言わんばかりの表情と声音を作り、
「あとは仮説を実行するだけなんですけど…私一人じゃそれが難しくて。ハァ…」
ため息一閃。
とやれば、もはや彼女にこのトラップを回避する手段は無いわけで。
「ちょっとせーちゃん、もっと詳しく説明しなさい。私が一緒なんだもの、絶対解明するわよ!!」
ここに一匹の獲物が引っ掛かりました。
- 75 名前:lily love 投稿日:2009/01/27(火) 10:27:22 ID:f8uD9o0U
- さっき触れた雄男兄と対になると思われる伝説が発見されたのですけれど。
女尼慰(Onna ni i)
古来よりアマツに伝わる秘儀。
巫女がカミと交信する際、隔てた場所にて密かに執り行われたとされる。
巫女にカミが降りたためにその場所からは、巫女と、それと別のもう一つの声(カミ?)が聞こえたというが、
実際には近寄ることすら固く禁じられ、今となっては確認することができない…。
これは…明書房の本にあった記述です。多分同じ類だと思いますけど。
雄男兄と女尼慰、どちらも神事と深い関係にあることがわかりますね。
なるほどね。
この二つは、今に伝わる自慰、つまりオナニーの原型だったんじゃないかしら。
理性を解放する手段でもあったこの二つは、カミへの素朴な信仰が薄れるにつれ本来の目的を失ってしまって、
自己の性的欲求を自己のみによって晴らす今の形に至った、ということね。
それは正しいのですけれど、本質ではなく、一面に過ぎないと思います。
私が考えているのは、雄男兄と女尼慰は、元々一つのものだったということ。
敢えて分けて伝えることによって獣性を切り離し、神性を保とうとしたと考えられます。
つまり、古来における神性に触れるためには、その二つを合わせた行為を行う必要がある…。
二つを合わせた行為―って、もしかしてそれって…。
そう、そのとおりです先輩。
巫女が二人、密かな場所で体を合わせ、高みへと昇る…ってこと。
協力してくれますよね?って、答えはもう聞きましたね。じゃあそっちまで行きますね…。
え?
ええ!?ちょっと、せーちゃん??!!
また可愛らしく変化(へんげ)した先輩は、もはやただのぴーちゃんである。
私が椅子から離れ、歩み寄るにつれて大きくなるその戸惑う様は、実に愉快極まりない。
ベッドの傍まで寄ると緊張極まったのかピタリ固まってしまった。
いわばスネイクに睨まれたロッダフロッグといったところかしら?。
さてすっかり恐縮してしまった彼女の隣に座り、静かに手を重ねる…。
- 76 名前:lily love 投稿日:2009/01/27(火) 10:28:36 ID:f8uD9o0U
- 滑らかな肌に触れた瞬間ぴくりと震えても、はねのけず受け止めてくれたのはOKサイン。
ゆっくり、互いの吐息を感じるほどに顔を近づけて、視線の泳いだ瞳をじっと覗き込む。
戯れじゃない、本気なんだっていうアプローチ。や、ほんとは戯れなんだけど。
重ねた手の温もりと指先のほんの少しの冷たさとを混ぜあうように、握り、絡めていくと。
「あ、あの!」
不意に上がった声はうわずっていて、妖しい行為に待ったをかける。
急変した雰囲気を受け止めてもらうには少し落ち着いてもらったほうがいいかもしれない。
一旦動きを止めて言葉を待つ。
「でもあの、実際に試してみるにはまだ検証が足りないっていうか・・・!!」
…検証?一体何の?
今度はこちらが目をぱちくり。
実際に試すと自分で言ったわけだから、すること自体は理解しているはずだけれど。
検証―、実験―、あぁ、そういうことか。
「先輩。ちょっと言葉が足りないんじゃないです?そう、正確には…」
「儀式の再現をするために実際にオーガズムを迎える実験をするには、それをもたらす行為に対する検証が足りない」
「つまり。性的な快感を得られる部位を、実際にそのような段階に至るほど触れたことが無い…ってことですよね?」
言葉で小難しく誤魔化そうとしたぴーちゃんを、同じように言葉を使って追い詰めてやる。
そういうことには猛烈に初心なのだろう、既に赤くなっている頬にますます血が通う。
「意外です。女の子ならみんな知っていることなのに、ま・さ・か教授たる先輩が知らないなんて、ね?」
軽くプライドを刺激するとすぐムキになる彼女の悪い癖を、また利用させてもらうことにする。
顔と顔の距離は近いまま。あくまでもこの行為は続けるということを分かってもらう為のしるし。
「そ、それは当然、一人で触ってみたことぐらいあるわ。でもなんだかむずむずするだけで」
「ちょっと痛くなってきたし、こんなみじめで恥ずかしい行為なんてもう、それっきりだわ」
だから知らなくたって当然、と言わんばかりのちゃちな弁明。
本当のことなんだろうけれど、取って付けたような言い訳だってことは、泳いだ目を見れば分かる。
そもそも、これほど一生懸命に女らしく育った体を慰めてあげないだなんて、それこそ罪じゃないかしら。
「体で知ることだって、大事な知識じゃないです?先輩?」
「……」
尋ねても返事は無く、ふぃとそっぽを向いてしまった。
自慰行為を恥ずかしいものと避けてきたとはいえ、知るのを先送りにしてきた後ろめたさはあったのだろう。
これ以上苛めるのはかわいそうかな……?
いやいや。まだまだこれぐらいで長年の積もる恨みは晴れやしない。
「研究を手伝ってくれるお礼に、私も先輩のお手伝い、しますね」
絡めた手はそのままに、もう片方の5本の指先で、肩口から露わとなる柔肌を上へと伝う。
触れた一瞬だけびくりと震えた体はしかしすぐに畏まり、観念したように目が伏せられている。
そして口が少しだけ開いてなにやらぼそぼそと…。
「…きに…れば…ぃゎ―」
(好きにすればいいわ)
普通ならほとんど聞き取れないような力ない呟きは、
残念、全神経をぴーちゃんに集中している私には全て筒抜けでありました。
「それじゃお言葉に甘えて好きにしちゃいますからねー」
「―――っ!き、聞こえてたの!?」
投げやりな独り言は、自分を仕方なく納得させるための自己防衛手段として使われるが――、
これはもう完全に墓穴となってしまっている。
つまりは、私に何をされても文句は言わないと宣言したに等しい。
「これからすること全部受け止めてくださいね…」
- 77 名前:lily love 投稿日:2009/01/27(火) 10:29:59 ID:f8uD9o0U
- とは言っても、ぴーちゃんはかなりの奥手なので、少しずつ慣れていってもらうしかない。
されている本人としては、なされる事の全てが未知で恐いものなのだから。
まずはソフトにつ、つ、と腕を緩やかに登ってはふと折り返しをする――だけでぴくぴくと小刻みに揺れた。
――感度が良いならなおさら丁寧にしないといけない。
「綺麗なお肌で羨ましい…。何かいいもの使ってるんです?」
「べ、別に何も……っ」
「そーですかー。元々なんですねー。ちょっとずるいんじゃないですかあ」
やや丁寧にする気が失せた。
大胆に円を描くように、時に押し込んでは肉の感触を、時に引いては滑らかなその肌を、堪能する。
人に触ってもらえば腕だって意外と敏感になったりするもの。
不意の刺激で時折吸う息が止まったり、湿った吐息を漏らしたりしている……か、可愛いっ。
私は朱の差し始めたそのたおやかな腕を肌を掌と指とで存分に味わい、
彼女は初めて、他者の淫らな意志をその身で直に味わわされている。
なんとか堪えようとしているみたいだけれど… 無 駄 ね。
「みんなが知っていることを、まさかぴーちゃんだけが知らないままじゃないですよね??」
我慢するってことは、感じているってこと。
徐々にその肩を登る、肉体を興奮させようとするこのどうしようもなく性的な愛撫は、
それが誰にも触れさせたことの無い様々な箇所に近づかれる恐怖と、確信と、潜む好奇心を彼女に与えているはず。
今受けている感触が、避けようも無く全身を蝕むことになると気付かせながら、私はその過程をじっくり楽しむのだ。
肩の稜線をなぞるように狐の下に手を差し込み、細くか弱い首筋でつつぅ…とゆっくり5本の指を収束させると、
「………ぁっ」
絡めていた手がきゅ、と握られ、彼女はとうとう声を漏らした。
キッと刺激に耐えていた表情が切なく解かれた瞬間、なんていやらしい――と、思った。
きっと物凄いぞくぞくきちゃったんだろな。そう、私もすごいゾクゾクする。
もっともっと、してあげたい。
うなじ、みみたぶ、おとがい、ほっぺ、隈なく優しく執拗に、まだ、まだ、触るわ。
(それにしても、首が弱いから狐を巻いているからなのか、狐を巻いているから首が弱くなったのか、気になる所である)
「―――っ―――うぅんっ」
狐の毛皮の中で触手が蠢くやすぐさまさっきより大きな――それはもう嬌声とすらいえる――声が再び漏れた。
恥らってまた抑えようとしたって、一度穴の開いた盾はもうその役目を果たさない。
貫かれれば脆くなり、脆くなったそこから、更に容易く激しく貫かれる。
ほら、あえなく上がってしまう声の回数が増えてきて、艶は濃くなるばかり。
もう実験なんて建前を忘れてそのまま襲ってしまいそう……っ。
サキュバスの乗り移った魔手が、汚れなく豊かに育まれた胸へと矛先を変えたその時。
「――ひ、一人で検証するから、だ、大丈夫だから…っ」
まった2回目が入りました。
ちょっと焦りすぎたかしら――でも、頭では解っていても体が勝手に動いてしまうのを、どうやって止められようか?
深化する行為に慣れる間もなく次々と蹂躙されゆくぴーちゃんの、一度は受け入れた心と体は脆く、
私を押し退けようとするその力も声は、とても弱弱しくて…あぁ、いじめたくなる。
「それでも結局一人じゃ研究にならないですよ。だから今こうやって一緒に検証してるのに――私に恥かかせるんです?」
「そ……そゆ、わけじゃ、ないけど――っくぅ」
苦し紛れの逃げ口上だなんて、言えば言うほど自分を追い詰めちゃうのに。
あれこれとされすぎて、それも分からなくなるほど頭の回転が鈍っているってことね。
言いながらも決して手は止めず、鎖骨の薄く過敏な皮膚を伝いながら、丘をゆるゆると這い回り刺激を与え続ける。
腕や首ですら声を上げるほど悶えさせられたそれが今度は胸に与えられるという、いわばカウントダウンである。
「そもそも挫折は研究者の名折れって、さっき自分で言ってたじゃないですか」
「――そ、そうね。そうだったわ」
もうこれで確実に追い詰めたと確信した私は、絡めていた手を解いた。
これまでじっくり焦らして(私も焦れていて)下げたDEFに対して、2倍になったATKをお見舞いである。
「ほんとぴーちゃんは忘れやすいんだから……」
「そ、そんなこと無――っっっ!」
背後から両手を回し、量感溢れる二つの乳房を覆うように包みながら、その頂上を指の腹でさすり始める。
柔らかな肉をくるんだ服の内側でひっそりと、僅かに身を固くしてしまっていた恐がりなそれは、
見つかり触れられた刺激に敏感に反応したらしく、隠れていた布を押し上げみるみると固くせり出す。
あまりに臆病なこの子達、ねちねち絡んでやればそれだけでますます強張ってしまうだろう。
「んぅっ――ぁっ、あるかも、しれない、わね」
…ん?
シナリオどおりに進んでいたはずの展開としては、想定外の言葉が飛び出した。
興味を惹かれ思わず手を止め、言葉の続きを待つ。
「はぁっ…上手く出来なかったからといって、恥ずかしい行為として見ないことにして、忘れたってことは、
今思えば挫折だったのかも――ううん、挫折、ね」
呼吸の整わないままでも喋ろうとする――意志。
「で、でも、途中で挫折しちゃうのは良くない・・・わよ、ね?」
一息ついて――
「私も、貴女も」
――あぁ、なんということか。
ぴーちゃんは、ただ堕とそうとしていた私と違って――研究に困るという私のことも、考えていてくれた。
一緒に腰掛けていたベッドにぽふと横たわると、私に対して自分を守るようにそっぽを向いていた脚を、おもむろに……。
「私はどうすれば分からないから……せーちゃんの好きにして―――ください」
私の目に入ってきたのは、魅惑的な太もものその間、淫靡なそこを一枚はらりと覆う前掛けと、
その格好は猛烈に恥ずかしいに違いない――儚く目を伏せ図らず艶美に昇華した吐息の、ぴーちゃん。
彼女は、私に教えてもらう立場だってことを、言葉と体とで示してくれたのだ。
こんなに理不尽な目に遭っているのに(私のせいだが)、健気で律儀で…。
そんな娘を、私は、どのようにして啼かせてやっても、いい――。
そう 理解するや 私は 頭に 血が 昇っ――――
- 78 名前:lily love 投稿日:2009/01/27(火) 10:34:34 ID:f8uD9o0U
- 覚醒すると、目を閉じ眠っているぴーちゃんの顔が視界の全てだった。
同時、寝床とは異なる触感と温かさが直接全身に密着していることに気付く。
布団に包まれてベッドに二人、寄り添ってお互いをかき抱き、足を絡め合って……。
目の前の彼女の柔らかな寝息が胸元に当たっていることに気付くと、
この状況に至るまでに長々と交わしていた淫靡な行為の記憶が蘇るのと相まって、
卒倒するかと思うぐらい再び血流が上昇してしまう。
落ち着け、落ち着けっ。
そして事の顛末を思い出した――。
彼女を起こさないように裸で深く抱き合ったその姿勢を維持しながらそれを想起するのは、かなりの精神的苦行であった。
もしかしたら私は悟りを開けるかもしれない。
つまりはえーと……そう、二人で研究したのであって、それで何が得られたかってことよね。
からかう――結果的には襲ってしまったが――建前を立ててしまった以上、
ちゃんとその答えを用意しておかなければならない。
体を合わせて二人、心も通じ合った先に見えたそれはきっと…。
胸の奥に芽生えている暖かさを噛みしめる。
ありふれているからこそ、そこに真理があるのかもしれないわね。
これから二人で一歩ずつおそるおそる確認しながら進んでいこう…。
そこで思考を止め、目の前の大事なものをきゅっと抱き締めると、反応するように小さな唇はごく小さくつぶやく。
私は全神経を彼女に集中しているので当然その言葉を聴き取ることが出来る。
「せ…ちゃん……す…」
き。
- 79 名前:3スレの42 投稿日:2009/01/27(火) 10:41:34 ID:f8uD9o0U
- ありがとうございました。
妄想を提供してくださった絵師様、百合の良さを教えてくださった文神様、
そして読んで頂いた皆様に感謝申し上げます。
寸止めなところは差分対応したいなーと思ってます。
あ、セージ娘の外見については想像にお任せします(><
- 80 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/01/27(火) 21:05:46 ID:Y8liCuj6
- 女尼慰に飲んでた物吹いたw
エロシーンの書き方と持って行き方センスありますね
自分で書こうとしても(煩悩が先走って)こんな風に書けないので参考にします
- 81 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/01/27(火) 21:19:07 ID:Cw.O8rlU
- 最後まで一気に読ませていただきました
丁寧な描写に読んでるこちらがどきどきしっぱなしでしたとも!
差分は期待してお待ちしておりますw
- 82 名前:3-42(3スレの42 投稿日:2009/01/30(金) 23:41:17 ID:m6DrCvM.
- >>80
煩悩を描こうとするあまり、どこかおろそかになっちゃいますよね。
今回は表現をここまでと決めていたのでその分細かく出来ましたけど、差分ではどうなるやら。
女尼慰付近で楽しんでいただけたなら筆者冥利に尽きます!
>>81
長々と馬鹿話の続いた上に肝心の所は18禁じゃないSSを読了してくださりまして有難いと共に申し訳無いorz
期待に沿えるよう差分は頑張ってみます。
差分といいつつも全部書き下ろすのでもうしばらくお待ちくださいませorz
- 83 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/10(火) 21:17:29 ID:qceUL5wM
- 好みの文体だなーと思って3スレを見返してみると…
あのケミ・ハイプリ姉妹の作者様でしたか!
公開当時に楽しく読ませていただいたのを、今でも覚えています。
前作も今作も、内心の描写が非常に細かいのが個人的に萌えポイントですw
差分も期待しておりますー
- 84 名前:3-42&; 投稿日:2009/02/28(土) 22:36:23 ID:ap6TEtfo
- 2月中に投下する予定でしたが…。
お話を考えている間に自分でも教授娘が欲しくなってついセージを作っ…ごほごほ。
そんなこんなしている内に想像も広がり、ちょっとした差分で収まりきらなくなりました。
いつ出来上がるかはわかりませんが、必ず完成させます。
>>83
1行1行がなんとも嬉しいお言葉(><
がんばりますっ!
- 85 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/15(水) 07:18:57 ID:XEMl4xF.
- ageときますね
- 86 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/05/24(日) 21:11:44 ID:DJEeeBVY
- 誰も居ないな
- 87 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/05/29(金) 21:32:02 ID:BZX9Kthk
- RO自体が過疎ってますからなぁ・・・
- 88 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/01(月) 13:49:14 ID:y5SXhh1Y
- 書いてみたいが、気恥ずかしい。
- 89 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/01(月) 22:02:00 ID:kZwm6Dh2
- よし書いてみよう。皆応援を頼む。
- 90 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/01(月) 22:35:05 ID:t8ASLTRA
- がんばれ!がんばれ!
- 91 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/02(火) 00:15:58 ID:xiOU7jmY
- アサシンXアサクロ予定だけど、なんか希望ある?
てか結構難しいね。つまんなくても怒らないでくれよ。言い訳すると初めてなんだ。
- 92 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/02(火) 00:28:36 ID:VFuik.9.
- 希望…そのカップリングなら、アサシン攻めがいいな、ってその表記だともうそうなのかな
後は…無邪気に先輩に甘える感じに見せかけて色々触りまくって、気がついた時には押し倒されてた、とか…ごめん、妄想が長すぎた
- 93 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/04(木) 01:12:32 ID:ysg8yW82
- アサシンが冒険者として認知されるようになってから随分経つ。
暗殺者、盗賊と陰口を叩かれていたアサシンも、今は欠くべからざる冒険者の一翼として世間にその名を連ねていた。単独行動に秀でたアサシンは斥候として、またその名の通りの暗殺者として極めて優秀だったのである。嘗て人間相手に振るわれた恐るべき凶刃は、モンスターを相手にしても鈍ることはなく易々と敵を貫き、世界の平和に貢献してきていた。影の存在だった過去は遠くへ消え去り、今や市井にもアサシンが、そしてアサシンを目指す人間は大勢いる。彼ら、そして彼女らは非合法の存在であることをやめたのだ。
一部の例外を除いては。
闇夜に閃光が乱舞する。目で追うことができる限界の速度で動く二つの閃光は跳び、奔り、消え、そして現れてを繰り返しながら衝突を繰り返す。衝突の度にきん、という金属がぶつかる硬い音が響き、また閃光は互いに離れる。
「C隊、前へ」
閃光、否、閃光にも似た速度で疾走し、もう片方の閃光に対してカタールを振るうアサシンは歯噛みしながら部下に指示を出した。
「噂以上の腕前だ。だが頭は悪い。包囲できるぞ」
それを受けて闇夜に新たなアサシンが現れ、音もなく四方に散る。開けた場所に『彼女』を誘導し、一斉に包囲して捕らえるか、殺すか。今のところ全ては上手く行っている。だというのに追い詰める側の彼は苛立っていた。
(完全に遊ばれている)
実のところ衝突の瞬間、本来ならば彼はもう何度殺されたかわからない。彼とて熟練のアサシン、レベルは90を超えている。だというのに彼は完全に圧倒されていた。凌ぐのがやっとというレベルではない。虚を衝かれて首にカタールを当てられた。体勢を崩した瞬間に心臓の位置に刃先を突きつけられた。何気なく差し出された脚に引っかかって転びそうになった。そして、その全てが寸止めで終わった。ゆえに彼はまだ生きている。
『くすくす、くすくす』
衝突、轟音。同時に聞こえてくる甘い声。酒場で聞けばさぞ魅惑的だったろう。だがこの場では彼の怒りを掻き立てるものでしかない。いつの間にか背後に回っていた敵は、驚いて振り向いた彼に向かって投げキスをしてみせた。艶やかな朱に、思わずどきりとする。
「……っ! 各隊配置についたな!?」
振り払うように怒鳴る。ついに噴水広場に追い詰めた。優秀な部下たちは四方についているはず。後は一斉にかかるだけだ。
「よし、かか……っ!?」
号令をかけようとした瞬間、眩い光が辺りを覆いつくした。闇から光への急速な転換に目がついていかず、号令が中断される。部下たちの気配を探れば、こちらもかなり混乱していた。
「落ち着け! 奴の手に乗るな! 冷静になればすぐに目は慣れる、なんとしても奴を……」
「いっつ、しょーたいむ☆」
余りにも場違いな声と共に、更なる光が溢れる。プロンテラの市壁から、民家、街灯に至るまでの照明が一斉に点灯し、真夜中のプロンテラに時ならぬ明るさを出現させた。そしてその中心、一際明るい光の舞う噴水広場に、ソレはいた。
大胆にV字にカットされた衣装からのぞく肉感的な肢体、すらりと伸びた手足、豊かな胸を強調するような衣装。金色に輝く長い髪に白い肌。そしてそれらとは余りにも不釣合いな、カタール。影の世界に身をおくべきものながら艶やかなその身体は今、総身に光を浴び、無邪気に微笑んで、馬鹿なことを言っていた。
「怪盗アサシン、ファル参上っ☆ミ」
アサシンクロスの教育
ぼろぞうきん。
プロンテラの王城を守護するアサシンたちは今、そんな呼び名で呼ばれていた。それもそのはず、彼らのうちでまともに歩けるものは一人としておらず、全員が包帯塗れのミイラ男と化して詰め所でうんうんと唸っているのだから。
いや、ぼろぞうきんと呼ばれるのはそのためだけではない。寧ろ理由としてはこちらのほうが大きかった。即ち彼らは任務に完全に失敗したのだ。
「くそっ! くそっ! くそっ! くそっ!」
だんだんとテーブルを叩き、悔しさの余りに包帯の下の顔を真っ赤にしているのはどこからどうみてもピラミッドダンジョンのマミー、ではなく、王城を護衛するアサシンたちを束ねる隊長、だったノービスである。彼は非常にわかりやすい形で責任を取らされていた。即ち彼の視線の先、窓から見えるプロンテラ王城にでかでかとされた落書きの主のために。
『王家の宝物、頂戴しました』
出てくる世界を間違えたのではないかと思うほどに場違いな内容の落書きは、どうやって描いたのかプロンテラ王城の正面に見事な色使いで描かれ、朝日に燦然と輝いている。それは彼らの敗北の証であった。盗まれた宝物は『怪盗アサシン』の興味を引かなかったらしく、バラバラに寸断された挙句に市内中にばら撒かれており、お陰でやんごとなき方々の同人誌の趣味が市井に知れ渡り、王家の威信は大いに衰えた。
「な、何が怪盗アサシンだっ! お陰で俺たちアサシンのイメージはがた落ちだ!」
「きみはもうノービスでしょ?」
横から無遠慮に心臓を抉った言葉に、包帯塗れのノービスは身悶えして苦しんだ。
「予告状まで貰って、名誉挽回のために水も漏らさぬ警備をしておいて、城の一番深いところまで侵入された挙句、仕掛けた罠は全部解除され、挙句に街中が注目する中で大立ち回りを演じた結果がこれじゃ、確かに無能のそしりは免れないと思うよ。ぼくも」
「セリアか……何しにここにきた」
現れたのはやはりアサシン。しかし女だ。昨日街中を荒らしまわったアサシンクロス程ではないが、その衣装はかなり際どい。動きやすいよう肌に密着したスーツは妖艶さを強調し、むき出しの腿は目を惹きつける。流れるような銀髪から覗く瞳はガーネットのようだ。
「きみたちを笑いに。でもこれは笑い事じゃないねぇ」
軽蔑と憐憫の入り混じった視線を周囲で唸る元アサシン達に向けると、セリアはテーブルに投げ出されたMNNを手に取った。そこには得意げにカメラに向かってVサインをするファルが大見出しで載っていた。
「天才アサシンクロス・ファルね」
天才。
今や怪盗アサシンを称するファルはそう呼ばれている。シーフの頃から有名だった。1を聞いて10を知るどころの騒ぎではない。何も学んでいないのに、彼女はおよそ必要なことはなんでもできた。彼女はレベル1の頃から恐るべき才能を発揮する天才の中の天才だった。
天才は学ぶことが少ない。早くに頂点まで上り詰めたファルはあっという間に退屈した。彼女とて一人の人間である以上、冷静に見ればその力など高が知れたもののはずだが、苦労知らずで頂上まで駆け上がったファルは慢心した。たちの悪いことに、それを矯正できる人間もいなかった。
結果、これである。有り余る才能を普通に使うことに嫌気がさしたファルは、己の才能で世界をからかうだけからかってやろうと考えた。わざと際どい衣装に身を包み、衆目が監視する中、堂々と下らないものを盗み、捨て、立ちふさがる物はその必要がなくとも当たって倒す。こうして今まで数多の権威ある存在が彼女一人のために大きくその威信を喪失していた。
「でも、そろそろお仕置きが必要だね」
高く飛びすぎた存在は、太陽によって羽をもぎ取られる。それをそろそろ誰かが教えてあげなければ、とセリアは呟く。
「できるのか、平凡なアサシンのお前に。奴は本物の天才だぞ。50人以上いたアサシンが3分で全滅したのだ」
「なんというピクミン。流石に呆れざるを得ないよ、それは」
周囲の元アサシン達は更にうんうんと唸った。
「ま、見ててよ。ぼくに秘策ありだよ。それに……」
写真(スクリーンショット)に写る『天才アサシン』の姿に、セリアはぽう、と頬を染め、唇を舐める。その仕草は酷く妖しかった。
(この子、とても好みだよ)
- 94 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/04(木) 01:21:24 ID:ysg8yW82
- うおう、読みづらい……改行すべきだったか。ワードで書いてるもんで気付かなかった。
まだ完成してないけど、これがOP。この後エロい方に展開しますので、よければお付き合いの程お願いします。
- 95 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/04(木) 07:59:05 ID:lWLudGOQ
- わっふるわっふる
- 96 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/05(金) 01:53:16 ID:/rXJNrfc
- 「あーあ、退屈退屈―」
隠れ家で一人、くだんの天才アサシンことファルは一人腐っていた。
ベッドで寝そべる彼女の周囲にはうず高く積まれたがらくたの山。
中には黄金の宝杖や銀の短剣など、がらくたとは言えないものも混じっていたが、
いずれもがらくた類と一緒くたに扱われてしまっては宝物としての威厳も失せてしまう他なかった。
「ダンジョンもボスも怪盗ごっこもつまんなーい」
がらくたは彼女の戦果だ。モンスターから、或いは遺跡から、
或いは人から正々堂々と奪い取ったり盗み出したりしたものである。
中には冒険者達が血眼で捜し求めるようなものもあるし、
国家機関までもが必死で追い求めるものとてあるが、
彼女の前には一律全てがらくたである。どれほど価値があろうと、
手を伸ばせばすぐに手に入るようなものに価値など感じられない。と彼女は常々ぼやいている。
(世界は酷く甘くて狭くて、『怪盗ごっこ』なんて馬鹿げたことをして舐めてみても通る。
でもわたしの心は満たされないまま……)
MNNに目を通す。華麗に夜を舞う自分の姿に多くの人たちが幻惑されていた。
子供っぽすぎるやり方で世間をからかってみれば面白いかもと思って始めた『怪盗アサシン』だが、
実際にやっていることはいつもと大して変わらない上、楽しむのは寧ろ世間であって自分ではなかった。
(つまんない。怪盗も廃業しようかな)
何でもいい。自分の心を誰か、震えさせて。ファルは大の字になって寝そべりながら、そんなことを考えた。
(産まれたときからずっと、なんの失敗もしないって、実は不幸かも……)
贅沢な悩みなのは知っている。しかしこのまま何の感動も喜びもなく人生を終えるのかと思うと、
酷く面倒になる。ここが人生の頂点だというなら、誰かに代わってあげたかった。
「あーもう、誰かわたしを満足させてよーっ!」
「いいよ? 代償は案外高くつくかも、だけどね?」
突如として響いた声に対するファルの反応は早かった。必要なことしかしなかったのだ。
風を切り裂いて4本のナイフが真っ直ぐ何もない壁に向かう。
壁に赤錆が目立つ刃が立つか、と思われた瞬間、壁が突如として膨らんで一枚の布に変化し、そのままナイフを振り払う。
「あぶなっ、ベノムナイフじゃないか。かすり傷でもすぐに膿んじゃう特別製。そんなの常備してるの?」
壁に化けた布の後ろから現れたのはアサシン。セリアである。
喋りつつも彼女はカタールを構え、ファルに相対する。瞬時の油断も許されない。ファルは既に戦闘態勢で突っ込んできているのだ。
ぎん、と金属音、カタール同士がぶつかり合う。
狭い室内ゆえにアサシンらしい機動性を活かした戦いは望むべくもなく、
そのまま鍔迫り合いになる。ぎぎぎ、と金属が擦れる音が響くことしばし、
セリアは脂汗を早くも浮かべていた。
(冗談じゃない。なんて馬鹿力)
完全に不意をついたにも関わらずノータイムでこちらの位置を見極め、
ナイフを放つ眼力といい、それを牽制に突っ込んできて逃げる余地をなくす判断力といい、規格外だ。
その上この馬鹿力はなるほど、天才と称されるのも頷ける。
対照的にファルは汗ひとつ掻いていない。
体勢を崩そうとするセリアのありとあらゆる企みを巧みに力加減することで挫折させ、
ますます追い込むだけである。
「確かに強いけど、それほどじゃ、ない」
ぎりぎりと押さえ込みながら、ファルが言う。
「穏形もすぐに見破れた。わたしに匹敵するほどのアサシンじゃないのに……
なんであの瞬間まで気づかなかったの?」
「さあ、なんでだろうね?」
その間にも攻防は続けられる。しかし優劣は今や明らかだ。
ファルが上から押し倒すようにしているのに対し、
セリアは両手を交差させてやっと支えているだけである。
「不意をつけばいけるかと思ったけど……! これは、奥の手を使わざるを得ないかな……?」
「そんな暇ないわ」
「どうかな? 甘く見ていると足元をすくわれるよ」
ファルがまさにセリアを床に叩きつけようとした瞬間。
「……え?」
セリアの姿が掻き消えた。支えを失ったファルは逆に床に激しく叩きつけられる。
「っ……!? テレポート!? 室内なのに!」
この相手は何かおかしい、とファルは考えた。最初に気付かなかったのもそうだし、
今のテレポートもかなり無理がある。魔力の高まりすら感じなかったのだ。
一旦引くべきだろうか、とも考えるがプライドがそれを邪魔する。
それに、誰にも知られていないはずの隠れ家にすら潜入されていたのだから、逃げても無駄とも思える。
(ここで決着をつけるしか)
カタールを構えなおし、気配を探ろうとした、その時。
「……っ!? 身体が、動かない!?」
いつもなら羽のように動く手足が、突然鉛よりも重くファルをその場に縫いとめた。
「ふう、あのままやられちゃうかと思ったけど、間一髪だったかな」
「こ、このっ」
全力を込めるが、手足はぴくりとも動かない。
カタールを構え、今正に突進しようとする構えのまま、ファルは動きを封じられた。
目を凝らしてみれば、手足には細い銀糸が巻き付いており、ぴんと張った糸のその先にはセリアがいた。
「マリオネットコントロール!? 違う……こんな魔法聞いたこと……」
「すぐにわかるよ、ほらっ」
セリアが指を軽く曲げると、ファルの右腕が主の意思によらずに動き、
カタールを取り落とす。更に指が曲がり、左手からもカタールが落とされた。
「よっ……と」
そのまま指を動かし、糸を操る。ファルは操り人形のようにその場で踊った。
「な、なにこれっ! や、やめなさい!」
「止めたらぼくの立場も命も危ないし、もう観念してもらうしかないかな」
ファルが動かせるのは僅かに首から上だけだ。ひょっとしたら心臓だって止められるのではないだろうか。
そう思うと恐怖がこみ上げてくる。
(こんなことって……なんでアサシンがこんなの……まさか)
身動きが取れないだけでなく、思うが侭に操られる。その瞬間、ファルは自分が何をされたのか理解した。
「アカウントハッキング……」
「ご名答」
ファルは戦慄した。アカウントハッキングは重犯罪という言葉すら生ぬるい、
最悪の犯罪だ。これに比べればファルのしたことなど児戯に等しいだろう。
だがそれだけに効果は恐ろく強力だ。当人や周囲が何をしようと、身体の自由が完全に奪われ、
場合によっては思考すらも奪われる。事実上かかった時点で終わりの、最悪の業なのだ。
「くっ、何よ。アンタのほうがよっぽど犯罪者じゃないっ」
「きみを捕らえようと言うんだから、これぐらいの用心は許して欲しいかな。
もっとも、少しヒヤリとさせられたからね、お礼はさせてもらうよ」
お礼という言葉と共にセリアは唇の端を吊り上げる。
指が軽く動くとファルの右腕が動き、左腕が下がる。
「な、や、やめなさい! 後で酷いわよ!」
「その格好で言われても、説得力ないよ? ほら、ぼくを楽しませて」
- 97 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/05(金) 01:53:52 ID:/rXJNrfc
- 右手の親指と一指し指が胸に迫り、衣装の上から乳首を摘み上げる。
左手は大胆に食い込んだ秘所へと伸び、軽くそこを擦りあげた。
予想外の行動にファルは目を白黒させたがそれもつかの間、
乳首に激しい痛みが走ったのだ。
「あぐっ、くうっ!」
「あら、力加減間違えちゃったかな、ごめんね」
謝りつつもセリアは指を止めない。いや、そもそも本気で謝ってなどいない。
彼女は目の前で悲鳴をあげながら自慰をさせられているファルをうっとりと眺めながら、
艶然と微笑み、両手を動かすのを止めない。
「な……っ! なんで、こんなっ! へ、変態っ! すぐにやめなさ……あぅっ!」
何を言っても指は止まらない。今や掌全体で衣装から半ば溢れる豊かな胸を愛撫し、
乳首を摘んで擦り、股間を幾度も幾度も擦り上げる。
銀糸に囚われた天才アサシンは自らを陥れた敵の目の前で自慰を続けた。
全身をくねらせ、露出した肌を真っ赤に染めながら悲鳴をあげ、
自慰を続ける彼女の姿は、とてもいやらしく、美しかった。
「あははっ、かーわいい。それにとっても綺麗だよ」
「う、うるさいっ、止めなさいよ、このっ……変態っ!」
言葉で微かな抵抗を繰り返すファル。だがセリアは一向にこたえた様子はない。
そもそもその気になれば口を閉ざす事だってできるだろうにそうしないのは、
悲鳴や苦し紛れの悪口も楽しみの一つと考えているからだろう。
それを知っていてもファルには他に打つ手がなく、経験したことのない屈辱に彼女は震えるのだった。
「少し飾りも追加してあげる。胸を出して」
「やっ、やめてっ! お願い」
哀願こそセリアが最も聞きたいものだと知っていても、ファルは哀願せずにはいられなかった。だが、
「だーめ♪」
セリアがそれを聞くはずもなかった。指が翻り、ファルは密着したスーツの胸部分をずらし、
豊かな両胸を露にする。恥ずかしさの余りに顔が真っ赤になり、このまま死んでしまいたいとすら思ったが、
相手に身体を操られている身ではそれも叶わなかった。
「綺麗な胸だね。ふふっ」
「うるさいっ、見るなばかぁ」
セリアはそのまま暫く動きを止めさせ、じろじろとファルを観察する。
視線で犯されるようないやらしい目にファルは更に屈辱を覚えた。
本来なら負けるはずがない格下の相手というのも最悪だった。
「それじゃ、もっと綺麗にしてあげるね」
セリアが腕を大きく振ると、新たな銀糸がファルに襲い掛かる。
命を持った蛇の如く襲い掛かる二本の糸は二本ともファルの両乳首に巻きつき、強く締め上げた。
「あぐっ! き、きついぃっ」
「そのうちよくなるよ。ぼくも手伝ってあげる」
セリアの指が複雑に舞い、そのたびにマリオネットとなったファルが悶える。
両乳首はぴんと張った銀糸によって締め付けられた上引っ張られ、
片方の胸は執拗に自分の手によって責められる。
そして秘所を擦る指の動きはさらに激しさを増し、指が熱を持つほどだ。
ファルの吐息はいつしか荒くなり、声にも甘いものが混じり出した。
「やっ、こんな、ことでっ……あっ、やぁぁ……」
指が擦るのを止めて軽く敏感なところをスーツ越しに突いた時、ファルは意識を手放した。
「あはは、イっちゃったかな。次はもっと可愛がってあげる」
だらん、と力なく立ち尽くすファルの前で、セリアはウィンクをした。
「ぼくのおもちゃさん」
ファルは彼女の操り人形になったのだ。
- 98 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/05(金) 01:54:55 ID:/rXJNrfc
- 以上。
不評ならこの場で打ち切りますが、
好評ならこの後アサシンさんがアサクロさんを自宅にお持ち帰りします。
- 99 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/05(金) 14:05:51 ID:oQI0VSDo
- お疲れ様ー
もっと書いてくれるともっともっと嬉しいぞ!
- 100 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/05(金) 20:02:57 ID:wwjZbZoo
- 読ませていただきましたー
お持ち帰り!是非お持ち帰りを・・・!(*´Д`)ハァハァ
心待ちにしておりまーす
- 101 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/06(土) 00:33:51 ID:TlErA.Rs
- ぴちゃん、という水音でファルは目を覚ました。
気がつけば薄暗い部屋に連れ込まれている。身体を縛る糸は既に外されているようだが。
「くっ……やっぱり、動けない……」
ぐい、と手足に拘束感。ファルは敗れた時のまま、
両胸をむき出しにした状態で大の字に括られていた。
縄抜けしようにも相手もアサシン、そこは心得ているらしくどうやっても外せそうにない。
「でも、ここを抜け出せれば……次は負けないんだから」
銀糸は奇襲だったからこそかかったものの、二度は通用しない。
上手くここを脱出できれば、相手にこれ以上の隠しだまがなければ勝つ自信はあった。
なんとかして隙をうかがわなくては、とファルは己に言い聞かせる。
「おや、お目覚めかな。お姫様」
がちゃり、と耳障りな音を立てて扉が開くと、
嘲弄するような言葉と共にセリアが入ってきた。
ファルを見つめるセリアの目は相変わらず熱っぽく、ひどく艶かしい。
「な、なによ、お姫様って。馬鹿にしてるの?」
「囚われの姫君、っていうシチュエーション、知らないかな? ぼくは好きだけど」
言いながらセリアはファルにゆっくりと近づく。ファルは思わず身を縮めた。
「悪者に囚われたお姫様が、危機に陥っちゃうっていうの。ほら、この部屋なんかそれっぽいでしょ?」
暗さに目が慣れてくるにつれ、周囲の景色がわかるようになる。
ファルが寝かされているのはX字をした歪なベッド、
壁に立てかけてあるのは鉄の輪と鞭、視界の端には木馬らしきものも見えた。
拷問部屋。自然とそんな言葉が浮かび、ファルは震え上がる。
「大体は悪者に何かされる前に正義のヒーローが助けにくるんだけど……ここには来ないよ?」
「いやっ、やめっ、やめっ……はぅ……っ」
悲鳴の後半はファルが自分でも驚くほどの甘い声になった。
セリアがお腹から胸までをそっと撫でたのだ。
「いい声……ゾクゾクしちゃうね。それに可愛い顔、キスしちゃおうかな?」
褒めつつ無理矢理唇を奪う。パニックに陥っていたファルは反撃できない。
濡れた唇が重ねられ、同時に胸を優しく撫でられる。
噛み付いてやる、と思ったのも束の間、柔らかな唇の感触と、柔肌を撫でる冷たい手に思考が蕩ける。
そこへ秘所への緩い刺激が混ざれば、ファルの身体は思考のコントロールを離れ、ただ甘い唇に身を任せた。
「あ……くぅ……や、やめ……はぅ」
「ふふ、説得力ないね」
「うぅ……」
頬を朱に染め、セリアの唇を物欲しげに見るファル。理性は残っている。
だが、目の前の唇はとても魅惑的に映った。
「ふふ、仕方ないよね。きみは拘束されてて身動きとれないんだし、
こんなことされたらおかしくなっちゃうのも仕方ないよ」
言いつつ、またキス。遠めには人工呼吸を施しているようだが、
実際にはキスは熱っぽく、そして長く。
セリアの両手は触れるか触れないかの境目でファルの胸や腹や腿を愛撫しており、
指先が掠る度にファルは甘い声を室内に響かせるのだった。
(ん……、だめ、流されちゃ……でも、動けないんだから……今は身を任せて、後で隙を……)
自分では冷静なつもりのファルは心理的な陥穽に嵌っている。
セリアが用意した『動けないのだからしょうがない』という落とし穴に逃げ込み、
今の状況を拒絶するのではなく受け入れてしまったのだ。
その結果は自らの身体にすぐに跳ね返り、
触れるか触れないかの微妙な愛撫に全身は火照り、
強制的に行わされた自慰と違って、
二人きりの密室で甘い言葉を交えてなされる行為に不覚にも心はときめき、
縛られたまま行われる同性どうしのキスという倒錯的な行為にファルは耽っていくのだった。
- 102 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/06(土) 00:36:06 ID:TlErA.Rs
- どれだけキスが続いたろう。1分かもしれないし、1時間かもしれない。
思考能力の低下したファルにはとても短く、だが長く感じた。
セリアは口内にまで舌を送り込み、舌と舌を重ねあい、唾液を送り込んだ。
その間にも微妙な力加減の愛撫は続いており、
全身を性感帯のように仕立て上げられたファルには、
僅かな動きで生じる衣ずれでさえ身体を切なくさせるほどたまらなく、
キスの切れ間には熱い吐息と共に聞くものを蕩かすような喘ぎ声をあげた。
「ふふ、えっちな顔」
キスが終わる。ぼう……とした表情のままファルは2人の唇からかかる銀の橋を見つめ続けていた。
「こっちの味見も、しちゃおうかな?」
きゅう、と強く秘所が締め付けられる。セリアがスーツを思い切り引っ張ったのだ。
ただでさえ強い食い込みが激しくなり、ファルは意識を手放しそうになる。
「ね、していい?」
しようと思えばすぐできるだろうに、セリアはわざとファルの耳元でそう囁く。
手はそのままぐいぐいとスーツを食い込ませて刺激し続けていた。
セリアの指が上下に動くたびに甘い声が部屋に響き、
やがてクチュクチュという水音がするようになる。
ファルの理性は欠けていくパズルのように崩壊していった。
「あぐ、うぅ……やめてぇ……」
『やめて』が言えたのは奇跡に近かった。言葉とは裏腹に身体は新たな刺激を求め、
縛られたまま艶かしく動き、食い込むスーツには大きな染みが広がっている。
全身に汗が輝き、光を反射してきらきらと輝くその様は美しかった。
「あはっ、意思が強いんだね」
ささやかな抵抗は、しかしセリアにとっては嗜虐心を満足させる材料に過ぎない。
「じゃあ、強情な子にはご褒美あげちゃおうかな」
セリアは近くの引き出しから羽箒を取り出すと、
身を捩って身体中を走りぬける快楽と戦うファルの乳首に近づけ、そっと撫でる。
「ひんッ!?」
たちまち電流のような感覚がファルを駆け抜けた。
「くすくす、汗いっぱいかいちゃったからね、吸い取ってあげる」
胸先をくすぐる羽箒。胸だけではない、腕、首、腋、腿に至るまでセリアは羽先で時に一度だけ優しく、
時に丹念に何度も、時には羽全体で撫で上げる。優しくも激しい刺激にファルは甲高い悲鳴をあげた。
「なんか、身体から出る液は今、全部出てたりして?」
そんなことを言いながら、セリアはファルの身体に口付け、流れる汗を丹念に舌で舐め取る。
羞恥と柔らかな舌が肌をすべる感触、
そして同性が自分の身体を舐めて汗を飲んでいるという倒錯的な興奮にファルの理性は完全に崩壊した。
「舐めてっ、お願い、舐めてくださいっ!」
「ふふ、よくできました」
そう言うとセリアはX字のベッドに拘束されたファルの両脚の間に身体を入れ、
限界まで食い込んで肌と殆ど一体化したそこをまじまじと見つめた。
「あは、凄いことになってる。楽しんでくれたみたいで嬉しいな」
ファルにはまともな返答ができない。ただ喘ぐだけだ。代わりに、
欲しいと身体が泣き叫んでいる。
「いいよ、キスしたげる」
セリアがキスをする。その光景は倒錯的ながら美しかった。
「あぁーっ!」
セリアが唇で浮き出たクリを刺激する。そのまま舌でスーツ越しに舐めあげられると、ファルは気が狂うほどに悶えた。
「きみの、美味しいよ」
自らの行為にセリアもまた昂ぶる。ぽたぽたと地面にファルの液が落下し、狭い室内に淫臭が立ち込める。
ファルが身を捩るたびに汗が飛び散り、セリアが舐めるたびに愛液が落ちた。
「このまま放置するのも楽しそうだけど、可哀相だし、してあげるね」
唾液と愛液と汗と、或いは小便まで混ざっているかもしれないファルの股間を何度も何度も舐めながら、
セリアは楽しげに囁く。そして。
「んぅぅぅぅっ!」
部屋中に高い声を響かせながら、ファルは激しく達した。
「くすくす、いっちゃったかな?」
ファルの体液に塗れたセリアは妖艶に微笑む。ファルは答えることができない。
疲労と快感で意識を手放している。
「あーあ、べとべと。ふふっ、次はSMごっこでもして、お仕置きしちゃおうかな」
- 103 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/06(土) 00:37:00 ID:TlErA.Rs
- 投下終了です。希望があれば続き書きます。
不評なら影武者を立てて身を隠します。
- 104 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/06(土) 16:22:58 ID:1BmDvsoA
- アサシン物って随分久しぶりに見たなぁ。
やはりプリやナイト等とは違った心理描写等になって面白いね。
何はともあれ執筆お疲れ様です。
できれば続き読みたいですぉ!
- 105 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/06(土) 22:49:11 ID:mEy706BY
- も、もうちょっとだけ長くねっとりと書いて欲しかった…
それくらい好みのシチュと展開とやり取りでした!GJ!
- 106 名前:アサシンのお話の人 投稿日:2009/06/07(日) 01:03:49 ID:TmE1IyGc
- 今新しいの書いております。2時ぐらいに投下?
何故前置きしたかというと、今回はかなり変態くさいなーと思わないでもなかったので。
応援ありがとうです。皆の感想が励みです。
- 107 名前:アサシンのお話の人 投稿日:2009/06/07(日) 01:49:05 ID:TmE1IyGc
- くちゃ、くちゃ、と薄暗い一室に音が響く。合間には喘ぎ声と水の滴る音。
「あっ……くぅっ……ん……」
唇と唇が重ねられ、黒衣と黒衣が重なり合う。黒衣の一方はアサシン、
からかうような、虐めるような小悪魔的な微笑を湛えつつ、キスを繰り返す。セリアだ。
黒衣の一方はアサシンクロス、いや、その胸元は大胆に開き、
衣装は身体にぴったりと吸い付き、ボディラインを露にしてよりいやらしくする役割しか果たしていない。
全身を拘束されたままセリアに圧し掛かられ、身体中を撫で回されながら陶然とキスを受け入れ、
流し込まれる液体を飲み込む。ファルだ。
「くすくす、美味しい? 今日の食事だよ」
顎をそっと持ち上げ、またキスをしながらセリアが囁く。
傍らのテーブルにはスープとパンがあった。
セリアは拘束されて身動きがとれないファルに、口移しで食事を運んでいた。
雛に餌をやる親鳥のように。
「んっ……、に、逃げないから……普通に……んっ……」
唇が塞がれる。
「だーめ、ぼくは油断しないの。スプーンだって、お皿だって、
きみにかかったら脱出の道具にも武器にもなるしね。
だから大変だけどぼくが面倒見てあげる。ふふ、感謝してね」
また、キス。送り込まれるスープと噛み砕かれたパン、そして唾液。
実際のところファルは食事の際に出されるスプーンやお皿を脱出のための重要な道具と考えていたし、
その時には拘束も解かれるだろうと期待していたのだからファルの考えは見透かされていたことになる。
だが拘束したまま食事を与えるなら他にもやりようがあるはずなのに、
敢えて口移しという方法を選んだのは明らかにセリアの趣味だろう。
その証拠にセリアは食事を与えながらもファルを愛撫するのをやめない。
「ひんっ! せめて、着替えさせ……っ! んっ!」
舌がファルの口内に侵入する。度重なるキスで蕩けそうなファルは舌と舌が重なるとなおさら陶然とし、
このまま唇だけで達してしまうかと思うほどだ。
「き、きもち悪くて……あぁっ!」
ファルが囚われてから既にまる一日。彼女は一度も着替えていない。
普段でさえ24時間同じ服を着ることはまずない。増してや本来これは戦闘服で、
長時間の着用に適さない。その上囚われてからは度重なる愛撫と色責めで汗は噴き出し、
涎や涙は垂れる。特に大事な部分に食い込んだところは愛液や小便でぐちゃぐちゃになっている。
ファルにとっては全身から漂う異臭も、身じろぎするたびに自分を襲う不快感も耐えがたかった。
お風呂に入れてくれとは言わないが、せめて別の服に着替えさせて欲しい。
「ふふ、綺麗好きなんだね。なら、綺麗にしてあげる」
「え……?」
予想外の申し出に驚くファルに、セリアがそっと耳元で囁いた。
「身体中、舐めてあげようか?」
ぼっ、と音がしそうな勢いで顔を真っ赤にするファル。
先日の記憶がよみがえり、愛撫が倍ほどにも感じ出した。
「あうっ! あっ……! くぅ……ん……!」
「あら感度がよくなった、期待してるの?」
「し、してない! してないったら! だからやめてっ! あぁっ……!」
ここぞとばかりに胸を揉み、秘所を締め付けるセリア。
皿はとっくに空なのにキスを繰り返し、唾液を送り込む。
「やめてっ! あひっ、き、汚いっ! 舐めないでっ! あく……うぁぁっ!」
- 108 名前:アサシンのお話の人 投稿日:2009/06/07(日) 01:49:39 ID:TmE1IyGc
- セリアは本当にファルを舐め始めた。
柔肌に走る汗のひと玉ひと玉、涙の一しずく、
涎の一滴も逃さず陶然としながらすくい、舐める。舌だけではない。
唇でセリアはファルの肌や、肌と一体化したスーツに吸い付き、柔らかな唇で圧力を加え、
キスマークをつけながら顔や体、腋に腿、そして大事なところに染み付いた愛液や小便まで舐めとり、
飲み込む。汚い、きたない。とうわ言のように繰り返しつつ、
ファルは与えられる刺激に従順に反応し、身体を捩らせる。
「ふふ、素直になっちゃえばいいのに」
セリアは身体を汚しながらも愛しげにファルにキスするのをやめない。
彼女は捕らえ、拘束したファルに『奉仕』するかのような行為で逆に陶然とし、
行為を加速させる。口内に広がる甘酸っぱい味も、部屋中に広がる淫臭も、
セリアにとっては嫌悪感を覚えるどころか逆に興奮を高めるらしく、
セリアの乳首はスーツの上にくっきりと浮き出ていた。
一方のファルはもう意味のある言葉は言えない。しかしその心には今、黒いものが落ちていた。
(気持ちいい……)
度重なる愛撫に麻痺した思考回路はそれを否定しない。
気持ちいいことをどうして否定しなきゃならないの?
ファルは今そんなことを考えていた。
(あぁ、美味しそうに舐めてる……わたしって、美味しいの?)
ファルから見るセリアは嫌がってやっていたり、
ファルを責めるためだけにやっているようには見えなかった。
ファルを舐めて喘がせると同時に、セリアもまた全身を火照らせ、
うっとりとした表情になっている。
(んっ……汚いのに、舐めて……)
濁ったファルの目には、セリアがとても魅惑的に見えた。
彼女に舐められている自分の姿を思い描くと胸が高鳴る。
天井に鏡でもあればいいのに、とすら思った。
(セリアさん……わたしも……)
舐めたい、と思いながらファルの精神は深みに嵌っていった。
セリアはファルを嬲るだけ嬲ると、牢を後にした。
『舐めても舐めてもキリがないね。どんどん溢れてくるよ』
そんなことを言いながら、弱りきったファルを拘束台から外し、全身に縄を這わせた後で。
『ずっと手足を動かしていないと、あちこちだめになっちゃうからね。ふふ』
もちろん嘘に決まっている。でなければ後ろ手に縛るはずがない。
しかし両脚は確かに自由に動かせた。しかし縄は厳しく胸や腹を拘束しており、
動くたびに擦れてしまう。特に股間部の縛りはクリとアソコと尿道口の三点に瘤が配置されており、
歩くと激しい刺激が全身を貫いた。
それでも自由は自由である。まる一日ぶりにファルは行動の自由を手にした。
(逃げなきゃ)
そうしないと、近いうちに取り返しのつかないことになる、とファルは思っていた。
あと数日も捕らえられれば、或いはセリアのことをお姉さまとかご主人様とか呼んでしまうかもしれない。
今でさえそう呼ぶかも、と思う自分に大した抵抗がないのだ。
両手は拘束されている。だが口と足は動く。なら手の打ち用はあった。
牢内には大量の拷問器具が揃っているのだから、
少し探せば何か針金のようなものが見つかるに違いない。
「んっ……」
手を使わずに身を起す。それだけで縄が身体に食い込み、鋭い痛みを覚えた。
痛みだけではなかったのだが、それは無視して痛いだけだとファルは思い込んだ。
「は……くぅ……ん」
歩くのは更にきつかった。下半身が乱暴な縄によって酷く刺激される。
ファルはこれも無視してゆっくりと歩を進め、牢屋を探る。
(うう、きつい……)
すぐにつらくなった。もとより疲労が濃い。
だが、今を逃せば脱出の機会は恐らくない。悠長なことを言っていては、
身も心も支配される可能性がある。
10分ほどそのまま探したか。幸い針金はすぐに見つかった。
たったそれだけの時間でもそのまま一休みしたいほどファルは疲れきっていたが、
休めば多分そのまま寝てしまうと思い直し、そのまま開錠にかかる。
(んっ、くうっ……)
錠はそれほど大したものではなかった。粗末な扉に相応しい粗末な錠だ。
口で操作しなければいけないとはいえ、天才であるファルにはそう難しくはない。
案の定、すぐに開けることに成功した。そのまま扉をそっと開け、牢を抜け出すファル。
(ここ、どこなんだろ……)
広がる景色は牢の中と同様に薄暗く、そこここに拷問のための道具が置いてある。
また妙に広く、とてもセリア個人の持ち物とは思えない。
「あれ、なんだろ、看板?」
見上げると、そこには一枚の看板がぶら下がっていた。
『調査室独房3番』と書かれた看板に何故か嫌な予感がよぎる。
魔力の気配のないテレポート、アカウントハッキング、調査室。
何かが繋がろうとしていた。
- 109 名前:アサシンのお話の人 投稿日:2009/06/07(日) 01:50:07 ID:TmE1IyGc
- 「……んっ……」
気を抜くとすぐに身体が熱くなる。ファルは無関係なことを頭から追い出し、
逃げることに集中する。どんな場所でも自分なら逃げ出せる自信があった。
だが、少しも行かない内にファルはそれが困難なことに気付く。
「あくっ……うう……」
動いていなければ耐えられるが、いざ歩き出すと、巧みに配置された縄が全身を擦りあげ、
身体中を愛撫されているのと変わらない刺激を伝える。
特に瘤の当てられた三点は顕著で、少しでも大またになろうものなら、
すぐに敏感すぎる身体を責め立てた。
ふらふら、ふらふらとファルは行く。まっすぐ歩くことはとてもかなわず、
その上思考にもやがて霞がかかれば、足を踏み外し、
両手が縛られた状態ではバランスも取れず、その場に倒れこむ。
「あくっ、ひいいいぃんっ……!」
途端に床と肌が擦れ合い、縄が食い込み、ファルはやっと正気に戻る。
だがそうやって再び歩き出すのもつかの間、
やがてまたふらふらと頼りない足取りでバランスを崩すと、
再びファルはその場に倒れ、甘い声と共に正気を取り戻すのだった。
そんなことを何度、繰り返しただろう。進めた距離は僅かだが、
ファルの心身は完全に疲れ果てていた。
全身をスーツの上から荷物のように縄で括られた身体は上気しており、
玉のような汗が全身に浮かぶ。
その表情は熱にかかったように苦しげで切なげで、色っぽい。
口の端からは涎が滴り落ちていた。
(あ……床に……)
見れば、今まで通り過ぎた道には透明な液が糸を引いていた。
このままではうまく逃げおおせてもすぐに捕まるだろう。
(ん……わたしの、愛液……)
ぼうっとした頭でやっと理解する。
歩みを進めるうちに刺激を無視することができなくなったのだ。
だから歩く側から愛液が垂れ、床にシミを作って逃げたあとを残してしまっている。
(消さなきゃ……つかまっちゃう)
しかし両手が塞がっている。拭くものもない。どうやって消そうか、
ファルは鈍った頭で考えた。
(そうだ、舐め取って消せば)
もちろんそんなわけがない。
第一、そうしている間にもぽたぽたと愛液が垂れているわけで、
どれだけふき取っても無駄なのだ。
だがファルはこの考えに夢中になって腰を屈めた。
土下座するような姿勢でその場に座り込み、
陶然と床に染み込む自分の愛液を舐める拘束された半裸のアサシンクロス
……という想像にファルはぶる、と震えて。
(なっ、何考えてるの!)
正気に戻った。
(こ、こんなことしてる場合じゃない。早く逃げなきゃ)
しかし歩を進める毎に相変わらず縄は身体を刺激する。
頭は鈍る。真っ白になりかけた思考は、自然と先ほどの妄想を思い出した。
すると快楽が倍増する。
「んぐっ……! あっ……!」
ついに立てなくなってそのまま倒れこむ。もう立ち上がれない。
だがファルにとってもうそんなことはどうでもよかった。
さっきから一つのことしか考えられない。
(見て……)
熱っぽい目で、虚空を見る。
(セリアさん、こんなになった、わたしを見て……!)
跪き、床を舐める。行為に陶酔したファルは何もかも忘れてそれだけに没頭した。
そして、クローキングしながら一部始終を眺めていた目があった。
「うん、見てるよ♪」
ファルは堕ちた。
- 110 名前:アサシンのお話の人 投稿日:2009/06/07(日) 01:50:57 ID:TmE1IyGc
- 投下終了ー
今回は酷い、かなり酷い。
読者おいてけぼり、ドン引き覚悟。
不評なら毎度の如く、姿を消します。
- 111 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/07(日) 18:02:10 ID:0Er4P9AU
- ここで止めるとはなんたる生殺しッ
是非続きを期待したいッッ
お願いしますハイ
- 112 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/07(日) 23:52:18 ID:FUdDvlSU
- ♀♀スレは広く深くだからこれくらいだと嬉しいくらいですね〜w
置いてけぼりなんてとんでもない。全力で食い付いていきます。ハイ。
- 113 名前:アサシンのお話の人 投稿日:2009/06/08(月) 01:50:47 ID:SBsP9azw
- 「あぐっ、くぅっ。はぁっ……」
拷問部屋に嬌声が響き渡る。酷く悩ましげなその声は、誰であれ聞けば胸を高鳴らせ、暗い悦びに身を浸すだろう。もっとこの声を聞きたい、そのためなら何をやってもいい、と。
「あはっ、いい声で鳴いてくれるね。興奮しちゃう」
セリアが笑う。そしてぽたぽたという液体が滴る音と共に、甘い声がまた響く。
ファルは逃げ出した罰を受けていた。当人が喜んでそれを受けるのを罰というのなら、だが。
跪いた姿勢のまま床に染み込む愛液を舐める自分に興奮したファルはそのまま達し、床に更に大きな染みを作りながら気絶したところを、セリアに捕まっていた。
元よりセリアはファルが逃げ出すことを予想して、それでいて一部始終を眺めるべく、隠れながら全てを見ていたのだから、ファルが己を強く保っていたとしても、結局はどこかで捕まり、罰を受けただろう。だがファルは逃亡の最中に逃げる気を失い、セリアへの強い依存と服従、そして被虐の暗い悦びに目覚めてしまっていた。
『ふふっ、いい見世物だったよ』
そうやって嘲弄するセリアに、寧ろファルは一部始終を見られていた悦びから身体を火照らせた程である。逃げたからには罰を……と言うセリアだったが、言われなければファルは自ら罰を乞うたかも知れない。
そうしてファルは、罰を受けている。
「あつっ……あぁ……身体中、熱くて、んっ……」
白い肌に、白い液体が落ちる。
セリアは罰への期待にうっとりとしたファルを床に固定すると『ライトアップしてあげる』と宣言し、周囲を蝋燭で取り囲んだ後、上から蝋を落とし出した。全裸より卑猥な半裸の肢体は宣言どおりに四方からライトアップされ、妖しく輝く。その上で蝋まで身体中に垂らされれば、熱さの余りにファルは苦悶の声をあげるが、表情はそれを裏切っている。いや、声も時間と共に甘いものが混じり、やがて聞くものを狂わせるような陶酔したものへと変化していった。
「きみの身体、汗が蝋燭の光にキラキラ反射して凄い綺麗だよ」
「あっ……う、嬉しいっ……」
その様を想像して、身を捩る。肉感的な身体が蝋燭の微妙な光の中で左右に動き、踊る。自らの意思でよりいやらしく見せようとしているかのような動きは、セリアの興奮をより高め、蝋燭を更に振るわせる。
「ここにもお化粧しちゃえ」
セリアが胸に蝋を垂らす。ファルは短い悲鳴をあげるが、もっとして、というように胸を突き出す。
「腿はどうかなー?」
大きな太ももに垂らす。嬌声があがり、ファルは身を捩った。その表情はとても天才アサシンとして世間をからかっていた少女と同一人物には見えない。
「ふふっ、やっぱりここもして欲しそうだよ」
スーツ越しに股間へと垂らす。ファルが耐えられるわけがなかった。
「あっ、あぁーっ!」
身体を弓ぞりにはね上げる。だが手足の拘束がそれ以上の動きを制限する。ファルは身体を持ち上げて部屋中に甘い悲鳴を響かせた後、ぱしゃん、と自らが作った愛液と小便の池の上へと着地し、荒い息をしながら余韻に浸る。
(熱い……のに、気持ちいー……)
被虐の喜びに浸るファルには蝋燭の微妙な熱さが堪らなかった。落ちていく蝋は瞬間的にはとても熱いが、落下の最中にはもう冷め始め、肌についてすぐ固まる。やけどの心配のない蝋を使っているらしいが、垂らされる直前、焦らすようなセリアの目も、狙いを定めた後の焦燥感も、落ちていく蝋を見つめるときの胸の高鳴りも、そして肌に達したときの熱さも、ファルは大好きだった。
「くすくす、えっちな顔。こういうのはどう?」
セリアが身を屈め、セリアの乳首にそっと蝋燭の火を近づけ、炙る。ちろちろと蠢く炎は硬くなった乳首に触れることはないが、その直前で停止されており、微妙な熱量をファルに与え続けた。
「あぐっ、あっ、あっ、あっ……」
熱いけど、それほどではない。そんなもどかしい感覚がファルを襲う。羽毛で愛撫されたときにも似た焦燥感。だがこちらは熱量を伴う。それにもかかわらず、いっそファルは火を乳首に当てて欲しいとすら思った。
「ふふっ、切なそうな顔になっちゃった。こっちは?」
セリアが蝋燭を持つ手を変え、股間を炙る。文字通り身を焦がすような感覚に、ファルはたまらなくなった。
「あ、あついのっ……鎮めてください」
「ふふっ、いいよ。してあげる」
開かれたファルの両脚の間に、短い間に彼女を被虐の虜に導いた白い指が差し込まれる。その様を見つめるファルの表情は上気していた。ゆっくりとじらすように腿を撫でて奥へと進み、股へと指が送り込まれる。
「ああ……触って、ください……」
「ちゃんとお願いできる子は好きだよ、くす」
セリアが食い込んだスーツの上から指をこすりつける。まだ焦らすようにゆっくりした動きだが、ファルにはそれでも十分だ。くちゅくちゅ、という粘液質の水音がして指が動き、白い指が温かい液に汚れるごとにファルは短い嬌声を何度もあげ、やがて身も世もないほど悶え狂う。
「ひっ、あ……もっと、もっと、激しく、あぅっ……」
セリアは答えない。懇願には耳を貸さず、ゆっくりと指を動かし、ファルを狂わせる。見下ろす表情は何かを期待しているようだ。
「あぐっ、ひんっ、あ……あ……ッ!やぁ、狂っちゃう」
「いいよ、狂ってごらん。ぼくだけに見せて、ね」
唇を色っぽく舐めながら、微笑むセリア。その指をスーツの上に浮き出た秘所で固定し、動かさない。ファルの中で何か崩壊した。
「はぅっ!あっ、あぁっ!」
ファルはぐいぐいと腰を動かし、自ら秘所をセリアの指に擦り付ける。愛液はとめどなく溢れ、セリアの細い指はべとべとに汚れる。腰が上下に動く度にお尻の下の池がびちゃびちゃと音を立てた。
「ふふっ、そう、それでいいよ。ぼくの可愛いファル」
自慰にも似た行為を続けるファルは高みに昇る。それを見つめるセリアはファルの動きを止めると、スーツをずらしてファルの秘所を露出させる。二日間ずっとそのまま、開放されることのなかった秘所が露になり、部屋の淫臭が増す。セリアとファルは陶然とその臭いを嗅ぎ、恍惚となった。
「それじゃあ、きみの、もらっちゃうね」
ぐちゅ、と音を立て、セリアの細い人差し指がファルの中に進入した。
「あっ、ああぁぁーっ!」
- 114 名前:アサシンのお話の人 投稿日:2009/06/08(月) 01:52:53 ID:SBsP9azw
- あれ?読みやすいように編集したはずなのに、読みづらい。
でも同じものを二度投下するのも何なので、このままで置いておきます。
本日は短め。
ていうか毎日連載が難しくなってまいりました。
次回はお風呂の予定ですが、脱がせるともう職関係ないじゃん、とも思わないでもなかったり。
あと、きっとお風呂に入れたくない人たちがいる。に違いない。
- 115 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/09(火) 02:40:07 ID:ISBHoMvg
- 女の子同士でお風呂だって!?
ご馳走様です。ありがたや!
脱がせてもなお職に伴う表現を描いてしまう文章に期待してしまうのです。
鍛えられた住人ですから、待つなんてむしろご褒美!なんて。
- 116 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/15(月) 19:32:43 ID:uOZYNqzc
- あ〜・・・チェイサー受けの話が読みたいなぁ
何処を探してもメジャー職ばかり・・・
というかリンク集ばかりが見つかって見つけづらい
- 117 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/18(木) 02:08:24 ID:riAmg9Yc
- >>116
ローグ受けなら以前のスレであったけど、チェイサーは…イメージもしにくいかもねぇ…
ちなみに、攻め役はどの職がいいと思う?
- 118 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/18(木) 02:48:48 ID:0X.8nWMo
- >>117
騎士攻めローグ受けの話は割りと良かったけれど、
プリ攻めローグ受けのは苦手だったかな。
職云々より、性格の組合せに対する好みなのかもしれん
しいていうならば、前衛職かねぇ
力ずくの場合だって説明しやすいだろうしw
- 119 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/20(土) 00:05:50 ID:g7aNqgFg
- >>118
性格か〜前衛職の方がってことは、典型的…っていうと言葉が悪いけど、攻めらしい性格の攻めキャラの方がいいってこと?
それだと、チェイサーの性格付けをどうするかな…チェイサーらしいチェイサーだと、性格がかぶる気がする
- 120 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/07/10(金) 07:24:23 ID:u5zKqmA6
- 書いてみたけど、最初欝展開な上に終盤までエロなしになってしまった。
しかも、まだ完成してない。
年末まであほみたいに忙しいからいつになるか分からないけど、
こんなのでよければ、最後まで頑張って書き上げてみるよ。
- 121 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/07/11(土) 15:30:55 ID:Dx8H7Fmk
- 頑張って書き上げてみてください。
このスレに清涼剤を!
- 122 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/07/20(月) 10:21:27 ID:alxFhN7s
- >>93の人の話の続きを読みたいです……
- 123 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/05(水) 21:50:23 ID:CArk3md.
- なんか見てる人がいるのかも怪しいよね、このスレw
- 124 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/09(日) 12:35:52 ID:shaYQhdk
- >>123
と言いつつ、おまいさんが見てるじゃありませんかw
- 125 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/17(月) 02:25:06 ID:0lh.2w7w
- とりあえず>>116のリク品書いてみたんだが
ご期待に沿えるかは怪しい…てかSS10本も書いたことないし
レズ書くの難しすぎて泣けた
ちょっと長いんだが投稿しても大丈夫かな?
- 126 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/17(月) 07:05:33 ID:8sbUrMqI
- 許可を求めるまでも無い。
やりたまえ
- 127 名前:Chase(1/5) 投稿日:2009/08/17(月) 21:36:06 ID:p9I7vei2
- 「嗚呼、一体どうすれば彼女にこの気持ち、伝わるのだろう?」
私は小さく溜息を付きながら夜のプロンテラの大通りを歩いていた。
思えば昨日から色々とおかしかった……あれだけ狩ってネイチャが20個ぽっちだったし。
運の要素も絡むとは言えチェイサーとしては情けない数字だ。
何か起こる前兆だったのかもしれないなんて考えながら、私は2人分の食材を抱えて帰路に着いた。
自宅は首都の喧騒から少し離れた路地裏にある。
私はこの寂れた宿の屋根裏、元は倉庫だった部屋で暮らしている。
チェイサーだから人目に付かない場所に住んでる、なんて言えば聞こえだけはいいけど
実際はただお金がないって理由だけ。
昔から私はついてない人間だ。
私は10歳の時、突然親の借金返済のために奴隷として売りに出された。
無我夢中で逃げ出して、気が付けば生きるために何でもやって今こうして生きている。
ある意味チェイサーと言うのは私にとって天職なのかもしれない。
悔いなんてたったひとつしかないけど、汚い捨てネコみたいな人生だよ、ほんとね……
宿の前にはペコペコが大人しく頭を垂れて佇んでいる。
彼女は昔から方向音痴だった記憶があるけども
ちゃんとここが分かったみたいで、私はほんの少しだけ安心した。
そう、私がこんな落ち着かない心持ちなのは全部彼女のせいなんだ。
- 128 名前:Chase(2/5) 投稿日:2009/08/17(月) 21:37:06 ID:p9I7vei2
- ――今日の午前中のこと。
私はいつものようにジュノーフィールドでスリーパーを狩っていた。
はるか陽炎の向こう側からPTがこちらへ歩いて来るのが見える。
「嗚呼、タナトスタワーPTかなあ、私も行きたいな……」
でもチェイサーにはあまりにも無縁すぎる。
ふとPTを先導するロードナイトと目があった。
黄金のように美しく輝く金髪に、湖に堕ちていくような錯覚を生み出す蒼く澄んだその瞳は
私が生涯忘れることができないであろう、初恋の人のものだとすぐに分かった。
18年間の人生のたったひとつだけの悔い。
もう会うことすらかなわないと思っていた彼女が目の前にいる。
「ミスティ……なの?」
私の名前を呼ぶロードナイトの声は震えていた。
「久しぶりだね、リリ……様と呼んだ方がいいのかな?」
「この馬鹿っっ!」
強がっておどけて見せたつもりだったんだけど、そのロードナイトは本気で私を怒鳴りつけた。
彼女はいてもたってもいられないと言った感じで、ペコペコから降りて私の近くに駆け寄って来る。
……8年振りに間近で見るリリは、私の記憶の中にある彼女の面影をそのまま残して大人になっていた。
金色のロングヘアーはふわりと風になびき、凛々しく結ばれた唇がそっと開く。
「どうして何も連絡くれなかったの!? 私がどれだけ貴女のこと探したか……」
リリは悲痛な面持ちで私の方を見た。
くるんとした大きな瞳には大粒の涙が溜まっている。
でもそれを見た私は本当に嬉しい気持ちで一杯になってしまった。
彼女はまだ私のこと覚えててくれたんだって。
「ほんとごめん……あのね、リリ。何から話していいのか――」
「うん、大丈夫だよ。ゆっくり聞かせてもらうから」
「でも……今PT中なんじゃないの……?」
私が恐る恐る訊ねると、後ろにいたPTMのハイプリーストが近付いて来てリリに声を掛けた。
「そうだぞリリ、そこのチェイサーには悪いけど、これから皆で狩りなのにお前が抜けたら困る」
「ユダ、ごめんね。悪いけどミスティと二人になりたいから、今日はやめとく」
「突然それはないだろ、もうここまで来てるのに他の人のこと考えないなんてお前らしくない」
「……うるさい」
「落ち着けよ、どうしたんだ?」
「うるさい邪魔しないでって言ってるの聞こえないのっ!? ミスティと二人にしてよっ!」
リリの声はあまりにもヒステリックだった。
普段の彼女からは想像できない悲痛な叫び。
悲鳴に近い罵声は後ろのPTMにも当然のように響き渡り、その場が凍り付いた。
「ミスティ、蝶は持ってるよね?」
「……うん」
「じゃあ首都の噴水前で待ってるから、すぐ来てね」
リリはそう言うとすぐさまポケットから蝶の羽を放り投げて、彼女の身体はすっと空に溶けるように消えていった。
残された私とタナトスタワーPTだったはずのメンバーは、ただ呆然とその場に立ち尽くすだけ。
私は何も言わず、PTMに軽く頭を下げて蝶を使う。
- 129 名前:Chase(3/5) 投稿日:2009/08/17(月) 21:37:52 ID:p9I7vei2
- リリは噴水広場のベンチにちょこんと座っていた。
どう話しかけたらよいのか分からないまま、取り合えず彼女に謝る。
「ごめんね……さっきの……大丈夫?」
「大丈夫って?」
「PTの人……狩りだったんでしょ?」
「全然いいんだよ、そんなこと。それより……」
「?」
「どうして私の前から突然いなくなっちゃったの?」
リリは意を決したような表情で私に聞いてきた。
あの頃の私達には2人の間にある感情が何なのかいまいち分かってなかった。
でもその答えはお互い離れてみて初めて確信に変わる――
私は全てをリリに話した。
身売りされたこと、その後どうやって暮らしてきたか……余す所なく。
彼女は疑問に思うこともあっただろうけど
一切訊ねることもなく、静かに聞いているだけだった。
「――大体こんな感じ。っていきなり理解できるわけないよね」
「疑って……ごめん」
「ううん、何が?」
「私ね、ミスティに捨てられたとずっと思ってたんだ」
「どちらかっていうと、私が捨てられる側だよね。リリはお嬢様で私は平民だし」
「そんなの関係ないでしょ?」
「……うん」
「貴女がいなくなってから、ずっと後悔してたの。好きだって言っておけばよかったって」
リリのそんな言葉に私は声が出なかった。
全く同じこと考えてたんだって打ち明けて、そっと抱き締めたくなる。
でも怖かった……私にはそんな資格がない気がして。
私はそのまま押し黙ってしまう。
ほんの一瞬だったのに、その沈黙は物凄く長く感じた。
「……ところでさ、ミスティ今どこに住んでるの?」
リリは自分の発言がまずいと思ったのだろうか、突然がらっと話題を変えてきた。
「プロンテラだよ、場所だけなら結構いいところ。買い物とか便利ー」
「私今日泊まるところないんだけど、行ってもいい?」
「もちろんいいよ! 部屋狭いけど……でもどうしても抜け出せない仕事があって」
「私でも手伝える類の?」
「そうだったら良かったんだけど守秘義務がね……たいしたことじゃないし夕方までに帰るから
先うちで待っててくれない? 夕食をリリお嬢様に振舞って差し上げよう!」
「ほんと!? 嬉しいな! 私クリームシチューがいい。あともうお嬢様って呼ぶのも駄目!」
そんなことを言いながら顔を見合わせて、二人で心底嬉しそうに笑う。
私は住所を書いたメモをリリに渡して、一旦彼女と別れてローグギルドに頼まれていた仕事に向かった――
- 130 名前:Chase(4/5) 投稿日:2009/08/17(月) 21:39:45 ID:p9I7vei2
- 宿のドアを開くと、人が着た事を知らせる鈴がからんからんと鳴った。
こじんまりとしたフロントで仕事をしているオーナーに挨拶をする。
「ただいま」
「おかえりなさい、ミスティちゃん。友達来てるわよ」
それは友達ではない、恋人だ……なんて言いたくて仕方ないけど、さらっと受け流す。
「リリはどこに?」
「今日はお客さんがいないから、201号室に案内しておいたけど? 御代はいらないから安心して」
「ありがとうございます!」
別に私の部屋で待ってて貰ってもよかったんだけど、まあいっか。
フロントの奥にある厨房に買って来た食材を置いて、着替えのため一度部屋に戻る事にした。
……とその前にリリにただいまだけ言っておこう。
突然驚かせてやろうと軽い気持ちで、チェイスウォークしながら201号室に向かう。
鍵は掛かっていない。
気付かれないように静かにドアを少しだけ開いた瞬間、私は目を疑うような彼女の姿を見た。
「んんっ……はあぁ……はぁああぁ…………あはあぁ……」
リリのかすかな吐息が漏れる。
黒いフリルとレースで飾られたブラとショーツだけを身に付けて、彼女は自慰に興じていた。
その華奢な身体つきは、重金属の鎧を全身に装着して身軽に動けるとは思えない。
スラリと伸びた脚線美を見せ付けるように両脚を広げて、太腿の狭間をこちらへ向けたまま
右手で乳房を揉み、左手でゆっくりと秘部を愛撫している。
(……綺麗だ)
私は彼女のゆったりとした肢体の動作に視線が釘付けになった。
そのまま部屋に入り、間近でリリの痴態を息を飲んで見つめる。
「ああぁ……はぁん……んっ……んふっ……」
リリの甘い囁きがぞくっと私の身体を震わせる。
ショーツは既にぐっしょりと染みを作って、むっちりとした太腿にも愛液がだらだらと流れ落ちていた。
(いけない……私も感じてきてるよぉ……)
アソコの疼きに思わず手を当てたその瞬間――
「……失望した? ミスティ」
リリが突然こちらを見て、独り言のように呟いた。
「……」
「このカチューシャ、マヤパープルC刺なの」
「どうして……?」
「見て欲しかったから、私のこと」
リリは妖しく笑うと、ベッドサイドに立っていた私を突然押し倒し唇を重ねてきた。
ふんわりとした綿飴みたいな柔らかい感触に思わず声が漏れる。
「んんっはぁ……」
その唇の甘美な味わいに一瞬意識が遠退きそうになった。
幼かった頃、冗談で彼女とキスした事はあったけどこんな感覚は味わったことがない。
差し入れた舌を絡め合いながら、じゅぱじゅぱと卑猥な音を立てながらディープキスを愉しむ。
「あふぅ……だめだよリリぃ……」
「感じたくせに、ふふ」
リリは妖艶に微笑み、おもむろに私のホットパンツに手をかけてずり下ろしてきた。
- 131 名前:Chase(5/5) 投稿日:2009/08/17(月) 21:41:09 ID:p9I7vei2
- 「ミスティ、太腿すらっとしてて綺麗だね」
「ちょ、ちょっと、恥ずかしいよ…………あぁああ……」
「でもショーツまで濡れてるよ? 私のオナニー見て欲情しちゃったのかな?」
「イジワルぅ……そんなこと言わないでよ、もぉ……」
「ヴァギナも……見せて」
リリは天使のような声でそう囁くと、私の白いショーツをぐいっと太腿辺りまで引いた。
アソコからはだらしなく蜜がぽたぽたと雫を落としている。
「あはぁあぁ……そんな見ないで……」
「私を見てこんなにぐしょぐしょになっちゃったんだね、クリもこんなに大きくぅ……ああぁあ……」
リリが右手の親指で秘芽をこりこりと刺激するたび、身体中にびりびりと快楽が迸る。
私は彼女の行為に身を任せて快感を貪ることに集中していた。
自分で触れてもいないのに、秘部がとろとろになるような熱い感触を持ち始めるのが手に取るように分かる。
「指、入れるね」
リリは親指でクリを愛撫したまま、秘裂にゆっくりと人差し指と中指を挿入してきた。
熱く濡れた膣口がずぶずぶと彼女の指を内部へ引き込んでいく。
「あぁああぁああぁああああ……」
思わず嗚咽のような嬌声を漏らしてしまう。
彼女の細く色白の美しい指が私の中に……ぶちゅっと汚らしい音を立てて愛液が滴り落ちる音が聞こえた。
リリが指を出し入れするたびにじゅぱじゅぱと猥雑な響きを奏でる。
「ミスティのここ、熱くて……ぐちゅぐちゅだね。それに指をぎゅって締め付けてくるよ」
「んぅあああ……そんなこと……言わなっ……あふぅうっ!」
「もっといやらしい顔、見せてよ? うふぅ……」
リリは包むように優しく愛撫と指のピストン運動を続けてくれる。
香水と汗と愛液が絡まった卑猥な淫臭がふんわりと香り、興奮をさらに刺激した。
身体が蕩けるような快楽に興じ、気が付けば雌犬のように喚く。
「ああぁぁあんっ! 気持ちいいのっ、そこいいっ……あぁぁああもっとぉいじってえ……ひゃうぅんっ」
鼻にかかるような声で愛撫をおねだりすると、リリはすぐに欲しい刺激を与えてくれる。
彼女の指を締め付けるように、ぴくぴくとヴァギナが収縮してる感覚も最高に気持ちがいい。
「くぅうっ……んんんっ……いいのっ! もっとぉ……」
「ミスティ、おっぱい大きいよね」
リリは強引にブラのホッグを外すと、ぷるんっと92センチのバストが弾ける。
そのまま手淫してない方の手で強引に乳房を揉み扱いてきた。
彼女の小さな手には納まりきらない乳肉が、むにゅむにゅと自由に形を変えてこねくり回される。
ビンビンになった乳首を指で扱かれると、一気に快楽が身体中に流れ込んできて頭の中がおかしくなりそうだった。
「あっぁああ! そこだめぇ…………それ以上いじられたらイクッ、イッちゃうよっ!」
官能の光悦に朦朧とした意識の中懇願しても、リリは指の動きを止めない。
乳首とクリ、ヴァギナを同時に刺激されて頭の中が真っ白な世界へと誘われる。
「リリっ! 私イクッ……イッちゃうよ、イッちゃうぅうぅうううう!」
快楽の電流でガクガクと身体が痙攣して、意識が飛んで絶頂を迎えた。
「あぁああぁあぁあああぁああっ!」
「……ミスティ」
完全に放心してしまった私の耳に、ようやくリリの声が届く。
妖精のような甘美な色っぽい声で、彼女はしばらく私の名前を読んでいてくれたみたい。
ヴァギナから溢れ出した愛液がマントをべちゃべちゃに濡らしていた。
「……恥ずかしいよ、リリ」
「今度はミスティに……辱めて欲しいの」
長いまつげをそっと伏せて、彼女は恥ずかしそうに笑った。
なめらかな肢体は不規則に揺れて、汗できらきらと白く輝いている。
リリのショーツはべちゃべちゃで恥丘がくっきりと見えている。
「もう戻れないんだね……」
「……怖いの?」
「ううん、リリにずっとこうして欲しかったから。だからすごく幸せ……」
「それなら私も遠くに連れて行ってよ、もう我慢できないの」
もう離さないよ、リリ――
- 132 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/17(月) 21:48:10 ID:p9I7vei2
- ネコ側視点で書くのって本当難しくて
途中から全部書き直そうかと思ったんだけど
結局こんな形で収まることに
>>116はいったいどんなのが良かったんだよ!
お目汚し失礼しました
- 133 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/21(金) 00:31:23 ID:CKVzv0Rk
- >>116じゃないけどそんなのが良かったんだよ!
ありがとうございました
ごちそうさまです
- 134 名前:116 投稿日:2009/08/22(土) 01:13:35 ID:sXDPfbmY
- ID:p9I7vei2様、拝見させて頂きました。
具体的な好みはといわれると多くは回答できなかった状態のまま
漠然と要望だけ放り投げてしまっていたものですが、
そのような状態から多くのアウトプットを書き起こしてくださった事、大変感謝しております。
無理をいえば、
二人が初対面から始まってHを通して親しくなるなど、
過程を交えてもう少し長い視点で二人の変化を見届ける事ができれば、
感情移入度もより深まったかなと思いました。
しかし、長文を更に長文にする作業の負担を考えますと、それも聊か我侭というものですよね。
私の戯言と思い聞き流して頂ければ。
お忙しい中、ご投稿いただきありがとうございました
- 135 名前:116 投稿日:2009/08/22(土) 01:18:40 ID:sXDPfbmY
- 初対面、というか初体験、が正しいですね。
今回は、過去にHの経験があったということなのかな?
私のごく個人的な好みにはなってしまうのですが、
二人に初々しさがあると良かったなぁと思った上での、>>134の感想でした。
後だしの感想ばかりですみません、以上です
- 136 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/23(日) 15:26:38 ID:7OtJ2RPU
- とにかくGJ!
確信犯なLKに萌えた
- 137 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/24(月) 13:33:45 ID:.TRw3pUE
- よい百合を読ませてもらいました。どっちもかわいいのう
- 138 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/27(木) 01:44:15 ID:hQ4zS3bA
- >>133
>>136-137
GJありがとうー
>>134-135
そこまでちゃんと読んでもらえると逆に恐縮してしまうw
指摘参考になります
文章短くしようと端折りすぎてキャラの個性を
はっきり打ち出せなかったのは反省点なので
次書く時はもっと引き立つように頑張りたいと思う
某目が覚めたら(rスレでもベタベタなのしか書けなかったんだけど
どうもエロ書いてもそうなるみたい…
もうちょっとねっとり絡むのを書けるよう努力します
読んでくれた人ほんとありがとー!
- 139 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/27(木) 12:35:42 ID:u4YGd6Yw
- 目が覚めたらネタでSS書いたこともあったなぁ…。
面白いネタ元ではあると思うのだけど見かけないー
- 140 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/22(木) 07:06:50 ID:Y5eTq6pI
- 誰も居ない予感…
- 141 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/23(金) 00:58:12 ID:JdBGdoBw
- いるよ!SS書いてるけど中々エロシーンにたどり着けないんだ助けてくれ。
- 142 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/23(金) 01:03:34 ID:QeU/asoc
- とりあえず投稿するんだ。
- 143 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/23(金) 01:14:15 ID:JdBGdoBw
- OKわかった、出来てるところまで投下するよ。エロ要素ゼロだけど大目に見てほしい
- 144 名前:夜とカクテル1 投稿日:2009/10/23(金) 01:16:39 ID:JdBGdoBw
- どうしてあの日私はあんなことをしたのか、今でもよくわからない。
もしかしたらあれが、普段笑い飛ばす運命とやらだったのかもしれない。
本格的に夏が牙を剥き始めた、金曜日だった。
その日の私は最高に冴えていて、薄暗いダンジョンで魔物共を順調に塵に返しまくった。
戦利品で重くなった荷物袋を抱えて、拠点にしているプロンテラへ戻り、手元に残す物とそうでない物を分けて処分する。
何度も何度も繰り返した狩の後の工程を、いつもと同じようになぞる。
手に入れた紙幣と硬貨とで、懐は暖かい。こういう日は美味しい夕食と美味しいお酒を自分に与えるべきだと思う。
肘から先に纏った長い袖と、同じように長くて赤い髪を風がさらっていく。
そうして私は、暮れはじめた街の中へ挑むように足を踏み入れる。
選んだお店は三階建てで、食堂兼酒場兼宿屋だった。
一階が食堂兼酒場で二階と三階は宿泊用の部屋の、ありふれた店。
私はカウンターに陣取って、鶏肉の料理とスープとパンと、それからワインを一本オーダーしる。
付け合わせのコーンと人参も残さずに綺麗に食べる。冒険者は食べ物を粗末にしない。
良い気分だったので今さっき隣に座ったハイウィザードの女に、私は気まぐれに、気前よく、桃のカクテルを奢る。
彼女は案外素直にお礼を言ってそれに口をつけ、美味しいと言って微笑んだ。
明日には忘れていそうな話をしながら、カタカナの羅列としか思えない名前のカクテルをいくつもオーダーし、宝石のように美しい色をしたそれらを、一つずつ同じように平らげていく。
「何故、プロフェッサーに?」
その最中、ふいにそんなことを訊かれた。
「世界の法則や真理を一つ残らず暴いてやりたくて」
「そして全てを知り尽くしたら?」
「そうしたら後は世界征服でも」
私はわりと本気でそう言ったけれど、良いですね、それ、とさらりと流れてしまった。何となく帰るのが億劫になり、部屋を取ってもう少し飲まないか半分冗談でと誘ってみたら、いいですよ、なんてあっさり乗ってきた。いいのか、そんな簡単に乗っちゃって。
店員に部屋の空きを尋ね、ツインはこれで最後だったという部屋を迷わずに取った。食事と、彼女に奢ったカクテルと、部屋の代金に追加で小さなボトルのウイスキーを頼む。半分出しますという彼女の申し出を、誘ったのは私だからと断った。
「何のお酒?」
私が部屋代を払っている時に買ったのだろうか、果実酒の瓶を大切そうに抱きしめている彼女がちょっと面白かったので、二階の部屋に向かう階段を上る途中で聞いてみた。
「杏です」
そう言って嬉しそうに目を細めて笑った。
少しだけ開けた窓から、夜特有のひやりと湿った風が入る。部屋で順番にシャワーを浴びて、グラス片手に彼女の声に耳を傾けた。今日初めて会ったのに、彼女と話すのはとても容易くて、気まずさなんてちっとも感じなかった。お酒の力があったにせよ、私達はまるで仲の良い友人同士みたいだった。
冒険者同士、魔法を扱うもの同士、幾らでも話のネタはある。どこどこのダンジョンでこんなものが出た、あの魔法でこんな失敗をした、こんな時はあの魔法とこの魔法で云々。
そうして夜は更けて、私は、そんな趣味も無いのに、そういうつもりで誘ったわけでもないのに、彼女をベッドに組み敷いた。彼女は短めの萌黄色をした髪を散らして、抗議や抵抗をまったくしないまま、ウイスキーと同じ色の瞳で私を見つめた。
私は彼女のハイウィザードの制服を剥ぎ取りながら、私を待っているかもしれない男のことを少しだけ思い出す。
彼女はびしょびしょに濡れて、白い喉を晒して体を震わせた。
- 145 名前:夜とカクテル2 投稿日:2009/10/23(金) 01:19:00 ID:JdBGdoBw
- 明け方、ぱたん、とドアが閉まる音を聞いた気がした。
朝日が差してから目を覚ますと、やっぱりというか、彼女はいなかった。
髪の毛の一本も残っていなかった。
次の週の同じ曜日の同じ時間に、私はあの店に足を運んだ。もしかしたら、という淡い期待。
もし、今日彼女がいなかったら二度とここに来る気は無かった。
ドアを開けるとカラン、と鐘が鳴る。店の中は程よく薄暗く、程よく騒がしい。
そして、彼女は居た。
鐘の音は喧騒に紛れて、私には気づかない。先週と同じ席に座っていて、目の前に置かれたグラスをぼんやり眺めてた。あれは私が奢った桃のカクテルだと、直感的に思った。カウンターはほとんど埋まっているのに、彼女の隣はあつらえたように空いている。その意味を悟って、私は少し愉快な気持ちになった。
「あけておいてくれたの?」
そう声をかけると、彼女は弾かれたように振り向いて、そして微笑んだ。
「来るんじゃないかと、思ったので」
私は何も言わずに部屋を取り、彼女は何も言わずについてきた。ウィスキーも果実酒も買わなかった。
夜明けと同時に目を覚ますと、先週と同じように彼女は髪の毛の一本も残さずに消えていた。
いや、一つだけ、彼女は残していった。
サイドテーブルの上に、灰皿で押さえられて名刺大の白い紙切れが置いてあった。
「次は私がご馳走します」
そこに、綺麗な字でそう書いてあった。
それから三回、私達はそういう夜を繰り返した。私は彼女を貪り、彼女は私が与える快感を貪った。互いの名前すらも尋ねないまま、週に一度会って、彼女は濡れて小さく喘ぐ。明け方にドアの閉まる音を聞く。その間に私はあの日本当に帰りを待っていた男とは切れてしまっていて、そして彼女に口付けだけは一度もしなかった。
- 146 名前:夜とカクテル3 投稿日:2009/10/23(金) 01:19:57 ID:JdBGdoBw
- 夏はもうなりを潜めて、どこからか金木犀が香る。吹き抜けていく風が心地良い、水曜日の午後。私はその日狩りには行かないことにして、魔法に使う触媒や生活物資を買い込もうと街中に繰り出した。必要な物を買い揃えてカプラサービスに預け、露天を冷やかしながらプロンテラ外周の大通りをうろうろしていたら、完全に切れたと思っていた男からどうしても会いたいこれで最後にするからとWisが飛んできた。
ここで素直に会いにいったら絶対に面倒くさいに決まっている。
どうやってこれを断ろうか。
言い回しをぐるぐる考えならあてもなく歩いて。
そして、彼女が居た。
短めの萌黄色の髪が風にさらさら流れていく。簡単なシャツと動きやすそうなパンツをはいて、紙袋を抱えていた。私服でも一目見て彼女だと分かった。まっすぐこちらへ歩いてくる。多分、まだ、私には気がついていない。私はただ呆然とそこに立ち尽くして、彼女が私に近づいてくるのをひたすら見つめていた。
なんで、どうして、ここに、彼女が。
普通に考えればあの店に来る時点で彼女だってプロンテラを拠点にしているわけで、会う可能性はいくらだってあるのだ。私は考えもしなかった。あの店以外で会うことを、どこかで恐れていたのかもしれない。
「あ」
そしてついに、あのウイスキーと同じ色の瞳につかまる。彼女はちょっと驚いた顔をして、それから微笑んだ。
「奇遇ですね」
嬉しそうに、そんな事を言う。私は頷き返すのが精一杯で、まるで雷に打たれたみたいにそこで棒立ちになっていた。その時自分がどんな顔をしていたのかは考えたくない。外で太陽の下に居る彼女を見たのはもちろん初めてだった。別人のようだと思う。こんなに綺麗に笑っただろうか。
胸が高鳴るのを制御できない。彼女を五回も抱いた過去の自分が信じられない気分だった。
つまり、私はもう、その瞬間に、馬鹿みたいに恋をした。
「これから時間があるならちょっと付き合いませんか?」
だから、彼女のそんな提案に、未だ棒立ちの私はあっさり頷いた。
路地を抜けていく彼女の後ろについて歩く。
『好きな人が居るから、もう諦めて』
すっかり忘れていたWisに返事を送って、ブロックをかける。前を行く彼女の背が私よりも少し高いことに、今になってやっと気づいた。
- 147 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/23(金) 01:20:33 ID:JdBGdoBw
- すまんここまでしか出来てないんだ。出来たら投下するよ。ええいエロシーンはまだか!
- 148 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/23(金) 01:22:45 ID:QeU/asoc
- >>144GJ
今ちょっと読めないので明日にでも読ませてもらうよ
頑張らず気負わずに最後まで書きあがってほしいわ
- 149 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/23(金) 06:10:22 ID:q5FyUMSQ
- >>144
久々の新作ktkr!
続き楽しみだー
- 150 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/23(金) 16:23:34 ID:sA2CMP/g
- 恋愛小説みたいでいいね。
気長に待ってるから出来たらいつでももってくるんだぜ
- 151 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/23(金) 23:19:04 ID:JdBGdoBw
- どうも144です。気合で完成させたんで投下します。何かエロまでが長いうえにエロが薄いorz
あと投下済みの文に誤字が。もう死にたい。
×それからワインを一本オーダーしる。
○それからワインを一本オーダーした。
なんつー間違いを…
- 152 名前:夜とカクテル4 投稿日:2009/10/23(金) 23:21:14 ID:JdBGdoBw
- 「どうぞ、散らかってますけど」
大通りから少し入った場所にある三階建ての建物の二階が、彼女の住まいだった。小さめのテーブルと椅子が一脚、それから窓際にベッドがあるだけで、むしろどうやったら散らかせるのかと聞きたいくらい簡素な部屋。きっとキッチンも浴室も簡素なんだろうと容易に想像できた。とはいえ、私も似たようなものだ。家よりも装備品のほうが高価なのは、どこの冒険者も大体一緒だろうと思う。
「お茶入れますね」
そう告げて、紙袋を抱えた彼女はキッチンへ消える。私は客人の権利として、一脚しかない椅子に座った。くるりと部屋を見回して、へえ、と少し感嘆する。部屋の片隅に無造作に立てかけられた杖は、地獄のように暑い火山に棲む魔鳥からしか手に入らない一級品だ。見たところ精錬もかなりしてある。あれを持っているならば、彼女は結構力のあるウィザードなんだろう。そもそも転生を済ませている。ハイウィザードの制服に、どこかのギルドのエンブレムもつけていた。
そんな彼女が名前も知らない、ただ夜の宿でなし崩し的に行きずりの関係を結んだだけの私を部屋に招いてくれたことが不思議だった。私は彼女との関係はあの店の中だけで完結していると思っていたし、外に持ち出すつもりもなかった。だから愚かにも、あの店以外で会うことはない、とどこかで考えていた。
「お待たせしました」
キッチンから戻ってきた彼女が、湯気を立てるティーカップを二つ、テーブルの上に置く。椅子は私が座ってしまっているので、彼女はベッドの端に収まる。
「ありがとう」
口をつけると、ふわりと香りが広がる。真っ白な飾り気のないティーカップが、何故だかとても彼女らしいと思った。よく知りもしないのに。
「おいしい」
そう言うと、よかった、と彼女は目を細めて笑う。
「もしも」
微笑んだまま、彼女がするりと言葉を紡ぐ。
私は、彼女との関係はあの店の中だけで完結させるつもりだった。さっきまでは。
「さっき、あなたが断ったら、あのお店には二度と行かないつもりでした」
けれど、果たして彼女もそうだったのだろうか。私が口付けをしない理由に、彼女はきっと、気がついていた。多分、最初の夜から。
立ち上がり、私の横で彼女が言う。
「キス、してもいいですか」
その声は、少し、震えていた。
ウイスキーの瞳が、ひたり、と私を見据える。
窓から入る光できらりと透けるそれを、初めて美しいと思う。
昨日までの私なら断った。けれど昨日までの私は今さっき、あの大通りで容赦なく崩されて、再構築された。それはもう、徹底的に。
だから、返事の代わりに、ゆっくりと瞼を閉じた。
そろり、と頬に指が触れる。その指先は震えていて、そこから彼女の緊張が私にも伝播する。
恐る恐る唇に押し付けられる柔らかな感触。彼女の髪が淡く香る。私はまるで初めてキスをする少女のように緊張していて、心臓は自分のものとは思えないくらい早く動いた。彼女もきっと、そうだったに違いない。押し付けられた唇と、頬に触れた指先とがそれを教えてくれた。
何分も経ったのか、それとも一瞬だったのか。ただ触れるだけだった彼女のぬくもりが離れて、私はそれを名残惜しい、と感じる。
瞼を持ち上げると、椅子に座ったままの私を見下ろす彼女と目が合う。彼女は何とも言えない表情をしていて、そして多分私も同じだった。
無言で差し出された手を取って立ち上がる。そのままベッドへ導く彼女に抗う為の理由を、私は何一つ持っていなかった。
- 153 名前:夜とカクテル5 投稿日:2009/10/23(金) 23:22:56 ID:JdBGdoBw
- ぎし、と二人文の体重を受け止めたスプリングが控えめな悲鳴を上げる。
「抵抗、とか、しないんですか」
私を押し倒し、頭の横に手を突いて彼女が問う。
「あなたは、しなかったわ」
「……それも、そうですね」
私の答えにちょっと笑って、彼女はゆっくり私の唇に唇を押し付ける。
触れる、だけじゃない。上唇を軽く吸われる。そっと舌で撫でられる。
「ん……」
少し隙間をあけると、するりと口内に侵入された。
唇の裏側。上顎。歯列。
彼女の舌が、それらを丁寧に、ゆっくりとなぞる。私の舌を絡め取って、擦り合わせる。
そのひとつひとつが、ひどく優しい。
私の上に重なった彼女の身体が、心地良い重さと体温を分けてくる。
こくり、と彼女と自分のとが混ざり合った唾液を嚥下する。彼女の、と意識すればそれだけで身体の奥に熱がうまれた。
「はっ、ぁ……」
たっぷりと時間をかけて丹念に口内をまさぐりつくして、彼女は私を開放する。
キスだけで情けないくらいに火照る私を見つめる目が、本当にいいのか、と訊いていた。その潤んできらきらと光る、ありありと欲情を浮かべたウイスキーの瞳が、他の何よりも私の興奮を煽るというのに。
「人をこんなにしておいて、ここでやめたら殴るわよ。本で」
軽く睨んでそう言うと、彼女はふわりと微笑んだ。
「そうしたら、ついでにボルトも貰うんですよね、私」
当たり前でしょ、と笑いながら、私は狐をかたどった襟巻きを外して椅子の背に放る。特別な装備品でもないし、制服は支給品だ。彼女が防御の薄くなった首元に手を差し込む。私の長い髪を軽く払うと、そこに顔を埋めた。
「っ……」
ぺろりと首筋を舐められて、肌が粟立つ。上に下に行き来しながら、唇を押し付け、軽く吸って、舐める。その間に左手が私の上着の前を開けて、布の下に入り込んだ。指先で鎖骨をくすぐって、下着の上から胸の形を確かめるように触れられる。そのまま下に下りて、お腹を掌でゆるゆると撫でた。
「少し、上げてください」
耳元で囁かれる、熱っぽく低い、少しかすれた声。ぞくぞくする。
言われるまま身体を浮かせると、背中に回りこんだ左手が器用にホックを外した。
「はっ、ぅ」
同時に耳たぶを甘噛みされて、思わず声が漏れる。下着を押し上げて、解放された胸を彼女の左手が軽く力を入れてふにふにと揉む。唇は舐めたり押し付けたりしながら首筋を下に辿って、鎖骨の上を通り、もう片方の胸に行き着く。きっと早鐘のように打つ鼓動を、彼女は感じているだろう。目の前で萌黄の髪がふわふわと肌をくすぐる。重ねられた体から伝わる体温と、愛撫と息遣いとで、体温が上がっていく。背中はもう汗ばんでいる。腹の底がじりじりと疼く。手を伸ばして目の前の萌黄色をくしゃりと撫でてみる。なんだか泣いてしまいそうだった。
- 154 名前:夜とカクテル6 投稿日:2009/10/23(金) 23:24:10 ID:JdBGdoBw
- 「そんな顔しないでくださいよ」
どきどきしちゃうじゃないですか、と顔を上げた彼女が、少し困ったように笑う。髪を軽く掴んで目を閉じると、身体を引き上げて望み通りキスをくれた。
「可愛い顔、するんですね」
唇を離すと、ふにふにと左手で胸をまさぐりながらそんな事を言う。彼女はさっきから一度だって、その期待で硬くなった先端には触れないのだ。
「誰かさんだって散々可愛い顔、んぁあっ、ちょ、ずるっ」
言い返したとたん、そこをきゅうっと摘まれた。びくりと身体が跳ねる。
「声も可愛い」
もう片方を口に含まれる。
「ん、ぅっ……は、っぁ……」
抑えきれず、切れ切れに声をこぼしながら荒く息をつく。左胸の先端に彼女が濡れた舌を押し付けて、ゆっくりと舐め上げる。舌と擦れ合のが良くわかって、羞恥と興奮を煽った。右胸の乳首を、掌で円を描く様にして転がされる。親指と人差し指で挟んで捏ねる。ぴりぴりと甘い快感が、背筋を抜けていく。
「ひぁっ!」
ゆるゆるとした愛撫に油断していたら、かり、と歯を立てられた。
「痛かったですか?」
少し意地の悪い目を向けて、彼女が言う。今歯を立てたそこを、赤い舌でちろりと舐める。それがひどく艶っぽくて、どきりとした。気恥ずかしくて顔を背けると、彼女が笑う気配がする。
するすると掌がわき腹を撫でて、その後を唇と舌が追っていく。さっきから腰が動いていたことは、きっとお見通しだろう。ふと、こんなに丁寧に抱かれたのはいつ振りだろうか、と思う。彼女はそこかしこに唇を落としたし、ゆっくり丁寧に触れた。その分、私は焦れもするのだけれど。
なんだか悔しくて、彼女の胸に手を伸ばして触れる。ぴくりと反応した彼女は、咎めるような目で私を見遣った。
「だめです」
手首を捕まえて、指先に口付ける。そのまま口に含んで、軽く吸われた。ちゅ、と音を立てて唇が離れる。
「いいじゃない」
「私は今まであなたの下で指をくわえて見てたんですよ。一回くらい大人しく抱かれてくれたっていいじゃないですか」
私の手首を開放すると、拗ねたように唇を尖らせて言う。
「わかったわ」
そういえば、彼女は抱かれる時にそういう意図を持って私に触れたりしなかった。せいぜい、頭を押さえつけるくらいで。腰のスリットから、手を入れられる。
「んん……」
つ、と彼女が下着の上から、指でそこをなぞる。とたん、ふっと表情が綻んだ。
「濡れてる」
その声があまりにも純粋に嬉しそうだったので、私は素直に足を開く。足の間に身体を収めて、彼女が下着を抜き取る。外気と視線に晒されるのを感じて、羞恥に顔が火照るのが分かった。
「あんまり見ないでよ」
「嫌です」
くすりと笑って、ちゅぱ、と自分の中指を舐める。期待にぞくぞくする。さらに濡れるのが分かる。
「あ、ぁっ……ふっ……」
十分すぎるほどに濡れたそこに、彼女の細い指が宛がわれて、擦り上げられる。指の動きにあわせて、くちゅくちゅと粘ついた水音がする。すご、と彼女が熱に浮かされたような声で呟く。
「っあ、んぅああっあぁっ」
ちゅぷ、と指が入ってくる。待ち焦がれていたその刺激に、私は堪えきれずに声を上げた。ぞくぞくと快感が背中を駆け上がる。意図せずにこぼれた涙が、目尻から髪の中へ落ちていった。
「はっ……んぁ、はぁっ……」
彼女の細い指は、それでも確かな存在感を持って私をかき回す。ゆっくりと抜き差しを繰り返すだけだったけれど、私の身体はじりじりと熱を溜めていく。
「増やし、ますよ」
は、と息をつきながら彼女が言う。彼女も興奮しているのだと思うと、少し嬉しい。
「ん、ああっ、ちょ、なん、あっ、ふあぁああっ……!」
突き立てられる指が二本になるのと、恥ずかしいくらいに充血していた突起を彼女が口に含んだのは、ほとんど同時だった。一気に持っていかれそうになる意識を、必死で繋ぎ止める。指が突き入れられて、かき回し、弱いところを的確に探してくる。その度にはしたなく水音が響く。私はぽろぽろと涙をこぼしながら、体を震わせてひたすらに声を上げた。思わず足の間に埋めている彼女の頭に手を伸ばす。柔らかな髪に指を通すと、ぴちゃぴちゃと音を立ててそこを舐めていた彼女が顔を上げる。
「いい、ですよ」
いっても、と肩で息をしながら悲鳴じみた声を上げる私に向かって言った。そう、言ったような気がした。
「あ、っああぁっ、だめっ、も、っあああっ!」
彼女が探り当てた弱点を突いた。突起を舐め上げた。私はぶるぶると震えながら、背中を弓なりにして、泣きながら、果てた。
- 155 名前:夜とカクテル7 投稿日:2009/10/23(金) 23:25:00 ID:JdBGdoBw
- 窓から差し込む光が、赤みを帯びている。
私は中途半端にはだけた服のまま、くたりとシーツの上に伸びていた。傍らで、ベッドの端に腰掛けた彼女が、すっかり冷めてしまった紅茶に口をつけていた。んん、と伸びをして体を起こす。
「ねえ」
声をかけて、私は中途半端にはだけた服を脱いでいく。肘から先に纏った長い袖も、紐を解いて外す。
「何でしょう」
振り向いた彼女が、服を脱ぐ私を見てちょっと赤くなって、それがおかしかった。さっきまであんなことをしてたのに。
「どうしてあの日、誘いに乗ったの?」
私は自分の服をすっかり脱いでしまうと、彼女の袖を引いた。彼女は素直に私に向き合って、それから恥ずかしそうに目を伏せて、頬を染めた。
「実は、一目惚れだったんです。あの時」
そう言って耳まで赤くする彼女が、もうどうしようもないくらい可愛かったので、その唇に口付けた。それから、シャツのボタンを外しにかかる。
「奇遇ね、私もしたわ。一目惚れ」
シャツを脱がせて、下着も外す。彼女は大人しく服を脱がされながら、それでも驚いた顔をした。
首に腕を回して、軽く体重をかける。彼女は素直に押し倒される。
「ねえ、名前、教えてくれる?」
そう囁くと、ウイスキーの瞳を細めて、ふわりと笑った。初めて会った日みたいに。
- 156 名前:144 投稿日:2009/10/23(金) 23:26:44 ID:JdBGdoBw
- 以上です。読んでくれてありがとう。エロ薄くてすまん・・・。リバっていいよね!
あと誤字脱字あったらこそーり脳内変換して読んでくれると嬉しい。
- 157 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/24(土) 01:14:32 ID:2qS7YHl6
- >>144
いい!GJ(*`・ω・)b
シーンが薄いってそんなこと無い気がします
情景描写で想像をさせられていい感じですb
次作があればぜひ読みたいですわ
- 158 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/25(日) 11:45:16 ID:052wMPrE
- GJ!
ハイWIZさんがすごく可愛くてよかったです♪
素晴らしかったよ〜
- 159 名前:144 投稿日:2009/10/25(日) 12:43:07 ID:m7Gx5ekg
- >>157 >>158
GJありがとう!
エロシーンが難しくて難しくて死にそうだったからそう言ってもらえて一安心だ。
また何か書けたら投下しに来るよ。感想貰えるとやる気でるね。
- 160 名前:れにゃちぇりのひと 投稿日:2009/10/29(木) 08:46:45 ID:lsLB64sQ
- お久しぶりです。
宣言から一年以上、全く創作意欲も出ない、書くこともままならない、BBQにへこむなど、完全に打ちのめされた状態でした。
いい加減完成させて、次のステップを踏んでいきたいところ、がんばって執筆中です。
年内完結を目標にしておりますので、よろしくお願いします。
- 161 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/30(金) 01:17:02 ID:YbDXSPrQ
- おお、れにゃちぇりの人だ!
気長にお待ちしております
- 162 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/30(金) 05:57:59 ID:uQ65tZXA
- れにゃちぇりの人お久しぶりですよー
ずっと楽しみにしてました、よろしくですよ!
- 163 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/30(金) 11:01:52 ID:EJojaMqY
- >>144
イイヨイイヨー
教授娘も廃Wiz娘も大好物
続き楽しみにしてる
- 164 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/11/01(日) 16:12:37 ID:TtMUEnvQ
- わー!れにゃちぇりの人だー!
まったりゆっくりお待ちしておりますよ〜
- 165 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/11/11(水) 22:59:46 ID:ppdTqDvY
- >>144
雰囲気がとても素敵です。
ゆっくり時間が流れてるみたい。
言葉の言い回しがクリーンヒット…!
半分寝ながら読んでたのに、今は目が覚めました。
お酒飲んでるのと、街で会うのと、キスシーンが凄く好きです。
2人の性格は激しくなくて、ゆったりとした気持ちになれました。
素敵な時間をありがとうございました。
- 166 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/11/23(月) 09:24:14 ID:h/Oi284w
- 需要を読まずに投下してみる。
多分「その事」自体は、恐らくあの人にとって見ればいつもの日常の延長線の発言でしか無いと思う。
人畜無害を絵に描いたような人だ、裏が有るなんて思えない。
しかし、そんな含みを持たせられてしまうと…
「…何か裏があるんじゃないかって、勘繰っちゃうわよね」
はぁっと、私は何度目になるか解らないため息を付きながら、家への道を歩いて居た。
あの人――養子の私の、養母の待つ家への道を。
そもそもの切っ掛けは、私がアコライトの時に狩り場を背伸びして死に掛けた時に助けてもらった、と言う、実にありがちな話だった。
囲まれてもう絶体絶命と言う時に、その人は風の様に現れて、舞うかのように敵を葬って行った。
プリーストだったあの人のそんな動きを、先ほどまで死に掛けて居た事すら忘れて、見惚れてしまって居た。
でまあ、ぶっちゃけ、その瞬間にあの人に一目惚れして居た。
「大丈夫? 怪我は無い?」
「いえ、だ、大丈夫です…ありがとうございました」
立ち上がって服のホコリを払ってもらいながら、私は何とかお礼の言葉を言った。
「どう致しまして。でも、アコの貴方じゃこの辺はまだ厳しいかもね。街まで送りましょうか?」
「はい、お願いします」
まだポタを習得して無かった私は、素直にその好意を頂く事にした。
「あの、青石代、これ少ないですが…」
私がなけなしの習得品を渡そうとすると、あの人は笑って。
「1個くらい大丈夫よ、気にしないで」
「で、でも…それじゃ悪いですし」
「ふふ、気にしないの。後輩を守るのも先輩プリーストの勤めですから」
そう言ってふっと微笑む。ああ、何て綺麗に笑う人なんだろう。
「じゃ、じゃあせめてお名前を教えて下さい」
ちょっと驚いたような顔をしたあの人は、ふっと微笑んで名前を教えてくれた。
- 167 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/11/23(月) 09:24:42 ID:h/Oi284w
- それから数ヶ月。私もアコライトとしての修練を積み、もう少しでプリーストの転職試験を受けられる、となった時に、あの人――シエルさんとばったり再会した。
「シエルさん!」
「? あら、貴方はリコさん…お久しぶりね」
「お久しぶりです。と言うかハイプリになられて居たのですね、おめでとうございます」
ばったり再会したシエルさんは、ピンク色の高位法衣に身を包んで居た。
「ありがとう。転職したばかりなのでまだまだひよっこだけどね」
そう言ってぺろっと小さく舌を出す。
ああもう、なんて可愛い仕草なんだ。
思わず抱き締めたい衝動に駆られるのを押さえて居ると。
「シエル、こちらのお嬢さんは?」
先程からシエルさんの横に立って居たハイプリのハンサムなお兄さんが、シエルさんにそう聞いてきた。
「ああ、こちらのアコさんはリコさん。私の転生寸前にある狩り場で会った知り合いよ」
「へえー。リコさん初めまして、俺はレイル」
ハンサムさんはそう言ってぺこりとおじぎをしてくる。こちらも同じくぺこりと挨拶。
「レイルさんですね。リコです、初めまして」
そう言えばこのハンサムさん、確かシエルさんの事を呼び捨てにしてたと言う事は…。
「ところで、お二人はどう言うお関係で?」
何となく世間話的な感じで話を振った私は次の瞬間帰って来た言葉に打ちのめされる事になる。
「ああ、レイルと私は夫婦なのよ」
「え…あ…そ、そうでしたか」
何と言う事だ、シエルさんは既に人妻だった。
しかも旦那さんのレイルさんは第1印象がかなり良い人だ。二人を深く知ってる訳では無いが、何かお似合い夫婦な雰囲気が読み取れる。
つまり私の淡い恋はここで物の見事に破れた事に。
「え、と、じゃあ私はちょっとこれから用事が有りますので、これで…」
「あら。それじゃあ、またね」
シエルさんはにこやかに手を振って居たが、その素敵な仕草が今は心に痛い。
何とか心の動揺を悟られないようにごまかすと、その場を立ち去った。
ところが。
歩きだした私の背後で、二人のこんな会話が聞こえて来て。
「ところでシエル、養子になってくれそうな子、誰か居たか?」
「うーん、こっちは全然ね。レイルは?」
「こっちもダメだった。まあ気長に探していくしかないかな?」
次の瞬間、私は二人の方に走って居た。
「シエルさん! 私をあなたたちの養子にしてください!」
- 168 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/11/23(月) 09:25:33 ID:h/Oi284w
- まあ自分でも、このいきなりな行動にはちょっとびっくりしたが。
それを二つ返事でOKする二人もどうなんだろうかと。
そんな感じで、私は二人の養子になった。
いきなり背丈が縮んだり、ただでさえ悲しい胸がもっと悲しい事になってみたり、二人が所属するギルドに連れて行かれて紹介されたらそのまま翌日まで宴会になったり、何やら色々おかしかった気がするが。
そして、私もようやくプリーストに転職出来た。
そうしたらシエルさんは。
「じゃあ、今日はお祝いをしなきゃね!」
とか言い始めた。
「そりゃいいね、やろうやろう」
レイルさんもそう言いだす始末。
「え、でも、お祝いって言われても…」
「大丈夫、家族だけで小ぢんまりとやるお祝いだから。ギルドの大宴会みたいにはしないわよ」
それを聞いてちょっと安心した。なんせギルドの宴会はいつも桁が違いすぎて…。
「あー、そう言えば俺今日は仕事の関係で明日昼まで出かけるんだった」
「あら、それじゃあお祝いは明日にします?」
「いやいや、今日はシエルとリコの二人でやればいいよ。明日俺が帰って来たらそれで又やればいいんじゃない?」
「それもそうね」
と言う感じで二日連続のお祝いが決まってしまった。え、そこに私の意志が入る余地は無いんですか?
とそんな事を考えて居たら。
「今日は御馳走にするわよ。おとっときの『おまけ』も付けちゃう。レイルにはナイショでね」
「へ?」
あっけにとられた私に、シエルさんはぱちっとウインクをした。
その後用事があったので私は一旦二人と別行動をして、その用事が終わったので家に向かって居ると言う次第。
「『おまけ』って何だろうなぁ…」
もうさっきからそればかりが気になる。別段シエルさんが何か罠にはめようと言う訳では無いと思うのだが、それにしてもそんな含みを持たせるような事を今まで言って来た事が無かっただけに余計気になる。
「あー、もう、どうすれば…」
そんな風に思考の無限回廊をぐるぐる回って居ても、気がつけば既に家の前に立って居た訳で。
「…うう、今日はどこかに宿でも取ろうかしらん…」
半ば本気でそんな事を考えて居たら、急に目の前のドアが開いて。
- 169 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/11/23(月) 09:26:15 ID:h/Oi284w
- 「おかえりなさいー」
シエルさんが出て来たかと思ったらぎゅーっと抱き締められた。
「た、ただいまー」
「ああんもうプリ姿のリコも可愛いー♪ もうこのまま食べちゃいたいくらい」
何か抱き締められたまま振り振りされてほおずりされてるんですがっ。
普段見られないようなシエルさんの壊れっぷりに、私はかなりびっくりして居た。
「てか…た、食べちゃうって!?」
「うふふ、冗談よ。さ、中に入って。せっかくのごちそうがさめちゃう」
こうして、二人でささやかな祝宴が行われた。
いつもながらシエルさんのご飯はとてもおいしい。
何て言うか恋人同士とかじゃなくてもこんな幸せも有るんだなぁとか、しみじみと思ってしまう。
「じゃ、今日のおとっときを。じゃーん」
シエルさんはそう言うと、綺麗なピンク色の液体の入った瓶を取り出した。
「何ですかそれ?」
「ん? これね、アマツ特産の桜のお酒なの。昔から好きでたまに仕入れてるのよねー」
そう言いながらグラスに注いで行く。
「はい、どうぞ」
と、私にもお酒が入ったグラスが手渡された。
「え…と言うか、私子供なんだけど、いいの?」
「養子って言っても中身は立派に大人でしょ。ギルドの宴会でも飲んでるんだから大丈夫大丈夫」
「…はぁ」
いや、そんなに一杯は飲んでませんが。
「じゃ、かんぱーい」
「かんぱいー」
ちんっ、と、軽くいい音を立ててグラスがなった。
すっと、一口飲んで見る。
「…おいしい」
カクテル風になっているそのお酒は、とてもおいしくて、そのまますっとグラスを開けてしまう。
「でしょう? 私のお気に入り。レイルにも教えて無いのよ」
「…え?」
と言う事は本当におとっとき?
- 170 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/11/23(月) 09:26:58 ID:h/Oi284w
- と考えた瞬間、視界がぐらっと揺れた。
「…あれ?」
「…うふふ、効いたみたいね」
「へ…き、いたって何が」
「このお酒ね、見た目も味もそんな風に見えないかもだけど、実は物凄くキツいお酒なの」
ふと見ると、笑みを浮かべたシエルさんが私のすぐそばまで来て居た。
そのまま、腰砕けになって居る私を抱き上げる。
「え…ええ?」
「通称『酒天狗殺し』。あのお酒の妖怪ですらこれを飲むと酔っぱらって倒れてしまうと言うお酒」
「え…な、なんで…?」
何が何やら、訳がわからない。シエルさんの腕から逃れようとして見たのだが、力が出ない。
「あ、私がこれ好んで飲んで居るのは事実よ。と言ってもコップ一杯なんてたくさんは飲まないけどね」
そう言いながら、シエルさんは私をベッドルームに連れて行って、私を寝かせて。
「ふふ、じゃあいただきまーす」
「え、なにんぐっ!?」
そのまま唇を奪われた。
唇を重ねるだけの軽いキスだったが、私にはそれが物凄く長い時間に感じられ。
気がついたら瞼を閉じて居た。
「んちゅっ…はぁっ」
「はぁ…シエルさん…」
「ごめんなさいね」
「なんで…なんであやまるんですか?」
「実は、貴方を見かけた時から好きだったの。だけど、その時私は既に結婚してたし、女同士だなんて普通じゃないかなぁって」
「え? え?」
「だから貴方が養子になってくれるって言った時にすぐOKしたのよ。いつでも傍にいられるかなって」
「そうだったんですか…」
「そんな訳でこんなむりやりな事しちゃって…ごめんなさいね」
そう言ったシエルさんは泣きそうな顔をして居た。
…何かちょっとだけ、ほっとした自分が居る。
「いいですよ、私もシエルさんの事好きですから。だから養子になったんです」
「…え?」
それを聞いたシエルさんは、驚いたように目を丸くした。
「ほんとに?」
「ええ。これは『ママ、パパ、大好き!』じゃないですよ」
そう言うとシエルさんはくすりと笑った。
- 171 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/11/23(月) 09:27:42 ID:h/Oi284w
- 「ふふっ、そうだったのね」
そう言うと、シエルさんは再び私にキスをして来た。
「ん…」
振れるだけではなく、唇を啄ばまれる様なキス。
少し開けると、シエルさんはするっと舌を滑り込ませて来た。
私の舌と絡み合う。
少しだけ、さっき飲んだお酒の味がした。
「はぁっ………」
たっぷりと、時間をかけて口の中をかき回されて。
体が熱いのは、恐らくお酒のせいだけでは無いだろう。
「シエルさん…」
私が名前を呼ぶと、シエルさんはくすりと笑って、首筋にキスをして来た。
「んっ」
ぴくん、と体が反応する。
そのまま、首筋を舌がすすっと動く感触。背中がぞくぞくっとする。
ここまで書いたらネタが尽きた!
文章の神様は私を見放したらしい………
- 172 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/11/23(月) 20:44:12 ID:bH4gLx7.
- 案@寝取り
案A秘密の関係うふふのふ
案B悲劇的展開
さあどれだ!
いやこれ以外にもあると思うけどね
一応提案してみたよ!
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