【18歳未満進入禁止】みんなで創る18禁小説Ragnarok ♀×♀ 第6巻【百合】
[127:Chase(1/5)(2009/08/17(月) 21:36:06 ID:p9I7vei2)]
「嗚呼、一体どうすれば彼女にこの気持ち、伝わるのだろう?」
私は小さく溜息を付きながら夜のプロンテラの大通りを歩いていた。
思えば昨日から色々とおかしかった……あれだけ狩ってネイチャが20個ぽっちだったし。
運の要素も絡むとは言えチェイサーとしては情けない数字だ。
何か起こる前兆だったのかもしれないなんて考えながら、私は2人分の食材を抱えて帰路に着いた。
自宅は首都の喧騒から少し離れた路地裏にある。
私はこの寂れた宿の屋根裏、元は倉庫だった部屋で暮らしている。
チェイサーだから人目に付かない場所に住んでる、なんて言えば聞こえだけはいいけど
実際はただお金がないって理由だけ。
昔から私はついてない人間だ。
私は10歳の時、突然親の借金返済のために奴隷として売りに出された。
無我夢中で逃げ出して、気が付けば生きるために何でもやって今こうして生きている。
ある意味チェイサーと言うのは私にとって天職なのかもしれない。
悔いなんてたったひとつしかないけど、汚い捨てネコみたいな人生だよ、ほんとね……
宿の前にはペコペコが大人しく頭を垂れて佇んでいる。
彼女は昔から方向音痴だった記憶があるけども
ちゃんとここが分かったみたいで、私はほんの少しだけ安心した。
そう、私がこんな落ち着かない心持ちなのは全部彼女のせいなんだ。
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