【18歳未満進入禁止】みんなで創る18禁小説Ragnarok ♀×♀ 第6巻【百合】
[190:その4(2010/02/10(水) 08:05:50 ID:D1fyWcjQ)]
その日の食事は豪勢だった。
ま、作ったのは私なんだけどね?
クリスの手料理は…言っちゃ悪いけど下手くそっていうか危なっかしい。
砂糖と塩を間違えるなんて基本は当たり前で、食材を切ろうとして指を切ったり
火加減を間違えて炭化させたり…。あげたらキリがない。
なので基本的に料理は私の役目になってる。
クリスもクリスで料理に関しては全く向上心がないらしい。
彼女の欠点らしい欠点といえばこのくらいなんだけど…。
可愛いから許す!
「へへー、美味しかった。アーニア、ご馳走さま」
食後にお酒を注ぎながらクリスは私の隣に椅子を寄せて私の肩に頭を乗せてきた。
こうして時々甘えられるのだが…。今日は私が意識し過ぎだろうか。変にドキドキする。
「はい、乾杯♪」
クリスの注いでくれたお酒を二人で一度グラスを合わせて軽くあおる。
今日は絶対酔いが早い。っていうか酔うとやばい。そのまま勢いでクリスに手を出しちゃいそうだ。
「ふふ、美味しいお酒だもんね?もう空になってるよー?はい、どーぞっ」
え?あれ!?
気がつけば自分のグラスは空になっていた。
自分が思っている以上に私は緊張しているらしい。
すかさずクリスが私のグラスを再び満たしてくれていた。
「ん。」
再び彼女が私の肩に頭を乗せてくる。
こういうときは彼女の頭を撫でてやるのが決まりになっていた。
今日はほんの少しだけ力をこめてこちらに引き寄せて撫でてあげた。
クリスこそグラス空になってるし。
今度は私が彼女のグラスに注いであげる。
「ありがと」
どうやら今日は彼女も輪をかけて甘えん坊らしい。
膝の上に乗っかってきた。別に重たくないし、彼女を抱っこするのは私も好きだけど…。
でも、その…そうされると全然動けないし、見上げてくるクリスの顔、お酒のせいか紅潮してるし…なんていうか物凄い可愛い…
やっぱり私は彼女を誰かに渡したくない。
だからグラスを置いて彼女を力いっぱい抱きしめた。
「アーニア?」
不思議そうに聞いてくるクリス。
――私もクリスがいい。
「アーニア…?」
――私もお嫁さんはクリスがいい。
昨日の話しの続きだって気がついてるだろうか?ちょっと心配。クリスはどこかずれたところあるから…。
「うん…。ありがと」
答えのかわりにクリスは瞳を閉じた。ちゃんと伝わってたって嬉しかった。
受け入れてくれて凄く嬉しかった。
私の膝に乗ってる彼女。唇はもう、物凄く近かった。
クリスの唇は果実酒よりも甘かった。
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