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【18歳未満進入禁止】みんなで作るRagnarok萌えるエロ小説スレ 十七冊目

[203:続続続続199(2011/03/29(火) 19:36:52 ID:ggMpie66)]
Black side story 3

青天の霹靂とはこの事を言うのだろうか。
突如として現れたブランは、あろう事か俺に愛の言葉を紡いだ。
その言葉はいつものブランからは想像もつかないほどに熱く、真っ直ぐだった。
その真っ直ぐな言葉を受けて、俺の頭の中に浮かんだのは

『シューさーん!』

あいつの笑顔だった。
答えはもう出ていた。
ただ、今の関係が心地よくて、壊したくなかっただけ。
それを今はっきりと認識させられた。

「ありがとう。でも……俺を待ってる人が居るんだ。」
「……はい……」

涙を浮かべたブランの瞳を俺も真っ直ぐ見つめて言葉を紡ぐ。
意を決するように一度だけ深く瞬きをして、再び口を開く。

「俺はあいつが……テスタが好きなんだ」
「……わかって……いました……」

涙をぼろぼろと流しながらも、ブランは無理やりに笑顔を作って見せた。
痛々しいその笑顔。
唇が震え、今にも崩壊しそうな笑顔で、ブランは俺を見つめてくる。

「……早く……行ってあげて下さい……私、が……笑顔で……いられる……うちに……」
「ありがとう……」
「……女の子は……こんなに弱いんです……だから、ちゃんと……守ってあげて下さいね……」

ぎゅっと法衣を握り締め、必死に堪えるブランの横をすり抜けて酒場から出る。
すり抜けた瞬間、小さな声が耳に届いた。
その言葉は、俺にとっては祝福にも呪詛にも聞こえた。

「……お幸せに……」

彼女はそう呟き、俺に速度増加をかけたのだった。


White side story 4

「俺はあいつが……テスタが好きなんだ」

決死の思いで紡いだ言葉は、彼に届かなかった。
彼があの子が好きだってわかっていた。
わかっていたはずなのに涙が止まらない。

「……お幸せに……」

それは私が言える精一杯の皮肉であり、本心。
自分が愛した人。
その人が幸せになる時、隣に居るのは自分がいいに決まっている。
それが他人だっただけ。

マスター「おめぇさん…強い女だな」
「……そんなこと……ありません……」

もう笑顔を作る必要はないのに、顔は笑顔のままで。
このまま泣き崩れたら、ずっと泣いてしまいそうな気がして。
だから笑顔を崩さずに居ただけ。

マスター「俺には他人の恋路にあれこれ言う道理はねぇが…つれぇよな」

マスターは小さく苦笑すると、慣れた手つきでカクテルを作り始めた。
そうして出来上がったのは、ピンク色のカクテルにピンクのハイビスカスの花が飾られたカクテル。
それを私に差し出してくる。

マスター「奢りだから、飲んどきな」
「……ええ……頂きます……」

元々ここにはお酒を飲みにきたのだ。
こんな時くらいお酒に浸っても誰も文句は言わないでしょう。
そのカクテルを口に含むと、甘さとレモンの香りが口一杯に広がった。

「……美味しいですね、このお酒……」
マスター「見た目どおり、ハイビスカスってんだよ。知ってるか?ハイビスカスの花言葉はな……」

マスターが次に紡いだ言葉を聴いた瞬間、私の笑顔は崩れてしまった。
折角まだ笑顔で居られたのに、泣き崩れてしまう。
このマスターは本当に人が悪い。

マスター「上品な美しさ、繊細な美。そして……新たな恋」


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