【18歳未満進入禁止】みんなで作るRagnarok萌えるエロ小説スレ 十七冊目
[202:続続続199(2011/03/29(火) 19:35:06 ID:ggMpie66)]
Red side story 2
笑っている顔、怒っている顔、いろんな顔を見てきました。
ずっと一緒に過ごしてきて、これからもずっと一緒に居たい。
そう思うようになったのは、つい最近のようで、ずっと前からだったかも知れません。
いつからこんなに好きになってしまったのか、私にもわかりません。
「うー…」
足りない頭だってわかっていますけど、必死に考えてしまいます。
彼は私とあの人のどちらが好きなんだろうって。
「やっぱりー…ブランさん…かなぁー…」
どうしても彼女と自分を比べてしまいます。
美人だし、胸もおっきいし、支援も上手だし。
比べて私は童顔で、胸はぺったんこで、突っ込むことしか脳が無いルーンナイト。
鎧を外した胸の辺りをぺたぺたと触ってみても、ため息しか出てきません。
「グルルルルル…」
「大丈夫だよー?心配しないでー…?」
ベッドの横で丸くなっていたドラゴンが喉を鳴らす。
まるで私をいたわっている様に、無骨な瞳で視線を向けてくる。
「やっと好きって…言えたのになぁー…」
最初はカッコイイ人位にしか思っていなかった。
でもその人は優しくて、暖かくて、そして私を信じてくれる。
いつも突っ込む私の背中を見ていてくれる。
あの人がいるから、私は頑張れる。
それにやっと気づいたのに、気づくのが遅すぎたみたいです。
「もしダメでもー…君はずっと側にいてくれるよねー…?」
「グルル…」
そっとドラゴンの頭を撫でると、ドラゴンは目を細めて小さく喉を鳴らした。
どこにも行かないと言っているかのように、じっと動かないままで。
「やっぱりー…ウォーロックとアークビショップってお似合いだよねー…」
ポツリと吐いた弱音をかき消すように、ドラゴンは私の手を甘噛みする。
痛くは無いけれど、ドラゴンは私の手を噛んだままじっと私を見つめてくる。
”諦めるな”そう言っているように見えて仕方なかった。
「ありがとう…君は…優しい子だねー…」
ドラゴンの温もりを手に感じたまま、いつしか私は眠りに落ちていたのでした。
Black side story 2
テスタに告白されてから、どこへ行く当ても無くいつもの酒場に来ていた。
お互いの拠点は知っているから、テスタを追いかけようと思えばすぐに追いかけることはできた。
それでも、俺の足は動いてくれなかった。
一人で酒場入るのはどれだけぶりだろうか。
その位、ずっと一緒にテスタと狩りをしてきた。
テスタを意識しなかったといえば嘘になるが、意識していたといっても嘘になる。
そして、ブランを意識していなかったといっても、嘘になってしまう。
結局はぬるま湯につかっていたいだけだったんだろうか。
マスター「お、今日は一人か。珍しいな」
「俺にも色々あるんだよ」
マスター「夫婦喧嘩は犬も食わないって言うがねぇ」
マスターはニシシと笑みを浮かべながら、注文もしていないのにビールを出してきた。
”夫婦喧嘩”第三者にそう言われると、俺とテスタが他人からどういう風に写って見えたのかが伺えた。
「俺らは夫婦じゃないんだが?」
マスター「似たようなモンだろ?早く仲直りしねぇと他の誰かに取られちまうぞ?
テスタちゃん、めんこいからな」
「お生憎様、今日テスタから好きだって告白されたよ…」
マスター「よかったじゃねぇか。なのに、おめぇさんなんてツラしてんだよ?」
俺はマスターに対して事の経緯を話した。
テスタとはずっと一緒に居たいと思っていたこと。
しかし、最近惹かれているかもしれない女性が居ること。
それに気づいたテスタが俺に告白してきたこと。
全てを話し終えると、マスターは神妙な顔つきになっていた。
マスター「まあ、おめぇさんが悪い」
「だろうな」
マスター「テスタちゃんは勇気出しておめぇさんに好きだって言ったんだろ?
おめぇさんは、いいにしろダメにしろ何かしら言ってやるべきだ。
そうじゃねぇと、テスタちゃんが可哀相すぎるだろうよ」
「そのいいにしろダメにしろがわからんから悩んでるんだよ…」
はぁ、と深くため息をついた瞬間、俺の頭に衝撃が走った。
見れば拳固を掲げたマスターが俺を睨み付けていた。
マスター「おめぇさんがそんなだから、女の方に言わせちまったんじゃねぇのか?
こういうのは男の方がケツ持つもんだ」
「わかっちゃいるんだが…こんな中途半端な気持ちじゃ、テスタに失礼だろ?」
マスター「そんな言葉が出るってこたぁおめぇさん…テスタちゃんにゾッコンホの字じゃねぇかよ?」
マスターは死語を連発しながらニカっと快活な笑みを浮かべた。
”行ってやれよ”と言わんばかりに、出入り口を指差す。
瞬間、出入り口の扉が開いた。
そこから現れたのは、酒場には似つかわしくない真っ白な出で立ちをしたアークビショップ、ブランだった。
White side story 3
今日もいつもの木陰に座ってあの人を待つ。
それが日常になってきていた。
でも、あの人は今日木陰には来てくれなかった。
長いようで短かった偶然も終わったと、私は不意に思った。
あの人は木陰に来なくても、あの子と一緒にいるんだろうな。
そう思うと、何故か悲しくなってしまう。
人を好きになったのなんて、何年ぶりだろう。
「……もっと……話たかったな……」
私は自分の気持ちを上手く伝えることができない。
だから、あの人への想いも、伝えることができない。
ただ待つだけの恋。
きっとずっと待っていても、あの人は同じ場所にいる。
そして後ろを追いかけているあの子が追いつく。
かっこよくて優しい男の人と、明るくて可愛い女の子。
多分二人はお似合いだと思う。
「……シュバルツ……さん……」
不意に口からあの人の名前が零れる。
私はあの人にとって必要なの……?
あの人が見ているのは私……?それともあの子……?
私がアークビショップだから優しくしてくれたの……?
考え出すと負の連鎖は止まらない。
「…………」
私を見て欲しい……。
私に触れて欲しい……。
私を……愛して欲しい……。
あの子じゃなくて……私を……。
「……ダメね……聖職者失格……かな……」
人の恋人を欲しがるなんて、ダメな女ね……。
偶には、お酒でも飲んでみようかな……?
人は悲しいとき何かに縋りたくなる。
それが今回はお酒だっただけ。
そう思って、プロンテラのとある酒場の扉を開いた。
そこに居たのは、私が想う人だった。
「……シュバルツ……さん……?」
「ブラン…?」
何でこんな所に……そう思うしかなかった。
やっと諦めかけた思いは、その人の顔を見た瞬間に再び蘇る。
酒場にはマスターとシュバルツさんと私の他には誰も居ない。
マスターはシュバルツさんと私の顔を見比べていたけれど、そんな事にはもう構っていられなかった。
この想いは、もう止められない……。
「……シュバルツさん……話したいことがあるんです……」
「どうした…?」
私は気合を入れるようにすっと深く息を吸い込む。
そして彼を真っ直ぐ見つめながら口を開いた。
「……私を初めて……狩りに誘ってくれた日の事……覚えていますか……?」
「覚えてるよ。木陰にいつも座ってたから、よく覚えてる」
「……私……嬉しかったんですよ……?……こんな私でも……誘ってもらえて……」
マスターは目を点にして私のことを見ていた。
それが何を意味するのか私にはわからなかったけれど、こんな場所でこんな事を言い出すなんて、気が触れた女だとでも思ったのでしょう。
それでも、私は言葉を紡ぐ。
「……そして毎日貴方たちと狩をして……話をして……気づいたんです……」
彼は話をずっと聞いてくれている。
次の一言を踏み出す、たったそれだけのことなのに、勇気が出ない。
でも、言わずに終わるよりは言って終わりたい。
その方が吹っ切れるから。
また明日から、いつもの私に戻れると思うから。
「……私……私、貴方が好きです……!……貴方にはあの子が居るって……わかっていても……
……それでも、私は貴方に……この想いを、伝えたかったんです……!」
視界が揺らぐ。
いつの間にか泣いてしまっていたみたい。
泣くなんて思ってもいなかったのに、想いを口にした瞬間、涙が止まらなくなった。
彼がどんな表情をしているのかもわからない。
今はただ、彼の言葉が聞きたい……。
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