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【18歳未満進入禁止】みんなで作るRagnarok萌えるエロ小説スレ 十七冊目

[97:栄光の歌は誰が為に(2008/08/22(金) 02:08:36 ID:JYr.rXTw)]
そーっと家の中を見回す…誰もいない。今回はお仕置きされずに済みそう。
と思ったらドアがいきなり開く音。恐る恐る振り返れば呆れた顔の怜。
「…またか」
「墓参り、してきたの」
「知ってる」
「付いてきたの」
「いや…あんたの声が聞こえた」
今の私は何を思えばいいのだろう。怜のこと、カリスのこと。
「ひとりにして、お願い」
くるりと背を向ける。涙は出なかった。
「嫌だね」
短い拒否の言葉が帰ってくる。最初に会ったとき、私の願いを拒否した時と同じ強い断定。
「嫌、わからない。どうして怜は私を助けようとするの?打ち捨てていけばよかったのに。カリスを切り捨てたのは私なのに彼が死んでどうしてこんなに空虚が広がるの?それに」
一旦言葉を切る。空虚が広がる、止まらない。
「カリスを死に追い込んだ私は、生きていていいの?」
ぼやけた記憶からやっと思い出した、私は生きることを諦めていたのではなく、生きていることに疑問を持っていたのだ。
寂しかった。それは事実。ただ、今はそれ以上に罪悪感がある。
「至高の支援を目指したのは、淋しかったから。そうすれば誰かに必要とされる、そう思ったの。酷い女だよ、私は」
沈黙。怜はじっと私を見つめる。そして──
パァン!
頬をはたかれた。
「…あのな。俺があんた──リオを助けたい理由は──俺がリオを愛してるからだよ!!」
呆ける。今ここで、告白!?
「あーもう色々誤解とかしてるらしいから言うけどな、一目惚れだったんだよ!凛として立って支援するリオに!でも、嬉しそうに相方のことを話すから一旦は諦めた!だけど!あの時リオを見付けて、やっとまた会えたと思ったんだ!」
…マジですか。こんな酷い女に、一目惚れ?
ポカンとする私に更に畳みかける。
「さっきの問い、『YES』だ。だから俺はリオを助けようと──っ!」
怜が私を引き寄せて抱き締める。
「ねぇ、本当に、いいの?私、血塗れだよ?酷い女だよ?上手く支援できるかもわからないよ?それでも?」
「血塗れでも、何でもいい。淋しさも空虚も、埋めてやる。リオ…やっと手が届いた…」
一層強く抱きしめられる。
「泣いていい、全部受け止める」
「あ…」
ぼろぼろ涙が零れる。止まらない。
「あのね…転生するとき、ユミルの心臓の前で別れたの。その時からもう亀裂が、出来てたんだと、思う。多分ね、あのまま一緒に居ても辛いだけだった。でも私は卑怯だよ。カリスに、別れを告げさせたの。カリスは最後まで優しかった…っ!置いていったのは私なのに、待っててくれた。カリスは、私が殺したも同じなんだよ…」
ぼろぼろ涙を零しながら怜の胸の中で全部話す。止まらない。怜は私の髪を手で梳きながら黙って聞いてくれている。
「ねぇ、私は酷い女で、薬でぼろぼろな体で、ひとごろしで、傷もある。それに、まだカリスを思い出にできてない。それでも、怜は私を好きでいてくれる?」
「それでも、リオはここにいる。そして俺も。ここにいるリオを愛してる、絶対に死なせない」
怜を見上げる。怜の青の瞳がじっと私を見つめていた。


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