【百合も】生体DOP達に萌えるスレB2F【801も】
[34:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2009/08/06(木) 03:53:48 ID:sM0eP6xw)]
「これは……ダメかも……。」
悪夢が現実になりつつある事にセシル=ディモンは気付いていた。
一瞬たりとも気が抜けない状況。汗が頬を伝い流れる。
「最後まで諦めるな……。希望はまだ、ある……絶対に。」
セシルの右隣にいるセイレン=ウィンザーの声も緊張に満ちている。諦める、という選択肢はないようだった。
たとえ、勝てる可能性が極めて低いとしても。
二人とも手は止めない。たったの1%でも逆転できる可能性があれば諦めるつもりは毛頭ない、といった様子だ。
勝利を諦めるという事は戦士として生きてきた二人にとって死ぬ事と同義であり、また死ぬ事以上に自尊心が許さない行動でもあるのだから。
そんな二人と対峙するのはマーガレッタ=ソリンとエレメス=ガイル。ともに生体研究所で暮らす仲間だった。
マガレもエレメスも勝利を確信した面持ちで……しかし、決して隙は見せない。ほんの僅かな隙であっても勝敗を覆す可能性がある事を知っているのはこの二人とて同じ。
……とはいえ、この場で行われているのは命をかけた戦闘などでは断じてない。麻雀である。
発端はハワードがどこからか牌を仕入れてきたことにはじまる。得意先に貰ったそうだ。
ハワード自身が使い方を知らなかったためまず3Fのメンバーに見せたところ、エレメスが麻雀の道具だと知っていた。
しかし麻雀というゲームだとわかってもエレメスはその遊び方を知らなかったため、次に2Fのメンバーに聞いたところアルマが偶然(?)遊び方を知っていた。
ついでにカヴァクが役の一覧をネットから印刷し配布。
試しに遊んでみたところ、勝負事の好きなセシルやトリスがまずハマった。
ちなみに3Fのメンバーで要領が良かったのはエレメスであり、セシルは負け続けたために火がついたようだった。
2Fではトリスやアルマが勝ち続け、逆にセニアやイレンドが負け続けていた。
それ以降、怒りに任せて戦ってしまえば危険だから、という理由もあり喧嘩の際は麻雀で決着をつけるという事になっている。
……昔、コインの表裏で、という形式を試してみたものの、イカサマかどうかで更に喧嘩になる事案が多く、関係ない二人を入れて麻雀、という形で決着したのだった。
「真剣に麻雀をやっているうちに一時の怒りも治まるという効果もあるし、中々悪くないな。」
というセイレンの一言が決め手で決まったようなものでもあるが。
だが、気に入ってしまったセシルなどは、喧嘩でなくとも麻雀の相手を探していたりした。
最初は弱かったセシルであるが、彼女は元より負けず嫌いである。
カヴァクの元に通い詰め、インターネットで調べさせ、勉強していた。
その相手に良く駆り出されていたのがカヴァクと、誠実で人の頼みを断れないセイレンとセニアの兄弟だった。
もちろん、この二人にもセニアは勉強させた。彼らだけじゃなく、2F3Fの全員に麻雀の打ち方をまとめた資料を配っていた……当然の事であるが、カヴァクが。
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