【18歳未満進入禁止】総合命令スレ20【inハァハァ鯖】
[117:聖堂前のカプラクルセ(1/3)(2012/01/25(水) 22:17:59 ID:Vc0cmdSA)]
大きさの割りに濡れ場が少なめになってしまい恐縮です。
>>109様
「久しぶりだな>>109。あの時は世話になった」
「こちらこそ世話になった。それにしても…」
執務室を見回す>>109。
「かって城下町の人間代表の一人だった人間とは思えんな」
「脅迫でもするつもりか?」
「失礼。聞きしに勝る真面目な仕事ぶりなのでな」
「クルセイダー隊付きになる交換条件として、女性クルセイダーの専属秘書を要求した」
女性の部分を強調するアークビショップ。
「そうか」
無論、単なる秘書じゃないのだろう。そうでなければアレが真面目に仕事をするはずはない。
>>109はそう思いつつ頷いた。
「ここに着てから約13ヶ月。よーやっと人選が決まった…が、その決まった人間が…なぜかカプラに出向しちまったんだよ!」
怒りの形相で机に拳をたたきつけるアークビショップ。
「それが入り口の?」
>>109の問いに、彼は血の涙を流しながら頷いた。
「貴様は…本当に司祭なんだよな?城下町の件を別としても」
「無論だ。ああ、そうだ。依頼に有った『安全な宿』は用意してある…存分にっ…楽しむが…いいっ!」
アークビショップはそう言って彼に鍵を手渡した。
彼がこれから使う『安全な場所』のである。
自前の諜報部を持たぬ教会にとって、アサシンギルドは王家と国家の影響下にない数少ない独立した情報網だ。
一方でアサシンギルドにとっても。定期的な依頼と共に教会という後ろ盾が手にはいるため、いわゆる『Win-Win』の関係にある。
さらに、教会はアサシン達が積極的に仕事を受けるよう仕向けるため、特殊なサービスを用意している。
>>109がアークビショップに手配を依頼しているのもその一環だったのだが…
「カプラ利用チケット…いかなるボスカードよりも稀少な品…それを…っ!一枚お得な回数券で…っ!妬ましい!ああ妬ましい!」
いわゆる利用権は、金で買うことはできない。
「カプラも教会に並ぶ重要なクライアントでな。そっちの対価も含んでいる。悪く思うな。これを転売するとこちらの命どころかギルドの存続すら危なくなるのでな」
たとえ使用資格を持つVIP同士であっても、勝手な売却や譲渡は厳禁なのである。
今回は>>109が教会の慰安サービス相手として出向中の彼女を指名したため、アークビショップがカプラ社に掛け合ってチケットを発行してもらった経緯がある。
カプラとしても実地での『研修』ができるとあって発行依頼はすぐに承認された。
「く…っ!。楽しんでこい!ウチの若手の…カプラ制服着てのサービス…サービスを…っ!」
「言われなくても。ところで」
「ん?」
「お前ほどの人間が、あっさりと人員を横取りされて抗議すらしないのが解せないのだが」
「相手はカプラ社特殊事業部。あそこが同社調査部以上に危険な連中なのは知っているだろう」
真顔に戻り、答えるアークビショップ。
カプラもああ見えて、王室やアサシンギルドに匹敵する実力行使能力を持った組織なのだ。
「今回の提携に関わっていないのか?」
「ああ。残念ながらオレは蚊帳の外だ。本業は魔族相手の大使、あるいはネゴシエーターなんでね」
戦争当事者同士でも、第三国や中立地帯で交渉は行うものだ。
もともとそれは人間相手の話だったのだが、魔族であっても対立一辺倒では不都合が生じるようである。
「畑違い、と言うことか?」
>>109の問いに、彼は静かに頷いた。
「ふむ。ではコレにて失礼するが、自分は個人での依頼も受け付けている。では」
さりげなく宣伝しつつ、>>109は執務室を後にした。
「……俗世間と合弁事業をねぇ」
窓から外を眺めると、テスト用の仮設店舗の前で教官役のグラリスと、彼女の隣で制服に身を包んだカプラクルセの姿が見えた。
「………研修生。笑顔が無いぞ」
仏頂面で帳簿を付けているカプラクルセを、グラリスが失跡する。
「…失礼しました」
「研修開けの新人はみんなそうだが…ここが『古巣』の前だって事を忘れるなよ?」
「…っ!」
彼女の言葉に、奥歯を噛みしめるカプラクルセ。
「貴様の境遇には同情するが、こちらも業務命令としておまえを育てろと言われた以上手心は加えん。それにだ…」
グラリスは一呼吸置いてから言葉を続ける。
「貴様が抜ければ、替わりに誰かが配属されるだろう。余分な不幸が増えるだけだ」
「………」
彼女の言葉に、カプラクルセの肩がビクリと震えた。
特殊事業部に配属された人間を躾る時に多用される定型区である。
研修を通じ仲間意識の強めさせ、一人だけ抜き出して事業部に放り込み、その言葉で縛るのだ。
そして軍隊独特の連帯感も相まって、彼女も見事にその言葉によって縛られた。
効果覿面だな、とグラリスは思った。
「御免」
「はい、いらっしゃいま…」
呼ぶ声にグラリスが笑顔で振り向くと、そこには手を挙げて会釈をする>>109。
指の間に挟んだ、折り畳まれた利用券を見せながら。
「…かしこまりました。生憎と、特殊サービス担当がこの者しかおりませんがよろしいでしょうか?」
グラリスの声が聞こえ、背後に控えていたカプラクルセが顔を青ざめさせる。
「ああ」
小さく頷く>>109。
「かしこまりました。大至急準備をさせます故。時に、お部屋などの準備は?」
「心配無用だ」
そう言って>>109が鍵を見せると、グラリスは笑顔で頷いてから彼女に向き直る。
全てを察したカプラクルセは顔を青ざめさせ、まるでこの世の終わりを見たかのような顔になっていた。
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