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【18歳未満進入禁止】聖職者命令スレ Part12

[197:バルーン殴りプリ(2012/06/01(金) 14:45:28 ID:obXG.cr6)]
>>190
「約束通りの青ジェムを2000個入荷、本当に世話を掛けてしまって…申し訳ありませんでした。」
「足りなくなったらまた連絡宜しくね。 お得意様のお願いは大歓迎だし。」

プロンテラの西通りにて露店を経営している、彼女が消耗品の購入に立ち寄る得意先のひとつ。
得意先の彼女は、連絡を入れると倉庫の在庫を引き出して、笑顔で出迎えてくれて。
顔見知りとは言え、不足してるんじゃないか、と用意をしてくれているその心遣いを嬉しく感じていた。

大量の荷物をカプラ倉庫に預けた後に、適当な世間話をして彼女とは別れる。
抱えた薬剤は彼女の作品。風船帽を目深に被り、彼女は頬が赤く染まるのを隠してみせて――

「相変わらずの華奢な身体だね。彼氏でも作って揉まれた方がいいんじゃない?」
「ええと、その、そう言うのは必要ありませんから、その…ですね。」
「夜のオトモに、ビタタ500とかお勧めなんだよ。試供品代わりに入れておくから宜しく。」

そう言って荷物袋の中に、1本だけ主張する精力剤。
こんな物を貰って、彼女がその利用価値に心当たりがある筈もなく。

「普通の恋愛をするカップルならば、こう言うものも時には必要になるのでしょうか。」
そんな疑問の言葉さえも、よからぬ想像をした結果に上げてしまって。
何気ない行動が、思わぬ失態を生む事に繋がると理解したのは、次の瞬間であった。

「成る程、ハイプリ様はそれを使ってくれる彼氏を募集中と。」
「な、何ですか、その……驚きましたよ、流石に。」

思わず取り落としてしまいそうな薬剤を何とか受け止め、背後の言葉に反応して。
立っている人影、その顔立ちを見て顔を赤くしながらも知ってる顔である事に平静を取り戻していき。

「お久しぶりですね。今では――随分と、立派になられたのですね。」
まだまだ頬が赤いながらも、口元に笑顔を浮かべてごまかすように彼を眺めては問いかける。
彼とは、新薬の成果を確かめるのに、手伝いを要請されたのが出会い。

「相変わらずの、浮いた相手も居ないのな――まあ、らしいけど。」
「そんな相手は必要ありません……それに、貴方に心配される言われもありませんし。」

先程の崩れた調子を引き摺っているのか、恥ずかしげに反論するバルーン殴りプリ。
その様子を眺めながら、どうでもいいように、成る程、とだけ堪える彼。
思わずその態度に「うぐ」と押し黙った彼女に、彼は――触れそうなほど顔を近づけて。

「ところで……この前喰ったのが美味くて、頼めない?」
彼女が余りの唐突さに呆れてしまうのを眺めながら、冗談っぽく彼はそんな事を告げる。
その態度に、今度は本当に大きな溜息を付き、彼の方を眺め。
買い物袋を抱え、腕を掴むと大通りに向かって歩き出す、驚いた彼を連れて。

「自宅に行けばろくな物を置いていないのでしょう?市場が開いてるうちに買いに行かないと。」
「ああ、そうか――確かに乾パン干し肉だけじゃ、何も作れないもんな。」
「どうして、貴方は普段からそう言うものばかりで、済ませているのですか――もう。」

予想通りの言葉に、ジト目のまま、相変わらずの様子に何も言えなくて。
歩調を早めた彼が追い付けば、並んで歩き。

「なんだ、ああ言うだらしない相手が好みなんだ、本当に世話焼きだねえ。」
自分の露店で購入した消耗品を彼に担がせて、市場に食材を買い求める彼女の姿を見かけ。
彼女をからかうネタが増えたと、得意先のジェネリックの楽しげな笑顔。
昼過ぎの市場を歩く二人、風船帽を脇に抱えたその表情は照れているのか赤いままだった。


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