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【18歳未満進入禁止】聖職者命令スレ Part12

[95:バルーン殴りプリ(2012/03/20(火) 17:02:46 ID:ryEn2vKg)]
…………
……

「やっぱり朝風呂はいいよな、アマツの朝は冷え込むから身体を温めるのに便利だし。」
「確かに、身体は温まりましたけど…流石に、湯あたりしてしまいます。」

風呂に入る時間が長かったせいか、朝食を配膳する時間を過ぎてしまった二人は茶屋で遅めの朝食を食べていた。
バルーン殴りプリの顔は未だに紅いままなのは、長湯にのぼせた結果だけではないのは当然で。
朝の起き抜けに、風呂での休憩中に、求められた彼女の腰はまだ歩くのも何処か力が入らない状態だった。

「王国なんかで喰ってるパスタとは違った感じの麺類だな、味は悪くないが。」
そんな事を言いながら不思議そうに丼の水面をを見つめる彼が、腕利きの暗殺者だと誰が思うだろうか。
アマツの着物を着込んだ姿は痩せ身でほっそりとした感じのするが、実際には見た目以上に筋肉質でがっしりとしていて。
そんな事を思い出せば、先程の情事を思い出して、赤くなってしまうバルーン殴りプリが居て。

「のぼせている以上に、顔が赤くなってないか?」
「そんな事は…ありませんよ、少し…此処のお酒に酔っただけです。」

どうぞ、と運ばれてくる前に差し入れられた猪口に入ったお酒を舐めるように傾け、言葉を返す。
此処に来てから、本当に気持ちが緩んでしまっているのだろうか、と恥ずかしそうに視線を逸らしたまま応えて。
それでも見つめてくる彼の視線に、どうしようか、と困ったような表情になってしまう。

「まあ、その…っ、ですね――」 何を話せばいいのか、思い悩んでいれば――

『ふえええ……っ、お姉ちゃん…〜〜っ』
半ばパニック状態で、殿様の母親が住んでいる屋敷から逃げ出してくるアコライトが見えた。
黒いリボンを付けたその少女の方に驚いて、二人の視線が其方に向く。
再び視線を戻してみれば、顔を近くまで寄せていた彼の顔があって、思わず手で押し返し。

「何をしてるんですか、どさくさに紛れて……もう。」
「いや何となくね。 それよりも、あの子は君の知り合いかなにかな訳か?」
「ええ、ワカ…若葉さんですね、アマツに来てたみたいで。」

先程までの雰囲気が壊れて少し残念そうな表情の彼に、何処か苦笑しながら彼女は答える。
あの屋敷のお婆さんが、また取り憑かれていた事とか、世間話を交えて。
食べ終わった器をテーブルの上に置けば、てきぱきと出発する用意を調え始める二人。

「実は3Fの奴等のクエストを取ってきてたんだよな。 観光と腹ごなしを兼ねてひと狩り行くんだがどうかな?」
「奇遇ですね。 私も取ってきてました。 でも聖水の在庫が少し乏しいかもしれません。」
「それは大変だな。 神社前の池まで行こうか、ヒドラと河童が少々邪魔なんだが別に構わないだろう?」

普段の衣装に着替え、武器の確認をする二人。 旅先の観光客から冒険者の表情に戻る。
街中で情報収集を始めた若葉アコライトと合流して、その後はアマツDの観光に付き合うのだろう。

「―――ああ、そうだ、自腹で今晩も旅館を取ったので、終わったら一緒に汗を流そうな。」
「えっ、それってどう言う……あの、待ってください、もう…――」

結局の所、彼と一緒にアマツから戻ったのは次の日の朝になるのは言うまでもなく。
予定が狂って2泊3日となった二人のアマツ旅行は何だかんだで彼女にはいい休暇になったのだった。


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